カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2094件の記事

2018年5月27日 (日)

福島県只見町布沢集落の「恵みの森」散策路に111段の階段を造りました

 日本人が初めて体験している少子高齢化社会、その縮図のひとつである限界集落の暮らし。この現実に向き合って、未来を生きる若者たちへ伝えたい森と生きる集落の知恵を学び、布沢集落の宝であるブナの森(「恵みの森」)散策路の整備を手伝った二日間。

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Photo_2  13時に「森林の分校ふざわ」集合。集落の刈屋さんと合流、道具類のチェックと散策路作業内容を伺って現場へ出発。「恵みの森」の下りコースの急斜面が滑って危ない、というので階段を造る作業を開始。

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Photo_4  材料は現地調達、縦杭と横杭を作り、初日は48段の階段を造った。ブナやミズナラの森は爽やかで、ハルゼミやウグイス、オオルリなどの鳴き声を聴きながらテキパキと作業ができた。

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2  作業後は近くの温泉につかり、汗を流した。夕食会には刈屋さんも同席、地元の美味しい地酒をご馳走になった。話は、刈谷さんの高校生時代の苦労話を伺い、73歳になった刈屋さんの人となりを知ることができた。

Photo_8  朝、沖縄方面から飛来したアカショウビンの声で目が覚める。耳を澄ますと布沢川からはカジカガエルの鳴き声が聴こえてくる。静寂で薄い霧がかかった朝は凄く気持ちがいい。

Photo_9  朝食をしていると窓から見える外は陽が差して暑くなりそうだ。昨日の夕食では分校スタッフの手料理をご馳走になった。大塚さんからウドの皮のきんぴらが美味しいとの話があり、朝食にはそのきんぴらがでてきた。灰汁の加減もよく、評判が良かった。お世話になったスタッフの皆さんにお礼をして、二日目の作業現場に向かった。目標は100段の階段を造ろう、というので8時に出発した。

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Photo_14  現場では、それぞれの道具を活かして、各自の持ち場で作業をスムースに行うことができた。ハンマーの柄が壊れてしまったので、大塚さんが現地調達の枝で柄を作った。それがとても調子が良く、11時過ぎには、111段の階段を造ることができた。

111  昼食はバーベキュー、奥様が作ってくれたオニギリとお新香、そしてワラビのお浸しを肴に、冷たいビールで渇いたのどを潤した。昼食を食べながら、豊かなブナの森で暮らした木地職人の話を伺った。集落民の森と生きる智慧には驚くばかりだった。刈屋さん、奥様ご馳走様でした。刈屋さんご夫妻との再会を約束して13時過ぎ、帰路に着いた。(報告 高橋佳夫)

2018年5月25日 (金)

ニセアカシヤの白い花の香りが漂う足尾・松木沢

Photo  足尾町ダム周辺はニセアカシヤの花で一面白くなっています。風が吹くと甘い香りが匂う。

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Epson024  春季植樹祭から一週間後の苗木たちは、松木川上流から吹く風に揺れている。植樹祭会場の「民集の杜」を観察していると、ウグイスが警戒して声を張り上げているが、何とも言えない穏やかな空気の流れを感じる。

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Photo_3 “本気でやるならもっとも困難な地で森づくりをやろう!”と宮脇昭先生とチャレンジした14年前。沢山の“森とも”と汗を流しながら自然と向き合ってきた私たち。その地で育った木々たちを観た宮脇先生。昨日、先生からお礼の留守電が入っていた。この森はきっと100年先も生き続け、地球温暖化に少しでもブレーキをかけてくれることを期待する。 

Photo_6  天空の森へ旅立った亡き岸井理事長の「政治、自然環境そして市民運動をこれ以上劣化させない」という“希望の松明”の炎を絶やさないように誓った私たち。明日は、少子高齢化社会の縮図となる只見町布沢集落の皆さんと、森の土留め柵を強化する作業を手伝う。(理事 高橋佳夫)

2018年5月17日 (木)

250名の“森とも”を迎える準備がほぼ出来上がりました

 朝からハルゼミが鳴き、少し強い西風が吹く足尾・松木沢。植林に関する植樹祭準備は本日でほぼ90%が終わりました。

Photo  「どくだみ荘」泊の二人は8時から作業開始、9時に全員集合して打合せ。本番の天気予報は曇り時々雨ということなので「森ともの集い」用のテントを組み立てと衰弱しそうな苗木に水をたっぷりやりました。

