カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2094件の記事

2018年9月 8日 (土)

熊の悪戯(いたずら)?が至福に思える森づくり

P8082747  午後の足尾・松木渓谷入口、雨雲の切れ目から覗く青空が美しい。舎人の加賀さん、小川さんそして鎌田スタッフと立ち話し。4日以降、本日(8日)までには強風が吹き荒れたという。みちくさの入口屋根の波トタンが吹っ飛び、池には濁った水に混じって泥が堆積していたという。「みちくさ」オープンから7年経ったが、初めての被害であった。

P7101142  透きとおった秋の青空がと雨上がりの風にのってツクツクボウシの鳴き声が聴こえてきた。帰り支度をしながら再来週18日の育樹・育苗作業の準備の話し、獣害用柵の置き場などの検討をしていると、鎌田スタッフは近くのウワミズザクラの折られた枝を見て、「熊の仕業が嬉しい!」とほほ笑んだ。至福の瞬間であった・・・。

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P8082743  足元ではコオロギも立ち止まり、スタッフ達の立ち話に首を傾けているようであったが、その言葉に3人は頷いているようだ・・・。このような瞬間を大切にしたいし、多くの森ともと共有していきたい。(理事 高橋佳夫)

2018年9月 7日 (金)

人知を超えた自然のエネルギーを侮るな!

20180906 北海道厚真町の土砂崩れ(毎日新聞)

 「北海道胆振東部地震」で北海道は停電が続いている。北電は緊急事態に本州から電力を融通してもらう仕組をつくっていたが、今回はそれが機能しなかったという。融通してもらった直流電気は交流に変換する必要があるが、変換させるための電気が停電で用意できなかったからだという。また、北電は火力発電所の3基が停止するとは思っていなかったらしい。

P5031117 足尾グランドキャニオン

 これが日本基幹産業の経営陣の姿勢だ。自然の脅威を甘く見ていた「想定外」の3基停止、緊急時に発電に欠かせない発電機も用意していない利用者軽視。その上、経営のためには電力料金値上げを押し付けるのが基幹産業経営陣の姿なのかと情けなくなる。地震で犠牲になった方々にお悔やみ申し上げ、行方不明の方々の早期発見を祈る。

P8202673 足尾・中倉山北斜面

P8202677 東武日光駅から初秋の男体山方面

 私たちは森(自然)に生かされていること、そしてその力は無限であることを改めて考えさせられ、森(自然)に寄り添って暮らしていくことの大切さを実感している。(理事 高橋佳夫)

2018年9月 1日 (土)

“森びと松明”を照らして秋の森づくりがスタート

Dsc_0002  今日は防災の日、認定NPO法人の講演会から帰る途中の地下鉄は時間通りに発車しない。電車は防災訓練中で、少し待って発車した。夕方、足尾「どくだみ荘」の玄関を開けると、カボチャとナス等が置いてあった。松村宗雄さんが届けてくれていた。

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P7252679  手紙も一緒に置いてあったので読んでみると、松村さんの亡き岸井理事長への想いが書いてあった。「理事長の分厚い壁(社会悪には真正面からハネ返す)は安心しておっかかれ、ほっこらしたこの壁に守られて活動できた」と振り返っていた。

9p  4日は田中正造の命日。利便性や収益性だけを追い求めている歪な人間社会にあって、不測の事態にうろたえない森と生きる知恵を蘇らせなければと思う。松村さんの手紙の最後は、「岸井という“松明”に照らされて、森びとの設立趣旨に沿って活動していきたい」と結んでいる。秋の森づくり活動がスタートした。(理事 高橋佳夫)

2018年8月29日 (水)

岸井理事長の遺志を胸に、亡き竹内さんが残したシロダモの苗分け作業

 昨日(28日)の足尾・松木沢の気温は21℃でした。夏の作業を行うには最高の条件ながら、強い雨が降る生憎の天気でした。その為、臼沢の森の草刈りを断念、4月に天空の森へ旅立った竹さんの願いを宿されているシロダモの苗分けを行ないました。

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2018_0828_122035dscn5665  この苗は、生前の竹内アドバイザーが種を採取・保管していたドングリを奥さんが届けてくれた種です。発芽時期が遅くなりましたが酷暑の夏を越すことが出来、苗分けができずにいたものです。

2018_0828_112351dscn5663  植え替え用の土は、育苗担当の福田スタッフからレクチャー通りに混ぜ合わせ、苗木たちが冬を越せるようにと心を込めて苗分けしました。

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2018_0828_102135dscn5662  25日の「岸井理事長を偲ぶ会」に参加をしたメンバー達の姿は、新たな決意を心に秘めながら感想を語り合い、その遺志が作業に現れている様子でした。結果、32トレイ・640ポットの苗分けを行いました。

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2018_0828_122136dscn5667  森びと広場にはアキアカネが乱舞し、広場の脇では秋にマッチしている明るい紫色の花が輝いていました。気持ちが休まる瞬間をつくってくれています。

