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2014年12月の12件の記事

2014年12月31日 (水)

新たな10年の森づくりへ、志と情熱を振り返る・・その4

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Photo_7 私たちの“山と心に木を植える”運動は栃木県日光市足尾町と岩手県八幡平市だけではありません。東日本大震災・フクシマ原発事故以降は、宮城県内の林野庁東北森林管理局が進める海岸防災林プロジェクト応援の森の防潮堤づくり、南相馬市が進めている鎮魂復興市民植樹祭の応援をはじめ、宇都宮市役所の植樹祭、奥州市の植樹際そして山形県、福島県、茨城県、神奈川県内の植樹祭さらに教育現場でサポートしています。

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Photo_2 サポートしているのは2005年から始まった宮脇昭氏が校長先生の「森びと教室」を修了した120名の森びとインストラクターです。

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Fxcd0056 この教室は2005年~2009年に開校し、宮脇昭理論を基本にした“ふるさとの木によるいのちの森づくり”をけん引するリーダーを育ててきました。

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Fxcd0070 足尾の現地に立って、負の歴史とはげ山の治山・緑化事業の歴史、土壌分解動物たちの調査、鹿の食害防止、苗づくりから植林の実習そして話し方等を学んできました。

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Photo_3 2009年以降は修了した皆さんが実践ゼミにも参加し、植生調査実習や間伐実習を行ってきました。

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Photo_5 そのインストラクターが各地で色々な形で未来のいのちを育む森づくりを推進しています。

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Photo_6 森びとインストラクターの皆さん、森づくり10年を迎える足尾の森を訪れ、自分で植えた苗木たちが元気に育っていることを確かめてください。そして10年前の志を本物にしてください。(理事 高橋佳夫)

2014年12月30日 (火)

新たな10年の森づくりへ、志と情熱を振り返る・・その3

1 私たちは10年間、山と心に木を植えてきました。山に木を植えながら、“人間は森に寄り添って生きていくしかない”、という当たり前のことを心に植えてきました。(上の写真は2005年から始めた第1回親子自然教室)

3 「親子自然教室」では大人たちも学ぶ場でありました。それは森の中では、自然な形で子どもたちのコミュニティーがつくられるということでした。

2 ハイキングでは低学年の子供の荷物を持ってあげた高学年、包丁の使い方をアドバイスしてくれた高学年など、ゲームなどを忘れて支え合うという心が育まれるのだ、ということを学びました。

4 また、この教室では20代の若者たちが子供たちをリードしてくれました。そのことが職場活動に活かされていた、ということを後に聞いて本当に嬉しく思っています。

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7 2009年からは出前教室と称して、川崎市古川小の1年生が森でドングリを拾い、

6 校庭の片隅で苗を育て、

83年後にはその苗を足尾に植えました。

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10 また、幼稚園でも森の話をさせていただきました。

Photo 足尾では、三年生になった児童の保護者は自分の子供の変化にお礼の手紙を届けてくれました。森の力が子供たちの心に木を植えてくれました。

11 足尾現地では、北高根沢中学生、

Photo_2日光市立三依中、

12 壬生市立北小学校の環境授業をサポートしてきました。北高根沢中の1年生授業には今でもサポートしています。

14 そして昨年からは、南相馬市の相馬農高生と森の防潮堤づくりを一緒に進め、昨年秋には、津波で流されたハマナスの希少な種を育てた苗木を南相馬市の浜辺に植えました。来年、10年間に出会った何人かの子供たちに会って、森の話をしてみたいものです。(理事 高橋佳夫)

新たな10年の森づくりへ、今年最後の森作業でした

2014_1229641 昨日の足尾の朝は雨、その後は雪、帰りには青空が見えた目が苦しい天気でした。

2014_1229630 南相馬市の鎮魂復興市民植樹祭用の苗木のひとつのタブノキ。一昨年から寒い冬を乗り越える試練に耐えています。ここ2年間はビニールハウス内で越冬してきましたが、全ての葉が枯れました。今年は、ポットに籾殻を入れて土の凍結防止と寒風にも当てない様にしています。

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2014_1229628 しかし、トロ箱で越冬しようとしているタブノキの幼木の葉は一部枯れだしましたので、さらに寒風対策をしました。

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2014_1229632 シャリンバイは昨年から元気に越冬しているのですが、山形県酒田市のタブノキは冬に歯が枯れてしまいますが、春から夏には新しい葉を出してくれます。どうしても育ちが遅くなってしまうので、今年の冬は何とか枯れないでほしいと願っています。

