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2009年8月の14件の記事

2009年8月29日 (土)

極酸性土壌で生長する先駆種に感謝

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 今年は梅雨が明けないまま一気に秋が来た感じです。そのせいか雨降りの日が多く、松尾鉱山跡地の植樹場所も雑草が生い茂り、植樹した樹木の成長を妨げています。みちのく事務所では今年2回目の育苗活動(草取り作業)を8月27日に行いました。事務局スタッフとJREU組合員8名の協力を得て、さわやかな秋風を受けながら心地よい汗をかき、これまでに植樹した会場の草取りを全部終了しました。元山堆積場付近ではヤマハギが盛んに咲いていました。今年からアキグミとミヤマハンノキを植えましたが、先駆種と言われるだけにここの条件の悪い土地でもすぐに根付き、めざましい成長を続けています。
 来月上旬は県民の森にある育苗会場の草刈りと草取り行う予定です。暦のうえでは立秋ですが、何故か、残暑という感じを受けないみちのくです。(みちのく事務所・仲崎発)

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2009年8月28日 (金)

山と心に木が植えられている

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 清水朋佳ちゃんから「森びと親子自然教室」の感想文が届きました。1日目の感想を紹介します。「キャンプのときはありがとうございました。最初のはし、お皿、おぼん作りはむずかしかったです。でも仕上げをお父さんからやってもらったので、きれいにできました。・・・ごはんを作るとき、私はポテトサラダを作りました。おいしい!、といわれたのでうれしかったです。食べてくれてありがとうございました。竹内さん、竹の話をしてくれてありがとうございました」、以上です。2日目、3日目も紹介していきます。朋佳ちゃん、ありがとうございました。P8262314_2
 昨日の森びと広場は爽やかでした。秋空をおもわせる青空の下で、一昨日に引き続き草取りをしました。また、越冬前の元気を貯えられるように撒水をしました。草取り作業中に松木村をイメージして描いた「看板」を見ると、砂防工事関係者のダンプ運転手が携帯でその看板の写真を撮っていました。秋の気配を皆さんに届けていますが、運転手さんの姿を見ていると、初秋色に描かれているその絵に惹かれるのかなあー、と思いました。この看板設置の棟梁・大野さん、絵を描いた加藤さんありがとうございました。

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2009年8月26日 (水)

秋の森づくり準備開始!

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 「どくだみ荘」の朝方は掛け布団をかけないと寒くて寝なられない日が続いています。今日の朝も昨日の朝も気温は20度を下回りました。今日の17時30分頃の気温は16度で、ボランティアの方を東武日光駅まで送り、足尾に戻る途中い車の窓を開けて走っていると、10月頃の風が吹いているようでした。臼沢の小さな森は秋の様子です。実を付けた栗の木が生き生きと枝を伸ばし、ススキの穂が秋風に揺れ、月見草の黄色い花が鮮やかでした。
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 今日は東京から駆けつけてくれた井本さんが3度目の育苗作業を手伝ってくれました。作業はポットの中でしっかりと根を張って、苗木の根を苦しめている背の高い草を取りました。今日の作業で全ての草を取ることができました。天気予報では週末は真夏に逆戻り、ということなので苗床は風通しが良くなり、蒸し暑さが軽減されることでしょう。井本さんありがとうございました。
 
 2009_0825_100446dscf0966 昨日は、来月13日に行われる第14回「足尾・ふるさとの森づくり」の準備でJREU横浜の皆さんが臼沢の森を訪れました。メンバー12名は草刈り、階段作り、穴掘りを行いました。めったに使わない機械と道具を使った作業がスムースに進んだことに、皆さんは満足げな顔をしていました。作業を終わり下ってきた皆さんは、横浜では未だ感じることのない秋の爽やかな風を持ち帰った様です。横浜の皆さんお疲れ様でした。

2009年8月24日 (月)

小さな虫たちのパワーに感謝します

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 今日も朝5時に起床しました。気温は10度を下回りました。スタッフが炭を熾してダッチオーブンでご飯を準備していましたが、起きてきた子どもたちは火の周りに集まってきました。それほどキャンプ場の朝は涼しい朝になりました。
 昨夜は灯籠流しをしました。森の宝物探しから帰った親子は温泉に入り、親子の会話をしました。その会話を灯籠に描き、星空の下で灯籠を中禅寺湖に流しました。その願いは天の川に届くように祈りました。
 今日の授業は森の宝物(友達)探しです。昨日、300年以上も生きつづけているミズナラやトチノキ落ち葉を拾ってきた中に棲む友だちを探し当てました。子どもたちはクモ、ミミズ、ムカデ、アリ等を探し当て、落ち葉を餌にして生きている分解動物の働きを学びました。結局、森の宝物は森(木)を元気にしている何万匹の虫たちでした。参加した斉藤さんは、「宝物は虫の生命(いのち)だ」、と言ってくれました。子どもたちは、何匹もの虫のなかの虫をルーペで拡大してスケッチブックに描きました。虫が大嫌いな女の子は授業が終わって、お父さんから借りた携帯電話でお母さんに虫の話をしていたようです。最後の授業では木は虫の餌と住まいであって、そのお礼に虫が森(木)の元気を与えているように、森の社会はそれぞれが生きていくために支え合う森の掟があることを学んだようです。
 閉校式では、「落ち葉は人間たちが踏みつけて細かくなっていた、と思っていましたが、そうではなくて小さな分解動物が食べてくれていることを知りました。」、とお礼を述べてくれました。昼食は、恒例の流しそうめんを頂きました。教室は三日間、怪我もなく終わりました。スタッフの皆さんご協力ありがとうございました。

