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2025年5月の16件の記事

2025年5月28日 (水)

作業には絶好の曇り空 下草刈り、楽し!

5月27日(火)午前8時10分の気温は11℃、松木郷は、少し寒い曇り空です。久しぶりに顔を合わせた皆さん、近況報告で盛り上がる作業小屋。午前9時、「おはようございます。今日の作業ミーティングをはじめます。」作業責任者の加賀さんの号令がかかりました。一通りの説明を聞き、いくつかの質問のやり取りの後「では、各自道具を持って、臼沢の杜・西に向かいましょう。特に、スズメバチだけは気を付けて!!」との注意喚起。今日は、「臼沢の杜・西」の下草刈りです。

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ノコギリ鎌を片手に、スタッフ、ボランティアの皆さんと共に、足早に「臼沢の杜・西」に向かいます。

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道すがら、キンバリーさんが「牡鹿の角」を拾いました。1歳以上の牡鹿は、1年に1回春先に角が生え変わるそうです。

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獣害防止柵の入り口を開門し、臼沢エリアに入り、左手に進み「臼沢の杜」を右手に見ながら更に約300mほど進むと、「臼沢の杜・西」に到着します。Photo_5

臼沢の杜・西に着いたら、更に急斜面を上ります。ここには、2021年、22年の「里親植樹」で植えられた約1100本の背の低い幼木が、下草と闘いながら生長しています。

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今日の作業には、加賀さんより「ゴム手袋か皮手袋を付けるように」と、強い指示がありました。
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なぜなら、刺されやすい手をスズメバチから守るためです。この日も駆除スプレーで、一匹退治しました。

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ヤマボウシ

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右下がカシワ、左上がブナ

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栗の木にも、花が付きました。

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赤っぽいのは「白膠木」(ヌルデ)の幼木です。私たちが植えた樹種ではないので、「鳥が種を運んで、ここで実生から生長したのだろう。大きくなると秋の紅葉がとてもきれいだから育てよう!」と、ベテランの松村宗雄さんに教えていただきました。

Photo_19わずかですが、苔が生えていました。「土壌に保湿性が出てきた証拠だよ」と、スタッフの済賀さんが教えてくれました。

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ナラの木が、枯れて横たわっています。抜いてみると、根の殆どが文字通り「根こそぎ」食べられています。同じような状態のナラの木が6本あり、根を抜いた穴には、6ヶ所とも必ず横穴が掘られていました。「恐らくヤチネズミではないか?」、「土が肥えてきてミミズや木の根を食べにきているのではないか?」「いずれにしても、こういう状態は初めてだ」と、このような言葉が飛び交うくらい、珍しいことです。Photo_22

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午後3時近く、「臼沢の杜・西」の左上4段を残してかなりの面積の下草刈りを終えたボランティアとスタッフの皆さん。「ヤッター!」と充実感もひとしおです。

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今日作業をした「臼沢の杜・西」の木々が約4年にして、樹高は30㎝から1m、1m50㎝程度で下草刈りはまだまだ必要なようです。かたや、東隣りの「臼沢の杜」は20年目、樹高は15mの立派な森に生長していて、臼沢の杜と臼沢の杜・西は、森づくりの年月による生長の対比において非常に解りやすいエリアだなと感じました。

最後にボランティア、スタッフの皆さんは作業小屋で、6月10日に「臼沢の杜・西」の階段左上部4段に残った下草刈りをすることを確認し、松木郷を後にしました。

本日の作業に参加された皆さんは、キンバリーさん、山内さん、本間さん、武田さん、田口さん、松村さん、済賀さん、加賀さん、大野さん、清水さん、田城でした。(報告者 田城 郁)

2025年5月26日 (月)

森づくり20年記念「松木郷の森」案内

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 森びとは足尾・松木沢に木を植えて20年を迎えました。昨日5/25は、これまでお世話になってきた行政、諸団体等を中心に呼びかけました。

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 10時過ぎに、すべての参加者が集まり、「みちくさ」にて、スタッフの紹介と参加者の自己紹介をしてから、移動をしました。

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 まずは森びとの看板の前で、清水副代表からこの場所にはかつて松木村があり、住民たちは養蚕等で生計を立てていた様子や20年前の森づくり開始前の臼沢の森の写真と現在の臼沢の森との対比などが紹介されました。

