今日は吹上御苑の森を散策しました。以前、NHKテレビで報道されたこの森を観て、一度は散策してみたいと思っていた森でした。御苑の森内を散策するのは難しいというので今日は、その周辺を散策することができました。小雨降る中ですが一行は桔梗門に9時30分集合、青木淳一先生と庭園課の方の案内で本物の森を2時半散策しました。
何百種の樹木が森を形成していましたが特に目立ったのは、樹齢何百年、樹高20㍍以上、幹の周囲が5~6㍍もある巨木(クスノキ、タブノ、キケヤキ)がしっかり根を張って生きている様子でした。本物の森を見たような気がしました。木の偉大な力はこのような大木から発せられていると思ったほどです。日本の森(広葉樹)が衰退し、立ち枯れしているのは、ひと昔のように人が森を管理していないから虫が木に入るのだ、という説は吹っ飛びました。
宮脇昭先生曰く、生物社会の掟(競争と我慢)がしっかりしていきとどき、主役がわき役に支えられて何百年間も吹上御苑の森を守っているようです。
しかし、庭園課の方の話によるとエノキに胴ぶきが出て梢枯れがある、アカガシが弱っていると言っていました。原因は不明ですが、寿命ではなく何らかの原因があるのではないかと原因究明中ということでした。御苑内には田んぼや畑がありましたが、すべての農作業は昔ながらの腐葉土つくり、土つくりそして無農薬栽培でした。田植えは間もなく行われるそうで、その苗は露地植えで育てられていました。無肥料・無農薬のために苗は他の草と一緒に生えていました。
青木先生は吹上御苑の森で土壌分解動物・ダニの新種を発見しました。その内の2種(マサヒトセンロダニ、ミカドカザリヒワダニ・新種)は他の地域の森では発見できていないと言っていました。散策しながら思ったことは皇室の方々は森を大切にしているこということでした。森には神様が存在しているように見えました。宗教的ではなく、森は私たちが生きていくうえで様々な恵みを与え、森に感謝しないと罰が当たって怖い、恐ろしいという考えがあるのか、とも思ったほどです。
日本の文化はやはり森から創り出されているということを確信した散策でした。庭園課の皆さん、青木先生ありがとうございました。
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