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2009年8月23日 (日)

森の中は静かで、涼しい

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 教室の2日目は5時に起床しました。朝の天気は曇りでしたが、日中は晴れ間がありました。朝食は千葉県の木村さんと石井さんから送られてきた鰺の開きと目玉焼きを作り、朝食後には自分のお弁当を作りました。
 今日の授業は「森の宝物探し」です。300年以上も生きつづけているミズナラやトチノキの森の中を3.8㎞歩きます。森の中では、森の温度調整機能、岩や土をガードしている木の根、水を蓄える機能、そして森の恵みの有り難さ学びました。それらはスケッチブックに描き、明日の授業に活かしていきます。
 終着地の千手ケ浜には13時頃に到着、昼食を食べた後は湖畔での水遊び、スイカ割りを楽しみました。帰路はモーターボートに乗船、水しぶきをあげたボートで気勢をあげてキャンプ場に戻りました。この時間(15時~17時)は親子の時間で、森の宝物探しを振り返っています。その森への感謝、森への願いは灯籠流しの灯籠に描き、星空の下を流れる川に灯籠を流します。
 明日の授業は森から持ち帰った落ち葉の下で仕事をしている大切な友達を探します。

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2009年8月22日 (土)

森は仲良しになれる力をもっている

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 「09年森びと親子自然教室」が始まりました。今日の日光市・中禅寺湖畔の菖蒲が浜キャンプ場は、昨日の足尾同様に爽やかな風が吹くと秋が近づいている感じがしました。13時30分、キャンプ場の一角では親子自然教室の開校です。千葉県、神奈川県、栃木県そして地元日光市から集まった親子のみなさんは自己紹介をした後、早速、1時間目の授業に入りました。授業は竹細工で食器を作り、火を起こす体験です。
 竹食器を作る前は竹内巧アドバイザーから、私たちは日頃から竹のお世話になっていることを学びました。その後は、日常的にノコギリ、ナイフ、ドリル等を使うことが少ない親と子の皆さんですが、今日はその道具を使って竹の食器を作っていました。
 食器を作くり終わってからは、夕食を調理するための火を起こすためにマッチを使わずに火を起こす挑戦をしました。30分以上も木を擦っていましたが、簡単に火は付きませんでした。やっとの事で火を起こして、夕食のカレーライスを作りに入りました。ブナのグループ、ミズナラのグループに分かれて作ったカレーは好評でした。
 食事が終わる頃には子どもたちは仲良しになり、一緒にシャワーや風呂に入りました。ある子どもたちは、お父さんやお母さんを心配して「お父さん早く寝ようよ」と、お父さんの手を引いてバンガローに入っていく姿が見えました。教室の初日は、森が子どもたちの仲間づくりを応援しているような気がしました。明日は、森の宝物探しに出かけます。

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2009年8月21日 (金)

えー、もう秋ですかぁー。それじゃー秋祭りの準備だ

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 猛暑日が一週間ほど続いたなあー、と思いましたら、昨日の草とり作業では爽やかな秋風を感じました。臼沢の森からはカケスがギャアーと、モズはキィー、キィーと鳴いています。草の中からはコオロギが鳴いています。未だ8月だというのに、昨年もそうでしたが秋を感じるのが早くなっている気がします。
 松木の杜の小さな畑では、太陽のエネルギー頂いてニラが花を咲かせ、大豆と小豆は実を付けてくれました。こんにゃくも元気な葉を広げています。昼過ぎ、車で当地を訪れた数人は「森びと看板」前で足を止め、松木村の絵と文を見ていました。看板を見てどのような事を感じたのかは分かりませんが、元気に育つ桑の木や小さな畑で実を付けている大豆や小豆等を見ていると、当時の村人は自然の恵みを大切に受け止め、秋になると村祭りを開いてその恵みに感謝していたのではないかと思いました。そして村人は収穫を分かち合って、自然の恵みを味わって楽しい一時を過ごしていたことでしょう。今年の秋、私たちも松木村人のその気持ちを受け止めたいものです。
 短い夏ですので苗床のポット内の苗木も草も必死になって生きようとしています。ポットの草取りがひと段落すると取った後からまた草が生えてくる、というのが今年の苗床です。草取りをしていると、生きていける環境があるうちに必死になって生きる植物界の競争が感じらた昨日でした。

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2009年8月19日 (水)

