2026年8月10日 (月)

雷様(らいさま)が涼しさを運んできた!

 8月9日(日)、テレビのニュースでは、旧盆の長期休暇で”民族大移動”が、始まったと報じていました。足尾は「新盆」なので7月がお盆月です。しかし都会に出ている人々が、大勢戻ってきます。13日には「納涼祭」と銘打って盆踊りがにぎやかに開催されます。 今日は「みちくさ」への来訪者を期待し、長く伸びた草刈りを午前中に行いました。

Dscn9830 そして今日は、次世代を担うサポーターの「夏季ゼミ」が行われ、暑い中草刈りの実習で汗を流していました。「心の園」の木々達も日差しを浴びて喜んでいるようでした。

Dscn9834

Dscn9835

Dscn9832_2  しかし、来訪者は午後になっても来ませんでした。そんな中、足尾ジャンダルム方面に怪しげな雲が出てきました。雷様(栃木県では畏敬の念で、らいさまと呼んでいます)が来そうな天気になってきました。

Dscn9837 そのうち雷鳴が轟き、雨が降ってきました。中倉山の頂上もガスがかかって見えなくなって来ました。

Dscn9839 私の子供の頃は、雷に打たれ亡くなる人もいましたが、クーラーもない時代、雷雨の後の涼しさは大歓迎したものです。そんなことを思い出して寒暖計を見ていたら、31度の気温が25度まで下がり、驚きました。まさに自然の力を改めて感じる瞬間でした。

Dscn9840 森の散策から戻ったゼミ参加者と合流し、作業小屋でまとめの話し合いを始めたら、強烈な雨が降ってきました。温暖化による異常気象で線状降水帯が多発し、災害が発生しています。子供心に喜んだ「雷雨の後の涼しさ」を素直に喜べません。

Dscn9843 雨の後の雲をまとった山々に別れを告げました。

今日の舎人は、加賀春吾と橋倉喜一(報告も)でした。

2026年8月 9日 (日)

森と人、人と人がつながる一日 

午前中は、森びと広場の北側にある「こころの園」エリアの草刈りを行い、午後はサポーター育成ゼミの受講生と「民集の杜西」に入り、森の散歩を行いました。
「こころの園」の草刈りでは、まず、刈払機を使う人と、手鎌で木々の周りを丁寧に刈る人に分かれ、木と人の安全を第一に作業を進めました。

Photo

Photo_2

Photo_3

Photo_4
木々や草花の成長を妨げているススキ、ヨモギ、ヤブガラシ(つる)などの植物を、一本一本確認しながら刈り取りました。上段の草刈りをしていると、紫色の小さな花が密集し、穂のように咲いている植物が目に入りました。近づいてみると、何とも甘い香りがします。そこで、いったん刈払機のエンジンを止め、葉や花の香りを確かめてみました。「これは残そう」と、その花の群生は刈らずに残すことにしました。昼近くになり、斜面の一部を残して午前の作業を終えました。作業小屋に戻り温度計を見ると、気温は32度、暑さの中での作業でした。

Photo_5

Photo_6
昼食後は、サポーター育成ゼミの受講生と一緒に「民集の杜西」へ入りました。
私たちが行っている「森の散歩」は、森の中で立ち止まり、木々や生きものの姿を見ながら、感じたことや気づいたことをみんなで考え、森との対話を深めることを目的としています。そのためにも、途中で立ち止まって考える「ポイント」をつくることが大切です。

Photo_7

Photo_8
森に入ると、ちょうど雨が降り始めました。木の葉に雨が当たる音、風に揺れる葉のざわめき、セミや鳥の声、そして川のせせらぎ。森を歩くと、私たちが植えたサクラ、モミジ、コナラなどの苗木が大きく成長している姿が目に入ります。そして今では、それらの木々が自ら種を落とし、そこから新しい実生の幼木も育ち始めています。

Photo_9

残念ながら、今回「ミヤマクワガタ」を見つけることはできませんでした。しかし、森の中で木々の生命力や自然の奥深さを感じることができました。そして、自然の「痛み」や変化を単なる出来事として見るのではなく、自分自身のこととして感じ、考えることの大切さについても話し合いました。

Photo_10

短い時間でしたが、森の中に身を置くことで、森と人、人と人とのつながりを改めて感じることができました。森には、心をほぐし、仲間との会話を生み、明日を生きる活力を与えてくれる力があるように感じました。

その後、雷雨がひどくなりそうな気配がしたため、急いで作業小屋へ戻りました。私たちが小屋に入った途端、大粒の雨が降り始め、トタン屋根を激しく打ち付けました。

Photo_11 最後に、受講生の皆さんから感想を聞きました。「見る、触れる、香りを嗅ぐ、音を聴く、味わうという五感で森を感じることも大切。でも、森の中で優しい日差しを感じながら、森のことだけでなく、いろいろな話ができたことが良かった」「作業小屋で話すのとは違って、自然の中にいるとリラックスできた」「森の空気感がとても気持ち良かった。新緑の季節なら、もっと素晴らしいだろうと思った」「打ち合わせも自然の中に身を置いて行えば、もっと自然に言葉が出てくるのではないか」と。

Photo_12

私たちは森を歩き、森の中で木々の声に耳を澄ませ、森に何かを「囁かれた」ような時間だったのかもしれません。そんな森の力を、受講生の皆さんと一緒に感じた一日でした。若い「森の散策サポーター」が足尾・松木郷の森でお待ちしています。

本日の参加者は、鈴木 力、田口順一、永島 守、矢野雅之、加賀春吾、坂口真理、橋倉喜一、清水 卓、そして筆者・報告は大野昭彦でした。

2026年8月 8日 (土)

お盆休みがスタート!夏の松木郷が待ってるよ!!

