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2017年11月の18件の記事

2017年11月14日 (火)

人類の責務としての温暖化防止、暮らしの中からできることを考え、実行し、継続と拡大をしていく11・11市民フォーラム その①

 11日は、当会と一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議(略称:エネ経会議)との共催で、横浜市開港記念会館において「食もエネルギーも地産地消 地球に優しい暮らしを考える市民フォーラム」を開催しました。

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 午前中は映画「日本と再生」の上映会でした。全国で原発の差し止め訴訟を主導されている河合弘之弁護士が監督を務めています。映画ではドイツやデンマーク、中国などをめぐる様子が撮影され、風力や太陽光など自然エネルギーの活用が拡大し、低コストで地域の経済をにも貢献している様子が伝わってきました。にもかかわらず、安倍政権のエネルギー基本計画は、原発と石炭火力発電を重要なベースロード電源と位置づけ、原発の輸出を成長戦略の重要な柱にしています。今こそ国際的な潮流に背を向けず、エネルギー政策の転換を実現していくには、市民一人ひとりの行動力が必要であることを感じた映画でした。

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Pb110006  午後からは、市民フォーラムが開始となりました。司会は当会事務局の唐澤真子さんが務めました。

Pb110022  主催者挨拶に立ったエネ経会議の小山田事務局長からは、昨年の小田原での開催に続いての開催趣旨説明とエネ経会議の取り組みや柱、地域の課題としての耕作放棄地の問題、そこを保全・再生するプロジェクト、ソーラーシェアリングの話がされました。

Pb110027  その後、東京都市大学特別教授をなさっている涌井史郎氏をお招きし、基調講演をいただきました。“山と人の心に木を植える”ことをメインに話がされました。「日本の代表的な雪舟の絵に画かれているのは松である」、「昭和天皇が八王子で植樹をしたのが植樹祭の始まり」、「東大寺は1500年前に建立され、今日も崩れることなく存在感を顕わにしている」、「木の寿命の素晴らしさに感謝しながら木の活用が必要」、「森林の問題で切り捨て間伐し放置し、雨が降り土砂崩れが起き、大木が流れ被害が拡大した」、「人間は他の植物に支えられていることを認識しなければならない」、「3・11、ハリケーンカトリーナと同様な状況で多くの人達が海岸や地域に花を添えている。陸前高田の人たちは先人の教えや教訓を生かさなかったことを悔やんでいます」、「3つの調和が求められる。1、自然と人間のバランス・人間は自然の一部で有り生態系を守る2、地球は成長しない。しかし、人口は増えている。生きる為の奪い合いが始まる。1割の後退と我慢が問われる。3、国土に何故木を植えるのか。未来の子供達が自然を享受することが出来るのか。遺伝子の継続と未来の取り分を考える必要がある」など貴重なお話を伺いました。このような考え方が私たちの暮らしや社会の基本原理にならなければならないと思いました。

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Pb110071  休憩をはさみ、マリンバ奏者・奥平哲也さんによる演奏会“森の恵み 樹の響き”が行われました。木・森と人間のつながりを奏でて下さり、まるで森の中で聴いているようで、心が爽やかになりました。素敵な音楽をありがとうございました。

Pb110123  続いての事例紹介では、当会顧問・山崎誠さんからエネルギーシフトをすすめる為のアドバイスがあり、原発に象徴される大規模集中型システムから自然エネルギーの地域分散型システムへの移行、地域の自立と活性化につながる社会変革であることが話をされました。

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Pb110162  横浜市環境創造局北部農政事務所農業振興担当係長・田並静さんから横浜の食と農について話されました。横浜市は港町のイメージがありますが、農業も盛んで、しかも直売が盛んだそうです。食と農をつなぐ橋渡し役をされてきたからこその話が語られていました。身近な所で地産地消、旬産旬消をしましょうと事例場所や日にちが明らかにされました。

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Pb110169  フリーディスカッションは、事例報告をされたお2人に、毎日新聞社の明珍美紀さんが加わり、当会副理事長・高橋佳夫のコーディネートで進められました。異常気象がこのまま続くと、私たちの暮らしにどのような影響が出るのか、「このままの暮らし(企業の戦略と経済の流れに沿った大量生産・大量消費型)を振り返ってみて、食とエネルギーの地産地消が地球を救うをテーマに、人類の責務としての温暖化防止のために私たちの生き方・暮らし方が問われており、それは“待ったなし”であること。そして参加した1人ひとりが出来ることをスタートしましょうと訴えられました。

