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2017年11月の25件の記事

2017年11月30日 (木)

今の生活スタイルを見つめ直しエコな生活を楽しもう!森と食とエネルギーの地産地消を始める市民フォーラム開催!①

11月26日(日)、森びと栃木県ファンクラブ主催の「森と食とエネルギーの地産地消始める市民フォーラム」が開催されました。会場となったのはイチョウの葉が黄金に輝く国立宇都宮大学・陽東キャンパス、アカデミアホールです。

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市民フォーラムは、「今の生活スタイルを見つめ直しエコな生活を楽しもう!」とCO2削減、地球温暖化防止に向けて一歩踏み出そうと、基調講演と3名のゲストによるミニ講演・意見交換が行われました。

総合司会は、栃木県ファンクラブの唐沢真子さんが務めました。

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主催者を代表して鎌田孝男会長より「2005年から足尾銅山跡地に植えた苗木は今太さ10cmぐらいになっています。何といっても森はいのちの源です。飲む水も工業用水も、ごく当たり前に呼吸し物を食べていますが、森にもう少し思いを寄せる、そんな時だと思います。森に、食に、エネルギーに精通した田村さん、早川さん、山崎さんの講演を受けて、私たちの明日からの活動に生かしていきたい。宮脇昭先生の言った言葉ですが、子孫に株券残すな、金残すな、森を残せと教えてくれました。これからも宮脇先生の教えを継続していきます。最後までのご協力をお願いします。」とあいさつがされました。

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基調講演は当会岸井成格理事長が行う予定でしたが、体調を鑑み録画映像を通じて、地球温暖化防止に向けた取り組みへのメッセージをいただきました。

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岸井理事長に代わり、当委員会、高橋佳夫副理事長が基調講演を行いました。

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基調講演では、「異常気象が世界各国の国民の暮らしを脅かしている現代、その原因の一つである人間の暮らし方を見直さなければ、今世紀末の気温は上昇し、『生存の不安定な時代』を迎える。地球温暖化にブレーキをかけることは“待ったなし!”という認識を共有したい。企業の“大量生産大量消費の延長線上の浪費生活と言われても仕方ない暮らしを見つめ直し、地球温暖化にブレーキをかけられる暮らしを見つけよう。どういうブレーキをかけるか、「森」「食」「エネルギー」のプロ3名からヒントをいただきたい。」と訴えられました。異常気象の現状や、まだ食べられる食品を破棄している私たちの食生活の問題、暮らしの知恵などが具体的に話されました。

 

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ミニ講演は、「森」の分野から、日光市の有限会社・田村木材店、代表取締役社長の田村文宏様から、「栃木県の森林は35万ha、県土の55%の森林面積を持つ。植林から11年から20年がCO2の吸収が大きい。木を消化することがCO2削減につながる。再生可能な資源。」と豊かな栃木の森の状況が話されました。「とちぎの杉は日本一の品質」を持っていますが県外への発信の弱さから一般の方に理解されないことや、ハウスメーカーが外国産材を使用する傾向にあることや、価格の下落で林業が厳しい状況にあり、栃木県材の利用の拡大が大きな課題であることが訴えられました。「木は、切って使うこと、植えること、そして、育てる循環が大切」と栃木の良質な木材の利用、「地産地消」によって森を元気にし、「森」と生きる暮らしをつくり出していくことを確認しました。

 

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「食」の分野からは、生活クラブ栃木生活協同組合(栃木)、理事長の早川幸子様から、「私が生活クラブの組合員になるまで~現在も組合員でいる理由」と題して講演をいただきました。

 

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「子供を授かり、出産・子育てをする中で、添加物の無い安心な食材を求め探した結果、出会ったのが生活クラブでした。」「生活クラブは『疑わしいものは使わないものづくり』をしており、消費材の価格を生産原価保証方式で決定しているため、生産者が安心して生産できる体制を作っています。ビンのリユースでCO2削減に務め、食材の容器や包装も安全な物を使用しています。」と大量生産・大量消費ではなく、安全安心な食材を必要な分だけ消費する地球にやさしい「地産地消」の暮らしの実践を紹介していただきました。また、「組合員活動を通じて自分たちのありたい未来を作ることができる。様々な社会問題について知ることができる。私たちの生活は政治とつながっており、持続可能な社会づくりを目指したい」と市民ひとりひとりのちからの結集が大切であることが話されました。