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 また、山田組・山田会長からは随時森びとがここ足尾に入る前の様子を交えた貴重な話をいただきました。対岸等のはげ山になって茶色になっているのは、肥沃な土は緑化に使用されるために取ってしまったためであることが話をされました。

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 続いて、2005年に植樹を開始した臼沢の森に移動しました。宮脇方式では1㎡に1本のところ、ここでは1㎡に3本植樹を行ってきたこと、育ってきた森が落石を食い止める役割をしていること等を説明していました。手作りの階段設置、今では笑い話になりますが土や腐葉土を乗せた背負子を背負って何往復をさせられたボランティアからの怒りの声の紹介もされ、その当時苦労された人に今の森を見てもらうことが必要ではないかとも意見が出されました。

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 臼沢西の森に行くと、足元に石が目立ちます。加賀スタッフからは、この場所は穴を掘るとすぐに石とぶつかるため、植樹の前段の穴掘りや土づくりの苦労が話をされました。また、コロナ禍で里親植樹をした場所でもあり、新芽がウサギによって食べられてしまうので、幹ガードの設置をしてきたこと等動物たちとの知恵比べがある現実も出されました。

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 下山後は、民集の杜・北へ移動。足尾の「過去・現在・未来」を紹介

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 本日のお昼は、地元「わたらせ茶屋」様のお弁当です。美味しくいただきました。済賀スタッフの手作り味噌汁(写真はスミマセン)と一緒に。

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 三五自然共生財団・佐藤様よりお茶菓子を、他の方々からもお心遣いをいただきました。ありがとうございました。

P1010682 昼食後、5/4TBSのサンデーモーニング「風をよむ」を観てもらった後、出席された皆さまと森を観察した感想や今後のアドバイスをもらうための意見交換をしました。以下、要旨のみ報告します。

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元毎日新聞社 浅見茂晴様

「2014年までの9年間駐在。10年ぶりに来て緑が復活しており、驚いた。皆さんの努力に敬服する」

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JR総連政策・政治部長 荒木ユイ様

「足尾の過去・現在・未来の説明が分かりやすかった」「単に木を植えるだけではなく、階段づくりや土留めづくりの重要性が分かった」

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山田組会長 山田功様

「足尾で生まれ育った。仕事は譲って、ガイドとして(足尾の)産業の近代化と、影としての環境破壊を伝えている。木を植えるだけではなく下草刈りなど、愛情をかけて育てていけば木も応えてくれる。その気持ちを伝えていく」

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林野庁日光森林管理署署長 中村昌有吉様

「山から出てくる木材の恩恵を忘れがち」「やはり人手をかけてボランティアとはいえ、目に見えない費用をかけて森づくりをやってすごくうらやましい」「次の10年、20年でどう変わるのか。明治神宮はボランティアで100年経ってあのような森になった。足尾もそうなれば良いと思う」

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公益財団法人三五自然共生財団事務局長 佐藤和様

「本物の森を見せていただいた。森を維持していくのは大変だと感じた。(助成申請の)予算表を見せていただいて、こういうことに使用するんだと実感した」「(助成の)選考委員のコメントでは、20年間の実績、人と森とのつながり、土づくり、プロジェクトの意義が良いということでした」

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 一般財団法人国鉄・JR労働運動研究会 奥村隆夫様

「10年前からすると変わったことを実感している」「“1人の100歩より、100人の一歩”という言葉があり、大切にしている」「ここ足尾に来るツアーを組んでみてはどうか」

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 一般財団法人日本鉄道福祉事業協会代表理事 柳明則様

「待っているのではなく、どう行動するのかが問われている」

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 最後に、森びとプロジェクト副代表清水卓より20年の森づくりへのお礼のことばを述べました。

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 改めまして、当会の活動に賛同し、会員に加入していただいた皆さま、協力していただいた企業・個人の皆さま、20年間の活動を物心両面にわたり支えて下さった皆さまに感謝致します。次世代にいのちを繋ぎ、人間性を育む森になるよう整備し、人間は森に寄り添ってでしか生きていくことはできず、“森は友だち”であることを感じてもらえるよう活動をしていきます。今後も森びとプロジェクトの“山と心に木を植える”活動にご理解・ご協力を頂けますようお願い致します。(運営委員・小林敬)

2025年5月24日 (土)

甘い香りが町中に漂う季節到来!

