カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2093件の記事

2019年8月24日 (土)

“生物社会の命の営み”が暮らしの基盤を支えている!

 足尾・松木沢ではススキの穂が風に揺れ、草むらからはコオロギの鳴き声が聴こえるようになりました。松木川から吹く風にも涼しさ感が増しています。間もなく気の早い冬鳥も姿を見せてくれる季節になった。

P8247155  何千㌔も離れた地域から飛来する生きものたち。中には、台風に乗ってやってくる生きものもいる。人間以外の生きものには国境が無く、パスポートもいらない。

P8247169 今日は鎌田さん、弘永さんが森作業

 足尾・松木村跡地もそうした生きものたちが生きているのか。草地を耕し、その地に幼木を植えると、林内の気温は外気よりも涼しくなり、地は乾燥が遅くなり湿気が持続するようになる。この地が気に入った生きもの(草木)は種から芽を出し、微生物たちも蠢いているようだ。このような生きものたちの命の営みが「新松木の杜」で始まっている。やがてそれは人間の命を育む大地に育っていく。

P8247174 来月、JICA事業で外国の方々が木を植える場所整備

P8247172石ころだらけの地でも幼木は大地に根を張り、恵みを育む

 国益は自国だけで得られない。他国の協力があって、人の協働によって利益が得られている。ところが人間社会では人の命の営みを支えている生きものたちの自然環境の衰弱を軽視し、“お友だちファースト”的な考えによる政治が跋扈している。今日から開かれている「G7サミット」でもその現れがある。「共同宣言」が採択できないという。

P8247187 キツネは何を伝えようとしているのか

 主要7国の首脳には、“地球人の命の営みのために”というスタンスに起ってもらいたい。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月20日 (火)

季節が極端に変わる?気配を感じて森作業

 旧盆から1週間経った旧松木村跡の朝、村の墓石から見える足尾グランドキャニオン。その雰囲気はいかがでしょうか。現地はとても神秘的でした。

Photo  今日は森作業の集中日、天気は暑くなく作業日よりと思っていましたら午後2時には雷雨でした。作業は2グループに分かれ、1グループは、昨日、鹿が侵入したと思われる箇所の柵補強をしました。同時に、鹿に食べられては困るシラカンバの幼木の生長点と枝を保護しました。

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Photo_3  2グループは、育苗ハウスにあるポット苗の草取りをしました。草取りはハウス内で行ったので、ある人は一石二鳥?でした。ポットの草は取り除き、ハウス内の作業で汗をかいてダイエット?ができました。

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Photo_5  昼食後は雷雨が襲ってきましたので小屋に退避し、着替えをした後に今後の森作業の打合せをしました。

Photo_6  何故か、急に秋が訪れるのではないかと思われた足尾・松木沢でした。コガネムシも驚いているようでした。

Photo_7  本日の森作業は、鎌田、松村健、橋倉、福原、小川、清水、東京事務所4名そして筆者でした。(報告 髙橋佳夫)

2019年8月19日 (月)

秋の気配が待ち遠しい足尾・松木沢

Photo ガビチョウ?

 足尾町赤倉の朝夕は中国からやってきたガビチョウという鳥の鳴き声が響く。とにかく大きな声で囀っている。写真に撮ろうとするが木の葉が邪魔してうまく撮れない。

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4  今日は一人なので森作業はやらない。松木川から吹く爽やかな風に感謝しながら、「みちくさ」で編集作業をした。途中、またしても鹿が「松木の杜」に侵入していたので、昨日作った逃げ道から出て行ってほしいと願った。

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8  気分転換に周辺を散策すると、“吾輩はバッタである”という構えをしたバッタが道の上で仁王立ち?道案内をしてくれたのがハンミョウ。

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6  暦の上では秋、広場周囲に植えた花やクリの毬栗をみていると実りの秋へ動きだし、1カ月もすれば私たちに旬の味を届けてくれる。