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Photo_4  他のメンバーは簡易トイレのカーテン付けと植林後の手洗い場設置、さらには道具や用具を現場へ運び込むなどを行いました。

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Photo_6  気温は昨日よりは低い感じでしたが、湿度が高い分、水分補給を充分行いながら本番にそなえました。

Photo_7  明日の作業を確認して、今日は16時頃に作業終了しました。本日の作業は、鎌田、加賀、東城、仁平、高橋俊夫そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年5月16日 (水)

在りし日の岸井さんと歩いた足尾松木沢を想い出しながらの森作業

 突然の悲報に驚き、天空の森に旅立った岸井理事長と二度と会えないと思うと、悔しく残念でなりません。ご家族の皆様はさぞかしご心痛と思います。ご冥福をお祈りします。 

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Photo  今日の作業は、在りし日の岸井理事長と松木沢を歩いた時の勇姿を偲び、植樹祭の準備をしました。森びと広場の作業小屋の温度計がおかいしのか分かりませんが、今日の気温は30度を超していました。熱中症に気を付けて水分と飴などを用意して、作業を行いました。

Photo_2  小井土さんはテント内に設置する簡易トイレ用のシート覆いをつくってくれました。他のメンバーは、「民集の杜」内で苗木の最終調整と培養土撒きを行いました。

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2  培養土は柳澤スタッフが400袋を運び込み、それを全て植樹会場に撒きました。午後、福島県から東城さんが手伝いに来てくれましたので、ヨタカが鳴くころには植樹会場の土の撹拌が終わりました。

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Photo_6  薄暗くなりヨタカが鳴く頃、後片付けをしながらの足尾グランドキャニオンから吹く沢風からは、”希望の松明”を掲げて天空の森へ旅立つ岸井理事長からの声が聴こえてきそうでした。社宅に着くと、東城さんが健康を気遣って野菜ジュースと洗濯石鹸を持ってきてくれました(奥様、ありがとうございました)。

Photo_7  本日の森作業は、小井土、柳澤、仁平、東城、高橋俊夫そして筆者でした。(報告 髙橋佳夫)

2018年5月15日 (火)

虫たちの声に和み、風が運ぶ新緑の香りに優しさを感じて森作業

朝7時45分の気温は14度、快晴の天気のなかで植樹祭準備の作業がはじまりました。今日の作業メインは足尾町からテントを借りて、現場まで運び、組立てることでした。

Photo  スタッフが到着するまでに作業小屋の掃除、仮設トイレ用の単管パイプの用意と苗床周囲の片づけをしました。臼沢の森は色とりどりの緑ですが、周囲の緑は一色のみどり色です。山々の斜面の木々は一種類(ヤシャブシ)が多いので、その葉の色だけだからです。

Photo_2  朝、いつも臼沢の森の色とりどりの緑を観ていると、虫にも餌の好みがあって木の葉を特定して食べる虫もいるように、森は色々な種類の木々によって形成されているとことで生き物たちの社会が成り立っているのか、と思います。森は命の源であることを感じています。

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Photo_5  9時から作業打合せ、即、テキパキとした動きでスタッフは作業にとりかかりました。昼食後は、11組のテントの足を組み立て、余分であったテントは返却し、それ以外のスタッフは苗木の準備をしました。

2  森ではエゾハルゼミがあちこちで鳴きはじめ、松木川ではカジカガエルも鳴きはじめました。足元では、ハンミョウがあちこちで飛び跳ね、餌を食べているようでした。それにしても綺麗な鎧を被っているような雄の輝きには神秘が宿っている気がしています。

Photo_6  本日も足尾グランドキャニオンのシルエットを観ていると、シルエットの奥で理事長が”地球温暖化防止は待ったなし!”と叫んでいる気がしています。本日の作業は、松村健、橋倉、仁平、加賀、福田、高橋俊夫と筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年5月14日 (月)

植樹祭で植える20種・3.550本の苗木を植樹会場に揃える

 朝8時の気温は17度ありました。天気予報通りになるなあー、と思い、水分補給と飴そして日笠を用意しました。スタッフが到着する前の作業は簡易トイレを設置する場所の片づけ、雨が降っても良いようにテント内に設置場所を決めました。