生活クラブは、原発事故を契機に原発のない未来を子供たちに手渡すため自然エネルギーの電気の共同購入をはじめています。

 

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私たちは、食材を選ぶ際にも、その食材が生産されている環境、生産者の思いなどにも心を配り、「食」の安全安心を考え「食材選び・購入」をしていきたいと思います。

 

「エネルギー」の分野からは、当委員会顧問で衆議院議員の山崎誠様より「政治が変われば社会も変わる、地域を元気にするエネルギーシフト」と題して講演をいただきました。

 

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「COP21で、世界は自然エネルギー100%を目指すと確認されたが、日本は原発再稼働、世界の潮流に逆行している。今世界では太陽光+風力で原子力を抜いている。設備容量は逆転している。」「太陽光パネルのコストは1Wが1975年では1万円が2015年50円と200分の1に減少している。再生エネルギーは高いという宣伝に騙されていないか。原発は安全設備などの投資によって作れば作るほど高くなっている。世界は自然エネルギーがベースでその上に蓄電池や他の地域からの融通によって電力をまかなっている。」と世界に逆行する日本の電力政策の問題点を示してくれました。デンマークの事例を取り上げ「大きなエネルギー(集中)から小さなエネルギー(地域分散)への転換によって、地域外へ出ていた光熱費が地域に戻ってくる」仕組みを紹介し、私たちにできることとして「身近な省エネ家電への切り替えや、電力会社を自然エネルギーを届ける電力会社に切り替える」ことで温室効果ガスの排出削減に務め、地球温暖化防止に取り組んでいくことが紹介されました。

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これからも森びととして、原発に頼らない森と生きる暮らしをつくり出していきたいと思います。

各ミニ講演の司会は栃木県ファンクラブの清水卓(筆者)が務め、参加者との意見交換を行いました。多くの意見をいただきました。別途紹介させていただきます。大変ありがとうございました。

 

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市民フォーラムの閉会に当たり、栃木県ファンクラブ加賀春吾副会長より「今日のフォーラムは森と食とエネルギーの地産地消を始めるスタートです。」と参加された皆さんと一緒に今の生活スタイルを見つめ直しエコな生活を楽しみながら、地球温暖化防止を実行していこうと呼びかけられました。

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(報告:清水 卓)

2017年11月28日 (火)

獣害対策を現場で学ぶ

 

 

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足尾の朝の天気は冬の森作業には絶好の快晴でした。なんか得をした気持ちになりました。気温は4℃でした。

 作業小屋に集まったスタッフと苦いホットコーヒーを飲みながら、今日の作業の打合せをしました。昨日は、猿の群れが作業小屋を取り囲むように冬を乗り越える餌をついばんでいました。いよいよ本格的な獣害防止のチェックをしなければならない季節となりました。

Pb280024_2  今日は鎌田スタッフ、福原スタッフ、済賀東京事務所事務長と筆者が、早速、臼沢の森に登り、食害防止柵チェック・補修などを行いました。補修箇所は20箇所ほどありました。目立った点は、ネットの下の地盤が崩れてそこから、鹿が出入りできる穴が出来ていたことでした。

 臼沢の木々の葉は濃いこげ茶色、赤色、朱色の色を残し、越冬前の栄養をわずかに蓄えているようでした。

Pb280028_2 快晴のなかでの作業はスムーズに出来ました。

Pb280029_3  頂上付近では、鎌田スタッフから防止柵の外側にネットを這わせるやり方の説明を受けました「尾瀬方式」と言い、防止策の効果は出ていると説明がありました。現場で学ぶことの大切さも学びました。