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20171112_201424446x641  クロージングスピーチに登場予定でした当会理事長・岸井成格の欠席について、副理事長の高橋佳夫と司会者からは、最後まで出席を予定しておりましたが、翌日のサンデーモーニングへの出演に備え、大事を取るという判断に至ったことが語られ、お詫びを致しました。

Pb110237_2 (報告:理事・松井富夫)

2017年11月13日 (月)

「うつくしま育樹祭記念イベント」を応援隊がサポート!

 今年で6回目の下草刈り作業は11日、西からの強風が吹く中、第3回植樹会場(2016年10月23日)で行われました。

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Img_0940  今回は、うつくしま育樹祭の記念イベントとタイアップして行うため、10時までは市民植樹祭実行委員会主催で南相馬市の田中総務部長をはじめ市役所のみなさん、応援隊、市民35名で下草刈りを行いました。

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Img_0949  草刈りメンバーは、10時30分から「うつくしま育樹祭記念イベント」に合流、イベントに集った参加者は2018年6月10日の全国植樹祭の成功に向けて誓い合いました。

Img_0947  11時30分から広葉樹植栽地の手入れに参加する全国のボランティア350名を応援隊メンバーがサポート、その後は再び第3回植樹会場の下草刈り作業を行いました。

Img_0935 Img_0950  親子連れで参加した男の子は、「ツルで苗木の生長を遅らさせているようで苗木が可哀そう、前回植樹した苗木が立派に育つように見守っていきたい」と感想を述べてくれました。

Img_0932  次回の除草作業は11月25日に行いますので、ご協力よろしくお願いいたします。うつくしま育樹祭に参加された全国のボランティアのみなさん。除草作業大変お疲れさまでした。ありがとうございました。

11日の応援隊メンバーは、渡部、松林、小川、山田、岩橋、佐藤(光)、原田、道中内、東城でした。(報告 東城敏男)

2017年11月 8日 (水)

生物多様な足尾の森作業を次世代の若者たちと行いました

本日の足尾は昨日と変わり、どんよりと曇り空で朝の気温は8℃でした。

今日はJREU八王子の若者10名が臼沢の森作業に来てくれました。前日に当委員会の設立や足尾での植樹の意義について学んでからの現地入りでした。

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 半数が足尾は初めてとのこと。全員で臼沢に登りました。

2 10年前に植樹祭に参加した方は、眼下の鮮やかな紅葉に感激する一方、岩だらけの対岸を見て植生の差に驚いていました。

3 5月に植樹した臼沢の森最上部で、草刈りをし、苗木が大きく生長できるよう、刈った草をマルチングしました。作業中、食害ネットに体長120cmほどの雄鹿が絡まっているのを発見。またキツネや鹿の群れ、猛禽類などを目にして、動物が多くいることに皆さん驚き、感動していました。

5紅葉を楽しみながら下山。民集の杜にも行き、植樹年数による生長の違いを見学しました。

昼食では、私のお手製味噌汁で温まっていただきました。そして、栁澤スタッフから森づくりを始めるきっかけから今日までの熱い思いを語っていただき、参加者から感想を出し合いました。

6 「まさに継続は力なりというように、積み上げてここまで木が大きくなっていることにパワーを感じた」「来年の植樹祭には必ず参加して木を植えたいと思います」など感想をいただきました。 

7 午後は栁澤スタッフともう一度臼沢を登り、鹿が絡まっていたネットへ。鹿の供養をした後、ネットの補修を行いました。鹿が横たわっていた跡には、弱肉強食の生物社会、冬のエネルギーを蓄えるかのごとくたくさんのが小さな生き物が集まっていました。8

緑色の魚網を、フェンス向こう側の大きな穴にかぶせて、動物がくぐって入って来ないよう処置をしました。

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本日のボランティアは栁澤さんと筆者でした。

事務局・水落一郎

2017年11月 7日 (火)

