経済優先のバランス策では自然界は地球人に恵みを与えてくれない?
台風26号が赤道付近で発生した。その勢力と進路が気にかかる。
温暖化防止に関して、阿部首相は11年前、「世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等のレベルに抑え込む必要がある。このため全世界の排出量を現状に比して2050年度までに半減すると言いう長期目標を、全世界が共有する目標とすること」(『美しい星への誘い』・2007年5月演説)を提案した。
今でもこの提案が温暖化防止政策に反映されているのかは分からない。その提案から10年後の二酸化炭素濃度は過去最高を記録した2016年の403.3ppmを上回り、405ppm(米・海洋大気局発表)となった。ちなみに2007年は383.1ppmであった。世界各国の科学者の多くは420ppm以下に抑えようとコメントしている。
二酸化炭素の吸収源のひとつである熱帯雨林は毎年北海道規模の面積が失われており、海水温度も毎年上昇してサンゴ礁等の力も衰弱している。つまり、二酸化炭素を吸収する自然界の力が弱まっている。二酸化炭素は大気中に排出されるとその滞留を1割までに下げるのに1万年かかると言われている。100年経っても4割が大気に滞留している。
生存が不安定な時代を迎えようとしている。今、“地球人の自然に寄り添う恩送り事業”が求められている。そのアクションは”待ったなし!”である。(理事 髙橋佳夫)参考資料:『長期ゼロエミッション』エネルギーフォーラム新書等。
コメント