カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2094件の記事

2018年10月26日 (金)

フィリピンの森の集落で暮らすルボ村の自然に寄り添う知恵を子供たちに伝えたい

 台風26号の進路が気にかかっている。昨夜の天気予報では、海水温度が深いところまで高くなっているので、「スーパー台風」になるのではないかと報道された。この原稿を書いている時間の天気予報では当初の905hPaから930hPaと弱まったが、進路によっては2013年11月に上陸した895hPaの30号のような「スーパー台風」に発達するのではないかと心配だ。

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Photo_3  昨日は、フィリピン北部のルボ村の村民たちがふるさとの木による命の森づくり支援を議論した。既に、森づくり支援金の一回目はNPO法人「WE21」に託しあるが、昨日は、村の子供たちの未来へ向けた“森は大切な友だち”(仮称)という自作のテキストの編集内容を議論した。先月上陸した台風22号はルボ村村民の現金収入源であるハヤトウリが全滅に近い被害を強いられ、さらに、食糧の米やトウモロコシが収穫前の害に遭った。ハヤトウリを市場に運ぶ生活道路も破壊され、村民たちは必死になって土砂を片づけたという。

Photo 桜の花が咲いてしまった(10/21新宿御苑にて)

Photo_2  テキスト編集に集ったメンバーは自然に向き合う村民の心構えなどを創造しながら、“森は大切な友だち”というメッセージを子供たちへ届けることを誓い、執筆に入ることにした。集ったメンバーは、事務局から太宰、塚崎、小林、スタッフから橋倉、理事は稲葉、大野そして筆者の髙橋でした。(理事 髙橋佳夫)

2018年10月23日 (火)

第6回鎮魂復興市民植樹祭に植える苗木を選別

昨日は清々しい秋晴れの下で森作業をしました。南相馬の雫育苗場に9時30分集合、作業は11月4日(日)に開催される第6回南相馬市鎮魂復興植樹祭で植林する苗木の選別とポット内の草取り、撒水と育苗場周辺の整理整頓を行いました。

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Img_1561  植える苗木の一部選別は10日に行っていましたので、今日は、6樹種(シラカシ、エノキ、タブノキ、スダジイ、サカキ、トベラ)267本を準備しました。

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Img_1557  植樹祭の本番まであと2週間余りとなりました。選別している苗木はJR東労組の組合員が各地で育てられたものですので、その想いを受け止めて選別しました。

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Img_1565  また、森びと千葉県ファンクラブからヤブツバキの種が送られてきましたので、来月には種を蒔いて来年春に芽が出ることを願います。千葉県の皆さん、ありがとうございました。森作業は小さな命に和まされながら、渡部、松林、岩橋、そして筆者・東城が行いました。

経済優先のバランス策では自然界は地球人に恵みを与えてくれない?

台風26号が赤道付近で発生した。その勢力と進路が気にかかる。

Photo  温暖化防止に関して、阿部首相は11年前、「世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等のレベルに抑え込む必要がある。このため全世界の排出量を現状に比して2050年度までに半減すると言いう長期目標を、全世界が共有する目標とすること」(『美しい星への誘い』・2007年5月演説)を提案した。

Pa063416_640x480  今でもこの提案が温暖化防止政策に反映されているのかは分からない。その提案から10年後の二酸化炭素濃度は過去最高を記録した2016年の403.3ppmを上回り、405ppm(米・海洋大気局発表)となった。ちなみに2007年は383.1ppmであった。世界各国の科学者の多くは420ppm以下に抑えようとコメントしている。

Photo_2 森は友だち(新宿御苑にて)

 二酸化炭素の吸収源のひとつである熱帯雨林は毎年北海道規模の面積が失われており、海水温度も毎年上昇してサンゴ礁等の力も衰弱している。つまり、二酸化炭素を吸収する自然界の力が弱まっている。二酸化炭素は大気中に排出されるとその滞留を1割までに下げるのに1万年かかると言われている。100年経っても4割が大気に滞留している。

Photo_3 仙台市内の公園にて

 生存が不安定な時代を迎えようとしている。今、“地球人の自然に寄り添う恩送り事業”が求められている。そのアクションは”待ったなし!”である。(理事 髙橋佳夫)参考資料:『長期ゼロエミッション』エネルギーフォーラム新書等。

2018年10月18日 (木)

“温暖化にブレーキをかける運動”を秋田県から創りだす!