“本物の森”の生長を願い、越冬の森作業

本日は立冬です。足尾森びと広場の朝の気温は10℃。放射冷却により少しだけ冷えましたが、雲一つない晴天でした。昼の作業は暑くさえ感じました。

1510052103417 特にビニールハウス内は高温になります。苗木の土は乾いて水分を欲していましたので、たっぷりと散水しました。

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今日の作業は、苗木を守る幹ガードの補修です。一昨年に臼沢西に植樹した苗木は、鹿などの食害により、生長が阻害されている状況です。これからも森びと栃木県ファンクラブの皆さんが大切に植えてくださった苗木が力強く生き抜いてくれるようその手助けとして、食害に遭わない高さにまでガードを継ぎ足しました。

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これから足尾は冬を迎えます、全ての生き物は、生き抜くために栄養を植物から取ります。本物の森は全ての生き物の命を守ることが出来ます。私たちはこれからも弱者も生きることの出来る森をつくっていきます。

1510052111541 18日に開催予定の秋の感謝デーでは臼沢西への今年最後の植樹を行います。(↓植樹会場は準備万端です)

1510052107669 お近くの方ぜひご参加ください。

1510052114144 今日のボランティアは橋倉さん、岡安さんと筆者でした。
事務局.水落一郎

温暖化にブレーキをかける暮らしを市民の力で世界へ

 今年も早いもので暦の上で冬を迎えた。異常気象は今年も各国で猛威をふるっている。国連は1日、パリ協定で確認された二酸化炭素排出削減目標を完全に達成しても世紀末の気温は3度上昇する、との報告書を公表した。

Pb079228_640x480  トランプさんはゴルフを楽しみ、高価な戦闘機等を売り込み、韓国に飛び立った。昨日から始まった「COPP23」では、二酸化炭素排出第二位のアメリカは「パリ協定」からの離脱表明を撤回しなかった。世界のアメリカはいつになったら「USAファースト」から「人類ファースト」へ舵をきってくれるのだろう。人は生態系の一員でしかないのに、“これ以上地球を温めないでくれ!”と悲鳴をあげている森に恩返しをしようとしない。

Pb079238_640x480  私たちは森の悲鳴を受け止めて“地球に優しい暮らしを考える市民フォーラム”を週末の11日、横浜市で開催する。(申込は当会のホームページで)

Pb079220_640x480  基調講演を涌井史郎さんにお願いし、政治家、ジャーナリスト、行政と市民が討論し、市民のパワーで温暖化にブレーキをかける暮らし方を話し合う。政治が駄目なら“ハチドリの一滴”のごとく、市民の力で政治を変えられることを願って討論を深めていきたい。

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Pb079233_640x480  皆さんのご意見をお待ちしています。(理事 高橋佳夫)

2017年11月 3日 (金)

ポカポカ陽気の松木沢渓谷で、植樹の準備完了!

 3日9時、森びと作業小屋玄関の寒暖計は9℃を示しています。自宅を出発した時は、どんよりとした雲がたちこめていましたが、足尾に近づくと、雲一つ無い晴天でした。天気予報は大当たり!無線機のスイッチをいれると遠くは筑波山山頂からのCQを聞くことが出来ました。なるほど、山頂ではこの晴天を独り占め出来るのです。ダムゲートから森びと広場までの間に、二つの山岳パーティー・合わせて10名くらいの方々に会いました。どうぞ絶好コンデイションの山業を堪能して下さい。本日は埼玉県在住の佐藤さんが助っ人として駆けつけてくれました。彼女は何回も足尾に通っている方で、薪ストーブの点火も興味深くウキウキしながらのぞき込んでいました。

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2_2  本日は、ポット苗撒水班と「臼沢の森西」の植樹準備班とに分かれて作業しました。ビニールハウス内のスダジイなどのポットの底穴をのぞくと、少し乾燥している様子なので、たっぷりと撒水しました。ハウス内の温度計は10時の時点で30℃を示し、冷たい沢水もここでは心地良く感じます。

 静寂さの松木沢渓谷から聞こえてくるのは増水した松木川を流れる水の音と、カコンカコンと木づちで杭を打ち込む音です。この二つの音が渓谷を反響しあっています。

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4_2  植樹準備班は、作業通路整備とマルチング用の下草を集めです。今回はマルチング用の枯れ草をあらかじめ敷き詰めておきます。植樹の後にマルチングすると、移動する際に苗木を誤って踏んでしまうことがありました。この方法だと植樹とマルチングが同時に出来るので、踏みつけてしまうことが減ると思います。初の試みです。