 今日の作業によって、「外周だけでも獣害対策ができて良かった(鎌田スタッフ)」「やって良かった(済賀事務局長)」などの感想がありました。(報告 仁平範義)

2017年11月25日 (土)

安心して正月を迎えることが出来る今年最後の南相馬市での育樹活動

 今日の南相馬市は晴れでしたが、寒い風が吹いていました。鎮魂復興市民植樹祭実行委員会主催での今年最後の森の防潮堤での育樹を行い、約80名が参加をしました。場所は昨年3月27日に開催をされた第3回の植樹祭会場で行いました。

 応援隊の皆さんは、昨日午後より今日の作業参加者に提供するとん汁づくりのため、渡部代表の自宅で仕込みが行われました。昨年に引き続いての作業でしたので、和気あいあい参加者に喜んでもらえるよう愛情をこめて仕込みをされていました。

20171124_145956  今朝は9時前から、とん汁の温めるための風よけづくりやテントの設営を行い、参加者を迎え入れました。

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20171125_093206  10時過ぎに参加者が集まり、開会セレモニーを行いました。司会は応援隊事務局の東城敏男さんです。

20171125_101327  主催者あいさつに立った南相馬市生活環境課・前田係長より「応援隊の皆様、カリタスの皆様、原町市区連合の皆様、JR東労組の皆様、ご協力ありがとうがございます。南相馬市鎮魂復興市民植樹祭は第5回目を10月14日非常に雨の中だったんですが、2,300人という大勢の方に集まっていただいて、無事終えることが出来ました。それに伴って、今年の草刈りは、市民の皆さまへ呼びかけさせていただいたのが6回、その他労働組合などにご協力をいただいて計10回となります。おかげさまを持ちまして、草刈りは第1回目~第4回目まで無事に終わりました。非常にうれしく思っております。本日は補植ということになりますが、寒い中ですので風邪などひかぬように、またスコップなども使用しますので怪我のないようお気をつけながら作業をして下さい。本日はよろしくお願い致します。」と述べられました。

20171125_101445  作業説明は応援隊事務局の岩橋孝さんで、今日は草刈りは終了しているので、補植をお願いしたいと言われました。

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20171125_111735  昼食後は、トーク&トークを行い、参加された方々より意見をいただきました。最初は、地元の藤倉ゴム労働組合の橋本さんから「まずはお弁当と豚汁を用意していただいてありがとうございました。私たち藤倉ゴム労組は、原町地区連合の参加にいるんですけれども、植樹祭の手伝いや草刈りの手伝いなど地域に貢献できたらなぁと時間をつくって参加しています。来年6月10日の全国植樹祭を控えており、私たちもそこに向けて頑張っていきたいと思います。今日はお疲れさまでした。」とありました。

Img_0956  続いて、JR東労組仙台の副委員長をされている南出さんより「お弁当と温かい豚汁をありがとうございました。今ご紹介があった通り、南相馬市に苗木を無償提供するために、全組合員で種拾いから苗を育てて、それを植樹して、さらに育樹作業をすると言うことで仙台から来ました。若い組合員も苗木が育っているのを見て、喜んでくれています。これからもできることをやっていきます。」とありました。

Img_0959  JR東労組の森づくりの責任者をされている中西さんからは「東労組は、今後も応援隊の皆様や市民の皆さんとともに、連携をしながらいのちを守る森の防潮堤をつくっていきます。」とありました。

Img_0960  地元のカリタスさんの竹田さんからは「カリタスとは、国際赤十字についで二番目の人道支援の国際組織です。世界の176カ国にあり、日本ではカリタスジャパンと言います。南相馬市ではボランティアの方のための宿泊施設を提供しており、男子6名・女子6名が泊まれます。1000円で泊まれます。今日は補植を致しましたが、育樹祭にも参加をしています。今後も地元に根付いたことをしていきます。」とありました。

Img_0963  南相馬市生活環境課の土屋さんからは「先月10月14日の市民植樹祭の担当をしていました。悪天候の中でしたが、無事終えることができました。植樹祭のあとも、草刈りや補植をすることが続くと思うのですが、それによって大きな森ができていくと思います。皆様のご協力なくしては、できませんので、これからもご協力をお願い致します。」とありました。

