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2020年10月の30件の記事

2020年10月10日 (土)

秋の夜長に星を見て、味覚、聴覚、視覚を磨く

 先日(10/8)、足尾・松木沢で熊の話を聞いた。冬眠する前に、山を何十㌔も歩いて体力をつける。母熊は2年間、子熊を連れて森の味覚と季節毎の食べ物、そしてその場所も教えているらしい。11月近くになると、熊たちは中禅寺湖や湯ノ湖に流れ込む沢に遡上する鱒を狙っているという。

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「Go Toイート」で観光地のレストランや街の商店街の店は賑わっている。その賑わいは、熊のように冬支度ということではなく、行政からの動員に応えているように思える。

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 美味しさや場所はインターネットで配信された通りに人は動き、人気のある店の味を楽しんでいる。秋の味覚はどんなものですか、と訊かれても「○○です」と答えられる若者たちはどのくらいいるのだろう。熊はどんぐりが不作の時は、どんぐり以外の実が食べられることも子熊に教えている。その道順も教える。だから2年間も連れて歩くのかと思う。

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 人間社会では、味覚はコンビニで売っている物や食堂で食べる物で教えられることが多い。季節は関係なく、何時でも食べられるようになった食材に慣れた味が若者たちの味覚になっているのかもしれない。

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 足尾に植えた栗、渋柿が今年も猿に食べられた。秋の味覚と訊かれて、「栗や柿、イナゴの佃煮」と答えられることが嬉しい。味覚という五感のひとつは“いざという時”に役立つ。五感は体験を積重ねないとその力を発揮しない。足尾の秋の星空を見ながら、五感を磨けることが有難い。(理事・高橋佳夫)

 

2020年10月 9日 (金)

冷たい空気と鮮やかな秋色の中で森作業

 台風が接近するまでの曇天の隙間の本日。今日は二人で、来月に植樹する予定地の土留め造りを行いました。PhotoPhoto_2 朝の気温は12度、薪ストーブで暖を取りながら、簡単な作業打合せ。霜が降りる前の今年最後の植樹会場の準備をやろうとなり、場所の「臼沢西の森」へ。急斜面の草地に土留め柵を造り、小さな岩を片づけ、そこに土をいれるまでの作業を計画。Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6 土留めは、角材を作った余りの四隅の板を使い、それを担いで石ころだらけの道を往復600歩。水分がしみ込んでいる重い板を54枚担ぎ揚げました。鉄筋でその板をガードしました。Photo_7奥の大きい木々は5年前に植えた
 今日は、五年前に植えた木々(上の写真)のように生長することを願っての作業でした。足元の野菊が疲れを和らげてくれました。Photo_8黒い部分が土を入れた様子Photo_9 Photo_10 昼食後、ぽつぽつと雨が降ってきましたので、急いで作業開始。本降りの雨にならないうちに予定していた土留め柵を設置することができました。作業が予定通りに進んで、担当の福原さんはホッとしていました。Photo_11 Photo_12
 「森びと広場」のカラタチの葉と実を見ていると、秋を実感します。疲れも吹っ飛びます。近くの栗の木では、猿が栗の実を食べていました。ほとんどの実が食べられてしまいました。今年も甘い栗が食べられませんでした。本日の作業は、福原さんと筆者でした。(報告・高橋佳夫)

城山の森づくり準備は終わりました

 昨日の城山の作業は雨のため中止。本日の午前中は雨が降らないようなので、最後の準備作業をおみないました。刈り払い機を担いで現地に向かいまくた。

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Img_0397 雲が厚く日光連山は見えませんでした。手前の里山の風景は心が休まるものでした。作業は刈り払い機での草刈りです。現地は、7日に小川さんがA~Cエリアの看板を立ててくれました。Aエリアを山本さん、Bエリアを加賀、Cエリアを鎌田さんは、篠竹が立っている木を植える周りの邪魔になる草や木枝を切り、大きく育っている木は残しました。

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Img_0398 作業は1時間半で終了。これで植樹地の整備はほぼ終わりました。台風が接近しているので作業を早めに終わりにしました。17日の植樹祭の天気が良いことを祈って別れました。本日のスタッフは、鎌田さん、山本さん、筆者・加賀でした。

2020年10月 8日 (木)