Pa063394  秋田新幹線車窓から見る田沢湖付近の景色は秋の装いが整っていないようでした。昨日は、「気温上昇“1.5度”への挑戦」(10/17・『毎日新聞』)という見出し記事を読みながら、森びと秋田県ファンクラブの学習会へ向かった。地球温暖化にブレーキをかける運動を創りだすための学習会には7名が出席してくれた。

Pa183511  学習では、想定外の巨大気象による被害予測と私たちの暮らし、温暖化のメカニズム、ブレーキをかけていく運動などを討論してきた。メンバーの中には来年中に退職する方が3名もおり、来年からのファンクラブ体制も話し合った。

Pa063378  会議後は新たなメンバーも加わり、懇親を深めながら若者達とシニアの協働で温暖化にブレーキをかけていくことを誓い合った。

Pa063393  秋田県ファンクラブの皆さん、お世話になりました。(報告 髙橋佳夫)

2018年10月15日 (月)

市民応援隊と門馬市長が森の防潮堤づくりの意見交換

Img_1535   南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊は今年で結成5年目を迎えました。11月4日には、福島県との協働作業で第1回ふくしま植樹祭、第6回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が南相馬市鹿島区北海老地内で開催されます。すでにポスターも県内各地に手渡され植林ボランティアの参加募集を広範に行っています。

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Img_1533  私たちは10月12日15時半、市役所応接室で門馬南相馬市長と意見交換を行いました。話し合いの中では、これまでの鎮魂復興植樹祭で気付いた点や要望についてはお互いに知恵を出し合い前向きに検討していくことが意思統一できました。短時間の意見交換会でしたが門馬市長との意見交換を今後の育樹・育苗に活かしていきたいと思います。

Img_1534 門馬市長と渡部代表

 応援隊の同席者は、渡部代表、菅野副代表、松林副代表、山田さん、小川さん、岩橋さんの三事務局そして筆者でした。(報告 東城敏男)

2018年10月14日 (日)

炭は土壌改良をしているのか、7年後の南会津の森を調査

1  1年ぶりに南会津の森に入りました。7年前にナラ枯れから森を元気にしようと、南会津の国有林の一部に炭を撒き、炭の働きで土壌改良を行っていこうと実証調査を開始しました。その後の森がどんな状況になっているのか、その調査に入りました。

Photo  調査は13日(土)~14日(日)の一泊二日で行いました。初日は久し振りに晴れ間が覗く最高となり、森内入口には菌根菌であるヌメリイグチが10数個出ていました。

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Photo_3  2日間の調査メンバーは森びとインストラクター増子、福島ファンクラブ・東城、樹木医・三瓶さんそして筆者でした。

Photo_4  調査は、炭を撒いた所と撒かない所の標準木の樹幹実測と目印の補修などを行いました。

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Photo_7  14日目は、各ブロック標準木の目印の補修ペイント行いました。また、菌根菌試験地では30本のコナラに標準NOを付けて分かり易くしました。

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Photo_8  三瓶さんが用意してくれた資料に沿って、樹木と菌根菌との関連にアドバイスをいただき、調査メンバーからの意見や感想を述べ合いました。

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3  調査結果はしばらく時間がかかりますが、7年後の森の様子をまとめたいと思います。調査メンバーの皆さん、お疲れ様でした。(報告 仁平範義)

2018年10月12日 (金)