3  執筆では、来年から始まる「パリ協定」に向き合う“地球人の恩送り”を構想してみた。来年の日本は「パリ協定」ところではなく、社会はオリンピック一色に包まりそうだが、森と寄り添う暮らしの競技(協議)も創りだせないか。(理事 高橋佳夫)

2019年8月18日 (日)

最後まで追い込まず、“逃げ道を”作りました

Photo  朝の出迎えはバンビでした。森びと広場のビニールハウス脇にいたバンビは人の足音に驚いているようでした。

Photo_2  昨日、銀山平イベント後の荷物運びに足尾に戻ると、鹿2匹が「松木の杜」に侵入していましたので、今日は鹿の追い出しをする予定でした。舎人当番の小黒さんを待って鹿の追い出し開始。ところが鹿の姿は見えないので、柵をチェックすると杜から外に逃げ出した跡がありました。

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Photo_4  早速、4カ所の柵を補強しました。そこで今日は、侵入した鹿が逃げる場所を作っておきました。最後まで追い込むのではなく、逃げ道を作っておこうと柵上の一部分を低くしておきました。この場所は柵の外からは絶対に侵入できない傾斜があるので、ここに逃げ口を作り、効果を試してみようとなりました。

Photo_5 来年のブラックべリーが楽しみ

Photo_6 8月下旬になろうとしているのにアザミの花が咲きません

 昼食後は、「みちくさ庭」の草取りをやりました。15時頃になると、小黒さんから「臼沢の森に熊がいます!」と教えてくれましたので、早速、望遠レンズで写真を撮りました。

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Photo_8  なんと熊は、柵をよじ登って侵入し、蟻の巣や蜂の巣を探し、また柵をよじ登って外にでました。その様子は以下の写真です。

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Photo_10  ブログ「みちくさ」ではこの様子を動画発信する予定です。お楽しみに。空が雨雲になり、雷音も聞こえてきましたので帰路につきました。(報告 高橋佳夫)

2019年8月17日 (土)

“子と大人が夢中になれる”草木との触れ合い

 イベント当日の朝、銀山平キャンプ場は爽やかな青空で一日が始まりました。

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1   現地では、スタッフの鎌田さん、事務局の小黒さんの到着を待って打合せ。木の摩擦による火起こし、その種火で薪を燃やして団子を味わう、竹細工では水鉄砲作りと竹馬で歩行を試すなどの準備。

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21_2  水鉄砲は10本分を用意しましたが、不足するのではないかという意見があり、本数を増やしました。準備をしているとイベント開始時間前に、親子が早めにキャンプ場を引き上げるので火起こしをやらせてくれないかというので早速、火起こしを始めました。

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3  火起こしにチャレンジした子供たちや保護者も必死なって摩擦を起こしましたが、種火から樹皮等に燃え移ることが中々できませんでした。それでも皆さん必死なって摩擦を起こすと、種火から樹皮に火が燃え、ドラム缶の薪が燃えました。その火で団子を焼き、食べて頂きました。団子は薄い醤油を付けて食べて頂きました。皆さんからは、“美味しい”という声が出ていました。

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51  水鉄砲作りは“夏休みの研究課題のひとつにしよう”という子供たちがチャレンジしてくれました。午後はとても暑かったので、子供たちは水鉄砲で水をかけあいを楽しんでいる様でした。

6 7  大人たちも火起こしに夢中になったり、竹馬を上手く操ったりして、日頃の忙しさからひと時の解放感を味わっているようでした。

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10 主催者の「かじか荘」支配人・小野崎さんも火起こしにチャレンジ!

 イベントに参加していただきましたキャンパーの皆さん!本日は楽しいひと時をつくっていただきありがとうございました。(報告 高橋佳夫)

2019年8月16日 (金)

明日は、自然の恵みに感謝するイベントをつくりたい!

