カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2094件の記事

2017年12月25日 (月)

樹木と人の協働が未来のいのちを育む大地を育てる

 昨日(12/24)は人間の社会では年の瀬を迎えて何かと忙しそうですが、海岸渕の苗木たちも元気に年越しができそうなのかと思い、応援隊・松林副代表と筆者で雫浄化センター育苗場に行ってきました。ポット内の土の乾燥度合いを見て、安心しました。2日前に岩橋事務局員がかけてくれた水が苗木の越冬に役立っている様でした。

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Img_1057  命を育む森の一員として頑張ってもらうためには苗木の都合に人が合わせないといけないことを改めて心に刻みました。

Img_1056  午後は、原ノ町駅前のホテルで開かれていた「さくらい勝延市政報告会」に出席してきました。彼は、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭実行委員会の実行委員長として命を守る森の防潮堤づくりのトップリーダーであり、南相馬市を「脱原発都市宣言」にした市長でもあるので、仲間たちと彼を激励してきました。

Img_1065  会場は立錐の余地のないほどの盛況でしたので、集っていた市民から私たちが檄を頂きました。来年6月は、全国植樹祭が森の防潮堤の近くで開催されます。応援隊をはじめ市役所、連合原町地区、市民と共に育てている森の防潮堤を全国の皆さんに観てもらえるように願っています。

20180128        2013年に植えた防潮堤の木々・12月撮影

 防潮堤に植えた樹木達、苗床で出番を待っている幼木達も元気に新しい年を迎えられるようです。全国の皆さん、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭に支援してくださってありがとうえございました。また、お会いできることを楽しみにしています。(南相馬市応援隊 東城敏男)

 

2017年12月22日 (金)

自然の息づかいを表している“暦”?により添って生きる私たち

Pa099102  森づくりをして歳を重ねていると冬至と啓蟄が待ち遠しい。本日(冬至)を境に陽の出が早まり、朝早く目が覚める筆者にとっては森づくり活動がし易くなる。啓蟄は、霜柱の融けだす音が足元から聴こえてくると、土中の根が動き出している気がするので気持ちが晴れ晴れする。多分、オオムラサキの幼虫も北風に飛ばされた落ち葉からエノキの幹へ、夜の遠足をはじめる頃かもしれない。

Photo  16日の生態観察に参加した森びとインストラクターの山本勉さんから感想が送られてきた。一部を紹介すると、「(冬を迎える時季)幼虫が幹から地面の落ち葉の降りる時、途中で落ちないのか、と質問があり、阿部さんは、クモのように糸を引いて降りてくるので落ちない。幼虫を探す時は幹に糸の跡がある北側の落ち葉の裏を探すと見つかる可能性が高いとも話してくれた。なぜ北側かなのかという質問には、落ち葉は腐る時発熱するので、北側の比較的温度の低い方を選ぶのではないかという。

Pa099165  今回の観察では自然は関心を持って長く観察することが大事であることを学んだ。昆虫の森は里山を丸ごと理解するのに良くできた森だと思った。機会があれば阿部先生の飼育している現場を見学したい。案内してくれた川田先生、ありがとうございました」(山本 勉)

Photo_2  エノキの北側の落ち葉を選ぶらしいオオムラサキの幼虫。陽が当たる南側で越冬しないということは寒暖の差があるたびに体力消耗を避けるためなのか。住処の落ち葉はエノキから100㍍以上も風で飛ばされることもあるが、啓蟄を迎えるころにはエノキの幹まで夜の遠足をするというから、どうしてエノキの方向が分かるのか不思議でならない。(理事 高橋佳夫)

2017年12月21日 (木)

蝶の悲鳴を暮らしを見直す知恵に活かす“つくり人”

 先日、オオムラサキ研究者の第一人者である阿部勝次さんと「ぐんま昆虫の森」でお会いした。半世紀以上にわたる研究のほんの一部の話で共鳴したことがある。

2_4  阿部さんは、「私は冬にキュウリ等の夏野菜は食べない。栄養価も薄く、ハウス栽培だから」と話した。その話の本質は、人間の暮らし方の影響で昆虫たちが生息地を移動しなければならない環境をつくっているからだという。主に九州地方に生息している蝶が群馬県まで移動し、生息しているという。

2_5  蝶だけではなく世界の生き物の生存を脅かしている地球温暖化の影響が各国で起こっているが、阿部さんは、化石燃料を燃やしてビニールハウスを温め、露地栽培と比較して栄養価の薄い野菜を食べるという暮らしは見直すべきだ、と訴えている気がした。

