ほんのり塩味がするような春の浜風が吹いていた南相馬市の苗床。昨日は来月2日に実施される南相馬市「鎮魂復興市民植樹祭」に植える苗木の選定を行いました。応援隊のメンバーと「鎮守の森」の箱崎さんで7樹種810本の苗木を選定してきました。その後、ポットの草取り、水かけや遮光ネットの取り外しを行い風通しのよい状態にしました。
午後になると、群馬県高崎市から森びと会員の長井さんご夫妻が苗床に到着しました。ご夫妻は、シロダモ、シラカシの苗木233本を車に積んで、はるばる当地まで運んでくれました。
苗木は、3年ものでかなり立派に生長していました。長井さんは、苗木を育ててきた思い、植樹祭参加への気持ちを微笑みながら話してくれました。
第7回鎮魂復興市民植樹祭まであと24日となりました。植樹祭会場の小高区塚原は急ピッチに高盛土の整備がされています。市民応援隊スタッフはその成功に向けて準備をすすめたいと思っています。全国の植林ボランティアの皆さん!植樹祭でお会いできることを楽しみにしています。箱崎さん、長井さんご夫妻昨日はお疲れさまでした。昨日の森作業は、松林、岩橋、東城でした。(報告 東城敏男)
足尾・松木沢周辺の木々の若葉が眩しくなってきました。若葉に近寄ってその輝きを観ていると、同じ緑色でも濃淡があり、紫色が混じった緑色の葉があることに気が付きます。
“足尾は緑が多くなりましたね!”という声がありますが、その緑色は、色々な木々たちの個性が成り立って「緑色」に見えています。
この輝きを楽しみにしているのは人間だけではないようです。朝夕は冷えますので、葉に水分が溜まる時がありますが、その水分や若葉を求めてアブラムシ、蟻、テントウムシが集まり、その虫たちを求めて鳥たちも集まってきます。
時には、トカゲやカナヘビも動きだし、その動きに敏感なのがモズです。今、モズは子育て中です。他の鳥たちよりも早めに命をつないでいます。
春の訪れ、若葉が輝く頃は“命をつなげる活動の始まり”です。ツキノワグマも穴から抜け出し、当会が植林している「臼沢の森」の草木の若葉を食べています。満腹なった時は昼寝をしているようです。食べつくすということはないようです。
「臼沢の森」にはヤマグリ、ヤマザクラも植えています。その実はやがて私たちにも旬の味として楽しませてくれます。森を観ていると、“命のつながりが見えてくる”、それも“循環しながらつながっている”気がします。その源は森にあるようです。“ほどほどにする”という事も森が私たちに伝えたのかもしれません。(理事 髙橋佳夫)
森と暮らす楽しさを感じてもらうための出会いのきっかけを見つけようと始めた第一弾の屋外レコード鑑賞会。
青空が顔を見せてくれたのどかな春日和の下で、アンプとスピーカー、レコード・ターンテーブルを用意しました。
ところが、筆者の弟が30数年前に購入したアンプとスピーカーを「みちくさテラス」にセットしましたが、いざ、レコードを回してみるとクラッシック音楽よりも雑音が大きく響き、レコード鑑賞会にはなりませんでした。
接続部分の埃や腐食を取り除いたというのですが、30数年の埃はつしこいものでした。チェックを専門家にお願いして、再チャレンジすることにしました。
そんな訳で、若葉が美しい森の中で奏でる鳥たちの囀りを聴くことにしました。オオルリ、サメビタキ、センダイムシクイ、キビタキ、ウグイス合唱団の歌声を聴くことができました。
松木村跡地を訪れる方々からは、足尾は緑が多くなりましたね!という声が多く聞こえてきます。それはとても嬉しいことです。
今日の森作業は鎌田スタッフが「臼沢西の森」に土を運び続けました。松木川に流れる水の音、爽やかな東風が清々しい空気を運んでくれる足尾・松木村跡地の急斜面の草地。75歳を過ぎた先輩が、水分が含んで重い土を背負子に積んで、長さ100㍍程の石ころだらけの道をもくもくと何往復も歩いていました。
「2年前に植えたポット苗が猿にいたずらされてしまった。自宅で育てているエゴノキを植えなくてはならない」と、土運びをしながら話していました。
昼飯を桜の木の下で食べ、鎌田さんが造ったベンチで横になり、暫くして再び土運び。ウグイスやモズの囀りが鎌田さんを応援しているようでした。
自然は人間の地道な努力に加勢しているような足尾・松木村跡地の「臼沢西の森」作業でした。(報告 高橋佳夫)
昨日は「どくだみ荘」に宿泊、朝、福原さんを待ちました。車に乗せて頂き、舎人の小川さんと「みちくさ」へ向かいました。久しぶりの足尾入りで、ブログで紹介されていた桜の様子や草木の息づかいを楽しみにしていました。
透きとおっていた青空を見て、久し振りに清々しさを感じました。その内に舎人の高橋さんが到着、お茶を飲みながら「みちくさ」屋根の雨漏り対策の話になり、その流れで屋根をチェックしました。
今日の森作業の師匠は福原さん、午前中は育苗の撒水方法を教えて頂きました。そうしているうちに急に雨雲が現れ、二人はびしょ濡れになってしまいました。
