カテゴリ「森びと奮闘記」の12件の記事

2009年8月 3日 (月)

ブナの森は日本人の原点だ!

P8010142  内閣府の世論調査によると「生物多様性という言葉を聞いたこともない、という回答が61.5%に上がった」、と報道されていました(2日付・「毎日新聞」)。報道では、調査対象は全国の20歳以上の男女3千人で、回答は1919名から得たものです。地球上に存在している多様な生物はそれぞれがかかわりあってバランスを保ち、それに生かされている私たちですが、回答者の過半数以上がこの事を知らないという結果は寂しいものです。
 梅雨明けが宣言されていない地域が未だある8月に入りました。一昨日(1日)はみちのく事務所主催の第2回「森びと塾」が実施されました。会場は岩手県八幡平市にある葛根田川源流。学習の狙いは、①本物の森を身体に染み込ませること、②森を守っていくことはどんな活動があるのか、というふたつでした。先生は「八幡平の葛根田ブナ原生林を守る会」の白藤力さんにお願いしました。
 一行は盛岡から車で現地に入り、白藤さんが市民と共にブナの原生林を開発から守ってきた森の入り口を散策し、白藤さんを中心にしたNPO法人の活動の一端を学んできました。白藤さんは、1986年から、「葛根田川源流部ブナ原生林伐採計画反対」、1992年から「国見スキーリゾート計画反対」、1996年から「一般県道雫石東八幡平線(通称・奥産道)反対」運動を進め、これらの計画全てを撤回してきました。
 散策は、滝ノ上温泉から山に入り、1時間程登ったところで生きたいてたブナの原生林(幹の周囲410㌢)の前まで。受講者はその前に立ち、白藤さんから日本の原点を守り抜いた話を聞きました。話のなかからは、白藤さんのブナ原生林を守る日本人の闘志を垣間見ることができました。白藤さんありがとうございました。P8010135

2009年7月 6日 (月)

現代を生き抜くには、私たちの多様性が求められている

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 昨日は、第2回「森びと塾」(東京)が横国大キャンパスで開かれました。天気は曇り、森散策には丁度よい気温の中で、24名の受講者は宮脇昭先生がつくった横国大の森を散策しました。ガイドは矢ヶ崎朋樹さん(IGES-国際生態学センター研究員)。後半は、横浜市内の教室で「生物多様性について」の討論を行いました。
 散策と討論では、インストラクターとして、NPO法人として人間が生きていく上で欠かすことのできない森との付き合いを、いかに多くの方々に伝えていくのか、を学んできました。例えば、1本1本の木を見るのでなく、木の実と鳥類との関係、土と土壌動物との関係、木と人間の関係など森全体を観ることの大切さを、矢ヶ崎研究員から学ぶことができました。今の時季、タブノキは実を付け、その実をムクドリ、ヒヨドリが食べていました。この鳥が実の皮を消化し、種だけが糞と一緒に運ばれ、地に落とされて8月の下旬には芽を出します、等々。
 後半は、村田塾長(理事)から「生物多様性について」の問題提起を受け、自由討論を行いました。討論では、「エコ商品買い換え運動」のおかしさ、政府が提案した温室効果ガス削減目標の疑問、このような現社会のおかしな流れに対して、森びとは何を目指すのか等の意見が活発に出されました。
 塾の最後に髙橋副理事長から、岸井成格理事長の言う、「文明の岐路に立っている」という視点から長期的な展望を持って、地球を駄目にした私たちの「非常識」を改め、森づくりを通じて心に木を植えていこう、と主旨の挨拶がありました。

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