越冬準備に入った足尾の森づくり

 肌寒い朝方、小雨が降り作業がやりにくいと思っていました。橋倉スタッフを足尾ダムで待っていると天気が回復してきそうな景色が目に飛び込んできました。しっとりした雨上がりの空気が静かに流れていました。

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2  台風24号の猛威が運んできた痛々しい木の根が残っている松木川。そんなことを思っていると、雄猿が不思議そうにこちらを覗きこんでいるようでした。

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3_2  今日の作業は、シロダモとヤブツバキが霜の害にあわないための苗のハウス移動がメインでした。10時過ぎには、作業小屋の修理用と土留め用の甲羅板を購入し、足尾に運び入れました。

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Photo_2  その後は、シロダモの根が凍らない対策として籾殻をハウス内に敷きつめました。

Photo_3  昼食後は、「足尾のみどりを育てる会」へ落葉広葉樹のポット苗を無償提供したのでその記念に写真を一枚。育てる会の皆さんへ足尾の森づくりを託しました。

Photo_4  亡き竹内アドバイザーの想いが宿っているシロダモ。今年の夏に芽を出したシロダモを元気に育てようと、約2千本をハウス内へ移動しました。

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Photo_6  まもなく霜が降りる足尾ですが、苗木たちが元気に越冬できることをスタッフたちは願っています。

Photo_7  午後3時過ぎると太陽が中倉山に隠れる季節となった松木沢でした。本日の森作業は、橋倉、加賀、仁平、福田そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年10月11日 (木)

熊と向き合う暮らしが始まった足尾町の「どくだみ荘」

 昨日、「どくだみ荘」の隣に住む先輩男性(Kさん)から、熊がゴミ置き場をあさっていたという話がありました。塀が台風で壊れ、その隙間から熊が侵入したらしい。ゴミ置き場はブログを更新している部屋から3㍍程にあるので、深夜から朝方にかけては注意することにしました。「どくだみ荘」は古い長屋なので塀や窓そして玄関も木製、熊がその気になれば部屋に侵入しかねない。生ゴミは明るくなってから出すことにしました。

Pa111594 足尾ダムから松木沢方面(足尾グランドキャニオン)

Pa111591 中倉山が見えない朝の足尾ダム

 今日は中倉山に登ってブナを元気にする土留め置き場の調査でしたが、雨のために中止でした。作業は、「みちくさ庭」の柵にネットを張り、入口の支柱を設置しました。どのような入口にするのかはスタッフの知恵を出して完成させます。

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Photo_4  昼食後は、鎌田スタッフが予定していた「民集の杜」入口周辺の草を刈りました。天気は雨が降ったり止んだり、このような日は雨具を着たり脱いだりで、作業は面倒でした。

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Photo_6 「民集の杜」て゜元気に生長するムラサキシキブ

Photo_7 来年度末までに杜の名を刻む松木沢の石

Photo_8  汗と雨で身体が冷えましたので、15時半に作業終了。鎌田順子さんからハヤトウリの浅漬けが届けられましたので、風呂で身体を温め、ブログを更新してからはぬる燗で寝酒、心身ともに身体を温めて、頭の熊から遠ざかって床につきます。

Photo_9  順子さん、ごちそう様です。(報告 高橋佳夫)

2018年10月10日 (水)

温暖化にブレーキを懸ける“希望の松明(たいまつ)”(市民のうねり)を

2018 クレーター(ヤフーより)

 ロシア・サハ共和国内では凍土プレートの割れ目が大きくなり、バタガイカクレーターが出現している報道を観た。深さ100㍍×径が1㎞の大きさで、15年前は巨大穴だったが約50年間で大きなクレーターになった。報道では、何が原因で凍土が溶けだしたのかは不明だという。 D79348ees_2 巨大穴?