第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭の準備が始まりました

8日、13時30分より南相馬市鎮魂復興市民植樹祭実行委員会による現地打ち合わせを行いました。市役所からは、農林水産課武内係長、諸井副主査、鎮守の森のプロジェクトからは、水田氏、箱崎氏、応援隊から松林副代表、岩橋事務局、原田スタッフが参加しました。P1050313
 第8回植樹祭会場は南相馬市原町区萱浜字長沼地内で第5回会場の北側にあり、面積は約400㎡にタブノキ、アカガシなどを主木に21樹種2,000本を植樹します。今回の植樹祭は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため縮小開催とし、参加者は南相馬市民限定となりました。P1050319 現場は3年前に土壌改良なされているので植樹には問題ないとのことでした。私たちは、植樹祭に当たり実行委員会へ新型コロナウイルス感染対策や開会式の簡素化、鎮魂台の設置等をお願いしてきました。P1050322 当日の臨時駐車場については約200台分を確保しましたが、植樹現場までは約800m移動しなければならないので、少し気になります。打ち合わせ終了後、鎮守の森のプロジェエクトの方々と雫育苗場に移動し、補植用のポット苗の選別を行ないました。比較的生育のより、タブノキ、ネズミモチ、シラカシ、シロダモ、スダジイなどを選び、23日、24日の両日に第5回から第7回会場に約1,000本を補植する予定です。P1050321 応援隊は、今回参加できなかった森びとプロジェクト委員会の仲間の気持ち共に植樹祭成功のために頑張っていきます。(報告・応援隊 岩橋 孝)

足尾・旧松木村跡地の秋の足音

Photo_2 本格的な秋の森作業が始まった本日。霜が降る前に「臼沢西の森」に木を植える準備を始めようとしましたが、一日中雨が降るというので作業は中止しました。Photo_3 そこで足尾・旧松木村跡地の秋の足音を写真で紹介します。山桜の枝の上でモズが囀り、中倉山の北斜面方面からは雄鹿がメスを呼んでいました。Photo_4 その斜面を見ると、雄鹿が斜面に座って草を食べていました。「みちくさ庭園」のヒガンバナの花の色はくすんでいました。Photo_7 Photo_8 秋蕎麦の花は灰色の雨雲の下でしたが、白い色の花は灰色映えていました。Photo_9 Photo_10 庭園の中で鮮やかだったのはドウダンツツジの赤でした。外は冷えてきましたので、今日は「みちくさ」のストーブに薪を入れて暖をとって昼食をとりました。Photo_11台風の進路が心配ですが、今後1週間、秋が深まり行くのを楽しみたいと思います。(報告・高橋佳夫)

2020年10月 5日 (月)

森づくり活動を継承する“森びとプロジェクト”結成!

 NPO法人森びとプロジェクト委員会の森づくり活動を継承するため、8月29日に新たな任意団体・森びとプロジェクトが発足。発起人の呼びかけに賛同し、入会をいただいた45名の皆さまの出席のもと、10月3日(土)東京都内において、任意団体“森びとプロジェクト”の結成総会が開催されました。

 

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 発起人の大野さんの司会で開会し、座長に小林敬さんを選出しました。発起人を代表して中村幸人さんより「大変な自然災害が押し寄せてきている。人類は大きな転換をしないとおそらく生き残れない。私たちの考え方、ライフスタイルなどが変わっていかないといけない。15年間で培われたいろいろな知見、知識が大きな力になる。規模は小さくともピリリと辛い組織に皆さんと一体となって創りあげていきたい。」とあいさつがされました。

 

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《司会の大野発起人》

Img_1489《座長を務める小林発起人》

Img_1478 《中村発起人代表あいさつ》

 総会では、第1号議案・森びとプロジェクト規約(案)、第2号議案・活動方針(案)、第3号議案・予算(案)、第4号議案・役員体制(案)が発起人により提案され、5名の方から発言をいただきました。

 

Img_1523《第1号議案を提起する清水発起人》

Img_1480《第2号議案を提案する小黒発起人》

Img_1481《第3号議案を提案する小林発起人》

Img_1482 《第4号議案を提案する井上発起人》

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 15年間、現場で森づくりを担ってきた森びとスタッフの皆さんに感謝し、次世代の若手が森づくり活動を継承し、15年間の「宝物」を磨き上げていくこと。地球規模で猛威を振るう自然災害、地球温暖化を防止していくために、森びとプロジェクトに賛同し共に活動する会員の拡大に向けて気持ちを一つにしました。

 結成総会では、提案された議案すべてが賛成多数で可決され、10月3日、中村幸人代表を先頭に、新たな任意団体として“森びとプロジェクト”が結成されました。“山と心に木を植える”活動の新たなスタートです。

 

