カテゴリ「森びと奮闘記」の12件の記事

2010年10月28日 (木)

森に感謝する心が育む商品づくり

 「くらしと環境のデザイン展」が明日から11月3日(水・祝)まで東京・明治神宮外苑絵画館前で開かれます。この展に第4期インストラクターの関根紀明さんの作品が出品されます。関根さんは埼玉県本庄市で桐材店を経営していますが、商品製作過程で出る廃材を炭化して石けんを作り、桐とコナラ間伐材を組み合わせて椅子を作りました。この2点が明日から展示されます。

 関根さんはインストラクター研修で学んだ炭の効用を商品づくりに活かしました。桐炭には高い消臭効果と汚れの吸着力があり、このパワーを石けん素地に練り込み、さらに界面活性剤を用いないで肌に優しい石けんにした、と関根さんは話していました。椅子の座面には桐が使用されているので他の板よりも座りごごちがよさそうです。椅子も石けんも使ってみると木の恵みが身体に伝わって、自然環境に感謝する心が育まれるようです。

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2010年8月30日 (月)

現場に立って森の掟をつかみ取る

P8291509  森の中には寛容という風が吹いていますが、それは厳しい森の掟に支えられているようです。私たちの先達はこの掟を破らず、この寛容に感謝して森と相利共生していたようです。こんなことを学んだ「森びと実践ゼミナール」が28日~29日に開催されました。

 森びとインストラクター修了生を対象にした実践ゼミは、当委員会アドバイザー・竹内巧さんの紹介の新潟県上越市大島区田麦にある「ぶなの森園」で開講しました。ゼミには15名の森びとが受講、ゼミの初日は「植生調査と生物多様性」をテーマにした講義と質疑・討論の座学、2日目は「ぶなの森園」での植生調査の森内実習が行われました。講師は、国際生態学センター研究員・矢ヶ崎朋樹博士(環境学)、講義内容は矢ヶ崎研究員の実践を基(ラオスでの植生調査、福井県等での植生調査)にした植生調査の核心点でした。

 P8291515 森内実習は朝6時30分に「ぶなの森園」に入り、多雪地域の民族植物学的調査を基にした植生調査を11時まで行ってきました。実習では、森を調査していくには森への人間のかかわりの歴史を抜きにできない、という調査の核心点を学ぶことができました。

帰路の電車の中でゼミを振り返って感じたことは、自然(森)には寛容という風が吹いており、それは厳しい森の掟に支えられているということでした。帰宅して教材に使った宮脇昭著『4千万本の樹を植えた男が残した言葉』を読み返して思ったことは、私たちの命の根源は人間と自然(森)の相利共生環境が整っているか否かにかかっている。片方だけの利益、すり寄って一方だけの利益を得るという関係では生態系は低下してしまう。私たちが幸せを実感できる最低の環境は自然(森)と人間双方の利益に結びつく関係を築き上げる努力が私たちの掟だ、ということでした。大山温泉「あさひ荘」の皆さん御世話になりました。

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2010年4月13日 (火)

森びとの心は伝わるよ

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今月は各地で地球アースデーが計画されている様ですが、群馬県でも4月11日、『アースデーin桐生2010」が開催されました。実行委員会の方からお呼びがかかりましたので森びと群馬ファンクラブとして初めて参加してきました。

私たちは2月21日、桐生市の林照寺のご協力でモンゴリナラが生きている森に炭を撒いて、モンゴリナラを元気にさせようとしています。その心をアースデーに参加した皆さんに伝えようと思い、元気のなさそうなシダレザクラ4本に炭まきを体験してもらうことにしました。参加者1回につき5人ずつ計15名を予定していましたが、希望者が押し寄せて終わってみれば52名の参加者がありました。自然環境に寄せる関心の深さに私たちとしては驚きました。