 令和8年8月8日(土)、8が三つで世間ではミツバチの日などと呼ばれているようです。さて、今日のみちくさ前の温度計は9時前にすでに30℃を超え、最高気温は34℃でした。

Img_9480 訪問者を迎える準備を済ませ、仁平村長と旗と看板を掲げて準備万端。しかし、みちくさ前を通る人はいません。やはりお盆は帰省なのかと思いつつ、DVDを視聴できる準備を整え訪問者待ち!

Img_9477 やがてゴロゴロという嫌な音が聞こえはじめ、雲行きも怪しくなってきました。

Img_9495_2 11時50分、今日初めての通過者あり。ハイキングの若者です。帰りに寄ってくださいと声をかけ見送りました。しかし、わずか10分後先ほどの若者が忙しく下っていきました。やはりカミナリは怖いですね。ということで、本日の来訪者はありませんでした。

 8月となり松木郷の森も緑が濃くなってきました。

Img_9481

Img_9486

Img_9479 かわいらしい花たちも待っています。

Img_9491

Img_9490

Img_9488 是非、気軽にお立ち寄りください。

 今日の舎人は武田、永島(筆者)でした。 

2026年8月 2日 (日)

楽しかった!「孤高のブナ」保護登山、高校生が社会貢献体験

 8月1日(土)、栃木県立大田原高等学校山岳部の皆さんが足尾・中倉山の「孤高のブナ」保護活動に参加してくれました。

 6月上旬に山岳部顧問の高梨先生から、当会が取り組む中倉山のブナ保護活動に協力したいと連絡をいただき準備を進めてきました。高校山岳部の山行に同行するサポーターの方から「孤高のブナ周辺の土壌が流出しており保全が必要な状況である」と言う事を聞き、登山活動と保全活動の双方を実施したいと計画されました。

 大田原高等学校は、登山における安全確保に加え、周囲への安全啓発や地域貢献にも取り組まれています。

Dsc04066

 当日は山岳部と関係者13名(1年生6名、引率者2名、登山アドバイザー・OB等5名)が参加。森びとスタッフは50代~70代であり、10代の若者に対応するには体力の問題もあり、草のタネの入った植生袋と黒土(1袋3㍑・1.4㎏)のセットを配る「地上班」、高校生と一緒に登る「同行班」、先に登りブナの根の周りの崩壊状況と植生袋を張り付ける場所の確認をする「山頂班」の3班に分け受け入れ態勢をつくりました。

 同行班にはスタッフの山内さんと小柴さん。そして、小柴さんが職場の若い後輩・池田さんに声をかけてくれました。

 朝7時に「足尾に緑を育てる会」様にお借りした久蔵川南側の「臨時駐車場」に集合し、打ち合わせと準備を行いました。

Dsc03767

 山頂班は登山口を7時50分に出発。天候は終日曇り空で気温も23℃から24℃と猛暑にならず登山日和になりました。10時に「孤高のブナ」に到着しました。

Dsc03784

Dsc03823

Dsc03836

Dsc03870

 まず、「希望のブナ」の生長確認を行いました。4月29日の「恩送り」の時は樹高145㎝でしたが、180cmに生長していました。鹿の食害にも合わずスクスクと育ち安心しました。

Dsc03840

Dsc03842

Img_6914

Img_6926

 親の「孤高のブナ」は風の強さの影響で葉の水分が奪われ葉先が茶色くなっていましたが、ブナの実を沢山つけていました。11月3日に開催する「恩送り」が楽しみになりました。

 

Dsc03935

 明治以降の経済発展を支えた足尾銅山ですが、製錬過程で発生した亜硫酸ガスによって山々の木々が枯れ、山火事も発生し森が失われてしまいました。松木川沿いの中倉山の尾根に唯一生き残ったブナは、公害と廃村となった松木村の歴史を語り継ぎ、現在の地球温暖化に警鐘を鳴らし未来への希望を伝える「無言の語り木」として多くの登山者に見守られています。

Img_7013

Dsc04008

 11時50分に山岳部の皆さんが到着しました。荷揚げしてくれた植生袋・黒土のセット(22袋)を出していただき、済賀スタッフと山内スタッフが植生袋づくりを実演。

 

