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2010年7月の14件の記事

2010年7月30日 (金)

幼木に爽やかな風を吹き込んでやりました

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 足尾でも草刈り作業が連日行われています。昨日は全国的に久しぶりの雨が降りましので、足尾でも雨の中を草刈りしました。事務局員と事務局スタッフとボランティアの皆さん12名が臼沢の森と松木の杜の草を刈りました。今日は事務局員、事務局スタッフとボランティアの皆さん6名が汗を流してくれました。臼沢の森では草が幼木の3倍ほど大きくなっていました。私たちも暑いですが幼木たちも密集した草に覆われて暑いことでしょう。天気予報によれば明日から当分の間は晴れの日が続くそうなので、幼木たちは草に覆われて蒸し暑い環境から解放され、爽やかな風に揺られて生長することでしょう。汗を流してくれました皆さんお疲れさまでした。

 昨日は松木沢を訪れる皆さんの憩いの場となることを願って準備をすすめている小屋が搬入されました。三井物産環境基金の助成金によって憩いの場設置は進められていますが、その小屋(12坪)が高台に設置されました。間もなく内装・外装などの改修作業に着手します。皆さんのアイデアをお聞かせください。

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2010年7月29日 (木)

若木よ元気に育て!と草取り

Dscn1364  昨夜(東京)は暖かく湿った南風が一晩中吹いていました。天気予報では各地で梅雨明け後の大雨に注意という報道が出ています。また、世界各地の天気でも猛暑、豪雨、寒波による被害が報道されています。

何かおかしい異常気象が続いている様です。しかし、草木は必死になって生きている様です。

7月25日、みちのく事務所では元山堆積場の植樹場所で草取りを行いました。2008年、2009年に植樹した樹木は順調に生長していますが、樹木以上にオオバコやシロツメグサ(クローバ)・ヒメジョオン・スイパ、ヤマススキ、コメススキなどの草が大威張りで根を張らしています。草の抜き取りが大変な草は草刈り機で刈りました。極酸性の土壌を耕して黒土や炭、腐葉土等を混ぜ合わせた土壌には草も元気になって一気に生長していて大変な作業でしたがいい汗をかくことができました。暑い中での作業でしたが、標高1.000mを吹き抜ける涼しい風が心地よく感じ、自然のありがたさを感じました。草取り作業に参加してくれた14名のボランティアの皆さん、暑い中お疲れさまでした。(みちのく事務所・仲崎報告)

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2010年7月28日 (水)

木が生えているから森は元気だとは言えない

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昨日は西丹沢の東海自然歩道(用木沢出合・標高:約600㍍~犬越路・標高:1060㍍)を散策しました。目的は神奈川県の水源地に生きるブナの生長状態を自分たちの目で確認することと来月上旬に予定しているブナの森下見場所の選定のためでした。

今回の散策は広葉樹(ナラやブナ等)の立ち枯れ被害を防ごうと、その対策を検討している森びと神奈川ファンクラブによる2回目の散策でした。宿泊所から犬越路までの距離は約10㎞(用木沢~犬越路までは約4.5㎞)でした。渓流沿いを登っていく道は最後の急登(40分)まではなだらかで、目に着いた樹木はヤマハンノキ、シデ、サワグルミ、カエデ類(原生林らしいモミかツガの大木も数本生きていました)でした。標高約800㍍付近からはホウノキ、ミズナラが生えていましたが数えるほどでした。この区間ではブナが主役ではないようでした。

P7270125_2 木々の状態は必死になって生きているという感じを受けました。樹の根は少ない土に張り、岩に巻き付いていました。山裾は雨や雪が降るたびに土石が流されている様で木の根は剥き出しになっていました。渓流や展望のきく場所から見えた立ち枯れはアカマツが目立ちましたが、広葉樹の立ち枯れも見えました。

P7270163_2 犬越路頂上でお遭いした男女からは「檜洞丸のブナの森は素晴らしかったが、立ち枯れ等で心配しています」と言う情報を得ました。檜洞丸は第1回目に散策した場所でしたがブナの森には辿り着けませんでした。それを聞いた田岡さん(森びと神奈川ファンクラブ会長)は残念がっていました。田岡さんは早急に日檜洞丸を調査したい、と言っていました。散策では渓流沿いの岩場で咲いていたイワタバコの大きな葉とみずみずしい可憐な花に魅了されました。

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2010年7月25日 (日)

きれいな川の水は痛かった?