参加者の皆さんからは、「なぜ土が酸性になってしまうんですか」、「炭を撒くとどんな効果があるんですか」、「石灰ではだめなんですか」などの質問を受け、私たちは「炭には無数の穴が開いていてそれが微生物の住処となって木に必要な養分を作るんです」と金子代表が答えてくれました。参加者は、「庭の植木に蒔きたい、家庭菜園に蒔きたい」などと7名の方が粉炭を持って帰りました。

 初めてのイベントでしたがこんなにも多くの方と触れ合うことができ、アースデーに誘ってくれた皆さんに感謝します。(金子代表発)

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2010年3月21日 (日)

丹沢のブナ林を元気にしよう!と、調査始まる

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日本の森を元気にしようと森びと神奈川県ファンクラブ一行は丹沢に登り、ブナの森を調査しました。丹沢の森は以前から衰弱しているという調査結果が発表されていました。原因は鹿、虫そして汚染物質など言われていました。

「日本の森を守る緊急提言」を提出しその実現を目指している私たちは“平成の花咲びと”となって衰退している森に炭を撒いています。その事前調査として神奈川県ファンクラブと川崎在住の千葉理事は、まず、森に入る前に事務局は財団法人神奈川県公園協会西丹沢自然教室の自然解説員から現地の様子を伺いました。担当者は「登山口から400m歩き、さらに5~10分はきついが、その後が自転車が走るほど緩やかな道に。ゴーら沢出合から20分のところにブナ枯れがある。尾根もやせており、結構きつい。そこは自然林でほとんどが県有林。」「5月の土休日はツツジの時期で朝の7時には駐車場がいっぱいになってしまう。オートキャンプ場には車が停められる。ダム広場に車を待機させる手もある。」というアドバイスをしてくれました。

 2010_0319_100237dscf7030 一行3名は展望園地手前の1060m地点で昼食し、この周辺のブナ枯れ、ブナの衰退状況を調べました。調査の中、ミツマタのきれいな花に春を感じ、登山の疲れを軽減させてくれました。少々疲れましたが、やはり現場に立ってブナの樹皮、枝そして土などを見ないと衰退状況が身体に染み込まないということがはっきりしました。報告書だけでは分かったつもりになりますが、現場に立って見ると森(ブナ等)が悲鳴をあげていることが身体に伝わってきました。

  課題は、もっと悲鳴をあげている尾根のブナ枯れを調査しなければならないこと、また、炭撒きの時期やボランティア(登山道と長時間歩行)の皆さんの絞り込みをしなければないということでした。一行は調査結果をまとめて衆議院議員・山崎誠先生に報告し、神奈川県の“平成の花咲びと”による炭撒きを具体化します。(小林事務局員発)

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2010年2月22日 (月)

平成の花咲びと達がモンゴリナラに炭撒き

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今年一番の暖かさを感じた昨日(21日)、群馬県桐生市の林照寺の森に清々しい声が響きました。「炭は重いなあー」、「この木の周りを掘ってください」、「ここにも炭を撒こうか」など、約200名の平成の花咲びとはモンゴリナラを探し、その周囲をスコップで溝を掘り、そこに炭を撒きました。

平成の花咲びとは「日本の森を元気にする仲間たちin群馬県」(日本熊森協会群馬県支部、森林の会、森びと群馬県ファンクラブ)が呼びかけモンゴリナラの森を元気にする炭まきに応えてくれました。平成の花咲びとは最初に紙芝居でモンゴリナラの知識を得て、この木が悲鳴を上げている原因は酸性土壌になってしまったことを学びました(木は根、根は土です)。その後は炭まきの実習を受け、昼食を食べながら炭まきによって森が元気になってほしいと期待を膨らませました。

P2210088 1トンを超す炭の提供に感謝しつつ、平成の花咲びとは片手に炭袋を下げ、もう片手にはスコップを持って林照寺の森に入りました。森林組合の皆さん、造園業の皆さん等のアドバイスを受けながら、平成の花咲びとはきもちのいい汗を流しました。1人約3~4本の木に炭を撒くことができました。