P6235492《2018年八幡平の森づくり》

P6021127《2019年南相馬市鎮魂復興市民植樹祭》

P9191663《2020年足尾・松木渓谷》

Pa042256《日光城山の植樹地》



 結成の目的『この組織は、地球上のすべての生命にとって欠くことのできない「いのちの森」をつくる活動(事業)を行い、地球温暖化に努め、有限な自然資源の価値を最大限に生かし、原発や化石燃料に頼らない人と自然の共生を目指す。この活動を通じて自然環境と人間の生命を大切にする心を育み、志を同じくするすべての人々と連携を図る。』ために、これからも多くの皆さまのご支援・ご協力をお願いいたします。

(理事・清水 卓)

2020年10月 4日 (日)

“みちくさ”再開!秋を探しに松木の森散策を。

 本日は10月4日(日)、9時の気温は16℃と肌寒く、足尾の天気は終日曇り空でした。新型コロナウイルス感染者が減少傾向にあり、GoToキャンペーンも始まった影響か、日光や足尾を訪れる方も増えてきました。

 

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 7月以降、感染拡大防止のため遊働楽舎(愛称:みちくさ)を閉舎していましたが、感染対策(手洗い用石けん、消毒用アルコール、マスク)を図り、10月から再開することにしました。久しぶりの舎人ですので、”みちくさ”内の清掃を清水が、みちくさ周りの草刈りを鎌田さんが担当しました。

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 水道から水が出ないので水源を確認すると塩ビ管が外れていました。桶の中には砂が溜まっており、砂を排出し、塩ビ管をつなぐと勢いよく水が出ました。

 

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 “みちくさ”の周りには実を付けたチカラシバが生え、畑のようです。実がズボンや服に着くと外すのが大変です。

 

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 “みちくさ”で作業を行っていると、足尾ジャンダルムにロッククライミングに向かうクライマーや登山者、松木渓谷へハイキングに向かう家族などが“みちくさ”前を通過していきました。久しぶりの外出でみなさん楽しそうです。

 

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 放射線量の測定の後、その足で民集の杜・樹徳高校植樹地の栗の木を確認に行きました。

 実が熟し、イガが口を開け始めています。木の下、地面を見ると栗の皮が散乱しており、動物が食べた後のようです。枝に着いた青い栗のイガもかじられており、サルの仕業のようです。イガのトゲは痛くないのか、上手に口を開けています。

 

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 栗の実の周りをスズメバチが飛んでおり、林内に蜂の巣がつくられているようです。殺虫剤を持ってこなかったのでスズメバチを刺激しないように杜を後にしました。蜂はクマを見ると襲う習性があるそうで、黒い帽子や暗い色の服は危険です。次に杜に入る時は、殺虫剤と明るい色の作業着で、蜂の動きに注意を払いながら入りたいと思います。

 

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 昼過ぎに橋倉さんが差し入れを持って“みちくさ”に来てくれました。バナナとみたらし団子をいただきました。ごちそうさまでした。

 

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 本日、来舎する“森とも”はいませんでした。“みちくさの庭”ではヒガンバナとイヌサフランが、畑ではソバが花ざかりです。朝夕の気温が下がってくると森の木々は少しずつ色づいてきます。

 

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 森ともの皆さん、秋を探しにどうぞ松木の森へ。来舎をお待ちしています。

 

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本日の放射線量 0.123μsv/h、舎人は鎌田さん、筆者・清水でした。

心に植えた森づくり15年の心得・・・その➀

 昨日は、15年間のNPO法人としての森づくり活動の幕を締めさせていただきました。全国から活動支援してくれました森ともの皆さんに心から御礼申し上げます。と言っても、15年間の森づくりを行ってきた私たちは、昨日の午後、新生「森びとプロジェクト」という任意の団体を結成し、NPO法人として活動してきた森づくりの実績と社会的な意義を磨き上げ、新たに“山と心に木を植えていく”活動を行っていきます。これからも地球温暖化にブレーキをかけていくための森づくりへのご支援、ご協力をお願いします。

Photo 八幡平市の植樹祭2018年

 今後のブログでは、幕を締めた15年間の森づくり活動が私たち人間に教えてくれたことを紹介していきます。私たちが木を植えてきた場所は、足尾銅山の煙害で荒廃地となった草地、八幡平市の旧松尾鉱山跡地の荒廃地です。足尾は今でも土砂流出防止に植えられた外来種の草地が広い、松尾鉱山跡地は硫黄製錬滓を堆積させた草地で、今でも広大です。草地を放置していれば半世紀たった今でも草地です。私たちは、この地を耕し、土や炭等を混ぜて土壌を作りました。