 6月24日(土)、朝9時の気温は13℃。今にも降ってきそうな空模様に、薪ストーブに火を入れました。来る途中のニセアカシアには白い花が垂れ下がり、周りに甘い香りを放っています。

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 今日は嬉しいことに、森びとの「気候危機に向き合う生活を考えるシンポジウム」で発言をし、二度目の来訪を約束していたTさん親子が見える事になっています。昨年5月に親子三代で見えて、祖母の記憶力のすごさに驚きながら、昔の足尾の話に聞き入ったことがよみがえります。

 10時40分、清水副代表の案内で「みちくさ」に到着し、お土産を頂きました。少しお話をして、「森の案内」をする小黒運営委員を加え「臼沢の森」の植樹地を目指していきました。

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 午後に来訪してくれたのは、千葉県から来られたOさんです。「足尾ジャンダルム」を初登頂したそうですが、疲れも見せず「あれは何ですか?」と”カラミ”を指さし質問をしてくれました。

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 説明を終えて室内に戻るとナイスタイミングでTBSテレビ「サンデーモーニング」(風をよむ)の録画映像が流れてきました。来訪者4人、スタッフ4人全員で鑑賞しました。

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 今日済賀舎人は、明日行われる「松木郷案内」の準備に奔走しました。天候の悪さを予測して、案内場所の草刈りを始めとした準備です。これまで森びとを支えてくれた皆さんへの感謝を込めた作業です。

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 これから6月にかけ、「20周年記念行事」が続きます。多くの皆さんとの連携、支え合いをこれからも具体的に作り出し、進んでいきたいものです。

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 今日の舎人は、済賀、橋倉。森の案内人は清水、小黒。報告は橋倉喜一でした。

2025年5月20日 (火)

日光市城山に育つ「ふるさとの森」

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 久しぶりに「城山・ふるさとの森」を見てきました。この森は5年前、17種の苗木を1千本植えたところです。山道の右側には桜を植えて、地域の方々や身心を鍛えている方々が楽しめるような景観をつくりたいと願っていました。その桜も含めた苗木は植林ボランティアの気持ちに応えて写真のような森へ育っていました。2年後には森の下を走るJR日光線の電車は見えなくなるようです。

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Photo(2025.4.13 ソメイヨシノ)

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 ここの森づくりは、地元の(株)大和木材さんの協力を得て、針葉樹の樹々を伐採した跡地に落葉広葉樹を植えてきました。日光市、日光市教育委員会の後援も受けた森づくりですので、市民の皆さんと一緒になって“森と生きていく大切な友だち”が体感できる森に手入れしていきたいと思っています。

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 来月(6/2)は、山道の草刈りを行う予定です。時間のある方はご協力をください。

(報告・栃木県FC・大野昭彦)

2025年5月17日 (土)

辛かった20年前の思い出が、誇りと自信に変わった。

 5月16日(金)は、東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)トップリーダーたちが足尾の森を散策しました。天気は晴れ、気温は19℃で絶好の散策日和になりました。Img_0036 先ずは皆さんを案内するスタッフの打合せを行い、皆さんを迎える準備を済ませました。森の案内者は、橋倉、加賀、そして大野さんです。案内に当たっては、案内人の体験した気持ちを述べていくことの大切さを高橋アドバイザーから受けました。私は、「どこかの文章を抜き出したり、他人が言ったことをそのまま引用するのではなく、自分の言葉で案内する」ことの大切さを再認識しました。Img_0041 

Img_0053 森の案内本番まで時間がありましたので「みちくさ」のベンチ周りに高橋さんから頂いたパラソルを立ててみましたが、傘がちょっと低くなり、パラソルを使っていくには調整が必要のようでしたImg_0063 「うんしゅう亭」では以前このブログで紹介された「森ともの鈴」(愛称名)の設置の準備も進められていました。この地で「母なる森」の手入れをしている私たちやこの地を訪れる方々の心に遺る音色を出してほしいと私は願っています。