2018_0828_132327dscn5672  昼食後には雨が止みましたので、取水口の整備を行いました。鉄砲水で押し流された塩ビのパイプを安定させ、取水口ネットやタンクの底に溜まった大量の砂を取り除きました。蛇口をひねると水が出る便利さに比べると、大変な作業がですが、朝一番に点検をしていくことが大切になるのがこの作業です。ポット苗達の生命線の設備ですから。

2018_0828_142905dscn5676  雨の中で奮闘したのは、鎌田、松村(健)、加賀の各スタッフと筆者でした。(報告 橋倉喜一)

2018年8月26日 (日)

岸井理事長の霊魂は不滅です

_dsc3841  昨日は、70人の方々が集って岸井成格理事長を偲びました。「偲ぶ集い」会場には足尾で森づくりをしているスタッフが岸井理事長を足尾の木々で作ったリースの中に迎えてくれました。

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_dsc3693  また、献花の代わりに用意してくれたのはヤシャブシの実(種)でした。はげ山になってしまった足尾の荒れ地に生きているヤシャブシ。50年以上もの時間をかけて、落ち葉や枯れ枝で荒れ地の土づくりに欠かせない材料をつくっています。

_dsc3678  リースの脇にはカラツラの葉が置かれ、参加者の気持ちを和ましてくれていました。黙祷を捧げた後、岸井理事長と出合った想い出などを20人から語って頂きました。集いの最後には、岸井淳子さんからお礼の言葉を頂戴し、岸井理事長の意志をそれぞれの方が受け継いでいくことを誓い合いました。(理事 髙橋佳夫)

2018年8月22日 (水)

一歩一歩前へ!愚直な夏の森作業

 今朝の中倉山は、雲をかぶって夏の強い光を避けようとしていました。ところが私達が作業を始めるころには、青い空と強い日差しが足尾・松木沢に降り注ぎました。気温はどんどく上がり、32度になりました。

2018_0821_112027dscn5610  そんな暑さの中での森作業は臼沢の森の草刈りです。動物の被害にあったところに補植をした苗木が草に埋もれています。いつも感じる事ですが、臼沢の森の緑のトンネルは涼しくてスタッフの心を癒します。階段の上り降りも苦になりません。

2018_0821_100355dscn5605  昨日(21日)はベテランスタッフに交じって、福沢事務局員も草刈りに参加しました。草に覆われていたヤマモミジ、ミズナラなど、幼い苗木を一本一本に陽が当たるようにしていきます。既に7割近くを刈り取りましたので、残りの草刈りを終えることが出来れば、最後の第3ブロックだけとなります。踏ん張って草刈りを行いました。

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2018_0821_103214dscn5607  草場の片隅に、可憐な花が咲いていました。何の花かと悩んでいると、松村(宗)スタッフが「ゲンノショウコだよ」と教えてくれました。痩せてはいるが確かにそうで、薬草です。

2018_0821_121544dscn5613  昼食後は、取水口の補強や25日の「岸井理事長を偲ぶ集い」に向けた準備を行いました。足尾への思いに応えて、私達の思いを込めながら準備しました。

2018_0821_103125dscn5606  昨日は心配事がひとつありました。ビニールハウス裏の土手が、大規模にほじくり返されていました。イノシシだと思われますが、松木沢のいたる所で痕跡が見られて心配は絶えません。

2018_0821_150502dscn5617  昨日は、鎌田、松村(宗)、松村(健)、岡安、加賀、福沢の各メンバーの森作業でした。報告は橋倉でした。

2018年8月20日 (月)

南相馬市の浜風も秋の気配を運んではきました

 お盆が過ぎた南相馬市の苗床では秋を思わせる浜風が快適に感じられるような日になってきました。育苗場周辺の白ユリは浜風に揺られながら甘い香りを届けてくれました。

Img_1444_2  バッタは元気に飛び跳ね、親蜂は孵化を待っている様で忙しく感じられました。

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Img_1439_2     ピントが合いませんでした

 と言っても、昨日(19日)の日差しが暑いので、日差しを遮る仮テントの休憩場を設置し、ひとときの休憩と昼食場所を確保しました。作業はポット内の草取りと周辺の草刈り、苗木のチェック・整理を行いました。

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Img_1447_2  そして、まだまだ暑い日が続くのでたっぷり時間をかけて苗木に散水しました。今回は、軽トラに乗せた新タンクも利用した散水も行い、その威力を確認できました。遅い昼食を摂り、後片付けをして、散会しました。

Img_1438_2  9月15日には第3回の森の防潮堤・除草作業があります。苗木の生長を見守り、鎮魂・復興森作業を市民の皆さんと楽しみたいと願っています。昨日のボランティアは、松林、岩橋、筆者でした。(報告 東城敏男)

2018年8月19日 (日)

秋の気配を感じながら、今年後半の事業を話し合いました

 一気に秋の気配を感じる足尾です。夕方と朝方は薪を燃やして暖をとるのが心地よいほどでした。朝夕の虫の鳴き声も秋の気配でした。

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640x553  昨日(18日)から一泊二日で「夏季・事務局、スタッフ合同会議」が東京事務所主催で行われました。会場は足尾「銀山平キャンプ場」、出席者は24名でした。