午後3時過ぎからは平成の花咲びとたちの感想を共有しあい、この運動を日本の各地へ拡げていこうと誓い合いました。その後は平成の花咲びとの「感謝の集い」(希望者)が「九区集会所」で開かれました。交流会ではJREU前橋支部の女性事務員の方が作ってくれた美味しいおでんを頂きながら、桐生市の歴史に耳を傾けたり、神奈川県での炭撒き計画を応援していこう等、この運動への期待と親交を深めあいました。

P2210056 <炭を提供してくれた皆さん>・・南牧カーボンマテリアル、国際ロータリークラブ桐生西、南牧森林組合、群馬県炭協会東毛支部、(独法)水資源機構草木ダム管理所、関東燃料、須藤金次郎、林照寺(敬称略)

「日本の森を元気にする炭撒き」にご協力くださってありがとうございました。

2010年1月21日 (木)

神奈川県に拡めよういのちの森づくり

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 いよいよ“山と心に木を植える”森づくりが始動します。24日は、「2010年森びらき」が東京都港区で開かれます。この集いには全国の正会員、インストラクター130名が出席し、いのちの森づくりを始めて5周年の森づくりに抱負を語り合います。集いでは、5周年を記念して宮脇昭最高顧問から講演を受けます。
 昨日は、森びと神奈川県ファンクラブの皆さんが「森びき」を開催しました。16時から始まった集いでは、ビデオ上映と今年の県内森づくり活動を14名の会員が学習・討論してきました。19時からは懇親会が始まり、この場には新川眞さん(NPO法人国際ふるさとの森づくり協会事務局長)、当委員会からは千葉美佐子理事、高橋佳夫副理事長が出席しました。
 懇親会でも県内でつくりだす森づくりへ向けた抱負を語り合い、日本の森を元気にしていく森づくりを県民へ拡げていこうと、森びとファンの情熱が伝わってきました。(小林事務局員発)

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2009年11月 1日 (日)

子どもたちの未来へ、できることをやり抜く!

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 経済産業省の発表によると2008年度二酸化炭素排出量は、90年度比7.4%増でした。「100年に一度の経済低迷であっても、削減目標の達成は以前厳しいことが明らかになった」、と報道(毎日新聞・10/31付)されていました。
 この報道記事を読みながら、昨日の朝は川崎市立橘保育園に向かいました。昨日は、この保育園に通っている園児とお母さんたちの第2回学習会でした。学習は「ドングリのポット苗をつくり」、大きくなったら植えましょう、というものです。Pa312759
 9時30分に集まった園児とお母さんたちは40名、最初に、“ドングリころころ”をみんなで歌って踊りました。その後は、ドングリの話を聞いて苗づくりをしました。11時頃には、一人2ポットに4つのドングリを蒔き終わり、園児とお母さんたちは小さなドングリにいのちを吹き込みました。全員、このポットを家に持ち帰り、お母さんと一緒に3年間育てます。
 この企画は、第4期・倉垣インストラクターが園の学習会メンバーと橘園に提案し、実現しました。この企画を手伝ってくれたのは同期の橋倉インストラクターでした。インストラクターのみなさん、小さな心に木を植えていただきありがとうございました。
 来春、最年長の園児がピッカピッカの小学1年生になる頃にはドングリは可愛い芽をだすことでしょう。

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2009年10月27日 (火)