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Img_0060 11時過ぎ、JR東労組のトップリーダーたちが到着しましたので、歓迎の挨拶をした後、昼食。その後は、記念植樹をしました。記念樹はクリの木で、リーダーたち一人ひとりが穴に土を入れている顔を見ていると、何百年も生きてほしいと願っている様に私は感じました。橋倉スタッフからは、縄文人の生活とクリの木のつながり、鉄道輸送とクリの木のつながり等からクリの木を選んだ私たちの気持ちを伝え、改めて木に寄り添って生活し、生存している現実を感じてもらいました。Img_0071_2

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Img_0093_2 記念植樹の後は、「臼沢の森」と「民集の杜・北」の散策を行いました。「臼沢の森」では、荒廃地・草原の土壌づくり、その後の動物たちと人との知恵比べ等をしてきた育樹活動の苦労話しを報告しました。その苦労があって多くの生きもの達が生存できるような森に育ち、今では生きものにとって森は大切な友だちであることを体感できる森になっていることも報告しました。

 また、この森の中にある「M&mベンチ」では、森づくり運動の提唱者である初代JR東労組委員長・松崎さんと森づくりのスペシャリストであった宮脇さんが「山と心に木を植える」運動を決意した地であることを報告しました。さらに、散策しているこの森の樹木には、トップリーダーたちの先輩たちが体験した時に発した「二度と足尾には行きたくない。行かない!」という労苦の声が宿っていること、それは働く者たちの初挑戦の情熱と希望が結実していることでもあるとことを報告しました。

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Img_6071 「民集の杜・北」に移動した皆さんには、この杜は世界から日本の団体、そして日本の学生から幼児までが育てた森であり、森びとと人との協働がつくりだした森であることを報告しました。その方々の思いは、この杜の東側を見ると分かることを話しました。「過去(人間の都合だけを押し付けた銅精錬の滓堆積場)・現在(人が何にもせずに放置している栄養が少ない荒廃地で生き抜くパイオニアのヤシャブシの木)・未来(この荒廃地に人が少しばかり手入れをすると「いのちの森」が育つ杜がある)ということがイメージできる地でもがあることを紹介し、異常気象の猛威で生存が脅かされている私たちの生活スタイルを見直すためにもこのゾーンを多くの皆さんに紹介していきたいことを伝えました。Img_0107

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Img_0134 15時からは20年前から森づくりをすすめてきた高橋さんから森は人が育てる話がありました。話では、異常気象が生存を脅かし、少子高齢化社会等の課題が山積みされている混迷の現社会のなかで将来世代が生き抜く思考力を豊かにしてほしいとという襷がトップリーダーへ手渡されている様でした。

Img_0144 その後、意見交換を行い、皆さんは帰路につきました。労組のトップリーダーの皆さん、森の散策をしていただきありがとうございました。森と生きる働く者の生存のために、森の友だちと大きなスクラムをつくって森と生きる将来社会を目指してください!

 案内したスタッフは、高橋さん、山本さん、橋倉さん、林子さん、田城さん、大野さん、大山さん、清水さん、筆者・加賀でした。

異常気象に向き合う草木の心構え?

20250517 梅雨を感じさせる足尾・「松木郷」の出会いの場・「みちくさ」。雨降る中での朝の気温は15℃。昼過ぎても気温は17℃で、いつもならオオルリやエゾハルゼミの鳴き声が聴こえるのに静かな一日中でした。この雨でヤマツツジの花びらは落ちそうです。この時季、緑一色の「松木郷」で目立つのは甘い香りを放っている白い花のミツバウツギ。何故かこの香りがすると私の頭には初夏の雰囲気が感じられる。20250517_2 昼過ぎ、雨が小降りになった瞬間に、頂いたパラソルを立ててみました。九州地方では観測史上初の早い梅雨入り。例年よりも早い時期に熱中症対策をしなくてはならないような気象予報。少しでも役に立ってほしいと願い、パラソルをたたみました。20250517_3 一日中雨の日でしたので訪問者はいませんでした。2人の舎人は、足尾町民から寄せられている草木の移植について話し合いました。町民からの高齢化が進んでいる中で、町民が大切に育ててきたシャクヤク、シャクナゲ、ゴヨウツツジ、サンショウを「みちくさ庭」に移植するスケジュール案を固めました。今月中に、町民が大切に育ててきた木々に樹種と氏名を記したプレートを付けて植えることにしました。20250517_420250517_6 昨日次世代を生きるJR東労組のトップリーダー達が植えたクリの木は今日の雨に元気を貰っている様でした。クリの木の背後に映る20年前に植えた樹々の森もエネルギーを蓄えて猛暑に向き合う準備をしているようでした。「こころの園」ではアヤメが蕾を膨らませていました。20250517_5