Img_0964  応援隊の渡部代表からは「足元が悪い中、また寒い中、ご参加いただきましてありがとうございました。今年の草刈りと補植を無事に終える子とができまして、安心して正月を迎えることができます。来年度以降もご協力をいただきますようお願い致します。とありました。

Img_0965  とん汁を作って下さった応援隊の山田さんからは「去年と今年と豚汁を作りました。昨日から仕込んでまだ余っています。おかわりはいかがでしょうか?来年も作っていきたいと思います。」とありました。

Img_0967  また、応援隊の岩橋さんの奥様からは「応援隊の岩橋の家内です。2013年の植樹祭からお手伝いをしています。東京オリンピックの時には4mになると聞いて、子供の成長と同じようにスクスク育ってほしいなぁと思います。今日はご苦労様でした。」とありました。

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 最後にまとめとして、森びと理事の大野より「今日はJR東労組の皆さん、原町地区連合の皆さん、カリタスの皆さん、市役所の皆さん、そして応援隊の皆さんご苦労様でした。お陰様で6種類・840本(スダジイ、シラカシ、ユズリハ、シロダモ、タブノキ、アラカシ)の苗木を植えることができました。来年にはスクスクと育った新しい芽が出てくると思っています。皆さんは植えながらどのようなことを考えたでしょうか?穴を掘るとミミズが出てきましたか?ミミズなどが土をつくって、苗を育てるように、人間は森に生かされていることを感じることができたのではないでしょうか?今日は最後の森作業でした。人間は自然に生かされていることを謙虚に受け止めながら、来年も生きていきましょう。第1回目~第5回目まで長さは1,500m、面積は25,000平米、植樹本数は120,840本です。それを作った皆さんですので、そのことを思いながら気を付けてお帰り下さい。今日はお疲れさまでした。」と感謝と来年の草刈りへのご協力依頼がされました。

Img_0970  現在、市の復興計画14kmの予定の森の防潮堤で植樹を終えたのは10分の1ほどです。草刈りは来年からは5,000㎡の場所を年に2回ずつ(最低3か所ありますので、年に6回)行います。詳しい日程はこれからですが、息の長い活動になります。森びととしても、市役所と連携を図りながら、応援隊の皆さんと来年以降もいのちを守る森の防潮堤づくりを進めていきます。

Img_0973_2 (報告:事務局・小林敬)

 

2017年11月24日 (金)

異常気象と向き合う本気度が”森とも”から試された

 暦のうえの「小雪」が過ぎましたが、10年ほど前は、普段の暮らしで感じる暦上の季節感が少し早く感じてきました。しかし、この頃は暦通りの季節感が普段の暮らしで感じています。

Pb169529  北海道では40年振りの降雪となりました。また、西日本の降雪は、関東甲信地方よりも早く、その量も多いように思います。また、春と秋の季節間が極端に短くなっているように感じています。そんな訳で、暮らしの営みで衣食住の切り替えが忙しくなっている感じをもっています。 

Pa199241  先日、足尾にて「秋の感謝デー」が開催されました。当会のHPにて紹介されていますので参照してください。昼食後の交流会では、素敵な女性から「国民は5本の木を植えてください。薬になる木、花が咲く木、実のなる木、燃料になる木、そして未来に繋がる木」という、インド国王のコメント話が紹介されました。

Pb189469  この話を聴きながら、人は木に寄り添っていかなければ生きていけないことはインド国王も人々に伝えていたのか、改めて人類は森に生かされていることを実感しました。

Cec  トランプさんの自国の経済優先、安倍さんのお友だち第一に現れているように、人間はこの地球上で一番偉いかのごとくの政治が、暦どおりの季節感にしているのかもしれません。この経済第一という政治の延長線上の暮らしに警鐘を鳴らしているのが「パリ協定」と言えるのかもしれません。  

