2025年7月10日 (木)

忘れてはならない「怒り、悲しみ、希望」がある

 7月10日(木)、足尾「松木郷」の9時の気温は25℃、天気は晴れていました。

 今日は、経験と苦難を乗り越えてきた森の番人:鎌田さんより「お盆前に草刈りをするものだ」との叱咤激励を受けて、旧松木村に残る祠と墓石周りの草刈りを行いました。

 忘れてはならないことは、旧松木村の村民の怒りや悲しみに想いを寄せること。多くの方の支えなしに20年の森づくりは継続していないことの重みに改めて気づかされ、お盆を前に松木村民のご先祖様を迎える準備を行いました。

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 清水さんが責任者で、その想いを心に込めて、お墓と祠の回りの草刈りを行うために刈払い機や鎌、燃料の準備をしました。

 旧松木村の「下のお墓」と祠は、鎌田さん・福原さん・橋倉さん。そして、ウメコバ沢方面に行く途中にある「上のお墓」は、清水さんと大野の二か所に分かれて、墓石や祠の回りの枯れ枝や岩などを取り除き作業を行いました。

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 それが終わると、5人全員が手分けして森びと看板の回りや通路、そして「民集の杜西」の通路やハリギリの記念樹があるところなど背丈ほどあるススキやセイタカアワダチソウなどを刈払い機で刈りました。

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 昼食後は髙橋さんも加わり、「りんねの森」の草刈りを行いました。そこに林子さんも参加してくれました。

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 「りんねの森」は、3年前に植えた幼木の回りの草をノコギリ鎌で手刈りして、間隔が広いところは鎌田さんのワイヤー式の刈払い機が大活躍しました。赤土エリアの草刈りがほぼ終わるころにゴロゴロと雷が鳴り始め、雨も落ちてきたので作業小屋に戻りました。

 小屋で話し合っていると大粒も雨がトタン屋根を打ち、大きな雨音で話声がかき消されました。小雨になってきたのを見計らって帰宅することにしました。

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 20年前から森づくりに参加して、初めての出来事に遭遇しました。数年前から、足尾にオオムラサキを飛ばしたいと思ってエノキを植えたりしてきました。そのオオムラサキが、作業小屋に迷い込んでいました。

 初めてホンモノを見て、品格と重量感がある蝶を見て、驚くと同時に、「森は友だち!」命のつながりの大切さを感じさせてくれたオオムラサキ一号に感謝です。大空に放しましたが、必ずや「松木郷の森」に松木村民の心を宿す「オオムラサキ」を蘇らせようと心に誓う記念すべき2025年7月10日になりました。

今日の森作業は、鎌田、橋倉、髙橋、福原、清水と大野でした。

<報告者:大野昭彦>

2025年7月 7日 (月)

足尾「松木郷」のお盆を迎える準備に汗を流しました。

 7月6日(日)、「松木郷」の天気は晴れ。「遊働楽舎(愛称“みちくさ”)」に到着した9時の気温は28℃でしたが、10時には33.5℃に上昇しました。室内の清掃、湯沸かし、冷水の準備などオープン準備をし、打合せを行いました。足尾のお盆は7月13日(迎え)~16日(送り)になるので、午前中は「松木郷」入り口にある「下の墓」周りの草刈りと墓石の清掃をすることにしました。

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 熱中症予防のため飲み水を多めに準備して向かいました。小柴さんが刈払い機で草を刈り、小黒さん、清水で墓石周りの草刈りを行い、松木村民のご先祖様を偲びながら、墓石の文字をブラシとタオルでやさしくなぞり清掃しました。

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 草刈りをやっていると玉粒の汗が流れ目に沁みます。体感温度は35℃を超え、水分を摂りながら作業しました。

 清掃後、墓石を水で清め手を合わせました。「祠」と「上の墓」は10日に「森の番人」のシニアスタッフと行います。

 

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  “みちくさ”に戻り、体の火照りを鎮め昼食をとりました。

 12時30分過ぎに3名の登山者が立ち寄り、何と、福原さんご一行でした。中倉山に登った帰りに仲間を誘い来てくれました。

 「NPO法人太平山南山麓友の会」の皆さんで、親子ブナの様子を伝えてくれました。4月29日のブナ保護で張り付けた「植生袋」(草の種の入った袋に黒土を入れたもの)から草が生えだしていたことや、「希望のブナ」が葉を広げ生長していたことなど、嬉しい話を聞かせてくれました。