Photo  今年も異常気象が世界各国で人々の暮らしを脅かし、何百万人が避難生活を強いられ、犠牲者も出た。私たちは、“世紀末に生存が不安定な時代を迎えないために森と生きるライフスタイルへ舵を切ろう!”と今年も討論を続けてきた。その時は“待ったなし!”とも訴えてきた。

Photo_2  安部さんは、蝶たちの舞を観ながら“生存の不安定な時代”へ向かわないために、冬に夏野菜を食べない暮らしを貫いている気がしている。“待ったなし!”ということはこのような実践性であると共鳴した。“つくり人(びと)”の阿部さんから素敵なプレゼントをもらい、感謝でした。(理事 高橋佳夫)

 

2017年12月19日 (火)

暖かな足尾・松木で爽やかな汗をかきました。

今日(12/19)の足尾は快晴。この時期の足尾は氷点下になるのが普通ですが、今日は2℃という暖かな松木の里です。筆者にとっては久しぶりの足尾です。鹿も元気そうに草を食んでいました。10頭位の集団で、黒くて大きいのが一頭いました。よく見ると立派な角があり牡鹿です。牡鹿は単独行動しているのが多いようですが、群れの中にいるのを見たのは初めてでした。

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Cimg7031_2 今日の作業はやり残している、今年の植樹祭で植えた臼沢の獣害対策のためのネット補強です。左側(西側)と上の部分を張りましたが、ネットが足らず上の部分50mほど残しました。植樹地を歩いているとハチの巣の残骸を発見。何かに食べられたのか?傍にはハチが2匹死んでいました。

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Cimg7047 昼過ぎると曇ってきました。向かいの中倉山方面は時雨れているようです。暖かな時間は続きません。作業を終了し下山してきましたが、途中の階段は落ち葉が積もって見えないうえに、ものすごく滑ります。足で落ち葉をラッセルしながら降りてきました。

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Cimg7060 遅い昼食をとりながら来週26日今年最後の作業の打ち合わせをしました。作業小屋のスペースの確保のためにストーブの移動をどのようにやるか。獣害対策のネット点検などの打ち合わせを行い、最後に火事が多い昨今、注意喚起の「火の用心」の張り紙を張り本日の作業を終了しました。

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Cimg7068 本日のボランティアは、鎌田さん、松村宗さん、松村健さん、橋倉さん、小川さん、筆者でした。(報告 加賀春吾)

2017年12月17日 (日)

「ぐんま昆虫の森」でみつけた森と暮らす心得

4_640x488_640x488  昨日(16日)は生態観察チームの第8回会議で、「ぐんま昆虫の森」へ入りました。森の案内人は樹徳高校教諭の川田さん。足尾の環境授業でも引率して来ていただいている。川田先生はこちらの森でボランティア活動をされているということで、足尾松木沢での生態観察に役立てようと、里山を案内していただきまし。

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1_640x477  午前中は、昆虫の森恒例のオオムラサキの幼虫越冬調査の手伝いしました。大人と子供たちのチームに加わり、エノキの根元半径50cm程の落ち葉で冬眠しているオオムラサキの幼虫をみつけて幼虫を数えました。

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640x480  森びと参加者は初めてのことでしたが、子供たちの真剣な顔を見ながら探し当てることができました。見つけた幼虫は四齢幼虫といい、脱皮を4回したあとの姿で全体が落ち葉色にして、外敵から見つからないようにしていました。今回の調査では、計129匹が見つけられました。昨年と同じ数でした。

640x480_2  その後、オオムラサキと暮らしてきた蝶の専門家・あべ蝶吉(本名:阿部勝次様)さんの映像を観て、オオムラサキの一生を知ることができ、また、その蝶と暮らしてきたあべさんの自然環境への情熱と生き方に触れ、感銘を受けました。

640x513  昼食後、樹徳高校の広井教諭と丹羽教諭、そして生徒4人が私たちと合流し、昆虫の森の観察をしました。昆虫の森は里山である森ということで、雑木林から、田んぼ、畑、そして藁ぶき屋根の農家など、人が森と深く関わり暮らしてきた歴史とその様子が実感できました。

Pc169775_640x483  一言で「里山」と言われていますが、とても奥が深い森であること、その森が人や生きものたちの命を育んでいることが実感できた一日でした。また、この森の維持は多くのボランティアの皆さんが日々活動して存続されているという、ことですので里山は人間の都合では元気な森として持続しないことも実感し、里山は人間だけの活動ではなく昆虫たちの働きがとても大切であるということも感じました。

川田先生、樹徳高校の先生と生徒の皆さん、友の会の皆様、「ぐんま昆虫の森」では大変お世話になりました。また、ぜひ、訪問したいです。(報告 事務局員・宮原 哲也)