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Photo_7           中倉山斜面のツツジが輝いていた

 今日は植樹祭で植える苗木が納品される日。4人で2.700本の苗木をブロック毎のトレイに苗木を分け、たっぷりと水をやる予定。

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Photo_3  9時半頃にトラックが到着、早速、苗木を降ろし、苗木の種と植える本数を各ブロック毎に分けました。その後は、3ブロックのトレイに19種の苗木を分別しました。

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Photo_5  追込み作業なので午後3時までには苗木を分別し、撒水できるようにと余計な話をせずに作業に集中しました。午後は、2グループで苗分けをしたので、15時過ぎにはカラカラとなっていたポット苗にたっぷりと水をやることができました。今年の通常総会後に事務局員となった太宰さんは、仁平スタッフから撒水方法を習得していました。橋倉スタッフと太宰さんが帰ってからも筆者と仁平さんは苗木に水をやりました。

Photo_6  帰路に着くころの足尾グランドキャニオンのシルエットが初夏を思わせるようでした。明日も暑い日の中での準備作業を頑張ろうと、今夜はマグロのぶつと新玉ねぎの葉、そしてウドの酢味噌和えを作って食べた。本日の作業は、橋倉スタッフ、太宰事務局、仁平スタッフそして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年5月13日 (日)

追い込みに入った植樹祭の準備作業

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             臼沢の森の若葉が目に優しい

 植樹祭準備の追込み作業が始まりました。天気はあいにくの雨でしたが、苗木たちには歓迎すべき降水。みちくさの舎人当番であった小林、宮原両君は橋倉スタッフにみちくさの留守番を頼み、臼沢の森に苗木を植えました。30本のポット苗を背負子に入れ、ずっしり重い背負子を運び揚げ、午前中に二人で60本の苗木を植えました。

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Photo_17  筆者と仁平スタッフは午後に足尾入り。明日は苗木が納品されるので、四人でその受け入れ準備をしました。

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Photo_20  2.700本分のトレイを用意し、マルチング用の籾殻をフレコンバック6袋運び入れました。植林会場はAブロックとBブロックに分けました。筆者は、重機を使ってAブロック会場の撹拌を行いました。

Photo_21  16時頃に作業を止め、明日以降の追込み作業の打合せを行って帰路に着きました。本日は、橋倉、仁平、小林、宮原と筆者の5名が作業しました。(報告 高橋佳夫)

 

2018年5月12日 (土)

地球温暖化防止は人類の“恩送り事業”!?

Photo  今日の早朝、ラジオを聴いていると国交省がIPCC報告書に基づいて、このまま温暖化が進んだ場合の一級河川の危険性をまとめたという。それによると、世紀末までに気温が4℃上昇すると、一級河川の降水量が増えると同時に、洪水の危険性が4倍となるという。

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P5121214  河川のどこの危険性なのか不明だが、100㍉以上の降雨があれば木々の根の力では土をガードできないかもしれない。この数年間、そのような災害が各地で起きている。

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Photo_4  洪水の危険性が高くなれば、鉄道や道路が寸断し、暮らしが脅かされてしまうという意識になるのは当然。そのためには国会で審議が始まる「気候変動適応法案」の成立とその対策(公共事業)を始めなければならないともなる。

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             スギゴケの一種の森?

 もしかすると国交省官僚は、早々と東京オリンピック後の予算の目玉を温暖化防止の公共事業にすえようとしているか。適応策は当然なことだが、地球規模での温暖化防止策を日本がリードしてほしい。いや、全世界の市民が連携した人権運動として地球温暖化防止をすすめていかなければと思う。

Photo_5            ウワミズザクラの花が可憐だ!