Pb169525  筆者も足尾の草地に、南相馬市の防潮堤に木を植えていますが、未来に繋がる木を自分自身の心に植え続けているのだろうか、自問自答させられました。

Pa179225  森づくりへの“本気度”が試されている筆者?ややもすると、今までの延長線の暮らしに流されてしまう自分の心に潜む小さな邪悪に負けている筆者の垢を剥していくことが大事だ、と感じました。自然の猛威と向き合っていくと、森と”森とも”はその努力に加勢してくれると思う。

 今年最後の“恩送り日”であった「秋の感謝デー」では、多くの森ともから私の心に木を植えてくれました。ありがとうございました。(事務局次長 水落一郎)

2017年11月23日 (木)

流れる霧、雨天から晴天!冬本番に備える松木渓谷

11月23日9時00分、「みちくさ」玄関の寒暖計は6℃を示しています。筆者の自宅から足尾までの道中は県道15号線を通って来ます。途中の粕尾峠からは、いつも見える男体山を、今朝は雨雲が隠しているために全く見えません。
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足尾ダムゲートから入ってすぐに見える久蔵沢も、ご覧ののとおり、濃い雨雲が立ちこめています。

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 線量の計測を終え「みちくさ」に待機していると、森びと広場を見廻っていた橋倉舎人から「松木の森のゲートが壊れている」と報告が入りました。現場に行くと、ゲートの金網を補強するための鉄製のパイプが大きくVの字のように曲がっているのです。大型の動物が乗り越えようとして曲げたものだと、二人で話し合い、早速、応急修理を済ませました。またハウス内の苗木たちにたっぷりと撒水し、給水タンクに水を満たして、午前中の作業としました。
 今日の雨は、11月18日の「秋の感謝デー」に植樹した苗木たちにとって、まさに絶好のご馳走になっているはずです。

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 そのハウス内では、越冬中のポット苗の数個が、トレイの外に出て散乱していました。ポット苗を良くみると、動物の糞のようなものがありました。なにか、小動物が入り込んでいる形跡があるので、ハウスの出入り口の両側に、杭を並べて応急修理をしました。しかしネズミや熊などからの被害を防ぐことは困難です。それは、厳しい冬を乗り越えるために、ポット苗の中にドングリが残っている事を知っている彼らには、それが重要な食料となっているからです。

20171123_6  雨が止み、森びと広場に植えてあるヤマザクラを眺めました。梢の尖端に沢山の水滴を蓄えています。まるで宝石のようです。

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 ひとつ興味深いことがありました。「みちくさ」の薪ストーブの煙が、松木沢の川下から川上に向けてなびいている時、中倉山の北斜面を覆っている雲は、これとは逆方向の川下に流れているのです。何故、このような現象が起きるのか分かりません。しかし、煙害により甚大な被害を受けた当時も同じ現象を見ていたのかと思うと複雑な気持ちになりました。

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 松木渓谷は沢山の水分を蓄え、松木のアイドルであるキツネも少しだけ太目(冬毛)になりました。午後からは晴天になりましたが、北風が強くなりました。ラジオから「午後から冬型の気圧配置になります」という予報どおり、臼沢の上空には雪雲が、押し寄せ始めました。来春も沢山の動植物たちと会うことを楽しみにして、閉舎しました。

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 本日の来舎された方はいませんでした。早いもので今月で「みちくさ」はクローズを迎えます。

舎人は、橋倉・福田(哲)でした。A地点:0.146μ?、B地点:0.142μ?、C地点:0.149μ?  

