森づくり20年記念「松木郷の森」案内
森びとは足尾・松木沢に木を植えて20年を迎えました。昨日5/25は「エコ散歩in足尾」のスタートとして、これまでお世話になってきた行政、諸団体等を中心に呼びかけました。
10時過ぎに、すべての参加者が集まり、「みちくさ」にて、スタッフの紹介と参加者の自己紹介をしてから、移動をしました。
まずは森びとの看板の前で、清水副代表からこの場所にはかつて松木村があり、住民たちは養蚕等で生計を立てていた様子や20年前の森づくり開始前の臼沢の森の写真と現在の臼沢の森との対比などが紹介されました。
また、山田組・山田会長からは随時森びとがここ足尾に入る前の様子を交えた貴重な話をいただきました。対岸等のはげ山になって茶色になっているのは、肥沃な土は緑化に使用されるために取ってしまったためであることが話をされました。
続いて、2005年に植樹を開始した臼沢の森に移動しました。宮脇方式では1㎡に1本のところ、ここでは1㎡に3本植樹を行ってきたこと、育ってきた森が落石を食い止める役割をしていること等を説明していました。手作りの階段設置、今では笑い話になりますが土や腐葉土を乗せた背負子を背負って何往復をさせられたボランティアからの怒りの声の紹介もされ、その当時苦労された人に今の森を見てもらうことが必要ではないかとも意見が出されました。
臼沢西の森に行くと、足元に石が目立ちます。加賀スタッフからは、この場所は穴を掘るとすぐに石とぶつかるため、植樹の前段の穴掘りや土づくりの苦労が話をされました。また、コロナ禍で里親植樹をした場所でもあり、新芽がウサギによって食べられてしまうので、幹ガードの設置をしてきたこと等動物たちとの知恵比べがある現実も出されました。
下山後は、民集の杜・北へ移動。足尾の「過去・現在・未来」を紹介
本日のお昼は、地元「わたらせ茶屋」様のお弁当です。美味しくいただきました。済賀スタッフの手作り味噌汁(写真はスミマセン)と一緒に。
三五自然共生財団・佐藤様よりお茶菓子を、他の方々からもお心遣いをいただきました。ありがとうございました。
昼食後、5/4TBSのサンデーモーニング「風をよむ」を観てもらった後、出席された皆さまと森を観察した感想や今後のアドバイスをもらうための意見交換をしました。以下、要旨のみ報告します。
元毎日新聞社 浅見茂晴様
「2014年までの9年間駐在。10年ぶりに来て緑が復活しており、驚いた。皆さんの努力に敬服する」
JR総連政策・政治部長 荒木ユイ様
「足尾の過去・現在・未来の説明が分かりやすかった」「単に木を植えるだけではなく、階段づくりや土留めづくりの重要性が分かった」
山田組会長 山田功様
「足尾で生まれ育った。仕事は譲って、ガイドとして(足尾の)産業の近代化と、影としての環境破壊を伝えている。木を植えるだけではなく下草刈りなど、愛情をかけて育てていけば木も応えてくれる。その気持ちを伝えていく」
林野庁日光森林管理署署長 中村昌有吉様
「山から出てくる木材の恩恵を忘れがち」「やはり人手をかけてボランティアとはいえ、目に見えない費用をかけて森づくりをやってすごくうらやましい」「次の10年、20年でどう変わるのか。明治神宮はボランティアで100年経ってあのような森になった。足尾もそうなれば良いと思う」
公益財団法人三五自然共生財団事務局長 佐藤和様
「本物の森を見せていただいた。森を維持していくのは大変だと感じた。(助成申請の)予算表を見せていただいて、こういうことに使用するんだと実感した」「(助成の)選考委員のコメントでは、20年間の実績、人と森とのつながり、土づくり、プロジェクトの意義が良いということでした」
一般財団法人国鉄・JR労働運動研究会 奥村隆夫様
「10年前からすると変わったことを実感している」「“1人の100歩より、100人の一歩”という言葉があり、大切にしている」「ここ足尾に来るツアーを組んでみてはどうか」
一般財団法人日本鉄道福祉事業協会代表理事 柳明則様
「待っているのではなく、どう行動するのかが問われている」
最後に、森びとプロジェクト副代表清水卓より20年の森づくりへのお礼のことばを述べました。
改めまして、当会の活動に賛同し、会員に加入していただいた皆さま、協力していただいた企業・個人の皆さま、20年間の活動を物心両面にわたり支えて下さった皆さまに感謝致します。次世代にいのちを繋ぎ、人間性を育む森になるよう整備し、人間は森に寄り添ってでしか生きていくことはできず、“森は友だち”であることを感じてもらえるよう活動をしていきます。今後も森びとプロジェクトの“山と心に木を植える”活動にご理解・ご協力を頂けますようお願い致します。(運営委員・小林敬)
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