カテゴリ「森の声」の167件の記事

2010年7月28日 (水)

木が生えているから森は元気だとは言えない

P7270169_2 

昨日は西丹沢の東海自然歩道(用木沢出合・標高:約600㍍~犬越路・標高:1060㍍)を散策しました。目的は神奈川県の水源地に生きるブナの生長状態を自分たちの目で確認することと来月上旬に予定しているブナの森下見場所の選定のためでした。

今回の散策は広葉樹(ナラやブナ等)の立ち枯れ被害を防ごうと、その対策を検討している森びと神奈川ファンクラブによる2回目の散策でした。宿泊所から犬越路までの距離は約10㎞(用木沢~犬越路までは約4.5㎞)でした。渓流沿いを登っていく道は最後の急登(40分)まではなだらかで、目に着いた樹木はヤマハンノキ、シデ、サワグルミ、カエデ類(原生林らしいモミかツガの大木も数本生きていました)でした。標高約800㍍付近からはホウノキ、ミズナラが生えていましたが数えるほどでした。この区間ではブナが主役ではないようでした。

P7270125_2 木々の状態は必死になって生きているという感じを受けました。樹の根は少ない土に張り、岩に巻き付いていました。山裾は雨や雪が降るたびに土石が流されている様で木の根は剥き出しになっていました。渓流や展望のきく場所から見えた立ち枯れはアカマツが目立ちましたが、広葉樹の立ち枯れも見えました。

P7270163_2 犬越路頂上でお遭いした男女からは「檜洞丸のブナの森は素晴らしかったが、立ち枯れ等で心配しています」と言う情報を得ました。檜洞丸は第1回目に散策した場所でしたがブナの森には辿り着けませんでした。それを聞いた田岡さん(森びと神奈川ファンクラブ会長)は残念がっていました。田岡さんは早急に日檜洞丸を調査したい、と言っていました。散策では渓流沿いの岩場で咲いていたイワタバコの大きな葉とみずみずしい可憐な花に魅了されました。

P7270198_2

2010年7月25日 (日)

きれいな川の水は痛かった?

P7240063

 昨日は「夏の会」が行われました。人間が壊した自然(森)によって生物が生きていけなくなった松木沢の渓流で生きる生物社会を覗いてみました。参加者の皆さんは猛暑の渓流で五感を研いで渓流の現自然を感じ取ってみました。その結果、川はきれいですが豊かに生物が生きていくには痛すぎる水であるのでは、という結果であった様です。

P7240057 参加者の皆さんは本日のゲスト・塚崎庸子さんからアドバイスをいただき、早速、川辺で素足になって川に入りました。そして外気温が32.5度で水温は何度になっているのかを感じ取る体験をしました。参加者からは、8~14度だ、と感じた人が多くいました。水温を測ってみると21.5度でした。一番触覚が優れていた方は石島さん(女性)でした。

その後は採取した水中昆虫を分類しながら、人間をはじめ全ての生物が生きていけなくなった109年(松木村が廃村になってから今年で109年)から水はどのように変化したのかを話し合ってみました。結果は、川の水と石はきれいにだが、水が足に当たると痛い、と話してくれた小井戸さん。

話では、雨や雪が降るとそれらは一気に岩肌を流れ落ちてしまい、沢の水が一気に増水して石などを下流へ流してしまう。雨や雪を土壌で溜めてミネラルとともに適量に流せない森が出来上がっていないのではないか、ということでした。ますます森づくりの大切さを痛感した瞬間でもありました。

P7230046 味覚(昼食)は、松村宗雄さんが廃村になった旧松木村の狭い一角を耕して作った新ジャガ、松村健さんの提供してくれたエゾシカとイノシシの肉等をいただきました。その他、トマトなどの野菜を持ってきてくれました皆さん、料理を御馳走になりました。手伝ってくれた平賀さん、田村さんありがとうございました。(訂正:21日のブログ文中で「国土交通省が言うところ“きれいな川の指標”」は“環境省の言うところのきれいな川の指標”の誤りでした。お詫びして訂正します)

P7240072

2010年7月21日 (水)

渓流の中の昆虫社会に驚き!

