半世紀ぶりに復活させた栃木県立拓陽高校生たちの未来の礎づくり
6日、台風25号が日本海沿岸を北上するなかで栃木県立拓陽高校の生徒たちと大山農場見学▪交流を行いました。「大山農場管理棟」に着くと、足尾の植樹祭(5月)でエノキ植えてくれた池田先生と臼井君が出迎えてくれました。
交流は、生徒5名も加わって、まずは「ビオトープ」の設置と活動の報告が生徒達からありました。報告では、「ビオトープは、昔、池があった事を地域の方々から聞き、7年前の3.11東日本大震災で崩れた塀の大谷石を利用してつくった。50年ぶりに水辺が出来て、小魚(メダカ)が繁殖し、カワセミが来るようになった。現在、ナスヒオウギアヤメ、ミヤコタナゴ=オシャラクブナ(方言)やヨシノボリ、マツカサ貝など居場所を失った生物たちの復活を目指している」という報告でした。
その後、橋倉、加賀スタッフからポット苗の育て方のアドバイス、エノキの実生の植え替え等を手ほどき、22個のポット苗をつくりました。
午後は、フリー討論。①黒松は厳しい条件で生えているがキノコ菌と関係があるのか②エノキの根の長さを見て、自然の力強さの凄さを感じた。③足尾にヤシャブシは植えていないのか④温暖化、カーボンニュートラルとは⑤ポット苗は山にいつ植えるのか⑥里山と鎮守の森の違いなどの意見交換を行いました。
最後は、当委員会の「山と心に木を植えて10年」のDVDを鑑賞しました。その後、池田先生からは、「地球温暖化による異常気象に向き合うために、本物の森をふやす必要がある。田んぼに水を溜めることによって洪水を止めている、農業の大切さを次の世代につたえていく。足尾のハゲ山が少しずつ緑になっている、出来ることを進めて行きたい」とまとめて頂きました。
生徒と生徒が7年前から「ビオトープ」をつくり、半世紀ぶりに水が流れた瞬間の彼らの感想を聞き、それは生きものたちを大切にする考えが芽生える大切な活動であると感じました。また、改めて水と森と農業の深い関わりを学び、経済性や技術的なことだけに流されずに森に生かされている事から発想していくことの大切さも感じました。私たちシニアから若者へつなぐヒントが見えてきた一日でもありました。(報告 大野昭彦)
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