Img_7023

 生徒同士が声を掛け合い、2人一組となって植生袋に黒土を入れ、順番に崩壊地に張り付けていきました。岩と砂の斜面のため、植生袋を固定するU字のペグが石に当たり刺さらず、刺さる場所を探しながら張り付けていきました。

Dsc03962

Dsc03965

Dsc03964

Dsc03969

Dsc03979

Dsc03984

Dsc03982

Dsc03986

Dsc03988

Img_7032

 張り付け終了後、山岳部顧問の高梨先生からあいさつをいただき、生徒から感想をいただきました。 先生から『山岳部は単に山に登るだけでなく色々なことで貢献できると思い「孤高のブナ」の保護活動に取り組みました。26~27年前に見た足尾の山々は何もない状態でした。緑化活動にも参加した経験があり、現在は緑が多くなってきています。ここは(松木川源流の山の斜面)まだまだですが、緑が育ってうれしいです。荒廃してしまった山に緑が増え、「国宝」として、「未来の宝」として見ることが出来れば良いなと思います。生徒たちに良い経験をさせていただきありがとうございました。』と未来を生きる生徒の皆さんへのメッセージを伝えていただきました。

59

Dsc03999

Dsc03914

Dsc03941

Dsc03890

Img_7028

 終了後、中倉山の山頂に向かい昼食休憩。13時20分に下山開始しました。高校生は元気です。足取りも軽く下山していきましたが、OBの皆さんはマイペースで下山。怪我人もなく、登山口で合流し「臨時駐車場」に向かいました。

Dsc04027

Dsc04018

Dsc04032

Dsc04033

Dsc04040

Dsc04059

Dsc04060

Dsc04064

Dsc04065

 「臨時駐車場」で今日の活動の集約を行いました。

Dsc04069

Dsc04072

Dsc04076

 生徒の皆さんから「登りはつらいところがあったのですが、山頂で“孤高のブナ”に土をあげて、社会貢献出来てよかった!」「今まで経験したことないぐらいつらかったけど、最終的には気持ちよく終われてよかったです!」「今日の登山で校外の先生(登山アドバイザーや森びとスタッフ)と色々学べてよかったです。」「11月3日のブナ保護に参加します!」

 そして、全員から「楽しかったです!ありがとうございました!」と感謝とねぎらいの言葉をいただきました。

 

Dsc04075

 私たちが生存する地球の環境は、地球温暖化から気候危機へと変化し、世界各地に山火事や豪雨災害、干ばつを発生させ、戦争が追い打ちをかけています。生存が危ぶまれる現在、自らが出来ること考え、未来に向けて実行に移す高校生の姿に感動しました。

Dsc03961_2

 そして、登山と「孤高のブナ」保護活動を通じて、協働の大切さ、自然環境と人間(生物)の命を大切にする心を育む高梨先生、小磯先生、大田原高等学校関係者の皆さんに感謝を申し上げます。

 11月3日(文化の日)は「足尾・中倉山のブナを元気にする恩送り」を開催します。秋の装いに変化する足尾の山々と「孤高のブナ」「希望のブナ」に会いに来てください。お待ちしています。

Dsc04078

 本日のスタッフは、「地上班」大野さん、橋倉さん、加賀さん、「同行班」山内さん、小柴さん、池田さん、「山頂班」済賀さん、矢口さん、橋本義さん、筆者・清水でした。

(報告者 清水 卓)

2026年7月31日 (金)

災害が多発する時代に、人命や生活再建に役立つ実践的な知識や制度が十分に周知されていない

    私は7月17日~18日に群馬県と栃木県を襲った短時間・局地的大雨災害のボランティアに入りました。活動場所は栃木県足利市で、翌19日~計5日間入りました。エアコンの復旧チームで作業しましたが、猛暑のためエアコンの復旧は死活問題です。水害の場合、室外機が水没して作動しなくなることがあります。業者に相談すると多くの場合「買い替え」を勧められます。しかし、室外機は内部基板をはずして洗浄し乾燥させると8割以上の確率で復旧します。この間私たちのチームは、足利で50台以上復旧させてきました。各地の水害現場で実証済ですが、まったく周知されていません。気温38度の室内で高齢者が扇風機の前でジッと耐えていました。

1785454102285    熊本地震では、今後損壊した屋根のブルーシート張りが求められると思います。内閣府の「住宅応急修理制度」()https://www.bousai.go.jp/oyakudachi/pdf/kyuujo_c7.pdf)があり、応急材料費等53900円まで支給されます。

1785465165862    これも周知されていないため、被災者自ら梱包作業等に使う安価なPPロープ、土嚢袋、薄い2000番ブルーシートを使ってしまい、すぐに劣化するケースが少なくありません。ロープは農業用ハウスに使うマイカ線、ブルーシートは厚い4000番、固定は土嚢ではなく、防水テープ(幅広エースクロス)で一辺ベタ貼りすると耐久性がまったく違い、2万円以内で収まります。これだけ災害が多発しているにもかかわらず、このような実用的な知識が周知されていないことを痛感しています。

(報告:スタッフ・山内健人)

森びと検索

最近のトラックバック