2014_1229647 午後は、来年の植樹会場の準備をしました。民集の杜内の倒木を片付けました。帰路に着く頃は青空がのぞき、雪の中倉山が神々しく見えました。昨日で今年の森作業は最後ですが、また来年も頑張ろうと鎌田さんと誓いました。どうぞ、良いお年をお迎え下さい。(スタッフ 橋倉喜一)

2014年12月29日 (月)

新たな10年の森づくりへ、“森とも”の信念を貫く

Pc279180 今日のテレビニュースによるとスリランカでは豪雨に襲われ、100万人以上が被災しているそうです。豪雨の原因は報道されていませんでしたが、海水温の上昇による気流が暴れだしたのではないかと思います。(写真:ホンドキツネ)

Pc299235 地球温暖化を何とか防げないかと起ちあがった私たちですが、地球温暖化を10年前と比較すれば加速しつづけているようです。現状の暮らしや経済で突き進むならば後30年内で地球の生きものは「生存の不安定」を迎えると言われています。

Pc299230  “山と心に木を植える”を合言葉にして10年間森を育て、森に生かされていることを心に植えてきました。地球上では多くの市民が地球温暖化を防ごうとアクションを起こしています。しかし、地球は悲鳴をあげて、生きものの頂点にいる人間に最後の警鐘を鳴らしているようです。(写真:アオゲラ)

Pc299240 森びと設立10年後の2015年は、地球温暖化にブレーキをかけている壁に穴をあけていくアクションが求められている気がします。来年のCOP21へ向けて、筆者は“攻める”をキーワードにしたアクションを作りだすことを願っています。

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Pc279186 そんなことを静寂な森の眠りの中で考えています。そのヒントは森に寄り添うキツネや小鳥たちが運んでくれるような気がしています。(理事 高橋佳夫)

2014年12月28日 (日)

新たな10年の森づくりへ、志と情熱を振り返る・・その2

P4131880 2011年3.11から私たちは自然の猛威に驚き、フクシマ原発事故では放射能の恐ろしさと人間の愚かさを感じました。感じ取ったら直ぐに実行。私たちは災害の現地に立って、被災者と共に自然と向き合って生きていくこと、愚かな行為を再び繰り返さないために少しばかりのボランティアと話し合いを行ってきました。

P4241906 4月は岩手県、

P42419205月は宮城県、

2011_0522_150648dscf796716月は南相馬市の現地に立ちました。

P4131888 そこで感じ取ったのはあの地震と津波に耐え抜いた木々の力と人間の技術では自然を支配できないこと、ということでした。また、原発には頼ってはいけない、ということでした。そして、最高顧問・宮脇昭氏が提唱している瓦礫を活かしたいのちを守る森の防潮堤づくり応援でした。

P4241910 2012年、南相馬市の復興事業のひとつである瓦礫を活かした森の防潮堤づくり応援に着手。桜井勝延市長には足尾においで頂き、私たちの森づくりを体験していただくと同時に、森の防潮堤づくりに苗木3万本を南相馬市民に贈呈しました。(宮城県では桜が津波に流されず花を咲かせていました)

Pa222480 そして2013年10月、その苗木の一部を森の防潮堤に植林しました。この年からは、東日本旅客鉄道労働組合との協働事業で1年間に10万本の苗木を10年間で100万本提供することをはじめました。

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 この南相馬市民との森の防潮堤づくりは第二回目が来年3月に実施されます。来年からは本格的に市民が主役になろうと、市民の鎮魂復興市民植樹祭の「応援隊」(仮称)を呼びかけていますが、27日付の『福島民報』がそのことを報道してくれました。(理事 高橋佳夫)

2014年12月23日 (火)

新たな10年の森づくりへ、志と情熱を振り返る

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Pc226414 冬山の森は静かな眠りに入っていますが、特に今日は風もなく静かです。静寂な中で忙しそうに飛び回っているのが鳥たちです。カワラヒワが群れて飛来し、ヤマハンノキの実に隠れている小さな虫たちを探していました。これからはツグミ、シメ、ベニマシコ等が姿を見せ、冬山の森はこの鳥たちの楽園になります。

Photo この楽園は森が支えていますが、楽園は人間の傲慢な欲の追求で地獄となってしまいます。1902年、足尾松木村は廃村になってしまいました。その周辺の山の木々は枯れ、土砂流出によってはげ山になりました。はげ山に草や木が生えるのは何百年もかかることでしょう。莫大な税金が投入されて治山・緑化工事が人々によって半世紀以上続けられると、やっとそこには草が生え、根によって土砂は動かないようになり、少しずつ土が堆積されます。 