 千葉の森とも・相川さん、ソラマメありがとうございました。

20250516 本日の舎人は、橋倉、髙橋でした。(報告・髙橋)

2025年5月15日 (木)

2025年春の山火事

    前回はこの欄で雪害の話を書いたのですが、今回は一転して山火事についてです。

    国内では岩手県大船渡市で2月末に発生した山火事が記憶に新しいところです。これは平成以降日本で発生した最大規模のものともいわれ、焼失面積は2,900ヘクタール。数多くの現住家屋が焼失し、一人の方がなくなりました。大船渡市では、この前後にもいくつかの火災があり、他にも日本各地で発生しました。

    さらに激しいのが、1月に米国ロサンゼルス地域で発生した山火事で、その焼失面積は約16,200ヘクタール。15万人以上が避難し、この中にはドジャースの大谷選手もいたことから、日本でも大きく報道されました。この災害では24人の方がなくなっています。被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。Screenshot_20250515_184204_word

今年の山火事予防のポスター

 

    山火事の原因はいろいろ言われますが、その多くは人為によるものです。最近ではごみの焼却、野焼き、キャンプの焚火などが主な原因になっています。乾燥し風の強い時期、例えば北国の春の雪解け時期などには細心の注意を払う必要があります。

    国有林の職員として働いていたとき、特に北海道などでは5月の連休がこの山火事危険期にあたるため、休みの日も職員が分担して署に待機していました。もちろん対策は国有林だけではできません。危険期の前には自治体、消防、住民組織と連携して、地域住民へ注意喚起し、何かあれば消防、森林管理署へ連絡してくれるようお願いする会議などがありました。

    足尾の山林荒廃も、銅精錬の煙害だけでなく、繰り返し起きた山火事も原因の一つと言われ、日本一の造林地である北海道のパイロットフォレストも山火事の跡地です。

    山火事による被害は経済的、人的なものだけでなく、地域生態系も甚大な影響を被ります。そうした中、最近は地域の結びつきの希薄になっていることが気がかりです。

(運営委員・井上康)

2025年5月14日 (水)

「松木郷の森」は花盛り、蜜を吸い命をつなぐ森の友達たち

 5月13日(火)、足尾・松木郷の森は青空が広がり、9時30分の気温は17℃。昼過ぎになると日陰のない森びと広場の気温は26℃に気温も上昇、夏日となりました。

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 今日の森作業は、午前中は16日に「エコ散歩in足尾・20年の森の生長観察と記念植樹」に来られるJR東労組本部の皆さんの受け入れ準備。午後は「民集の杜北」の林縁に生えるムラサキシキブ(南東側)とアセビ(東側)の移植に向けた現場調査を行うことにしました。

 JR東労組は、森びとプロジェクトの活動をスタートから支援してくださる皆さんで、記念植樹には、鉄道のレールを支え、縄文時代から人間が食料として・家材として利用してきたヤマグリの幼木を植えます。ヤマグリの幼木は、高橋アドバイザーから提供いただき、栁澤スタッフが運び入れてくれました。

 植える場所は森びと広場の「記念植樹エリア」です。クヌギやホウノキ、エノキ、モミジなど大きくなる木が植えてあり、生長を見越して植える場所を決めました。

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 道具を準備し、植える穴を掘り始めました。表層は草が生え黒土もあり柔らかかったのですが、堀進につれ、砂土と小石の層になりスコップが刺さりません。ツルハシで固まった砂土に穴をあけ、崩しながらかきだしました。「カーン!」と岩にスコップが当たる音がし、手がしびれます。岩の周りの砂を崩し、ツルハシを差し込んで隙間を開けながら掘り出しました。木々を失った山から転がり落ちてきた岩の多さに悲鳴を上げながら、腰を落とし両手で持ち上げて穴の外に出します。一気に疲れがでます。交代しながら幅120cm、深さ70㎝の穴を掘りました。

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 根が下に伸びる様に黒土を10袋入れ、その土地になじむように砂土を戻して混ぜます。