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 昨日は「夏の会」が行われました。人間が壊した自然(森)によって生物が生きていけなくなった松木沢の渓流で生きる生物社会を覗いてみました。参加者の皆さんは猛暑の渓流で五感を研いで渓流の現自然を感じ取ってみました。その結果、川はきれいですが豊かに生物が生きていくには痛すぎる水であるのでは、という結果であった様です。

P7240057 参加者の皆さんは本日のゲスト・塚崎庸子さんからアドバイスをいただき、早速、川辺で素足になって川に入りました。そして外気温が32.5度で水温は何度になっているのかを感じ取る体験をしました。参加者からは、8~14度だ、と感じた人が多くいました。水温を測ってみると21.5度でした。一番触覚が優れていた方は石島さん(女性)でした。

その後は採取した水中昆虫を分類しながら、人間をはじめ全ての生物が生きていけなくなった109年(松木村が廃村になってから今年で109年)から水はどのように変化したのかを話し合ってみました。結果は、川の水と石はきれいにだが、水が足に当たると痛い、と話してくれた小井戸さん。

話では、雨や雪が降るとそれらは一気に岩肌を流れ落ちてしまい、沢の水が一気に増水して石などを下流へ流してしまう。雨や雪を土壌で溜めてミネラルとともに適量に流せない森が出来上がっていないのではないか、ということでした。ますます森づくりの大切さを痛感した瞬間でもありました。

P7230046 味覚(昼食)は、松村宗雄さんが廃村になった旧松木村の狭い一角を耕して作った新ジャガ、松村健さんの提供してくれたエゾシカとイノシシの肉等をいただきました。その他、トマトなどの野菜を持ってきてくれました皆さん、料理を御馳走になりました。手伝ってくれた平賀さん、田村さんありがとうございました。(訂正:21日のブログ文中で「国土交通省が言うところ“きれいな川の指標”」は“環境省の言うところのきれいな川の指標”の誤りでした。お詫びして訂正します)

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2010年7月22日 (木)

秋の七草の鮮やかな花に心やすむ

P7220128 今日は撒水しました。19日から猛暑に耐えてきた苗床の若木たちも限界です。夕方から夜にかけて雷雨を期待していましたが雨は降ってくれませんでした。撒水をした後になって今日の20時半頃にパラパラと雨が降ってくれましたのでひと安心です。

夏休みに入りましたので松木沢を訪れる方が増えています。今日の午前はバス一台が松木沢ヘリポートに到着、午後には50~60名の児童たちが歩いて来ました。

P7220050 午前中は現地を訪れる皆さんが少しでも安らげるようにと「森びと看板」周囲の草を刈りました。草を刈っているとススキ等の草の中からカワラナデシコが顔を出していました。この地でナデシコの花を見ることは初めてでした。例年はもっと沢添いで可憐な花を見せてくれていましたので、草だらけの地に咲く可憐な秋の七草に感謝です。草と一緒に刈らないように注意して作業をしました。カワラナデシコは梅雨明け直後に猛暑日が続いたせいで例年よりも早く花を咲かせたのかと思いました。

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2010年7月21日 (水)

渓流の中の昆虫社会に驚き!

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夜の「どくだみ荘」で寝苦しいと感じる日を経験したことがありませんが、昨晩も今夜も22時を過ぎても寝苦しいと感じます。今日の昼過ぎ(12時30分頃)の気温は39度に達しました。

10時15分ころには34度でしたが、松木沢渓流の中で水中昆虫を探していましたので足元は20度でした。その上、下流からの爽やかな風、浅瀬を流れる水音やひぐらしの鳴き声を耳にして筆者の身体からは“猛暑”がかき消されていました。

今日は「夏の会」のゲストである塚崎康子さんが松木沢渓流の下見(調査)をしましたので、筆者も同行しました。渓流の石を剥がすとカワゲラなどの水中昆虫が石にへばり付いていました。その他、国土交通省が言うところの「きれいな川の指標」であるヒラタカゲロウも採取できましので、松木沢渓流はきれいな川ということです。とにかく水中の中でも昆虫たちの社会が成り立っており、この社P7210108会は森がつくりだす栄養豊富な水が源であるようです。

人間が壊してはげ山と化し、下流の住民は豪雨の度に洪水によって尊い命が奪われてきました。当時の松木沢渓谷には生物が生きていけない川でした。その死の川がきれいな川になっているというのですから自然のパワーには恐れ入ります。このパワーから様々な恩恵を受けているのが私たちであることを、水中昆虫の小宇宙から学ぶことができました。

P7210112 浅瀬にはオタマジャクシが出番を待っているようでした。このオタマジャクシは来月には石の上で涼しさを奏でるカジカガエルではないでしょうか。

2010年7月20日 (火)

小さないのちの森の協働作業

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足尾・森びと広場の今日は猛暑でした。昼前の気温は35度でした。猛暑の中で何千匹ものひぐらしが鳴いていましたが涼しさは感じられませんでした。今日は熱射病に気をつけながら憩いの場設置の整地と草刈りをしました。

昨日は松木の杜の草刈りを5名のスタッフが行ってくれました。昼食後に松木の杜を歩き、しっかりと根を張って若葉を大きくして生長している若木を見てやり甲斐を実感しました。クワノキは小さな実を付け、エノキも幹に葉を付けて大きく生長しているようです。ヤマザクラの葉にはマメコガネらしき虫が群がっていました。

P7200088 草の中にはネジバナ、ホタルブクロが花を輝かさせて蝶や蜂を呼んでいるようでした。猛暑には参ってしまいますが、昆虫たちは花や葉に群がって草の子孫繁栄に一生懸命に働いていました。松木の杜ではいのちを育む協働が盛んに行われていました。幼木を植えてくれましたボランティアの皆さんありがとうございました。

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2010年7月17日 (土)

知恵はミミズから教えられる?