04sep 来年は足尾・臼沢の斜面に木を植えて10年になります。斜度30度以上ある斜面は写真の様に一面イネ科の草だらけでした。

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Photo_4 この草だけの斜面の草を刈り、階段を造り、植林できる環境をつくってきました。

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Photo_6 2005年5月、1千人以上の森ともがこの草地を森にしようと植林ボランティアをしてくれました。

Photo_7 しかし、秋になるとシカ、ウサギ、サル等によって植えた苗木の頭部99%以上が食べられてしまいました。

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Photo_11 話には聞いていましたが、自然の力を信じて食害対策に挑戦しました。対策方法は何度も失敗を繰り返しましたが、肝心な事は“完璧を追求しない”ということでした。

Photo_13 頭部を食べられた幼木は写真の様に、全ての苗木は元気な新芽をだしてくれました。根と土がしっかりしていればいのちは繋がっていることを実感させられました。幼木の新芽に触って見て、涙がでました。

Photo_14 夏には草を刈り、60㌢程の幼木に太陽のエネルギーを与えてきました。

Photo_15 今年5月、この森の観察会に集まった皆さんにコメントしている宮脇昭先生の笑顔が忘れられません。

47 栃木県の土砂流出防備林に指定されているこの地は、写真の様に木々が岩をしっかりガードしていました。来年からもこの森がいのちの源になって、未来のいのちを育む森に育ていければと願っています。

Pc186398 昨日は冬至でしたので、今日から少しずつ日照時間が長くなります。鳥も人間もこの自然のなかで生かされていることが最高の幸せではないでしょうか。(理事 高橋佳夫)

 

2014年12月21日 (日)

南相馬市・鎮魂復興市民植樹祭の応援隊(仮称)をつくろう!

Dscf1746 昨日(20日)、南相馬市の市民など23名が上高平第2公会堂に集い、来年3月29日に開催される「鎮魂の森 南相馬市復興市民植樹祭」の応援隊(仮称)結成に向けた意見交換会が開かれました。

Img_0540 12時からは、筆者(小林)が植樹祭へ向けた準備概要、植樹後の草取り等の育樹作業計画を提案し、市民が主役の森の防潮堤づくりを共に盛り上げていきたい旨の話をしました。(写真は岩橋森びと事務局員)

Img_0541 出席した方々からは、「PTAなどに当たってはどうか」、「議員や商工会議所には話しますよ」、「呼びかけをするチラシなどがあると助かる」、「実行委員会に名を連ねている団体などからも協力をもらえるようにした方が良い」等の声を頂きました。

Dscf1748 応援隊(仮称)の正式発足は来年2月28日(土)午後を予定し、もっと多くの皆さんの出席をいただきながら発足できればと願っています。それまでには、応援隊(仮称)代表や事務担当、そして今年の応援内容などを話し合っていきます。

Dscf1747 13時過ぎからは、仕出し弁当と鍋を囲んで懇親を深めました。南相馬市の皆さん、ありがとうございました。(事務局長 小林敬)

2014年12月16日 (火)

冬将軍のメッセージが気にかかる

Photo 今年の冬将軍は大勢の雪を伴って引き返すどころか爆弾低気圧を抱えているようです。ここ数年、森の力を脅かす豪雨や豪雪が一気に襲いかかってきていますね。梅雨将軍や冬将軍のメッセージが気にかかります。上の写真は山形県新庄市蔵岡周辺の夏の森です。夏なのに紅葉しているように見えます。枯れているのはナラで、2006年の夏のことです。

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Photo_5 二番目からの写真は09年と10年の各地(佐渡、越後湯沢、会津若松、丹沢のブナ枯れ、山形朝日鉱泉)のナラ枯れです。

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 当会は09年からナラ枯れ調査を東日本各地で行ってきました。そしてその誘因のひとつは土壌汚染によってナラが衰弱し、弱ったナラの幹に虫(カシノナガキクイムシ)が穿孔するのではと仮説を立て、汚染された土壌を炭によって土壌改良しようと実証調査をしています。(写真上:桐生、山形、南会津金山町での炭蒔)

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Pa102463 林野庁の調査では年々ナラ枯れは減少しているようですが、当会はなんとかナラ枯れを防止できないかと、炭による樹勢回復実証調査をしています。来年で5年目を迎えるために、その調査結果と今後について14日、調査委員会の小川眞先生、小林正秀先生、来栖敏浩研究員の意見を伺ってきました。内容については来月の理事会で審議します。(写真上:小川先生と青木先生)