2017年11月20日 (月)

地産地消、森の恵みに感謝し、「森の案内人」養成に向けた意見交換。「足尾は宝の山」、「森の宝物」探しに心が躍る

11月19日は遊動楽舎“みちくさ”を閉舎し、12時から「森の案内人」養成意見交換会を開催しました。会場は、日光市今市の里山に囲まれた閑静な住宅地にある鎌田スタッフのご自宅をお借りしました。

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2005年から足尾・臼沢の森への植樹をスタートし、現在では小さいながらも多くの生物の命の森へと生長しています。そして、松木、新松木、民衆の杜と多くの植林ボランティアの皆さんと一緒に森づくりをし、それぞれの杜が「本物の森」を目指し生長を続けています。

足尾の森は足尾銅山跡地を訪れている方々に様々な感動を与えているようです。当委員会が育てている森もその一つですが、この感動を未来を生きる知恵として体得していただくために、足尾周辺の森(自然)を案内できる「森の案内人」養成に向けて、森びとの「強者」のみなさんから意見をいただきました。

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当月は高橋副理事長、鎌田スタッフ、松村スタッフの誕生月でもあり、誕生月祝いを兼ねた食事会も企画し、参加者は「地産地消」の料理を一品持参することとしました。

事務局、スタッフが腕によりをかけて作った「森の恵み」がテーブルの上を埋め尽くし、「盆と正月とお祭りの日がかさなったようだ」と声が上がりました。

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木炭でじっくりと焼き上げられた那珂川清流のアユの塩焼き、アユの唐揚げ、日光産根菜類サラダ。

 

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先人の知恵を生かした保存食の芋がらの煮物、新潟県の山奥で採れたワラビの煮物。

 

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栃木県人が愛するモロ(モウカサメ)の煮つけ、茨城県のレンコン、漬物など愛情こもった料理と舞茸おこわ、日光の地粉で打った新そばに舌つつみをうち、長い年月をかけて大地にろ過された伏流水を使った純米酒やワインなども少しいただき、森から学んだ事を話し合いました。

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大地を耕し、土づくりをし、苗木を植え、育樹に精を出し、煙害によってはげ山となった斜面に徐々に森がよみがえっていることは目で見て確認をすることができます。 

しかし、「なぜ私たちは足尾の森作業に行っているのか」を考えたときに、なかなか意見が出ませんでした。

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かつて足尾の山は銅や金、銀を産出し「宝の山」でした。その代償は「公害」として「自然」に大きな被害を与えましたが、先人の努力により当委員会が植樹活動のできる基礎を築いてくれました。私たちは「新たな『宝の山』の宝探しを行っているのではないか」という意見が出され、一同納得。次年度「森の案内人」養成に取り組み、森とものみなさんと一緒に「森の宝」探しが出来るよう研鑽をしていきます。

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本日の参加者は、鎌田ご夫妻、鈴木イツ子さん、小井土ご夫妻、高橋、唐澤、加賀、橋倉、松村宗、仁平、清水、水落、松井、小黒、宮原、福原の17名でした。

(報告者:清水 卓)

2017年11月18日 (土)

静けさの中から冬の足音聞こえる旧松木村でした

 今日は秋の感謝デーでした。天気は雨予報でしたが曇りの一日となり、肌寒く12月の気温となりました。

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Securedownload  遊動楽舎を開ける前からキツネたちが訪れ、下の作業小屋も顔を見せていました。キツネたちも多くの人が来ることと秋の感謝デーを楽しみにしているようでした。キツネたちも一日、遊動楽舎と作業小屋を行ったり来たりしていました。キツネ以外はみちくさを訪れるか方はいませんでした。

Sunp0001avi_000008523  遊動楽舎の玄関そばの壁面に熊と思われる爪痕があったのでセンサーカメラを11月14日から今日の朝まで設置しました。熊が来ることを心待ちにしていましたがカメラにはおさまっていませんでした。残念ではありましたが遊動楽舎の外壁を傷つけられなかったので一安心という複雑な気持ちでした。

Dji_0002mov_000068014  ドローンの練習も兼ねて時季は遅くなってしまいましたが臼沢の紅葉も撮影しました。先月は紅葉初めで青かったのですが一月ほどで紅葉が進みもうすぐで落葉するところです。

1071mov_000083942  お昼を秋の感謝デーの参加者とご一緒させて頂きました。大勢の人で食べると会話も弾み交流が深まり楽しいお昼となりました。日に日に寒さが増し、冬の足音が聞こえてくる一日でした。(18日の放射線量は0.145μSv/hでした。舎人・加賀春吾・岡部浩之)

