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2011年6月の18件の記事

2011年6月30日 (木)

足尾のハゲ山に向かいて学ぶ生徒たち

P6092018  今月26日、東京事務所に感想文が送られてきました。封筒には栃木県にある高根沢町立北高根沢中学校と書かれ、石川幸夫校長名で足尾体験のお礼文と生徒の皆さんの感想文が入っていました。

P9240775  中学校の皆さんとは今月9日、「足尾まるごと井戸端会議ガイド」の山田さんと一緒に出会いました。生徒の皆さんには私たちが育んでいるふるさとの木によるいのちの森づくりの話をさせて頂きました。感想文はその時のものでした。一部を紹介すると、「ハゲ山が特に印象に残っています。鉱毒事件により緑がなくなってしまい何もない山となってしまったと聞いて大変な思いをしたのだと思いました。みんなで協力をして木を植えてひとつひとつの木を大事にしている姿が見えました。私も緑を大切にしたいと思います。」(Iさん)、「高橋さんが言った五年後には元に戻る山もあるけど、50年経っても戻らない山があると言った言葉が印象に残っています。」(Kさん)と書かれていました。第1学年主任の斎藤信之先生、感想文を書いてくれた生徒の皆さんありがとうございました。若い“森とも”に出会って感謝しています。

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2011年6月28日 (火)

梅雨の合間に株分け(苗分け)を行う

Dscn8559_2  北東北も6月21日梅雨入りしました。平年よりも1週間遅い梅雨入りです。そんな中、みちのく事務所では6月25日岩手県民の森で2011年度の株分け(苗分け)を行いました。当日は、これまでの森づくりでは珍しく、降水確率0%で暑くもなく寒くもない梅雨の合間の中、絶好の株分け日和となりました。参加してくれたのはJREU仙台、秋田、盛岡の皆さん128名でした。

 12時過ぎから開会式を行い、冒頭、4月22日に病で急逝した角岸幸三みちのく事務所所長のご冥福を祈り、全員で黙祷を捧げ、皆さんで目的半ばに倒れた角岸所長の森づくりの想いを引き継いで、いくことを誓い合いました。

Dscn8561_2  株分けは昼食後からはじめました。その後、トチノキ、ミズナラ・コナラ・カシワの幼木を丁寧に分け、その後、ブナとプランターに蒔いたヤマザクラの株分けを行いました。株分けの個数はトチが639ポットで発芽率は55.8%、ミズナラなどのドングリは8690ポットで63.7%でした。ブナは136ポット、ヤマザクラは584ポットでした。合計10049ポットで、クリは小動物による壊滅的な被害を受けました。これからもしっかりと食害対策を行うと共に、株分けしたポットについても育苗活動などスタッフが中心となって管理をしていきます。最後に閉会式を行い田中副所長からお礼の言葉が述べられ、記念撮影をして解散しました。

 参加してくれたJREUの皆さん、OB会の皆さん、そして準備や株分けポットの搬送、後片付けに協力してくれたJREU盛岡の皆さん!本当に有り難うございました。

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2011年6月27日 (月)

人も虫も森守りびと?

P6271923  雨が降った後は夏日、そしてまた雨が降るという日々が続くと草の生長が目に見えるようです。反面、その草地に昨年植えた幼木は根がしっかりしていないために生長が鈍いようです。また、ノウサギやニホンジカに葉を食べられたツバキは必死に太陽からのエネルギーを必要としています。

P6271914  今日は松木の杜の草刈りとヤマブキを47本植えました。植えたヤマブキの周りの草を刈り、ツバキの周りの草を刈りました。草を刈っていると、今年の早春に全ての葉を食べられてしまったツバキが若葉を付けていました。葉を食べられてしまったので「全滅か?」と心配していましたが、枯れた枝元からは鮮やかな黄緑色の若葉を見せてくれました。

P6271917  今年はビロウドモウズイカというハーブ系が元気に成長しています。その数も多く、草を刈ってやるとグングンと葉を大きく広げ、花芽を天に伸ばしています。1㍍以上に生長しています。今年は多くの黄色い花をつけてくれるでしょう。花芽には蜜の香りに誘われて早くも虫たちが寄っています。

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2011年6月26日 (日)

身体で覚える“森(自然)と生きる”ということ

P6251967  昨日は今年最初の森づくりが行われました。プライベート森づくりに応募してくれたJREU東京110名は雨時々曇りの中で、組合員、家族の皆さんが450本の植樹をしてくれました。今年の森づくりでは全ての準備を森びとインストラクターとスタッフが行ってくれました。それも特に「木は根、根は土」にこだわって堆肥、マルチングの藁を運び上げ、穴もしっかり掘って植樹準備をしてくれました。