 台風一過が足尾に青空を連れてきてくれた。明日のイベント準備で松村宗スタッフと筆者は14時にダムゲートで待ち合わせ、ドッキングした後にイベントで使うブルーシートやコンパネ、竹細工用の道具等を車に積んで銀山平キャンプ場へ向かった。

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P9166985 松木川は台風の影響による大雨で水量が多く、いつもの道が冠水してしまった。

P9166989  キャンプ場では幕営をする親子や友だち同士の嬉しそうな顔が目についた。夕方には清水理事も現地に到着、三人で明日のイベント必需品のチェックを行った。夕方には、橋倉スタッフが差し入れを持ってきてくれた。早速、夕食の準備に入り、明日のイベント内容を話し合いながら気持ちを高ぶらせた。

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P9166992  隣のキャンパーからはタイ料理の差し入れがあり、美味しくいただいた。台風一過が運んでくれた清々しい夜空に輝く星と月は、一段と酒の美味しさを増してくれた。そんな自然の恵みに寄り添って生きている私たちの暮らしを感じるイベントにつくりあげたい。

P9166993 (理事 高橋佳夫)

2019年8月15日 (木)

台風10号のメッセージは“森に寄り添って生きる暮らし”へ進路を切れ!?

 この頃、マスメディアは台風10号の進路や大きさを報道し、災害に備えるよう視聴者に呼び掛けている。台風の上陸付近からの実況中継をしながら、台風と向き合う心構えを訴えているようだ。

Afp シベリアの山火事(写真・AFP)

 どうして24時間に1千㍉もの雨を降らせる台風が現われるのか、という報道は極めて少ない気がする。土砂崩壊等災害に厳重注意を呼び掛けている。視点を変えて、土砂と一緒に流されている生きものたちの報道は皆無に近い。

Photo ナツハギ

「人間も動物も虫も樹木もコケもシダも、みんな土の恵みで生きている。その土は微生物の固まり。肥沃な土1㌘には何十億個もの微生物がいる。枯れ葉を土に変えるのはもちろん、放射性物質を吸収してくれたり、放射性物質の半減期を早めてくれたりもする。そんな研究がどんどん進んでいる。かすかな光りが見えてくれるじゃないですか。微生物が地球を輪廻転生してくれるのですから」(絵本・『豊かさの根源は土にあり』)、と著者の小泉武夫さんは訴えたている。

Photo_2  ロシアでは原子力関連の事故が発生した。「中距離核戦略廃棄条約」(IMF)が無効になった。米・ロシア・中国等の核戦略競争が始まったのかと疑う。貿易戦争もどきも米中間、日韓間で始まっている。今日は74年回目の敗戦日。“森に寄り添う人間”のいのちをつなぐ運動課題は山積み。何から向き合っていけばよいのだろう?

Photo_3 ハクウンボク

 流される土砂には土の恵みも流されている。土砂は微生物たちが作ってくれたもの。短時間に土砂は作れない。その恵みで人間は生きている。マスメディアにはこんな視点からも台風に向き合ってほしいと願う。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月12日 (月)

木と木を擦って火を起こす体験を災害時に活かしてほしい!

 アラスカ、シベリアの森林火災(国連は「前代未聞の事態」だ)の原因は、記録的な暑さと空気の乾燥と落雷だとみられている。乾燥した木と木が擦れるだけでも着火することがある。マッチやライターで着火させる体験も現代の暮らしの中では殆どない。自然災害時にはどうするのかと、他人事ながら心配する。 

Imgp1074  今週末の17日、足尾町の「銀山平キャンプ場」で“森は大切な友だち”というイベントを試行する。主催は、国民宿舎「かじか荘」と当会、キャンプしている子供たちや保護者に自由に参加してもらう。

Cimg4197  イベントは、木と木を擦り合わせて火を起こす。種火を作って、枯れたシラカンバの樹皮や杉の葉を燃やす。その他は、竹で水鉄砲を作り、水遊びをする。身近にある草木が私たちの暮らしに欠かせないことを体感してもらう。

P8126950 森は秋の気配?