地球に優しい「恩送り」をつくりだしてくれた36名の森とも

 天は森びとに味方しているような一日でした。天気予報では誰もが冷たい雨がふると思っていた今日ですが、植樹から交流会が終わり、地球に「恩送り」をした森びとが帰路につくまで雨が降りませんでした。

Photo  「秋の感謝デー」に集ってくれた方は36名、まずは「うんしゅう亭」で主催者側から歓迎の挨拶と植樹方法の案内があり、2つのグループに分かれて植樹に入りました。

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Photo_3  松木の杜では、景観を重視してシラカンバの林をイメージして80本のシラカンバを植えました。

Photo_4  臼沢の森西では、ミズナラ、コナラ、イヌシデ、カツラ、カシワ、シラカンバ、カマツカを計120本植えました。

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Photo_6  鹿や兎の食害から苗木を護ろうと柵やネットを張りましたので、参加者は狭い檻の中で植林してくれました。

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Photo_8  昼食交流会では、小井土スタッフの奥様、加賀事務局員の奥様、済賀東京事務所事務長が地物の旬の野菜が入った豆乳汁、仁平スタッフ提供のハス、筆者提供の山形の菊とお新香がテーブルに並べてくれました。

Photo_9  冷えた身体には温かい汁がしみわたり、豆乳と旬の野菜の栄養も身体に浸み込んでいくようでした。

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Photo_12  今年最後になるであろう地球への「恩送り」をつくってくれました森ともの皆さん、お疲れ様でした。(報告 高橋佳夫)

2017年11月17日 (金)

今年最後の小さな植樹祭・「恩送りの日」を迎える足尾・松木沢

 明日は冷たい雨が降る感じのしない穏やかな晩秋の青空の今日、森作業で身体を動かすと汗が出るほどの一日でした。

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Pb179385  無風の温かい風にのってあちこちからエナガの鳴き声が聴こえていました。

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Pb179379  2005年から育てている臼沢の森の西側では、石ころだらけの草地を耕し、土を運び入れた植林地に苗を運び入れました。明日は、松木の杜にも80本の補植をしますので、計200本の落葉広葉樹を植えます。

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Pb179388  臼沢の森入口では元気に育っているモミジが濃い紅色の化粧をしていましたが、森の中は葉が落ち、土に陽の光を溜めこんでいるようでした。

Pb179374  その地点からは、松木の杜と新松木の杜の遅い秋色が中倉山の黒い斜面に映えていました。

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Pb179413  午後は、下のビニールハウス周囲に防草シートを張りました。5年間、冬の寒いこの地で常緑樹の育苗経験をしてきたのでその経験を活かして、無理なく越冬できる苗を育てたいハウスの環境整備でした。

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Pb179415  その後、雄鹿が鳴き出してきたので、森作業を止めて、ホットコーヒーを飲みながら明日の最終ミーティングをして、帰路に着きました。「どくだみ荘」チームは、明日の昼食交流用の調理に入りました。本日のボランティアは、鎌田、福原、済賀、仁平そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

人類の責務としての温暖化防止、暮らしの中からできることを考え、実行し、継続と拡大をしていく11・11市民フォーラム その②

 11日の市民フォーラムの会場(横浜市開港記念会館)は、関東大震災時に全焼してしまいましたが、1927年に大正期建築を復元した状態で再建され、1989年に国の重要文化財に指定されたレンガと花崗岩でできた場所でした。

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Pb110100  11日の市民フォーラム参加者からの感想が届けられましたので、感想を紹介します。 

 「『日本と再生』の映画を見て、世界がすでに取り組んでいる現状を知り、この映画をテレビで繰り返し放映してもらいたいと強く感じました。無知だった私には、とても印象に残った」(70代女性)、「エネルギーの地産地消で世界平和に」(70代男性)、「出身が福井(原発)で、友人が朝倉(水害)なので、いろいろな思いがある。ベースロード=原子力の仕組みのウソを具体的に知ることが出来たのは良かった」(70代女性)