P6252889  参加してくれた子どもたちは傾斜30度もある階段を300段以上登り、標高1000㍍近くの会場ではカッパを着たりTシャツになったりして真剣に植えてくれました。けんちん汁と弁当を食べた後の報告会では、子どもたちはマイクを握って「植え方が難しいと思いましたが、丁寧に教えてもらって最後まで植えられました。ありがとうございました」と言う感想を述べてくれました。

P6251936  森づくり様子を見て感じたことは、東日本大震災と原発事故に遭遇した私たちが未来の子どもたちに責任をもつということのひとつはこのようなことなのか、と言うことでした。EU東京の皆さん、いのちの森を育てていただき有り難うございました。

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2011年6月23日 (木)

地道に楽しくいのちの森づくりをすることは未来の財産づくり?

P6231899  天気予報では足尾の今日は小雨又は曇りでしたが、今日は雨雲から青空が顔を出して30度を超す真夏日でした。今日の作業は25日から始まる森づくりの準備でした。松井理事チームは臼沢の食害防止のための柵補強でした。昨年はイノシシがミミズを求めて植樹会場を荒らしてしまいましので、イノシシを含めた食害防止を図るために柵のチェックと補強をしました。

P6231904  松木沢の杜では今年から始まる「新松木沢の杜づくり」の入り口を整地しました。今日は古河機械金属㈱さまから新たに提供された植樹会場の入り口に採石を入れて、植樹準備に欠かすことができない入り口を作りました。

 また、「遊働楽舎・みちくさ」では夏休みを控えて取水などの環境を整えました。今日はトイレの環境、排水の環境などを整えました。取水口では新たな取り口を設置し、「みちくさ」用の取水や撒水用の水を確保することができるようです。計画停電等の経験を味わっている皆さんに自然のエネルギーの有り難さを実感して頂くために事務局は木陰の座敷風休息所を作りました。「どくだみ荘」ではJREU東京の準備員の皆さんが夜遅くまで、25日の森づくり本番に向けた準備と意思統一をしていました。

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2011年6月22日 (水)

市民のアクションで森と海を元気にさせよう!

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 今日は夏至です。東京で仕事をしているとクーラーを付けたくなるような気がする夏至です。昨日は京都市にある立命館大学を訪れ、8月20日(土)に開催する第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」内の会場を見せて頂きました。素晴らしい会場ですので内容もそれにふさわしいものを創りだそうと、現地の小川眞先生、柴田晃先生そして立命館大学生の皆さんと打合せをしてきました。

P6211954  打合せの前後には「京都府植物園」と「吉田神社」の鎮守の森を観察してきました。ふたつの森内ではナラ枯れが進み、森全体が衰弱していました。この様子を観て驚きました。現地に立った私たちはなんとかして全国に拡がっているナラ枯れをくい止められるように、今回のフォーラムでは京都市民と共にそのアイデアを出し合っていこうと考えました。すでに現地では京都市民が様々な防止策を試していました。

P6211941  森が元気を無くしてしまうと大変な事態になってくることは言うまでもありません。まして原発に頼らずに自然エネルギーを生活に活かしていくには、森と海が元気でなくてはなりません。北極圏では「史上最大のオゾン層破壊が起こっている」(『農業新聞』6月18日付)と報道され、その原因は「温室効果ガスの増加」ということです。管首相は「再生可能エネルギー電気調達特別措置法案」を設立させようと頑張っているようですので、その基盤たる森と海を元気にする政策も進めていただきたいものです。

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2011年6月18日 (土)

雨の中!未来のいのちへ繋ぐ森づくり

P6182827 宮城県で被災地救援ボランティアをしている森びとの皆さんから、ブログを書いている筆者に「地震は大丈夫ですか」と電話がありました。今日の足尾は雨でしたが、JREU東京の皆さん20数名は臼沢に登って草刈りと穴掘りをしました。臼沢の森ゲート前では全員が背負子を背負って、そこに堆肥と藁を載せて傾斜30度ほどの階段を300段以上登っていました。

一日で120袋ほどの堆肥と藁を荷揚げし、今月25日に植えるための穴を掘っていました。

P6182822  16時には下山し、本日の予定していた森づくり前段作業は完了しました。数日前までは鹿たちの姿が見えませんでしたが、この頃は子鹿たちが美味しそうに草を食べている様子を見ていると心が和む今日でした。JREU東京の皆さんの中には5年前から臼沢に植樹している皆さんがいましたが、あまりの木々の生長に驚いている方もいました。雨の中でいのちの森づくりをしていただきありがとうございました。

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2011年6月17日 (金)