640x480  出席者は10時に現地集合、大野事務所所長から会議の目的が話され、早速、小林事務局長から7月29日に開催された第1回理事会決定事項の具体的な考え方が提案され、議論を深めてきました。昼食後も年内の事業に関する議論を深めました。

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Photo_2   昼食は天ぷらを揚げ、群馬県産の冷麦をいただきました

 夕方は、キャンプ場から歩いて5分以内にある国民宿舎「かじか荘」の天然温泉に浸かり、疲れがたまっている身体を和らげました。

640x545  夜食はお決まりのバーベキュー。千葉県銚子市の“森とも”から送られてきた鰯の丸干し等を焼き、美味しく食べながら更なる親睦を深めることができました。

Photo_3         稲葉理事の乾杯発声

Photo_5  二日目はスタッフ会議。8時半から始まった会議では、急斜面で石が多い「臼沢の森西」の植林計画、みちくさ南斜面に造る「みちくさの庭」の設計、そして第二回目の「森の案内人」養成講座が行われました。今回は、来年の夏から予定している14年間で育てた森の案内・「臼沢の森」コース案が小黒事務局次長から紹介され、そのモデル案を肉付けしました。

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Photo_6  昼はねかしておいたカレーライスを食べ、その後はキャンプ場の片づけと掃除をして、一行は解散しました。二日間の会議では、25日の「岸井成格さんを偲ぶ集い」から年末までの森づくり事業を肉付けし、今年後半の事業骨格を意思統一することが出来ました。事務局員、スタッフの皆さんお疲れ様でした。(報告 高橋佳夫)

2018年8月14日 (火)

先輩四氏の意思を想い出す雷鳴響くお盆

 先人の霊を迎えて、昔の暮らしを語り合う旧のお盆ですが、各地では局地的な「ゲリラ豪雨」(雷雨)が心配になってしまうこの頃のお盆ではないでしょうか。

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2640x480  今から百十数年前、毒煙害で森の樹木や田畑の草木が枯れ、暮らしを奪われた松木村民。当委員会はこの地で森づくりをしていますが、この地に立って周囲の山並みを観ていると、百年かけてやっと草木が生えだしたその山並みの土砂と草木がゲリラ豪雨によって流されてしまうのでないか、と心配だ。

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Photo_3 上田市の木っ端で作った木彫(山本鼎指導による農民美術)

 当時は、銅山や硫黄などを製錬していた地域での土砂崩壊や洪水、そして健康被害で人々の暮らしが脅かされていたと思うが、現代のそれは地球規模になり、このままの暮らしをしていれば世紀末には生き物たちの生存が不安定となる、といわれている。

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     上田市柳町の迎え火の日

 小生の旧のお盆は元副理事長の角岸さん、宮下さんと杯を交わして森づくりを語り合ってきた。今年は、天空の森に旅立ってしまった岸井理事長、そしてアドバイザーの竹内さんとも杯を交わすことになってしまった。

640x480  来週末は、「岸井理事長を偲ぶ集い」を執り行う。森びと設立から地球温暖化を防止するための運動を語り合ってきた森びと四同志。今、黒い雲の中から雷鳴の地響き、そして冷たい風に流されて降る雷雨に驚きながら、先輩四氏の意思を想い出している。(理事 髙橋佳夫)

 

2018年8月10日 (金)

地球温暖化防止は「オール生き物たち」の課題!

 数年前から夜は10時に寝るようにしている。睡眠時間は6時間程だから朝4時には目が覚める。この季節の日の出は5時少し前だから、朝食までの時間はラジオから情報を得て、忘れてはならないことは排紙にメモをとる。

640x624  今日は早朝ではないが、NHKBSニュースでスイス山岳地方の雷雨と豪雨による土砂流出が報道されていた。その瞬間の映像がテレビで流されたが、そのスピードと勢いには驚いた。ポルトガルの山火事も報道され、市民の暮らしが異常気象の猛威で脅かされていた。

640x516  気候変動による異常気象の巨大化は地球人の暮らしを脅かしているようだ。沖縄県民の命と暮らしを守ろうとその先頭で辺野古軍事基地反対運動を推進してきた翁長雄志知事が亡くなった。つつしんで哀悼の意を捧げます。

640x498  温暖化の脅威は地球人共通の課題であり、特定の国々の人々の努力だけでは解決できない。辺野古軍基地反対闘争をけん引しているのは「オール沖縄」の人達だ。地球温暖化防止の運動は「オール地球人」がけん引できたらと願っている。「〇〇ファースト」という考えでは世紀末には生存が不安定な地球になってしまうかもしれない。

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1_640x530  こんな事を考えていると、姿を見ることが非常に難しい「ジュウイチ」の幼鳥が姿を見せてくれた。もしかして「オール地球人」という発想は、“生物社会の一員に過ぎない人間の驕りだ”ということをジュウイチが告げにきてくれたのかもしれない。(理事 髙橋佳夫)

 

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