 土が乾かないようにブルーシートをかけ、ヤマグリの幼木も根周りの土が乾燥しないように土を盛りました。幹が風で倒れないように竹の支柱を縛りました。

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 記念植樹エリアは獣害柵で囲んでありますが、サルの食害を警戒し、幹をガードする柵を組み立て、16日の植樹準備を終えました。

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 昼まで1時間ほどあり、広場に植えたハルニレに「次世代の木」の看板を立てました。

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 続いて、東側に植えたカツラの幹ガードが伸びた枝と葉で窮屈となって、生長を妨げており、鉄製の獣害柵に取り替えました。

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 ちょうど12時になり食事休憩としました。昼食後に16日の案内スケジュールと担当、案内ポイントの打合せを行い、午後の作業に入りました。

  「民集の杜北」の西側入口にはツツジが真っ赤な花を咲かせ、ドウダンツツジが可愛らしい花を咲かせています。

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 ムラサキシキブは密状態で柵から枝を伸ばしているため、次回根の張り具合の確認や、移植する木を選定していくことにしました。東側獣害柵沿いのアセビをどこに移植するか杜内を歩くと、東西に延びるヤシャブシ北側の堀の斜面に黄色い花が咲き、モミジやサクラの幼木が生えていました。斜面の土がふかふかし、林縁で適度な光が入り込んでいることから、アセビの移植地に良いのではないかと話になりました。

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 「民集の杜北」には、岸井成格さんと宮脇昭さんの記念樹があります。5月15日が岸井さんの命日(2018年没)となり、ホウノキの食害ネットを外して生長を観察しました。これから葉を広げる様子です。そして、2015年に岸井さんがボランティアの皆さんと一緒に植樹した苗木たちは立派な杜に生長しています。

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2015521≪2015年5月21日 足尾・ふるさとの森づくり≫

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 煙害で山の木々が枯れ、廃村となった松木村跡地は草むらが広がっています。精錬ガスから硫酸を取りだすようになり69年、閉山から52年経った今もその様子は変わらないようです。人間が草地を開墾し、わずかな黒土や腐葉土を入れ苗木を植えると、木々の競争と風や鳥、動物たちが加勢して森の仲間が増えてきました。「まだまだ20年。温暖化の影響は世界中に被害をもたらせているぞ!」と岸井さんの激が飛んできそうです。

 松木郷に蘇りつつある小さな森・杜を「母なる森」へ、多くのボランティアの皆さんと力を合わせ育てていきたいと思います。

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 作業小屋に戻りがてら「民集の杜東」のフデリンドウが花開いているか見に行きました。2㎝程の小さなフデリンドウが咲いていました。また、シロガネスミレやギンランも花開いていました。大きな桜を見上げた後は、足元の小さな花々が楽しめる松木郷の杜に生長しています。16日に来られるJR東労組の皆さんと、森に住む「友だち」探しをしたいと思います。

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 本日の森作業参加者は、大野さん、橋倉さん、加賀さん、栁澤さん、矢口さん、筆者・清水でした。

(報告:清水卓)

2025年5月11日 (日)

風は強く雲が速い、みちくさ訪問者を待つ

本日の足尾、8時50分気温16度、晴れていましたが、風が強い一日となりました。

朝、田城さんと二人で、「みちくさ」オープンの準備をし、打ち合わせを行いました。田城さんから、昨日は雨で誰も来なかったと聞き、今日は晴れているので訪問者が来ることを願って9時30分にオープンしました。

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しかし、一時間が過ぎても、「みちくさ」の前を通り過ぎてウメコバ沢方面に行く人は誰もいませんでした。

今月16日にJREU 本部の人たちが「松木郷の森」に来てくれます。その時に使用する長テーブル11台とパイプ椅子33脚の拭き掃除をしました。暫く使っていなかったので、こびり付いたホコリを濡れ雑巾で三度も拭きました。

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それから昼食をとりました。食べながら、田城さんが橋倉さんと「お花見の会」に来てくれた足尾町民の星野さん家に、シャクナゲを見に行った話になりました。1mから3mのシャクナゲが沢山あり、帰り際に「いつでも取りに来ていいよ」と言われたというので、食後にどこに植えたら良いのか、二人で民集の杜や森びと広場を散策しました。森びと広場に行くと、八重桜の花が散り地面が花びらの絨毯で足元がフカフカで気持ち良かった。