 足尾の植樹祭まであと一週間、植樹祭では一人10本を目標に木を植えながら、人類の“恩送り事業”をも語り合いたい。今年もウワミズザクラが美味しく身体に良い実をつけてくれるでしょう。(理事 高橋佳夫)

2018年5月10日 (木)

命の源である森を次世代に残す暮らしを語り合う植樹祭

 足尾・ふるさとの森づくり(植樹祭)は9日後に開かれる。理事、事務局そして足尾現場ではシニアスタッフが準備に余念がない。

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Photo_2       上:奥山は冷えて濃霧、下:途端に暑くなりそうな奥山

 植樹祭は今年以降しばらく休養しなくてはならない。木を植える場所が狭くなり、その場所も急傾斜で落石の危険が心配である。さらに心配なことは、異常気象が巨大化しているようで、このままではこの地球の大地で生きのびいくことが難しくなってしまうかもしれないからである。

Photo_3  来年からはこれまで育てた森を本物の森に生長させる育樹祭を計画していきたい。他方、地球温暖化にブレーキをかけていくスピードを加速していきたい。

Photo_4 今月に入って、トルコでは大雨が市民の暮らしを脅かし、中国四川省でも土砂崩壊で村の暮らしを脅かしている。アメリカでは竜巻が、インドでは風速35㍍の強風で砂嵐が巻き起こった。

Photo_6  日本では、4月の猛暑日、真夏日がきたと思ったら昨日は浅間山に雪が降った。森の鳥たちも巣作りに力が入らない感じである。

Photo_7  植樹祭では、当委員会の最高顧問・宮脇昭さんと木を植え、森と生きる暮らしを考える「森びとの集い」(トーク&トーク)を行う。未来を生きていく若者たちの命の源である大地と向き合う暮らし方を語り合いたい。肩の力を抜いて、来賓の方々、参加者の皆さんとの私たちの気楽なトークをつくりだしていきたい。(理事 高橋佳夫)

2018年5月 9日 (水)

無駄のない森作業とスタッフたちの優しくも厳しい心意気!

 昨日(8日)の足尾・松木沢の気温は12℃、天気は霧雨でした。小屋に着くと、鎌田さんがストーブを焚き、松村(健)さんがコーヒーを用意してくれていました。冷えた身体をコーヒーで温めながら、加賀さんから本日の作業が提案、午前は臼沢の森での植林と柵の補強、午後は草刈り、篠竹に麻縄付け、時間があればポット苗の草取りをすることになりました。 

Photo  早速、作業開始。背負子に必要な道具と苗木を入れ、水分を吸ってずっしり重い背負子担いで階段を登りました。背負子に入れた苗木は、コナラ90本、ブナ20本、モミジ25本、イヌシデ80本 の計215本でした。

Photo_2  森作業をしながらの皆さんの声は前向きで、マルチング用の枯草が足りないこと、枯草の置き場は植える人の立場に立って置いておくことなどが出されました。また、苗木を運び揚げるには専用の袋を用意すれば背負い易いことが分かりました。そんな声を聴きながら作業していると、筆者のヘルメットからは汗が流れ、身体はポカポカでジャケットを脱いで作業するほどになりました。 

Photo_3  昼食後は篠竹の本数を数え直し、民集の杜1.500本、翌日の植樹祭用に1.200本(合計2.700本)を用意しました。篠竹に麻縄を付けるのも参加者が動き易いためですが、植樹祭本番に向けた準備はスタッフの皆さんの参加者を迎える優しく、安全第一の心がけが活かされているのだと思いました。

Photo_4  筆者は、民集の杜で加賀さんと一緒に草刈りを行いました。一人で草刈りをするのは初めてでしたが、3月に鎌田さんから教えられた操作方法を思いだし、加賀さんの操作を真似て何とか石を避けながら作業を進めました。

Photo_5  小屋に戻って家に帰る前のひと時、鎌田さんから毎日新聞の社説(5月4日付)を印刷したペーパーが渡されました。その記事は、群馬県みなかみ町「赤谷の森」で行われている人工林を自然林に戻す取り組みの報道でした。日本の森の在り方と私たちの暮らし、そして税金の使われ方についてを考えよう、という鎌田さんの提案のように思いました。スタッフの皆さんは、ただ木を植えているだけではなく、社会の出来事にも無関心では駄目なのだ、ということを教えられた気がしました。

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Photo_7              桑の実が熟するのが楽しみです

 昨日は、筆者にとってキツネや仲良しのキジ、カナヘビなどの“友だち?”と出会えた一日でした。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。その上、森と生きていくことの大切さを教えていただきましてありがとうございました。昨日のボランティアは、岡安、加賀、鎌田、橋倉、松井、松村(健)、松村(宗)そして筆者でした。(報告 太宰初夏)

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