友だち(ドングリ)と仲良くする心を植える

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 20日に秋を探した児童87名は、大切な友だち(ドングリ)と3年間仲良くする授業を受けました。その授業は24日の朝、8時45分から始まりましたが、児童たちは森で秋を探したような元気が感じられませんでした。その訳は、今日の授業は父兄参観でしたので、お母さんたちを気にしていたのかもしれません。
 最初は、「ドングリ先生」が20日の復習を行い、その後は大切な友だち(ドングリ)と3年間仲良くするためのアドバイスがありました。「秋はおいしい、秋はきれい。おいしい物やきれいな葉は校長先生も、お母さんも、総理大臣も作れません。木だけが作れます。だから木は友だち、友だちとは仲良くする。友だちのドングリは動けません、小さなポットに入って根を出して冬を越します。春になると芽が出ます。この小さなドングリが大きな木になって、おいしい物やきれいな葉を作ってくれます。冬は寒くならないように毛布(マルチング=落ち葉)をかけてやってください。3年生になるまでこの友だちと仲良くしてください」、とドングリ先生から話がありました。Pa242712
 その後は、父兄の皆さんも混じって、森びとインストラクターのアドバイスで小さなドングリにいのちを吹き込みました。一人2つのドングリをポットに蒔き、トレイに入れてプラタナスの下に並べました。あっという間に授業は終わり、父兄も入ってグループ毎に記念写真を撮りました。最後に、授業を企画したNPO法人幸まちづくり研究会と第61回全国植樹祭神奈川県実行委員会から記念品が児童に贈られ、今年の授業は修了しました。次回は、来年の春に芽が出る頃に開かれる予定です。
 スタッフの皆さん、森びとインストラクターの皆さん、1年生の心に木を植えて頂きありがとうございました。

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2009年10月21日 (水)

児童87名が森で“秋”を探す

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 来年の植樹祭は神奈川県内で行われます。県はその準備に着手していますが、その一つとして県は「森林・緑に対する国民的理解を深める」目的を達成するために、県内の子どもたちやイベント参加者に木や森に親しむ機会を提供しています。
 NPO法人幸まちづくり研究会はその機会を企画し、第61回全国植樹祭神奈川県実行委員会とともに「ドングリ育てたい いのち(水源)の森づくり」を実施しています。その初日が昨日でした。 当委員会はこの森づくりのお手伝いをしていくことを理事会で決定し、9月から準備をしてきました。昨日はその第1日目が行われ、児童たちは森びとインストラクター9名と共に“秋を探す”授業に参加しました。
 Pa202675 授業は、グループ毎に森に入り、自分の秋を見つけてそれを袋に詰め、拾い集めた秋を画用紙に表現しました。その後は、目に見えない土壌動物をルーペで発見し、この動物が木の栄養を作っていることを実感しました。児童たちは探し当てた秋を「探検袋」に大切にしまいこみ、お母さんが作ってくれたお弁当を食べ、その後は大きな声を出して遊びました。
 森びとインストラクターは朝9時から14時の間、怪我や事故もなく児童たちから多くの事を学び取りました。古川小学校教諭の皆さん、インストラクターの皆さんお疲れ様でした。24日は、父兄と児童と共に拾ったドングリをポットに播きます。

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2009年10月19日 (月)

本物の森を守り抜くために、課題は何か

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 昨日は第3回目の「森びと塾」(東京事務所)が開催されました。天気は曇りでしたが、ブナの葉が黄金色に輝いている新潟県南魚沼郡湯沢町の天然ブナ林を散策し、40年以上も国有林を守ってきた関根依智朗さんの講演を拝聴しました。
 塾の前半は、苗場山国有林三俣21林班・ブナ天然林更新試験場を関根さんのガイドで散策し、天然林の林相、木々の香り、落ち葉の臭いそして貯水力の凄さを体験しました。後半は、湯沢町の公民館で関根さんの講演を拝聴し、質疑・討論をしてきました。
 関根さんからは、樹木の役割りと国有林の問題とその原因、そして日本の森林をこのまま放置しておくと大変なことになってしまう私たちの課題が話されました。特に、「森は何百年も何千年も生きつづけていくが、この森を見守る人の育成が大事だ。森林が大事なことは誰も知っているが、しかし、それがどうしてなのか、ということを知らない日本人。その意味でこのような塾で森を学んでいることは凄い。山で働く者を確保してほしい。山はダムなのだ、ということをピーアールしてほしい」、という事等が話されました。
 関根さん、そして休日のところボランティアでバスの運転をしてくれましたJRバス関東の遠山さんありがとうございました。

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