日本の森を元気にさせよう

P8182312  「さど 島の新聞」(37号・7/28付)が東京事務所に送られてきました。郵送してくれたのは牧れいかさん。彼女は私たちがナラ枯れ調査で佐渡島を訪れた時、精力的に島を案内してくれました。彼女は佐渡の自然と文化をこよなく愛し、守り続けている方です。
 「島の新聞」の8面には、「炭でよみがえる枯れ木」という見出しで彼女の投稿(2回目の)が載っています。記事には、「松枯れ、ナラ枯れ対策には、現在行われている薬剤の樹幹注入よりも、枯れ始めた樹木の根元に炭を撒いて土壌を中和させるほうが有効です」と書いてあります。そればかりでなく、米どころ佐渡の資源(廃棄物となっている籾殻等)を活かして炭を生産し、佐渡の森を元気にしようと起ち上がっています。記事の最後には、「松枯れ、ナラ枯れに対する炭の効用を佐渡でも実証し、松枯れ、ナラ枯れに心を痛めている人々とともに、できることから行動していきたい」と文を結んでいます。(ナラ枯れ・炭撒きについての問い合わせは、090-4200-2337 牧さん宛に)
 ナラ枯れに心を痛めている方々は日本各地にいます。また、その原因を研究している学者の皆さん、そして日本の森を元気にしようと、酸性化した土壌を何とかしたいと炭を撒いている皆さんが各地で汗を流しています。しかし、多くの皆さんは日本の森が危機的だという認識にないことも悲しい事実です。嘆いていても日本の森は元気になりませんので、当委員会はできることから始めている新潟県佐渡島の皆さんと共に日本の森を元気にさせるアクションを始めています。(写真下:佐渡の衰退しているブナ)牧さん、元気を届けていただきありがとうございました。

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2009年8月16日 (日)

蝶を追う親子が育む自然と人とのつながり

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 敗戦64年目の昨日、私の60年間を振り返るきっかけをつくるために、パートナーと一緒に湯ノ丸山(2101㍍)を登頂しました。地蔵峠からの登りは緩やかな山道で、クガイソウ、マツムシソウ、ノハラアザミ、シモツケソウ等の可憐な姿を見ながら約1時間程歩きました。
 登山者の多くは家族連れで、網を持って蝶やトンボを追っていた親子、花を見ながら子に何かを話しかけいる親を見ていると、このように小さい時から自然に触れ合うことは自然や地球そして人間とのつながりを育むことになるのか、と感じました。
 下山途中では、「絶滅危惧Ⅱ類にあるミヤマシロチョウを守っています」、と言ってパンフレットをいただきました。その方は湯ノ丸牧場から湯ノ丸山に僅かに棲息しているミヤマシロチョウを調査・保護していました。パンフレットには、この蝶の生息地は標高1400㍍以上の比較的高い渓流沿い、稜線、牧場などの疎林だが、この地は開発や植林、過度の採取などによって失われてしまったそうです。
 私の幼い頃は自然のど真ん中で遊んでいましたので、自然とのつながりは食(田植えや稲刈り、麦踏み、キノコ取り、山芋掘りなど)、小鳥やウサギの飼育で感じていました。しかし、地球とのつながりを実感できたのは恥ずかしながら40歳過ぎてからでした。下山しながら思ったことは、自然と触れ合っただけでは趣味の域に留まってしまうので、そうではなく体験したことを振り返えり、様々な疑問を探って観るということを幼い頃から養っていくことが大切だ、ということでした。
 今週末の「森びと親子自然教室」では、湯ノ丸山で出会った親と子の自然との触れ合いを参考にして森の宝物を探してみます。

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2009年8月14日 (金)

日本の森は元気がない

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 今月7日夜、東京都文京区内で「平成 熊あらし」という映画を観ました。上映前に岩崎雅典監督は、「2006年、ツキノワグマは5,185頭捕獲され、そのうち4千頭以上が捕殺された。豊かな森のシンボルだった熊が、今なぜ人里に出没するようになったのか。そこには複雑な関係が絡んでいる。人は、熊とどう付き合えばいいのか、を考えてほしい」、と挨拶された。
 映画に出演していた自屋マタギの工藤さんは、「8年前からブナの実が森全体で豊作になるという状況でなくなった。これは人間の影響だ」、と話していました。この時季、ツキノワグマは蟻や蜂を食べ、間もなくウワミズザクラ、ミズナラやブナの実を食べて冬眠に入ります。足尾の「森びと広場」対岸の松木川沿いには熊が木を剥いで蟻を食べた跡があります。以前、テレビで足尾の熊が赤く熟したアキグミの実を食べている様子を見ました。
 越冬する熊、冬眠中に出産する雌熊にとってはそれに耐える栄養豊富で十分な餌が必要になります。実のなりが少ない、実のなる周期が長い、実がなってもミネラルが乏しくては、熊は生きていくために必死なります。映画を観て、背に腹は変えられず、人間との境界線を越えざるを得ない現状はマタギの工藤さんが言うように、「人間の影響だ」と思いました。
 ナラ枯れ調査を2回行って実感したことは、森があっても木は元気がなく、衰退している森になってしまっている、これは人間が犯したものだということです。そのような気持ちを大切にして、12日には事務局メンバー、JREUのOBの皆さん、そして今月も東京から駆けつけてくれた井本さんたちが苗床の草取りをしてくれました。ありがとうございました。

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