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一昨日(15日)の朝、金子信博先生(横国大教授・農学博士)にお会いしました。金子先生は朝9時には鎌倉中央公園内の畑の隅でミミズを採取していました。金子先生には10月に開催する「秋の会」のゲストの依頼と11月に開催する第3回「森と生きるキャンパスフォーラム」のアドバイスを頂戴してきました。

現場で金子先生は、「8月を過ぎると殆どのミミズは死んでしまうので、標本用に大きく元気なミミズを採取している」、と言っていました。話を聞きながらミミズが生息している場所を観ると小さな土の粒子が一面に堆積していました。先生に尋ねると、これは土ではなくミミズが植物の葉を食べて出した糞であるということでした。植物は春から夏にかけて芽を出し、花を付けて、昆虫、鳥、風などを媒介にして受粉して実をつけます。この実は私たちをはじめ多くの生物が消費しています。この植物が根から栄養を取る大切なこの時期に、ミミズは地中に水や酸素が流れやすい環境を作っています。さらにこの糞はダニや微生物によって消費され、植物にとって欠かせない栄養が生産されます。

Photo_2 小さい頃、ばあちゃんに「ミミズに小便をかけるとオチンチンが腫れてしまうよ」と言われました。これも先達の知恵であったと思います。ミミズはこの大切な時期に一生懸命に生き、沢山の卵を産んで死にます。越冬した卵は春に孵化して、また一生懸命生きます。金子先生(写真下:左側が金子先生)の話を聞いて感じたことは、“知恵は自然と共に生きていこうとする中から”生まれてくるようです。(現地を案内してくれた田岡・森びとインストラクターありがとうございました)

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2010年7月14日 (水)

先達の知恵は研ぎ澄まされた五感にありました

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自然と共に生きていく先達の知恵はやはり森に潜んでいる様です。今日の『毎日新聞』朝刊の「余禄」には、「土石流の場合は山鳴りや川のにごり、水位低下、腐った土のにおいといった兆候が要注意だという。おそらく昔からの言い伝えにも似たものであろう。・・・危険の前兆には目と耳、そして鼻もとぎすまして身を守っていただきたい」と書かれていました。

筆者も5~6年前にそんな話を聞いたことがあります。吾妻線のトンネルを掘っていたJR東日本の上信越工事事務所のプロもやはり「水の色や臭いで水の災害から身を守っていた」と言っていました。自然の脅威に震えながら、犠牲者を出してしまった悔しさをバネにした経験から五感を磨いていたのでしょう。それが命を守る知恵として創り出されたのでしょう。

P7100036 生活現場や労働現場が自然から遠ざかっている現代では私たちの優れた“五感”が鈍ってしまいます。水の濁りや臭い、そして映像に感知してパソコンは私たちの身を守ってくれないようです。

来週24日はそんな五感を養う場として“夏の会”が開かれます。今回は松木渓流を散策して、ゲストの塚崎康子(栃木県ふれあい活動指導者)さんから渓流に棲む虫たちから五感を養います。勿論、夏の味覚も味わいます。お楽しみに。

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2010年7月13日 (火)

森と生きてきた先達の知恵を現代に活かす?

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来週は梅雨が明けるという天気予報ですが足尾は今日も雨でした。日本人は四季のある国土で自然の恵みに感謝し、自然の脅威に震えながら生き抜いてきました。そこには自然と共に生き抜いていく知恵が生まれ、自然(森)と生きる文化を創り出してきました。

大雨の二次土砂災害を防ぐために流出した土砂を砂防ダムからはき出せという報道を耳にしますが、先達は自然の脅威に震えながらどんな知恵を導いたのでしょうか。賢く、逞しく生きてきた先達からヒントを頂きたいと思います。大雨が降る森の中ではミズナラが次代の命(ドングリ)を育んでいます。そのヒントは森の中に潜んでいるのかもしれません。

Img_0554 利益誘導第一の生活様式に取り込まれて生活している私たちの多くは自然から遠のいています。森への感謝は自然の恵みを受けて初めて感じるようです。自然から遠のいては感謝の気持ちに立てません。

自然に敬意を表し、自然を大切にする心を育む憩いの場を設置するために、今日は雨の中で重機を操縦して整地をしました。作業は事務局スタッフ3名と事務局員2名で進められました。スタッフはそんな願いを込めて憩いの場設置作業に汗をかいてくれました。雨の中の作業に感謝します。(報告:仁平事務局次長)

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