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 太平山の麓ではブドウ栽培が盛んで、巨峰やデラウェア、シャインマスカットなどが栽培されています。「ブドウが収穫できるようになるには植えてから5年程かかる」ということを聞き、帰る際に「果樹園」を見ていただきました。福原さんが張ってくれたロープに沿って蔓が伸び、何本かのブドウの木に房がつきました。「おおー、房がついているじゃないか」と喜びの声を上げてくれました。「房が多くついているものは間引きした方がいい」などアドバイスもいただきました。福原さんの指導を受けながら育てていきたいと思います。

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 「みちくさノート」にお二人が感想を書いてくれました。

 「中倉山のブナの木に会えて幸せ。こんな頂上にまでの保全活動大変お疲れ様です。以前見た山が緑になり、見違える山に感動。「森びとG」でのおもてなし、ありがとうございます」(Nさん)

 「冷たいお茶を出していただきありがとうございました。素敵な休憩時間で楽しい会話をさせていただきました。また機会がありましたら立ち寄らせていただきます。(Sさん)

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 午後は、小黒さんが「みちくさ」の番をし、小柴さんと筆者で「みちくさの庭」の草刈りを行いました。小柴さんは松木川沿いの「アジサイ」エリアの草刈り、筆者は入り口のコオニユリ周りを刈りました。腰を下ろし鎌で刈ると伸びた葉が顔をこすり、かゆくなります。汗を拭きながら刈り進め、風通しがよくなったせいか、コオニユリが風に揺れていました。

 アジサイエリアも、絡みついた「ヤブカラシ」の蔓が取り除かれスッキリとしました。

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 間もなく夏休み、家族で「松木郷の森」の散策はいかがですか。皆さまのお越しをお待ちしています。舎人は小黒さん、小柴さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)

 

 

2025年7月 2日 (水)

植物の生きる強さを目に焼き付けて!

 今日6月29日(日)は、晴れ、9時の気温は31℃。暑い日が続きます。

 森作業の最初の作業は「水源の確認」です。取水口に砂が詰まると、空気がホースに入り込み水が出なくなってしまいます。

Dscn2767 森作業に出かける前に、外気温を記録している武田スタッフ。熱中症予防は、今の季節最も大切なことです。Dscn2770 今日の森作業は前日の作業の続きで、民集の杜(東)で幹ガードの取り付けです。

 動物の食害で表皮が食べられ枯れてしまったネムノキ。しかし、その切り株や根から芽を吹きだし、50㎝程に成長しました。宮脇先生の「木は根、根は土」の言葉を思い出します。 

Dscn2772 ヤマユリの花芽ですが、周囲の木々が育ってきていて日光が届かなくなってひ弱な感じがします。ただ、今まで2か所だけでしたが、3か所目に育っているヤマユリ苗を発見しました。

Dscn2776 枯れてしまったサクラの切り株からも、新たな枝が芽吹いてきました。「みちくさ」のクスノキやネムノキ、そしてこのサクラなど、木々達の「生きる力」を見習わねばと思いました。 

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Dscn2774 「みちくさ」で日向ぼっこしているのは、カカシの「仁平村長さん」。「日陰に入れてくれよ!」と叫んでいるようです。

Dscn2769 今日、「みちくさ」を訪れてくれたのは埼玉県・加須市から来られたAさん。朝、「みちくさ」へ向かう途中一度お会いしています。てっきり、中倉山を目指していて、間違って松木沢に来てしまったのかと思い、声をかけたのでした。「大丈夫です!松木渓谷を歩きたくて来ました。」との返答でした。「帰りにお寄りください!」と伝え、オープン準備中にまたお会いして、松木渓谷の情報を色々お伝えしました。Dscn2783 13時過ぎに来舎されましたが、入り口に立ち止まって「お金を持ってきていないので入れないわ!と言います。「無料ですよ!」と伝えると、おいしそうに冷えた水をのんでいました。

 山歩きが大好きな方で、足尾・日光の山々に魅せられ、今、通いだしているそうです。森づくりの話にも興味を持ってくれていました。特に「緑が増えましたね!」という話から、「土地本来の木々の緑ではないこと」について関心を持たれ、山を見ながら論議が弾みました。「次は紅葉の時期にまた来てください!」と再会を求めてお別れしました。


 今日の舎人は、武田芳明と橋倉喜一でした。

2025年6月22日 (日)

森づくり20周年記念「松木郷の森」案内を開催しました!