P7210036 

夜の「どくだみ荘」で寝苦しいと感じる日を経験したことがありませんが、昨晩も今夜も22時を過ぎても寝苦しいと感じます。今日の昼過ぎ(12時30分頃)の気温は39度に達しました。

10時15分ころには34度でしたが、松木沢渓流の中で水中昆虫を探していましたので足元は20度でした。その上、下流からの爽やかな風、浅瀬を流れる水音やひぐらしの鳴き声を耳にして筆者の身体からは“猛暑”がかき消されていました。

今日は「夏の会」のゲストである塚崎康子さんが松木沢渓流の下見(調査)をしましたので、筆者も同行しました。渓流の石を剥がすとカワゲラなどの水中昆虫が石にへばり付いていました。その他、国土交通省が言うところの「きれいな川の指標」であるヒラタカゲロウも採取できましので、松木沢渓流はきれいな川ということです。とにかく水中の中でも昆虫たちの社会が成り立っており、この社P7210108会は森がつくりだす栄養豊富な水が源であるようです。

人間が壊してはげ山と化し、下流の住民は豪雨の度に洪水によって尊い命が奪われてきました。当時の松木沢渓谷には生物が生きていけない川でした。その死の川がきれいな川になっているというのですから自然のパワーには恐れ入ります。このパワーから様々な恩恵を受けているのが私たちであることを、水中昆虫の小宇宙から学ぶことができました。

P7210112 浅瀬にはオタマジャクシが出番を待っているようでした。このオタマジャクシは来月には石の上で涼しさを奏でるカジカガエルではないでしょうか。

2010年7月17日 (土)

知恵はミミズから教えられる?

Photo

一昨日(15日)の朝、金子信博先生(横国大教授・農学博士)にお会いしました。金子先生は朝9時には鎌倉中央公園内の畑の隅でミミズを採取していました。金子先生には10月に開催する「秋の会」のゲストの依頼と11月に開催する第3回「森と生きるキャンパスフォーラム」のアドバイスを頂戴してきました。

現場で金子先生は、「8月を過ぎると殆どのミミズは死んでしまうので、標本用に大きく元気なミミズを採取している」、と言っていました。話を聞きながらミミズが生息している場所を観ると小さな土の粒子が一面に堆積していました。先生に尋ねると、これは土ではなくミミズが植物の葉を食べて出した糞であるということでした。植物は春から夏にかけて芽を出し、花を付けて、昆虫、鳥、風などを媒介にして受粉して実をつけます。この実は私たちをはじめ多くの生物が消費しています。この植物が根から栄養を取る大切なこの時期に、ミミズは地中に水や酸素が流れやすい環境を作っています。さらにこの糞はダニや微生物によって消費され、植物にとって欠かせない栄養が生産されます。

Photo_2 小さい頃、ばあちゃんに「ミミズに小便をかけるとオチンチンが腫れてしまうよ」と言われました。これも先達の知恵であったと思います。ミミズはこの大切な時期に一生懸命に生き、沢山の卵を産んで死にます。越冬した卵は春に孵化して、また一生懸命生きます。金子先生(写真下:左側が金子先生)の話を聞いて感じたことは、“知恵は自然と共に生きていこうとする中から”生まれてくるようです。(現地を案内してくれた田岡・森びとインストラクターありがとうございました)

Photo_3

2010年6月 3日 (木)

森に感謝する心は生活の中から醸成される

P6020217 

 今日は山形県米沢市にいます。「5年間の森づくり報告書編集委員会」メンバー・神田大君とドッキングして、明日は私たちがそ育てた苗木が嫁き先の調査をします。昨日は新潟県上越市(JR信越線柿崎駅)に嫁いだ苗木を見させて頂きました。調査員は千葉理事と高橋副理事長、現地案内は森びとアドバイザーの竹内巧さんにお願いしました。

 昨日の天気は晴れ、竹内さんによると久しぶりの暖かさだと言っていました。JR直江津駅から車で20分程新潟方面に向かった所が2年前に嫁いだ苗木の植樹場所です。防風林として植樹されたようですが、現場に立って橋の上から植えられた場所を見ると全体として元気がない様でした。苗木は幅5㍍×長さ300㍍程の盛土に植えられていましたが、盛土は全体が砂であるためか元気がありませんでした。2年前の苗木は40㌢~50㌢程生長したミズナラやコナラでしたが、よーく見てみるとその苗木は10㌢程になっていました。これを見た私たちは原因が土と潮風にあるのではないかと思いました。

P6020208  昨夜は竹内さん宅(千葉理事は実家へ)に泊めて頂き、奥様の手作り山菜料理をご馳走になりました。竹内さん宅の裏山には杉とブナの森があり、ブナの森に祀ってあった祠の歴史などを聞いてきました。集落では今でも棚田が残され、ブナが貯えた水と栄養で美味しい米を作っていました。しかし現在は高齢化が進み、若者たちは集落を去ってしまって残っている棚田は随分少なくなった、と言っていました。冬の豪雪時には木を伐って炭を焼き、春には山菜、秋にはキノコなどの恵みを得ている集落の皆さんは森に生かされているのだということを実感しました。今年4月、このブナの森に感謝をするお祭りが今年も開かれました。アカショウビンの鳴き声を聴きながら豊かなブナの森に感謝しました。竹内アドバイザーご夫妻ありがとうございました。

P6030231

2010年6月 1日 (火)

地道な植林の体験は心に木を植える!