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6_2  また、「臼沢の森西」の入り口周辺から植樹会場までの周辺の環境整備を行いました。風雨により黒土の入ったフレコンなどが崩れているので、新品フレコンに入れて積み直し、作業通路の普請も行いました。

7  これで安全に作業出来る準備が整いました。気がつくと、中倉山の大きな陰に臼沢の森が隠れ始め、そして急に冷え込んできた松木沢です。帰路につく時、いつもの小キツネが私たちを見送ってくれました。

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9 本日のボランティアは、鎌田・小川・佐藤・福田(哲)でした。(報告 福田哲男)
  

2017年11月 2日 (木)

身を引き締めて、未来を生きる子供たちにこの大地を引き継ぎたい

 一週間後は「立冬」。間もなく足尾にも風花が舞い降りてくる季節となる。今年も大雨と強風が暮らしを脅かした。

Epson007  国連は昨日、「世界各国が掲げる温室効果ガスの削減目標を達成しても、地球温暖化が進んで今世紀末の気温上昇が3度に達し、深刻な被害が生じる恐れがある」と警告している報告書を公表した。

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Pa259367  その中では、「石炭火力依存の日本を名指し」で批判しているという。原因の一つである人間の暮らし方の見直しは“待ったなし!”だ。明日から5日まで、「森のようちえん全国交流フォーラムin東京」が開かれる。当委員会は、明日、そのひとつの分解会を受け持つ。

Pa259503  各分科会では「そとあそびが変える子どもの育ちと社会の未来」というスローガンに添って討論がはじまる。少子高齢化社会の中で未来生きる子供たちへ、当委員会は大人が子供たちと森に入って“何を伝えるのか!”、13年間の森づくりで森から教えられたことを報告していく。

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Pa088942_640x557  明日は、「森は人の才能を豊かにする」「森はいのちを育む」「森は五感を磨いてくれる」等、子供たちが未来を描き、生きていくために大切なことを報告していく。世紀末を「生存が不安定な時代」にさせないために大人の責務を提案したい。霜月は月や星、そして山々が美しく見え、身が引き締まる月でもある(理事 高橋佳夫)

 

2017年11月 1日 (水)

松木渓谷の山々の薄化粧を眺めながらの森作業

10月31日9時、森びと作業小屋玄関の寒暖計は7℃を示しています。カーラジオで、今朝の奥日光では氷点下を記録したことを伝えていました。なるほど、中倉山の北側斜面はその影響を受けて、僅かですがうっすらと雪化粧していました。

 福原スタッフが楽しそうに薪ストーブを点火し、本日の作業ミーティングの開始。11月18日に開催する「秋の感謝デー」では「臼沢の森西」の植樹を予定、今日はその準備作業を行います。2年前に植樹した「臼沢の森西」の東側に隣接する36㎡の斜面に120本の植樹を予定していますが、動物たちの食害から苗木を守るために金網を張ります。

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 目の粗い金網ではシカなどの大型の動物から、そして目細かい網ではウサギなどの小型の動物からの食害を防ぐために、大切な苗木を守ります。

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 スコップや唐鍬で荒れ地を掘り起こして石などを取り除き、培養土32袋と黒土32袋を攪拌します。幼木の生長を促す為の欠かすことのできない土壌を作る事から始めました。鍬やスコップが沢山の石に当たる大きな音と衝撃を感じます。拳位の大きさから両手でやっと持ち上げられる位の大きさの石をなんとか取り除きました。

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 筆者は、単管・網・金網を固定するための針金を切る時、針金の長さを単管に固定する長さで切りそろえてしまいました。「どこに固定するのか、自分でやってみれば分かる」と先輩にアドバイスというか指摘を受け、勝手に思い込んで切りそろえてしまったことに気づきました。

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 「臼沢の森西」の植樹準備が終わり、下山する際、登山道の土留めの一部が壊れて、土砂が流れ落ちている箇所の補修を行いました。探し出した丸太にを鉄筋で固定し、安全な道としました。

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9  予定した作業を終え、下山していると私たちを小キツネがじっと見ていました。

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本日のボランティアは、鎌田・松村・福原・福田(哲)でした。(報告 福田哲男)

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