秋雨の松木郷で、森と向き合う
午前8時30分、足尾・松木の気温は20℃、天候は曇り。秋雨前線が停滞し、曇りや雨の日が続く中での森作業となりました。いつものように3人で「みちくさ」(遊働楽舎)の室内を整理・整頓し、オープンの準備を始めました。しかし、細かな雨が降り続いていたため、「この天気では、松木郷の森を訪れる人も少ないのではないか」と話しました。
今朝、足尾ダム・ゲートをくぐり、中倉山登山口方面との分岐から松木渓谷方面へ向かっていると、約100m先を黒いものが歩いているのが見えました。「こんなところに犬がいるのか?」と思いながら近づいてみると、なんと体長70cmほどの子熊でした。車で近くまで行くと、子熊は走って金網の柵を乗り越え、茂みの中へ入っていきました。その後、姿は見えなくなりましたが、近くに親熊がいた可能性があります。私たちは改めて、「いのちと森を守るためのクマ対策を万全にしよう」と確認し、安全を最優先にして森作業を行うことにしました。

森作業では、日本国内でも珍しい「一属一種」の植物といわれるハンカチノキ(落葉高木)を、民集の杜北に2本植えました。樹高は約50cmほどです。その後、森の東側の入口に、使い終わった一斗缶と鉄棒を設置しました。同じものを、民集の杜西の道路側入口にも取り付けました。

これは、森に入る前に一斗缶を叩いて音を出し、クマに人の存在を知らせ、思わぬ遭遇を避けるためのものです。同時に、私たち自身が、「森は私たちの命を支える母体であり、森は友だちである」という思いを忘れないためのものでもあります。森を大切にするということは、森に棲む生きものを尊重し、畏敬の念を持って森と付き合うことです。
民集の杜東と民集の杜西では、サルやシカ、クマなどによって壊されたと思われる入口付近の柵も見つかりました。森を訪れる人の安全を守るとともに、森の環境を守るため、壊れた箇所を修繕しました。昼食を取っているところには、橋倉さんと済賀さんスタッフも来てくれました。小一時間ほどコミュニケーションを取り、看板づくりや草刈りなどを行いました。この日の「みちくさ」を訪れてくれた方は、14時過ぎに宇都宮から、大きな望遠カメラを担いで来られた30代の男性、ただ一人でした。
曇り空の一日でしたが、重い荷物をかつぎ、松木郷の森を訪ねてくれる人がいることを嬉しく思いました。15時、「みちくさ」を閉めました。今、松木郷の「森びと広場」の周辺では、ヒガンバナやキノコ、トンボ、マツヨイグサ、ゲンノショウコ、ヤマアカガエルなど、さまざまな生きものや植物を見ることができます。

木々も少しずつ色づき始め、森は秋の表情へと変わりつつあります。森を歩けば、季節の変化に気づき、森の息づかいを感じることができます。雨の日が続きますが、天気と体調の良い日に、松木郷の森へ、皆さんのお越しをお待ちしています。
本日の森作業は、清水、済賀、橋倉、舎人は、武田、大野でした。
<報告は大野昭彦>

















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