Img_0404 

 昨日、事務局員(小川くん)は臼沢の森に鹿が5頭侵入しているのを発見しました。即、周囲のスチール製の柵をチェックすると西側の柵が少しばかり開いている箇所がありました。鹿を臼沢の森内から追い出し、開いていた柵を針金でふさぎました。事務局は、コツコツと作り上げてきた臼沢の小さないのちの森を観て自然の力強さに感動している多くの皆さんの期待を裏切らない環境づくりを目指しています。昨日のような事は今までになかったことですので事務局には疑問が残っています。

P4160233 ところで新聞報道では、地球全体の海の平均気温が16年間で約0.1度上がっている、と報道していました(5/31・毎日新聞夕刊)。この分析結果は「将来の気温上昇の正確な予測に役立つ」とも報道されていました。また海水温上昇は「海面1平方㍍当たり約0.64ワットの熱が加えられたことに相当する」と言われ、「これに必要な熱量は全人類67億人がそれぞれ100㍗電球500個を点灯し続けたことに匹敵する」と言います。

海水温が上昇すれば海流や水蒸気の流れが変化し、気象の変化や生態系の変化を生んでいるようです。海水温度が上昇する原因は報道されていませんでしたが、その原因は人間活動にあることは間違いありません。いのちの森の力に感謝です。

Dsc00469

2010年5月23日 (日)

森は文化を育む?

Photo 

 今日は吹上御苑の森を散策しました。以前、NHKテレビで報道されたこの森を観て、一度は散策してみたいと思っていた森でした。御苑の森内を散策するのは難しいというので今日は、その周辺を散策することができました。小雨降る中ですが一行は桔梗門に9時30分集合、青木淳一先生と庭園課の方の案内で本物の森を2時半散策しました。

何百種の樹木が森を形成していましたが特に目立ったのは、樹齢何百年、樹高20㍍以上、幹の周囲が5~6㍍もある巨木(クスノキ、タブノ、キケヤキ)がしっかり根を張って生きている様子でした。本物の森を見たような気がしました。木の偉大な力はこのような大木から発せられていると思ったほどです。日本の森(広葉樹)が衰退し、立ち枯れしているのは、ひと昔のように人が森を管理していないから虫が木に入るのだ、という説は吹っ飛びました。

宮脇昭先生曰く、生物社会の掟(競争と我慢)がしっかりしていきとどき、主役がわき役に支えられて何百年間も吹上御苑の森を守っているようです。

Photo_2 しかし、庭園課の方の話によるとエノキに胴ぶきが出て梢枯れがある、アカガシが弱っていると言っていました。原因は不明ですが、寿命ではなく何らかの原因があるのではないかと原因究明中ということでした。御苑内には田んぼや畑がありましたが、すべての農作業は昔ながらの腐葉土つくり、土つくりそして無農薬栽培でした。田植えは間もなく行われるそうで、その苗は露地植えで育てられていました。無肥料・無農薬のために苗は他の草と一緒に生えていました。

 Photo_3 青木先生は吹上御苑の森で土壌分解動物・ダニの新種を発見しました。その内の2種(マサヒトセンロダニ、ミカドカザリヒワダニ・新種)は他の地域の森では発見できていないと言っていました。散策しながら思ったことは皇室の方々は森を大切にしているこということでした。森には神様が存在しているように見えました。宗教的ではなく、森は私たちが生きていくうえで様々な恵みを与え、森に感謝しないと罰が当たって怖い、恐ろしいという考えがあるのか、とも思ったほどです。

日本の文化はやはり森から創り出されているということを確信した散策でした。庭園課の皆さん、青木先生ありがとうございました。

2010年5月13日 (木)