 

12/15

2017年12月15日 (金)

穏やかな快晴の日、生き物たちの息づかいが聴こえそうな臼沢の森

 朝、8時半の森びと広場の気温は-2℃。風が無かったので昨日の寒さほどではなかった。雲ひとつない青空に臼沢の森は昨日の雪がすっかり融け、葉を落とした樹木たちは日向ぼっこをしている感じであった。

1 足尾グランドキャニオンは岩肌が凍りついて痛々しく感じた。

2  スタッフ達が到着するまではホットコーヒーで身体を温めながら、今年一年の出来事や新年からの森作業の話をした。9時45分、福原スタッフと小林事務局長が到着。昼飯までの作業打合せを簡単に行い、いざ臼沢の森へ出発。

4  カサ、カサと落ち葉を踏みつける音に気持ちを和ませ、600段の階段をゆっくり登った。

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3  今日は、階段に動物の糞がしてあった。木の実を食べたのか、糞は実の皮と種が混じっていた。毎日階段を登っていると、森に棲む色々な生きものたちの息づかいが聴こえてくるようだ。

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Photo_4  無風で快晴下での作業はスムースに進み、ネット補強が初めての小林事務局長も直にできるようになり、12時半までに東側の全長を補強することができた。

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Photo_6  昼食後、仁平スタッフは家に向かい、残った3名はBコンテナの整頓作業を行った。午後1時40分には中倉山に太陽が隠れてしまう森びと広場。薄暗くなってので、本日の作業は終了。本日のボランティアは福原、小林、仁平、そして筆者でした。(報告 髙橋佳夫)

 

2017年12月14日 (木)

心を洗ってくれる雪に感謝して森作業

 朝、余りにも静かなのでカーテンを開けると外は真っ白。長屋の屋根や路地には3㌢程の雪が積もっていた。早速、今日の森作業の判断、スタッフの鎌田さんには安全第一を確保するために作業をキャンセルしてもらい、二人は現場に向かった。

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Photo_2  午前中は風があり、冷気に刺されながらの森作業。臼沢の森の階段に積もった雪を踏みしめて、ゆっくりと登った。

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Photo_4  途中、動物の足あとがあり、ひづめの跡ではなく5本の指跡が見えたので鹿やイノシシでなく、キツネにしては大きい足跡だったので特定はできなかった。

Photo_5  2008年に植林した所から森びと広場を見下ろした。風は冷たいが階段を登っているのでその風は気持ちが良かった。岸井さんの理事長復帰を願った。そして雪と戦っている新潟の竹内さんにも檄を送った。

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Photo_7  20分程で標高約1千㍍地点に着き、早速、昨日に続いて再利用の金網でネットの補強。二重になっている金網をほぐし、傾斜30度はある雪の斜面に足尾掛けてネットに金網を張りつけた。

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2  水分を飲みながら中倉山の周囲を眺めると、青空に吹雪が舞っている雄大な中倉山が美しく、心の中が一瞬空っぽになった。12時半に作業終了。

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Photo_10  昼食後は年末のコンテナ整頓、田城さんから頂いたスチール棚を備え付けると乱雑していたコンテナがすっきりした。

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Photo_12  16時半、雄鹿が鳴き出したので長屋に戻った。午後は風が止んだので作業がスムースだった。(報告 高橋佳夫)

2017年12月13日 (水)

標高約1千㍍の草地に植えてくれた苗木を食害から守る!

 今日の朝は冷えた。4時頃には、布団に入っていても顔が冷たいのでマスクをつけるほど。8時半頃に森びと広場に着き、温度計を見ると気温は-5℃でした。

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Photo_3  風はなかったので中倉山や臼沢の森は冷気に包まれてシャキッとしている感じがした。

Photo_4  中倉山北斜面では鹿の親子が朝陽を浴びながら枯草を食べていた。

Photo_5  今日の森作業はハウス内の苗に撒水、昨日に続く臼沢の森上部の獣害防止ネット補強、同時に、赤外線センサーカメラを設置した獣害調査の準備を行った。いざ出発となると足尾グランドキャニオン方面から雪が飛んできた。

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2  補強用の金網とカメラ設置用の杭とハンマー等を担いで600段の階段を登り、枯草が滑って不安定な足元に木尾付けて昼過ぎまで作業をした。

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Photo_9  現場では、金網の再利用のために針金をカットして、ネットの下部を金網で補強した。

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Photo_12  センサーカメラは、岩の多い斜面に杭を打ち付け、強風で杭が倒れない補強を施してカメラを設置した。

