足尾・中倉山の「孤高のブナ」を元気にする知恵とご支援を!
令和の時代に入りました。中倉山のブナは明治、大正、昭和、平成を生き抜いていますが、令和そして次の時代も生き抜いてほしいと願っています。
このブナは、幹の太さが直径45㌢以上あるので、1年に2㍉生長したとすれば松木村が廃村になった1902年頃から生きていることになります。
当時の中倉山稜線の南北は岩だらけになっていたでしょう。現在でも中倉山から沢入岳まで足を延ばすと、枯れた木が何本も残っていますし、岩が風化して小石になり、荒れている土壌が残っています。
このブナは、そんな岩だらけの稜線の僅かな土に必死に根を張り、草木たちが松木川に流されていった悲鳴を聴きながら生きてきたのかもしれません。
ブナは標高1600㍍以上の環境で生きていくのは難しいと言われています。中倉山山頂は標高が1539㍍なので、ブナが生き抜く環境はとても厳しいといえます。
厳しい環境で生き抜くブナをなんとか元気にしようと、稜線北側斜面に露出したブナの根に土を運んでいる「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の3回目が先月29日行われました。
10㍑の土を担ぎ揚げた森とも達たちが、笑顔で、楽しそうに土のう袋に土を入れ、露出した根の上にその土のうを被せている様子を動画で見ていると、胸が熱くなりました。
下山した森とも達からの話を訊くと、土砂が崩れている状況は早まっているので、この対策は急がねばならない、といことでした。筆者も急いでブナを元気にする森作業をやらなければならないと思いました。森を愛する全国の皆さん!「中倉山のブナを元気にする恩送り作業」の知恵とご支援をお寄せください。お待ちしています。(理事 髙橋佳夫 写真:清水卓、加賀春吾)
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