森は新たないのちを育む

P6171864  宮脇昭先生は政府の「復興構想会議」に「津波からいのちを護る森の長城プロジェクト」を提言しています。当会もこの提言を実現させようと、昨日は「日本の森を元気にする議員連盟」に要請しました。議連会長の参議院議員・今野東さんと事務局長・松浦大悟参議院議員との話では議連会員の勉強会を開催し、被災地でのいのちを護る森づくりを実現していこうとなりました。

P6171865  今日は足尾・松木の杜で草刈りをしました。この地は植樹する前までは木すら生えなかった所でしたが、ここを開墾して木を植えてみると新たな生きものの命が誕生してきます。新たな草が花を咲かせ、虫が集まり、鳥が巣を作り雛を育てます。冬に誕生したバンビは母親に励まされて自然と共に生きていくことを学んでいます。

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P6172815  9日の『農業新聞』論説では、「今こそ生物多様性を復興のキーワードにするべきだ。人間の暮らしを支える多くの生き物が豊かであるためには危機に直面した里地・里山を再生することが先決だ」と書いてありました。時代は“森と生きる”ことがキーワードですね。

2011年6月15日 (水)

故郷を奪われる村人の気持ちを歴史に刻む

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 13日の夕方、臼沢の階段作りを終えて帰り支度をしていると「遊働楽舎・みちくさ」に車が止まりました。車から降りた皆さんはみちくさを見ていましたので事務局は近くに行ったところ、その方は古河機械金属㈱本社・相馬代表取締役社長ということでした。早速、みちくさの入口を開けて室内を見てもらいました。相馬社長には改めて足尾町旧松木村跡地での森づくりによって生態系が豊かになっていることを実感していただきましした。

P6142806  当日の作業は25日から始まる臼沢の森づくりに欠かせない階段作りを行いました。スタッフの森戸さんと鎌田さんは間伐材での階段を、済賀、小川両事務局は金属製の管によって階段を完成させました。2011年植樹会場はこれまでと違ってさらに高い場所になります。その場に行くには3メートル程のコンクリート製土留めを越えなければなりません。事務局は、事故や怪我が発生しないように金属製の階段を頑丈に作りました。

P6141863  この臼沢の森の斜面をもつ山には名前が付いていません。もしかして12日にみちくさを訪れた星野さんが知っているかもしれません。約1千㍍地点から見下ろすと、松木沢渓谷入口には松木村の墓が見えます。12日、遠い故郷を想いだして涙した星野さんたちの松木村を奪われた気持ち、お祖父さんから聞いた故郷の話しを、私たちはきちんとみちくさの歴史に刻んでいきたいと思っています。

現代では、原発事故被災で故郷を奪われようとしている方々の気持ちも歴史に刻まなければと思います。ところで20日0時50分から日本テレビで「ドキュメント日本」という番組が放送されます。番組は私の友人が原発事故被災を取材してきた番組です。深夜放送ですが是非、ご覧になってください。

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2011年6月13日 (月)

心に焼き付く遠い故郷の人と森との生活

Photo 12日の「遊働楽舎・みちくさ」には4名の訪問者がありました。午後に訪れてくれた日光市細尾町在住の星野さん夫妻は、「下野新聞を見て、ご先祖が住んでいたこの旧松木村に来た」と言っていました。話によると、星野さんの父親は生後1週間後に松木村が廃村になり、村を追われたと言います。親から伝え聞いていることは、「この辺りは養蚕が盛んだったが、亜硫酸の被害を受け木がなくなり、燃料となる燃やす物もなくなり根をむしりとって煮炊きをしていた」と話してくれました。また、お祖父さんは村人の仲間たち数人と国会議員だった田中正造に会いに行ったそうで、その際につけていた日記が現存し、一部が足尾の資料館に保存されている、と言う話も聞かせてくれました。

P6131868 星野さんは、「何年前になるだろう。私の祖先がこの場所に住んでいたと云う。この場所に来たことがあるが、それから40年近く経つのか?本日で2回目の訪問である。案内板(森びと制作の松木村の歴史の看板)を読み、その絵を拝見したら涙が流れた。何故か胸が一杯になってしまい、何も書けなくなってしまった。当所に立ち寄って当地の住んでいた大体の場所も分かった。」(抜粋)と、『森ともノート』(訪問者ノート)に書いてくれました。

P6131856 岡安さんとともにご夫妻の話をうかがい、こんなに感激していただけて本当に私たちの活動がほんの少しお役に立てて嬉しく思いました。小さな森ではエゾハルゼミが大合唱です。当時の村人は、ツツジやミヤマサクラ等の花に心を和ませ、自然(森)に感謝していたのだろう、と想い描きました。星野さんご夫妻の話を胸の奥にしまい込みました。(報告:舎人・小林、岡安)
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