昼食後は、雷の音を気にしながら「臼沢西の森」へ土を運び揚げました。来月の植樹会場づくりです。福原さんは写真の通り、10ℓの土を5袋背負って運び揚げていました。筆者は4袋に挑戦しましたが、最後の頃は3袋になってしまいました。
植樹会場は写真の様な石ころだらけですので、土運び揚げはとても重要な作業であることが身に沁みました。福原さん、丁寧に教えて頂きありがとうございました。お疲れ様でした。
令和の時代に入りました。中倉山のブナは明治、大正、昭和、平成を生き抜いていますが、令和そして次の時代も生き抜いてほしいと願っています。
このブナは、幹の太さが直径45㌢以上あるので、1年に2㍉生長したとすれば松木村が廃村になった1902年頃から生きていることになります。
当時の中倉山稜線の南北は岩だらけになっていたでしょう。現在でも中倉山から沢入岳まで足を延ばすと、枯れた木が何本も残っていますし、岩が風化して小石になり、荒れている土壌が残っています。
このブナは、そんな岩だらけの稜線の僅かな土に必死に根を張り、草木たちが松木川に流されていった悲鳴を聴きながら生きてきたのかもしれません。
ブナは標高1600㍍以上の環境で生きていくのは難しいと言われています。中倉山山頂は標高が1539㍍なので、ブナが生き抜く環境はとても厳しいといえます。
厳しい環境で生き抜くブナをなんとか元気にしようと、稜線北側斜面に露出したブナの根に土を運んでいる「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の3回目が先月29日行われました。
10㍑の土を担ぎ揚げた森とも達たちが、笑顔で、楽しそうに土のう袋に土を入れ、露出した根の上にその土のうを被せている様子を動画で見ていると、胸が熱くなりました。
下山した森とも達からの話を訊くと、土砂が崩れている状況は早まっているので、この対策は急がねばならない、といことでした。筆者も急いでブナを元気にする森作業をやらなければならないと思いました。森を愛する全国の皆さん!「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の知恵とご支援をお寄せください。お待ちしています。(理事 髙橋佳夫 写真:清水卓、加賀春吾)
6月28日~29日に開催される「G20」(主要20カ国・地域首脳会議)議長国・日本の温暖化対策案を期待していたが、政府は2050年までに温室効果ガス排出を80%削減する数値目標を維持し、削減目標を“ゼロ”にしなかった。「議長国として世界の対策強化の議論をけん引するには程遠い内容」だった。(毎日新聞)
相変わらずの「技術革新頼み」で、「民間企業が主導して温暖化対策の技術開発と資金投入を進めるとし、経済成長を重視する安倍政権の方針に沿う形」になった。
経済活動の基盤であり、いのちを育む基盤でもある地球の悲鳴に向き合えていない「温暖化対策長期戦略」の政府案にはがっかりです。技術を支えるのは地球なのに、政治家、官僚もこんなことは分かっているのに、どうしてこうなのる。
明日からGWが始まるが、若葉が発する元気色と美味しい空気の刺激を受けながら、森と生きる市民の温暖化対策案を仕上げて、政府へ要望しなければならない。“森とも”のご意見をお待ちしています。(理事 髙橋佳夫)
筆者は、奥山の春の息吹を感じるにはカタクリの花に顔を近づけてみることにしています。花びらの上から太陽のエネルギーをこれでもかと吸収している花弁からは、乾ききった灰の臭いがしています。
もうひとつの春は、凍土が溶ける音と、溶けだした土から顔を出しているフキノトウの嬉しそうな様子です。
秋田県、青森県でも桜が満開という報道、昨日は、各地で夏日だという報道。15年前に設立した当委員会は、そんな気候の変化に疑問をもったことが設立のきっかけだった。
その変化に人が向き合うことの大切さを議論してくれた先輩諸氏(角岸さん、宮下さん、竹内さん、岸井さん)は、今、天空の森で私たちを見守ってくれていると思う。
間もなく、「令和」の時代に入る。周囲の喧騒から少し離れた所で両手を伸ばして、青空を見上げながら深呼吸をしてみてはいかがですか。草木の息吹を感じられるかもしれません。森びとは、足尾・松木沢でそんな皆さんとの出会いをお待ちしています。(理事 髙橋佳夫
本格的な春の訪れが足踏みしていた足尾・松木沢にも春暖が感じられるようになりました。朝晩は肌寒い時もありますが、間もなく始まるGWに足尾・松木沢の木々たちの春の息吹を感じてみませんか。
松木渓谷の入り口の出会いの場「遊働楽舎」(愛称名:みちくさ)では、管理人の舎人が皆様をお待ちしています。先日は、久しぶりにキツネが顔を見せてくれました。
ミツマタとアセビの花は今が真っ盛り、足元ではツクシやスミレが周りの草が大きくなる前にいのちをつないでいます。
松木川周辺から聴こえるオオルリやキビタキの囀りに耳を傾けてみませんか。春暖の中で深呼吸してみると、心の中から蘇ってくるものがあるかもしけません。(理事 髙橋佳夫)
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