国会内にも日本の森を元気にする機運

 朝は冷えました。「どくだみ荘」内の温度計は1度になっています。外は青空が見え、今日の準備作業がはかどります。昨夜はユキツバキとヤブツバキそして宮脇昭先生の著書が「どくだみ荘」に届きました。今日は、大量の苗木、テント、簡易トイレ等が森びと広場に運ばれてきます。準備はインストラクターの皆さん(4名)と一緒に行われます。

 昨日、稲葉理事、高橋副理事長は参議院議員会館で参議院議員・今野東さん、松浦大悟さんから「日本の森を元気にする議員連盟」設立総会の説明を受けました。設立総会は今月20日の夕方開かれ、そこでは岸井成格理事長から「日本の森を救う緊急提言」の主旨を提案し、ナラ枯れが日本各地に拡がっている現状を宮下理事から報告します。

 設立趣意書(案)では、「地球温暖化対策が全地球的課題となっている中で二酸化炭素を固定する森林の役割は大きくなる一方、日本の森は衰退の危機に直面している。議員連盟は森林の現状についての認識を深め、森林を救い元気にするための施策について研究・提案する」と述べられています。日本の森を元気にする仲間たちの炭撒きと緊急提言に賛同してくれました皆さんの思い、他のNPO法人の願いが国会議員の皆さんにも届いています。

議員連盟設立総会の説明を受けて感じたことは、森をつくり、森を元気にするために炭を撒き、私たちの生活に木を活かすために森を大切にするという心が日本各地に拡がるきっかけになればと思いました。

P5130139

P5120142

2010年4月26日 (月)

四季を感じる楽しみは感性を豊かにします

Img_0078  

「どくだみ荘」の朝は今日も快晴です。昨日は雲ひとつない快晴の中で「春の会」が開催されました。この会は今年から始めた四季の移り変わりを身体で感じて五感をやしなう集いです。参加者の皆さんは遅い足尾・臼沢の春を迎えているいのちの森の中で、木々の息づかいを聴いたり触ったり、また春の風や芽吹きの色を感じたようです。昼には春の味覚を堪能しながら、本日のゲスト・青木淳一先生(横国大名誉教授)から春にまつわる話を伺いました。

P4250016 青木先生は“日本人は生まれた時から感性が豊かでない。四季の移り変わりの中で日本人独特の感性が豊かになっている。特に春は寒い冬から草木が目が覚め、草が生え、花が咲き、木が伸びる時季。この時季に日本人はこの春を楽しむことによって感性を豊かにする”という主旨の話をしてくれました。

 P4250011 春の味覚では千葉県の成田市から送られたタケノコ、房総から送られたイワシ、岩手県と山形県から届いた蕗、ワサビ等の山菜、群馬県からはこだわりの椎茸、ノビル、新タマネギ等の食材で春の味を満喫しました。春の味覚を届けてくれた皆さん、その食材を料理してくれました小井戸ご夫妻、平賀さん、田村さんそして事務局スタッフの皆さんありがとうございました。(「夏の会」は7月25日に開催します。松木沢を散策します)Img_0060_2

2010年4月19日 (月)

モンゴリナラよ、元気になっておくれ

P4190029 

 足尾ではやっとヤシャブシが若葉の蕾を開こうとしているのに桐生のモンゴリナラは眩しいほどの若葉色を見せてくれました。今日は2月21日に炭を撒いたモンゴリナラの観察会に参加しました。群馬県内から集まった30名程の皆さんと若葉を付けたモンゴリナラの健康状態を観ました。

 モンゴリナラをよーく観ると炭を撒いた樹木の枝の葉(右)とそうでない樹木の枝の葉(中)の大きさが写真の様に違っていました。また、梢枯れが多い樹木の枝の若葉は写真(左)のようにひとまわり以上も小さくなっていました(全て地上から高さ180㌢程の枝)。この写真で炭の効き目があったという印象を皆さんに与えようとしていません。この3本のモンゴリナラの葉の生長度合いを確かめるための素材としました。この3枚の葉は葉の生長が終わる頃の葉の変化があるのか確かめたいと思い写真にしました。

 P4190021 2月の炭撒きでは梢枯れは分かりませんでしたが、観察では梢枯れがはっきりと確かめられました。また、炭を撒いた以後の土壌の酸性濃度は測定の結果、pH6に近付いているとの報告がありました。

参加された皆さんからはモンゴリナラが元気になってほしいとの期待の声がでていました。今日は土壌も採取しましたので明日はpH測定を行う予定です。

 観察会後、林照寺住職の奥さんからはお茶や茶菓子、フルーツをご馳走になりました。ありがとうございました。

P4190016

森びと検索

最近のトラックバック