自然の息づかいを表している“暦”?により添って生きる私たち
森づくりをして歳を重ねていると冬至と啓蟄が待ち遠しい。本日(冬至)を境に陽の出が早まり、朝早く目が覚める筆者にとっては森づくり活動がし易くなる。啓蟄は、霜柱の融けだす音が足元から聴こえてくると、土中の根が動き出している気がするので気持ちが晴れ晴れする。多分、オオムラサキの幼虫も北風に飛ばされた落ち葉からエノキの幹へ、夜の遠足をはじめる頃かもしれない。
16日の生態観察に参加した森びとインストラクターの山本勉さんから感想が送られてきた。一部を紹介すると、「(冬を迎える時季)幼虫が幹から地面の落ち葉の降りる時、途中で落ちないのか、と質問があり、阿部さんは、クモのように糸を引いて降りてくるので落ちない。幼虫を探す時は幹に糸の跡がある北側の落ち葉の裏を探すと見つかる可能性が高いとも話してくれた。なぜ北側かなのかという質問には、落ち葉は腐る時発熱するので、北側の比較的温度の低い方を選ぶのではないかという。
今回の観察では自然は関心を持って長く観察することが大事であることを学んだ。昆虫の森は里山を丸ごと理解するのに良くできた森だと思った。機会があれば阿部先生の飼育している現場を見学したい。案内してくれた川田先生、ありがとうございました」(山本 勉)
エノキの北側の落ち葉を選ぶらしいオオムラサキの幼虫。陽が当たる南側で越冬しないということは寒暖の差があるたびに体力消耗を避けるためなのか。住処の落ち葉はエノキから100㍍以上も風で飛ばされることもあるが、啓蟄を迎えるころにはエノキの幹まで夜の遠足をするというから、どうしてエノキの方向が分かるのか不思議でならない。(理事 高橋佳夫)
コメント