  国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達すると予測した。こうなればサンゴ礁の大部分が死滅するなど地球環境の悪化が進むと予測した。気温上昇を1.5度に抑えるためには、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出量(10年比で)を30年には45%減らし、50年頃には実質ゼロにする必要性を強く指摘した。

20180906 厚真町の土砂崩壊

Photo_2  英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿した安倍晋三首相は9月23日、「気候変動問題は予測よりも急速に悪化している」、「気候変動は、世代や国の発展度に関わらず、命にかかわる影響を及ぼす」と指摘し、「すべての国が同じ危機感を共有し、対応しなければならない」と温室効果ガス削減の目標達成を求めた。さらに、「化石燃料の使用を削減すると同時に、経済成長は加速させなければならない」、「新たな事実が判明すれば、それに応じた適切な措置を全世界がとらなければならない」とも述べた。

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P6241279_2  日本の2030年の排出削減目標は「2013年比26%削減」だ。「パリ協定」締約国の削減目標が完全に実施されても「1.5℃」に抑えることは難しいと言われている。日本国内の2012年以降50基におよぶ石炭火力発電所建設計画は7基が中止、8基が稼働となったが、約35基は計画・建設段階にある。“化石燃料の使用を削減しつつ経済成長も加速させる”という安倍首相ですが、この計画建設をどのようにしたいのかは不明。“温暖化にブレーキ”をかけていくことは、こうした政治の動向を市民が見極め、地球の大気中に二酸化炭素を滞留させない政策へ導くために市民のうねりを起こしていくことだと思う。(理事 髙橋佳夫)

2018年10月 8日 (月)

半世紀ぶりに復活させた栃木県立拓陽高校生たちの未来の礎づくり

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Photo_5_3 6日、台風25号が日本海沿岸を北上するなかで栃木県立拓陽高校の生徒たちと大山農場見学▪交流を行いました。「大山農場管理棟」に着くと、足尾の植樹祭(5月)でエノキ植えてくれた池田先生と臼井君が出迎えてくれました。

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  交流は、生徒5名も加わって、まずは「ビオトープ」の設置と活動の報告が生徒達からありました。報告では、「ビオトープは、昔、池があった事を地域の方々から聞き、7年前の3.11東日本大震災で崩れた塀の大谷石を利用してつくった。50年ぶりに水辺が出来て、小魚(メダカ)が繁殖し、カワセミが来るようになった。現在、ナスヒオウギアヤメ、ミヤコタナゴ=オシャラクブナ(方言)やヨシノボリ、マツカサ貝など居場所を失った生物たちの復活を目指している」という報告でした。

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1538962313613  その後、橋倉、加賀スタッフからポット苗の育て方のアドバイス、エノキの実生の植え替え等を手ほどき、22個のポット苗をつくりました。

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 午後は、フリー討論。①黒松は厳しい条件で生えているがキノコ菌と関係があるのか②エノキの根の長さを見て、自然の力強さの凄さを感じた。③足尾にヤシャブシは植えていないのか④温暖化、カーボンニュートラルとは⑤ポット苗は山にいつ植えるのか⑥里山と鎮守の森の違いなどの意見交換を行いました。

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 最後は、当委員会の「山と心に木を植えて10年」のDVDを鑑賞しました。その後、池田先生からは、「地球温暖化による異常気象に向き合うために、本物の森をふやす必要がある。田んぼに水を溜めることによって洪水を止めている、農業の大切さを次の世代につたえていく。足尾のハゲ山が少しずつ緑になっている、出来ることを進めて行きたい」とまとめて頂きました。

1538962252752  生徒と生徒が7年前から「ビオトープ」をつくり、半世紀ぶりに水が流れた瞬間の彼らの感想を聞き、それは生きものたちを大切にする考えが芽生える大切な活動であると感じました。また、改めて水と森と農業の深い関わりを学び、経済性や技術的なことだけに流されずに森に生かされている事から発想していくことの大切さも感じました。私たちシニアから若者へつなぐヒントが見えてきた一日でもありました。(報告 大野昭彦)

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