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P1016376 京都駅に向かう途中、静岡付近では車窓から雄大な富士山を見ることができ、名古屋駅手前に来ると新幹線は雪原を走っているようでした。森(山)の力を改めて感じましたし、その力に寄り添って生きている己を実感しました。(理事 高橋佳夫)

 

2014年12月13日 (土)

被災民の魂と故郷が蘇る森の防潮堤づくりに応援してください

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Pa070374 2011年3.11から3年9ケ月が過ぎました。私たちがいのちを守る防潮堤づくりを応援している南相馬市では、25.000人以上の市民が自宅で新年を迎えることができません。その上、市内の仮設住宅などで暮らしている市民はフクシマ原発の不安を抱えて暮らしています。(写真上:昨年の植樹祭植樹前と植樹後)

Pa070391 衆議院議員選挙は明日、投票・開票となりました。自民党公明党は大手企業や投資家等を意識した経済政策論を全面展開していますが、3年前の3.11の鎮魂復興のことについては演説のついでになっている気がします。

Pa070388 筆者は今頃、新年の手帳を買って自分にとって忘れてはならない日に印を付けています。3月は3日と11日、そして25日から29日までは「鎮魂復興市民植樹祭」と記しています。  

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Dscf1094 3月下旬は、色々な想い出が詰まった瓦礫(鎮魂)を盛土にして、そこにふるさとの木を市民と共に植え、いのちを育む森を育てる今年度の森づくりの日です。今からどんな森づくりが創られるのか楽しみです。(写真上:昨年植樹際のサポーター講座と植樹祭で出会った相馬農高校生と私たち)

Dscf0068 森づくりの主役は市民の皆さんです。そこで私たちは、鎮魂復興市民植樹祭を応援する話し合いを市民の皆さんへ呼びかけています。“鎮魂復興市民植樹祭応援隊”(仮称)というようなサポートチームを結成して、植樹準備や植林、その後の草取りや苗木づくりを応援していければと願っています。(写真上:昨年の植樹祭セレモニーで宮脇昭先生の手伝いをした相馬農高生)

 

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Pa275841このような応援を通じて、自然の猛威と原発事故の恐ろしさを忘れないようにしたいと願っています。そして“原発に頼らない森(自然)と生きるライフ・スタイル”を創りだしたいと思います。全国の森ともの皆さんのアイデアをお待ちしています。(写真上:昨年の植樹祭を応援した私たちと苗木の生長をチェックする事務局)

(理事 高橋佳夫)

 ~写真:昨年10月に実施された南相馬市の鎮魂復興市民植樹祭と市民の皆さんです~

2014年12月10日 (水)

全国の森ともの皆さん!10年間のご支援に感謝します

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 10年前の今日、私たち森びとプロジェクトは発足しました。2004年の9月には、宮脇昭先生と私たちは足尾町の公害の原点と言われた旧松木村に立ち、未来のいのちを育む森づくりを決意しました。

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 森の名前を「臼沢の森」として、苗木つくりと植林の計画を立てました。上の写真は植林する前の斜面です。

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 宮脇昭先生は斜面に立って、穴を掘り、土に触って、臭いを嗅いで土を舐めてみました。

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 重金属が含んだこの地に栃木県が土を入れ、木を植えましたが、斜面は苗木を支えた竹だけが卒塔婆のように残っていました。

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 この地に、土、腐葉土等を運び揚げ、穴を掘って密植・混色しました。最低3年間は草を刈り、鹿や猿そしてウサギやネズミの食害と向き合ってきました。

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 他方では、ドングリを拾って、苗木を育ててきました。

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 年間100日以上、述べ300名を超す森ともがボランティアをしてくれています。お陰様で、臼沢の森は写真の通りの森に育っています。

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 はげ山となってしまった広大な荒れ地ではほんの小さな森ですが、未来のいのちを育む森になろうとしています。(写真:中倉山から臼沢の斜面を見る。中央の斜面が臼沢の森)

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 現在、森は眠りに入っていますが、秋には心を和ませる写真のような素晴らしい紅葉を見せてくれます。

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 また、113年前の今日は、田中正造が足尾銅山の操業停止を明治天皇に直訴した日です。

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 彼が書き残した、「真の文明は山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」の叫びを、今後の森づくりへ貫いていきます。全国の森ともの皆さん!ありがとうございました。

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 今日も足尾では、食害防止の柵補強作業が行われました。スタッフの皆さん、寒い中をお疲れ様でした。(理事 高橋佳夫)

 

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