知恵はミミズから教えられる?
一昨日(15日)の朝、金子信博先生(横国大教授・農学博士)にお会いしました。金子先生は朝9時には鎌倉中央公園内の畑の隅でミミズを採取していました。金子先生には10月に開催する「秋の会」のゲストの依頼と11月に開催する第3回「森と生きるキャンパスフォーラム」のアドバイスを頂戴してきました。
現場で金子先生は、「8月を過ぎると殆どのミミズは死んでしまうので、標本用に大きく元気なミミズを採取している」、と言っていました。話を聞きながらミミズが生息している場所を観ると小さな土の粒子が一面に堆積していました。先生に尋ねると、これは土ではなくミミズが植物の葉を食べて出した糞であるということでした。植物は春から夏にかけて芽を出し、花を付けて、昆虫、鳥、風などを媒介にして受粉して実をつけます。この実は私たちをはじめ多くの生物が消費しています。この植物が根から栄養を取る大切なこの時期に、ミミズは地中に水や酸素が流れやすい環境を作っています。さらにこの糞はダニや微生物によって消費され、植物にとって欠かせない栄養が生産されます。
小さい頃、ばあちゃんに「ミミズに小便をかけるとオチンチンが腫れてしまうよ」と言われました。これも先達の知恵であったと思います。ミミズはこの大切な時期に一生懸命に生き、沢山の卵を産んで死にます。越冬した卵は春に孵化して、また一生懸命生きます。金子先生(写真下:左側が金子先生)の話を聞いて感じたことは、“知恵は自然と共に生きていこうとする中から”生まれてくるようです。(現地を案内してくれた田岡・森びとインストラクターありがとうございました)
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