楽しかった!「孤高のブナ」保護登山、高校生が社会貢献体験
8月1日(土)、栃木県立大田原高等学校山岳部の皆さんが足尾・中倉山の「孤高のブナ」保護活動に参加してくれました。
6月上旬に山岳部顧問の高梨先生から、当会が取り組む中倉山のブナ保護活動に協力したいと連絡をいただき準備を進めてきました。高校山岳部の山行に同行するサポーターの方から「孤高のブナ周辺の土壌が流出しており保全が必要な状況である」と言う事を聞き、登山活動と保全活動の双方を実施したいと計画されました。
大田原高等学校は、登山における安全確保に加え、周囲への安全啓発や地域貢献にも取り組まれています。
当日は山岳部と関係者13名(1年生6名、引率者2名、登山アドバイザー・OB等5名)が参加。森びとスタッフは50代~70代であり、10代の若者に対応するには体力の問題もあり、草のタネの入った植生袋と黒土(1袋3㍑・1.4㎏)のセットを配る「地上班」、高校生と一緒に登る「同行班」、先に登りブナの根の周りの崩壊状況と植生袋を張り付ける場所の確認をする「山頂班」の3班に分け受け入れ態勢をつくりました。
同行班にはスタッフの山内さんと小柴さん。そして、小柴さんが職場の若い後輩・池田さんに声をかけてくれました。
朝7時に「足尾に緑を育てる会」様にお借りした久蔵川南側の「臨時駐車場」に集合し、打ち合わせと準備を行いました。
山頂班は登山口を7時50分に出発。天候は終日曇り空で気温も23℃から24℃と猛暑にならず登山日和になりました。10時に「孤高のブナ」に到着しました。
まず、「希望のブナ」の生長確認を行いました。4月29日の「恩送り」の時は樹高145㎝でしたが、180cmに生長していました。鹿の食害にも合わずスクスクと育ち安心しました。
親の「孤高のブナ」は風の強さの影響で葉の水分が奪われ葉先が茶色くなっていましたが、ブナの実を沢山つけていました。11月3日に開催する「恩送り」が楽しみになりました。
明治以降の経済発展を支えた足尾銅山ですが、製錬過程で発生した亜硫酸ガスによって山々の木々が枯れ、山火事も発生し森が失われてしまいました。松木川沿いの中倉山の尾根に唯一生き残ったブナは、公害と廃村となった松木村の歴史を語り継ぎ、現在の地球温暖化に警鐘を鳴らし未来への希望を伝える「無言の語り木」として多くの登山者に見守られています。
11時50分に山岳部の皆さんが到着しました。荷揚げしてくれた植生袋・黒土のセット(22袋)を出していただき、済賀スタッフと山内スタッフが植生袋づくりを実演。
生徒同士が声を掛け合い、2人一組となって植生袋に黒土を入れ、順番に崩壊地に張り付けていきました。岩と砂の斜面のため、植生袋を固定するU字のペグが石に当たり刺さらず、刺さる場所を探しながら張り付けていきました。
張り付け終了後、山岳部顧問の高梨先生からあいさつをいただき、生徒から感想をいただきました。 先生から『山岳部は単に山に登るだけでなく色々なことで貢献できると思い「孤高のブナ」の保護活動に取り組みました。26~27年前に見た足尾の山々は何もない状態でした。緑化活動にも参加した経験があり、現在は緑が多くなってきています。ここは(松木川源流の山の斜面)まだまだですが、緑が育ってうれしいです。荒廃してしまった山に緑が増え、「国宝」として、「未来の宝」として見ることが出来れば良いなと思います。生徒たちに良い経験をさせていただきありがとうございました。』と未来を生きる生徒の皆さんへのメッセージを伝えていただきました。
終了後、中倉山の山頂に向かい昼食休憩。13時20分に下山開始しました。高校生は元気です。足取りも軽く下山していきましたが、OBの皆さんはマイペースで下山。怪我人もなく、登山口で合流し「仮駐車場」に向かいました。
「仮駐車場」で今日の活動の集約を行いました。
生徒の皆さんから「登りはつらいところがあったのですが、山頂で“孤高のブナ”に土をあげて、社会貢献出来てよかった!」「今まで経験したことないぐらいつらかったけど、最終的には気持ちよく終われてよかったです!」「今日の登山で校外の先生(登山アドバイザーや森びとスタッフ)と色々学べてよかったです。」「11月3日のブナ保護に参加します!」
そして、全員から「楽しかったです!ありがとうございました!」と感謝とねぎらいの言葉をいただきました。
私たちが生存する地球の環境は、地球温暖化から気候危機へと変化し、世界各地に山火事や豪雨災害、干ばつを発生させ、戦争が追い打ちをかけています。生存が危ぶまれる現在、自らが出来ること考え、未来に向けて実行に移す高校生の姿に感動しました。
そして、登山と「孤高のブナ」保護活動を通じて、協働の大切さ、自然環境と人間(生物)の命を大切にする心を育む高梨先生、小磯先生、大田原高等学校関係者の皆さんに感謝を申し上げます。
11月3日(文化の日)は「足尾・中倉山のブナを元気にする恩送り」を開催します。秋の装いに変化する足尾の山々と「孤高のブナ」「希望のブナ」に会いに来てください。お待ちしています。
本日のスタッフは、「地上班」大野さん、橋倉さん、加賀さん、「同行班」山内さん、小柴さん、池田さん、「山頂班」済賀さん、矢口さん、橋本義さん、筆者・清水でした。
(報告者 清水 卓)














































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