 サポートは当会の「森の案内人」。本番へ向けて、当日の案内人である森びとスタッフたちは旧盆の休みものんびりしていられない。「超」が付いた台風10号の上陸と進路が心配だが、“いざという時の生きる知識”を養うことができれば嬉しい。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月 9日 (金)

2050年までに気温上昇を1.5度以内に抑えるために、全世界で森をつくろう!

 来月、国連は「気候サミット」を開催する。当会は、先月の「G20サミット」議長の安倍総理大臣に「地球温暖化にブレーキをかける要望書」提出した。その後は、「気候サミット」主催の国連にも温暖化にブレーキをかける要望書を届ける準備をしている。

P7143378  衆参全国会議員へ上記の要望書を配り、アンケートに協力していただいた。返信してくれた国会議員は36名、立憲民主党からは要望書へのアドバイスをいただいた。忙しい中でのアンケートに応えてくれた国会議員の皆さん、ありがとうございました。「気候サミット」への要望にもご協力お願いします。

P7303438  ところで、アメリカ全土の広さに木を植えると、気候変動にブレーキがかかりそうな研究結果が発表されたという。スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究者が米科学誌『Science』電子版で発表した。論文によれば地球上にはまだ植林可能な土地が9億ヘクタール残されている。これはほぼアメリカ全土の広さという。この地を森林で埋め尽くすことができたなら、2050億トンもの二酸化炭素を吸収してくれる計算だ。

P7186577  紹介してくれた方は、「いろいろな状況が重なって地球の森をむしばんでいる実態だけは明らか。とりあえず植える場所はあるのだから、とにかく木を植えていけば世界が変わっていくはず。世界中の人がアクションを起こして少しでもグリーンな未来に近づきますように」と訴えていた。

Photo  筆者はこの考え方に賛同する。国連への要望書には、人間社会の経済活動からの温室効果ガス排出を極力削減し、自然界の吸収力を高める森づくり等を要望したい。

Photo_2 足尾・松木沢の星空(写真:宇都宮市在住Hさん)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の試算では、2050年までに気温上昇を1.5℃以下に抑えるには、地球上の44億㌶の森林に加えて、あと10億㌶の森が必要だという。77億人がその気になれば森づくりはできるのではないかと思ってしまう。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月 7日 (水)

“森に寄り添って生きる”ことを次世代に遺したい

Photo 臼沢の森から松木川を見下ろす(昨日)

 月日が経つのがすごく早い気がしています。暦のうえで明日は秋です。昨日の森作業では秋を感じませんでしたが、奥山の麓では立秋を感じさせる花が咲いています。

Photo_2  昨日は作業終了後、車で約四時間かけて群馬県の奥山に向かい、今日はその疲れをとっています。朝のテレビニュースを観ていて、次世代に「遺す」ということを考えさせられました。映画監督の大林宣彦さんが、体調が悪いにもかかわらず広島原爆の忘れられない経験を次世代に遺す活動を続けていました。

Photo_3 昨日の中倉山

 森づくりに携わってきた私が“遺す”ことは何か、と温泉につかりながら考えてみました。言葉として出てきたことは、“人間は森に寄り添っていかなければ生きていけない”ということ位でした。荒れ地や草地を耕さなければ草木は根が張れないことを体験してきましたし、その後も幼木が草や草食動物との競争に負けない環境を整えていかなければ森は育たない、ということも経験しています。

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P8076883  作品などと言うものではありませんが、次世代へ“遺す”大切なことだと思っています。全ての生きものの命がつながっていく源であり、暮らしの基盤であるこの地球を永遠に!という思いです。薄暗い雷鳴が聴こえる森の中でこんな話をしながら、週末の舎人当番を待っています。(スタッフ 仁平範義)

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