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森びと広場北斜面の「こころの園」でひと際目立つ花がありました。それは、「貧乏草」と言われている花でした。二人で少し抜いて整地しました。私は、家に帰ってネットで調べたら、「名前がハルジオン、多年草、荒れた土地でも生え、草刈りしても根を抜かないと翌年も生えてくるほど強い生命力を持っている」と書かれていました。 

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 「みちくさ」に帰ってくると、足尾町民の髙橋橋栄一さん他2名と橋倉さんが来てくれました。「花見の会」の時に「あまりにも美しい松木に感動し、友人二人を連れてきた。」と。嬉しい限りです。苔テラスのウワミズザクラの木の下で、「松木郷の森」に多くの方に来ていただきたいと、話が弾みました

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森づくり20年の「松木郷の森」と花が、少しずつ町民の方と繋げてくれ、人間は森に生かされている、“森は友だち“と感じた一日でした。

本日の舎人担当は、田城と大野でした。

<報告者は大野昭彦>

荒廃地に木を植えて20年、森を再生する懸命の試みを墓前に報告

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≪2009年5月 足尾・ふるさとの森づくり≫

 5月10日(土)、NPO法人森びとプロジェクト委員会を立ち上げ理事長として「森づくり」を牽引された岸井成格さんのお墓参りに行きました。時がたつのは早いもので、岸井さんが「天空の森」に旅立って7年(2018年5月15日逝去)になります。

 霊園の参道を歩くと、前日からの雨に洗われた霊園の木々の葉がつやつやとし、緑鮮やかです。

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 11時にお墓に到着すると霧雨の中、阿部さん、岩田さん、小林さんが伸びた草と“どくだみ”を摘み取っていました。筆者は、伸びた柘植の木の枝を剪定しました。墓石に落ちた葉を取り除き、水で洗い流しきれいにすることが出来ました。

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 お墓に岸井さんの好きだった日本酒(純米酒)をお供えし合掌。小林さんが5月4日TBSテレビ・サンデーモーニング“風をよむ”で紹介された森びとの活動(旧足尾銅山跡地に立つ「孤高のブナ」煙害で焼失した森を再生する懸命の試み)を報告しました。

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 番組では、現在も広がる足尾の荒廃地2400haの中で、森びとが木を植え手入れをしてきた20年の森が5.6ha、わずか0.2%と紹介されました。先人が緑化活動を行ってきた、むき出しの岩場や急斜面の多い松木川源流の荒廃地を緑化する難しさも20年の活動で知りました。

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≪2025年4月29日 中倉山のブナを元気にする恩送り 孤高のブナと北斜面に広がる崩壊地≫

 同時に、岩や小石の多い草地を耕し黒土と腐葉土など、わずかな栄養を与えて苗木を植え手入れを続けると、苗木自らが砂地に根を伸ばし、落葉が栄養として還元され、木々の競争で生長していくことも知りました。そして、木々が生長すると風や小鳥、アリや動物たちが木々や草花のタネを運び、森の仲間を増やし、森づくりを加勢してくれることも知りました。

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≪シロガネスミレ≫

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≪苔に包まれるフデリンドウ≫

 20年前、岸井さんが「臼沢の森」に植えた苗木は樹高15mに生長しています。落石を押さえ雨水を根に溜め、二酸化炭素を吸収し、多くの生きものの命をつないでいます。

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≪2025.5.6掲載 下野新聞社提供・承認済み≫

202556_4 ≪2025.5.6掲載 下野新聞社提供・承認済み≫

 岸井さんが「地球温暖化にブレーキをかけよう!」とスタートした森づくり。人間の経済活動によって「気候崩壊」と言われるほどに温暖化は進行し、世界各地に被害をもたらしています。墓前に立つと「食い止めるヒントは0.2%の森にあるぞ」と岸井さんの声が聞こえてきます。そして「愛する人の命を守るために木を植えよ!足尾から世界へ」と麦わら帽子に長靴姿で荒廃地に木を植える宮脇昭先生の姿が目に浮かびます。

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≪2005年5月 第1回足尾・ふるさとの森づくり≫

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 “煙害で焼失した森を再生する懸命の試み”はまだまだ続きます。松木郷の森を「母なる森」へ、森を愛する多くのボランティアの皆さんと手を携え、山と心に木を植えていきます。

(運営委員 清水卓)

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