Pb110012  大変参考になる話を聞くことが出来ました。普段あまり深く考えて生活はしていない為、今日は良いチャンスをいただきました。心に木を植えていただき、ありがとうございました(70代女性)

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Pb110061  「地産地消がいかに大事かということを改めて思いました。旬産旬消の言葉。厚木で畑で野菜を作り、近くで直売所で安くて新鮮な野菜を買っています。食べ物で地球に優しいくらしを考える、良かったです」(60代女性)、「横浜でたくさんの野菜を作っている事を知りました」(70代女性)、「行政が最初のきっかけを作ることでマルシェが自立的に増えた話が印象的でした。生産者・消費者双方にメリットがあれば、本来自然と広がるものです。エネルギーについても同様で、障害は政治家の方に解決を望みます」(50代男性)、「もう一度生活を見直す結果となった。一人ひとりが考えていけば、もっと良い暮らしができると思う。地元の良いところを探してみる」(60代男性)、「横浜がこれ程農業をやっているとは知らなかった。あまり関心がないのだと思っていました。小田原よりもすごいというのは感激でした」(30代男性)、「横浜市の食との関係などわかりやすかった。森びとも若い人、子どもの育成など人づくりのためだと初めて感じました。今後も参加していきたいと思う」(40代男性)

Pb110169  「政府の原発政策を止めさせたい。あれだけの原発事故を起こしながら再稼働をさせ、海外に輸出などとんでもない!それから国民も無関心な人が多すぎる。国民の意識を変えさせるためにはどうしたらよいのか?そのために個人になにができるのか」(60代女性)、「住んでいる山間部では、再生可能エネルギーとして太陽光発電の建設ラッシュです。農村は高齢化で耕作放棄地が多くあります。今、企業は乱開発的な太陽光発電の設置が進んでいて心配です」(60代男性)、身近な省エネに変えたくなりました。原発0に向けて、私もがんばります」(50代男性)

Pb110163  「私たちの欠点は頭でわかっていても行動に移せないことだと思いますが、これは社会のシステムも変えないと、個々の努力だけでは限界があると感じました」(60代男性)、「地球環境を良くするために森や木々を大切に。原発に頼らないエネルギーを生産していくことの大事さを思わせてもらいました」(70代女性)、「映画『日本と再生』に始まり、涌井先生のお話、ディスカッションに登壇された方々の話、全て大きくうなづきながら拝聴させて頂きました。今より一歩さらに進んでいくために何ができるか考え、行動に移していきたいと思っています」(50代女性)、「地球がこわれようとしている現実の中で、自分自身が何ができるのかを考える場となりました」(50代男性)、「参加者が少なかった点は残念であります。本日登壇された方々にエールを送るとともに、誰かに任せるのではなく、自身の判断と選択する権利を実践し続けたいと考えます」(60代女性)、「提案された対策ではなく、もっと根本的な問題を改善しない限り、無理だと思う」(60代女性)、「岸井さん、頑張ってほしい」(60代女性)

Pb110200  今回の市民フォーラムでは、私たちは地球温暖化にブレーキをかけていく今の暮らしの見直しが求められていることを提案致しました。いち早く水ぶくれのライフスタイルに気づき、次世代の地球の恵みの分け前分を私たちが先取りしない暮らしへと舵を切っていかなければなりません。評論や批判をしているだけでは、現実は変わりません。地球温暖化にブレーキをかけていくことは、もはや“待ったなし”です。具体的に私たちができる事から行動していく本気度にかかっていることを参加者の方々と確認しあいました。

Photo_2  最後になりますが、今回の市民フォーラム開催にあたりまして、城南信用金庫様より協賛をいただきました。また、認定NPO法人WE21ジャパン様、神奈川新聞社様より後援をいただき、一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議様とは昨年に引き続き共催で市民フォーラムを開催してきました。この場をお借りしまして、ご支援・ご協力をいただきましたことに御礼をさせていただきます。誠にありがとうございました。

(報告:事務局・小林敬)

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