 森びとの植樹活動が始まってから、今年で20年目。節目の年を記念して、6月22日(日)足尾・松木郷にて、森づくり20周年記念「松木郷の森」案内の会を開催しました。
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 当日の朝は雨が降りそうな空模様でしたが、次第に雲が晴れ、まるで真夏のような青空が広がりました。散策には少し暑い一日でしたが、晴れやかな気持ちでスタートできました。

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 集合前にはスタッフでミーティングを行い、「来てくださった皆さんが楽しく、『来てよかった』と思える会にしよう」と気持ちを共有しました。

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 参加者の皆さんは、それぞれの予定に合わせて少しずつ集まり始め、久しぶりの再会に笑顔があふれました。

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 11時半からは雲集亭にて大野スタッフの進行でオリエンテーションを実施。副代表の清水より、これまでの森づくりの成果と感謝の言葉が述べられました。
「木を植えることで多くの命が育つ森になった。人の都合だけではできない森づくりに、多くの人の想いが重なってきた。これからは100年の森を、次の世代に手渡していきたい」と語りました。

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 実は、雲集亭の隣の建物の下では、このところお腹の大きなアナグマの姿が見られていて、まさにいま、森が命を育む場所であることを実証している場所であったのですが、残念ながら今日は姿を垣間見ることはできなかったようです。

 参加者からの挨拶では、NPO時代からイベントではいつも便宜を図って頂いた旧足尾町出身の新井様から「自然から奪った分、返していくことがいまは必要。心を紡ぐことが大切です」との深いお話を頂きました。

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 お昼は足尾の町内にある子ども食堂のお弁当を皆で頂きました。地元の味を楽しみつつ、午後からは3班に分かれての森の観察会へ出発。

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 臼沢に登ったグループでは、20年かけて育った森を前にさまざまな感慨があったようです。短い散策時間でしたが、澄んだ空の下、楽しく自然と触れ合うひとときとなりました。時間もあり「一番上」まではいけませんでしたが、それぞれが体力に合わせて臼沢の急坂も楽しんで頂きました。

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 その後は雲集亭に戻り、参加者から感想やメッセージをいただきました。いくつか抜粋してご紹介します。

森戸さん
「久しぶりの仲間に会えてうれしい。小さな苗がこんな立派な森になって驚いた。森びとの精神を地域や子どもたちに伝えていきたい」

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村田さん
「自分が植えた3本の木がまだ元気に育っていてうれしい。地道に続ける皆さんに感謝。足尾は自分の原点です」

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跡部さん
「オオムラサキが育つ環境も整い、本当にすばらしい森だと感じた。うれしすぎてショック死しそう!人と生き物が共に生きられる地域を目指したい」

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三ツ木さん
「子どもたちと植えた苗が、こんなに大きくなるなんて。森の“踏みしめた感触”で、森になったと実感しました」

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平賀さん
「足尾にはもう来られないと思っていたけど来られて本当に良かった。心にたくさん木が植えられた。人との出会いが本当に大切です」

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仁平さん
「夫より先に活動に関わり、夫が夢中に。今日は久しぶりに足尾に来られて、夫が本当にうれしそう!」

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高橋よし子さん
「現在の自宅からは初めての参加。足尾に来ることの遠さや大変さを改めて感じた。民衆の杜が本当に別の場所のように成長していて感動。必ずまた来たい!」

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 そして、参加してくれた七芽ちゃんは「来年、木を植えにくる!」と約束してくれました。苗木を準備して待っています!

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 長年「森びと」を支えてきた前アドバイザー・高橋からは、「人は森に生かされている。森は友だち」という言葉とともに、参加者への感謝と、次の100年を担う人たちへの期待のメッセージが届けられました。

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 最後は全員で記念写真を撮影し、「森は友だち!」の掛け声で無事に閉会となりました。

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 ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。今日は本当に参加した方々の笑顔が印象的な一日でした。これからも「森びと」は、森を育み、人をつなぎ、未来へ命をつないでいく活動を続けてまいります。どうぞ引き続きご支援・ご参加よろしくお願いいたします!

(運営委員・小黒)

2025年6月20日 (金)

森びと強者のおもてなし

20250620 森の手入れをするには暑すぎた今日。数年前から「みちくさ庭」をつくり、3年前から「心の園」を手入れしてきたが、草が伸び放題の様子では訪れる方々の気持ちに応えることはできない。

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20250620_4 庭と園には日光市民、足尾町民、そして森ともたちの様々な気持ちが宿っている草木が育っている。草木は四季折々に花や実を私たちに恵んでくれる。その様子を見ていただきたいと、今日の森の手入れには急遽応援を頼んだ。今日はそれに応えてくれた森びと強者たちが草刈りを行った。20250620_5

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20250620_8  東から吹く涼しい風を受けて強者たちの気分は爽快だった。これが森びと強者たちのおもてなしだ。

20250620_9 その喜びは帰宅して倍になった。福原さん手打ちの蕎麦をご馳走になり、蕎麦の香りと強者の心配りが身心に沁みわたった。森の手入れは、本間さん、加賀さん、福原さん、橋倉さん、そして報告・髙橋でした。20250620_10

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