Photo_2 生長している八幡平の木々 

 これから迎える冬は、松尾鉱山跡地の苗は半年以上が雪の下、足尾・松木沢は禁猟区で鹿、猿、ウサギ、イノシシが集まり、獣害が多い地域です。春から夏には、幼木と草の競争が激しくなります。

Photo_4 雪の圧力で幹が曲げられる木々

 このような自然環境の中では、「寒いから、暑いから」と言って、獣害対策、草刈りを止めるわけにはいきません。“森は人間の都合では育てられない”ということを私たちは学びました。また、木を植えても枯れてしまう率は高いのですが、枯れ木はやがて土になるように、何もしないと荒廃地の草地は永遠に草地であるということを知らされました。

Photo_5 盛土つくって幼木を植えた

(理事・高橋佳夫)

2020年10月 3日 (土)

“山と心に木を植える”活動は新たな地平に ~第16回臨時総会~

 本日、当会は東京都内で第16回臨時総会を開催しました。コロナ禍であり、感染拡大防止に気をつけ、会場に入る前の体温チェックと手指のアルコール消毒の徹底は必須です。

20201003_123249_copy_1008x1344_2 正会員270名中231名の出席(本人出席47名、委任状184名)が確認され、議長には加賀春吾会員が選出されました。Line_59217010455066_copy_1008x671_2

議長の加賀会員

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中村理事長あいさつ

 理事会より高橋副理事長が、理事会で確認された第1号議案と第2号議案を一括提案しました。第1号議案では、当会は会費納入者の激減、足尾の森づくり現場を担っているスタッフが年を重ね、森づくりが始まった当時60歳のスタッフが後期高齢者を迎えている状況であり、今までのような森づくり事業の運営は極めて難しくなりました。森びと設立の先人の遺志や森びとの会員の願いは森づくり活動を継続することであるとして、その事業を運営する新たな任意団体の発足、森づくり事業を担う次世代の育成に舵を切ることになりました。NPO法人を解散することはとても残念なことなのですが、11月30日(月)をもちまして解散とさせていただくことが提案されました。

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高橋副理事長

 また当会は、この15年間で栃木県日光市足尾町と岩手県八幡平市の山に約53,000平米(東京ドーム1.3個分の広さ)、約11万本の木を植えてきました。あわせて子供たち、学生、外国の方々たちとともにふるさとの木による命の森づくりを行い、私たちの心に木を植えてきました。この活動の中心には、現場で厳しい議論を重ねて森づくりをされてきたシニアスタッフの皆さんの献身性が脈々と流れています。そのようなシニアスタッフの皆さんの活動の一端が記録されたYoutube (もりともchで検索して下さい)が紹介されました。

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Youtube もりともchより

 発言は6名の会員からいただきました。詳細は今後報告していきます。

20201003_142717臨時総会では提案された議案すべてが賛成多数で可決され、NPO法人は11月30日をもって解散することになりました。15年間活動してこられましたのは、ひとえに会員の皆様や物心両面で支えてくださった皆様の温かいご支援、ご協力の賜物です。心より感謝申し上げます。

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井上理事閉会あいさつ

(報告:東京事務所・小林敬)

2020年10月 1日 (木)

10・17 城山の森づくりの準備がすすむ

10月に入りました。いよいよ17日の日光「城山の森づくり」が近づいてきました。本日の作業は、植樹地をA・B・Cのエリアに分け、境界にロープを張ること、苗木を植える場所に篠竹を1,000本刺すことです。

Img_0355 ロープ、杭、ペグ、刈り払い機などを持って、最初の急登を登ります。眼下にのどかな里山の風景が広がっていくと心が和みます。

Img_0357 先日、この城山の頂上に日光「城山の森づくり」の参加者募集のチラシ20枚を置いてきました。それを見に行くと、チラシが無くなっていましたので15枚置いてきました。

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Img_0326 エリア毎にロープを張つた後、篠竹を刺していきました。Aブロックは低木を中心に150本、Bブロックは410本、Cブロックは440本合計1,000本を刺しました。

橋倉さんは刈り払い機で草を刈るのですが、もともとあったアジサイやカシの幼木などを切らないように気を使いながらの作業でした。

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Img_0375 今日も様々な花が咲き、少し疲れた身体を癒してくれました。とくに驚いたことは、松村宗雄スタッフから託され彼岸花が咲いていたことです。もっと驚いたのは、なんと桜(四季桜)が4輪花を付けていたことです。

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Img_0382_2 本日のスタッフは、鎌田、山本、橋倉、小川、加賀(筆者)でした。お疲れさまでした。

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