Photo_13  昼食後、松井理事、大野理事が森びと広場に到着、古河機械金属㈱足尾事業所との意見交換の打合せを行った。その後は、コンテナの年末清掃を行い、田城さんから頂いたスチール製家具でコンテナ内の整頓を始めた。3時過ぎると薄暗くなるので、本日の作業は終了した。本日のボランティアは松村健さん、福原辰夫さん、済賀正文さん、仁平範義さん、そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2017年12月12日 (火)

今年最後の森作業集中日、冷たい風を身体に受けて獣害対策

 日光と足尾の境にある日足トンネル近くに来ると道路の両端が凍っていた足尾町。森びと広場に到着すると、広場は薄っすらと雪が積もっていた。中倉山の頂上を眺めると陽が当たらない場所は残雪で白くなっていた。

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2  強い風が冷たい空気を運び、その風が耳や頬に当たると凍りつくような今日の森作業。作業はふたつのグループに分かれ、1グループは臼沢の森の柵補強、2グループは松木の杜内のシラカンバの幼木に幹ガード設置した。

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3  臼沢の森は二重に柵とネットを設置したのですが内側のネットが食いちぎられている箇所が多く、金網を背負って600段もの階段を登り、今年植えた幼木が獣に食べられないようにした。

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6  松木の杜では、先月植えたシラカンバが幼木なので獣にとっては美味しいらしく頭部が食べられてしまった。細い幹も食べられては枯れてしまう恐れがあるので、今日は全ての幼木を幹ガードで囲った。石が多い所なので手間どったが、80本の全ての幼木をガードした。

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9  今年の森作業集中日は今日が最後なので、冷えた身体を温めるためにもうどんと蕎麦を茹で、福原スタッフが揚げた天ぷらを麺にのせて温かい汁で食べた。足尾町の塚原さんからは赤飯を頂き、松村スタッフからは野菜を頂いたので汁は野菜たっぷりにした。

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13  午後の作業をした後、3時過ぎには甘酒で身体を温め、一年間を締めくくった。(報告 高橋佳夫)

2017年12月11日 (月)

“鎮魂復興植樹祭”の心を新たに応援隊の1年間を語り合う

 慌ただしく迎えた師走、天気は天高い青空の下、南相馬市応援隊は9日、今年最後の森作業を行いました。海辺の雫浄化センター育苗場には、筆者も含め9名(渡部さん、松林さん、菅野さん、道中内さん、東城、松本さん、遠藤さん、岩橋恵美さん、東城睦子さん)が集ってくれました。

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Photo 作業は、寒い冬から貴重な苗木を守り保護するために柵の周りに防風遮断ネットを張りました。また、苗木の置く場所も変更し、タブノキ、シロダモ等の背の高い苗木をネット側に移動し、背の低いマサキ等を内側に移動しました。これで越冬対策は万全とはなりましたが、苗木には水が欠かせないので撒水はこれからも続けます。

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Photo_5  終了後、応援隊代表・渡部さん宅で1年間を振り返りながら、慰労会を行いました。この場には、桜井勝延市長と金子恵美衆議院議員、そして森びとプロジェクト委員会からは高橋副理事長をはじめ3名、市役所の山田生活環境課長も出席してくれました。

Photo_6 料理は、地元料理の「どんこ鍋」等を女性の皆さんにつくっていただき、懇談では、皆さんから感想や意見を頂戴して植樹祭や育樹祭の方向を考えました。

Photo_7  翌日(12/10)は、植樹祭から5年を迎える森の防潮堤の樹木の生長を観察調査する実習を行いました。アドバイザーは森びとプロジェクト委員会の宮原事務局員。植生調査場所は鹿島区南右田の第1回植樹祭会場、調査は10㍍×5㍍に区切った場所に生きている全ての樹木の幹の径、樹高、樹種の測定でした。実習では14種で62本の樹木を調査、樹高でトップだったのはネズミモチの260㎝、幹の径は直径20ミリでした。

2 この調査は年明けから応援隊が本格的に実施していきます。できれば相馬農業高校生達と一緒にできれば嬉しいと思っています。そして、この調査によって5年前に植えた樹木の生長が、全国から来てくれた植林ボランティアの“鎮魂復興の願い”に結実できれば嬉しいと思っています。宮原さん、ご指導ありがとうございました。

Photo_8  近くの「奇跡の一本松」は残念ながら枯れてしまい、今月27日に伐採されます。その前で、私たちはこの松が宿しているであろう、“自然と暮らすことの大切さ、原発はきれいなエネルギーではなく、永遠に命を脅かす怖いものなのだ”、ということを風化させないようにしていきたいものだと願いました。月命日の今日、そんな誓いを新たにできました。(報告 東城敏男)

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