カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2094件の記事

2018年6月28日 (木)

森と生きる布沢集落民の心はコミュニティーの原点!?

 布沢集落区長の菅家さんからお礼の手紙が届きました。区長は、日本人が初めて体験している少子高齢化社会に向き合っている方。当会は、森と生きる集落の知恵が未来の暮らしの原点ではないかと考え、先月下旬、布沢集落の手伝いをしてきました。菅家区長の手紙を一部紹介します。

Dscn9507  先日は森林生態系保全地域指定に向けて運動中の「恵みの森」遊歩道階段補修工事支援をいただき誠にありがとうございました。年間8千人もが訪れる「恵みの森」「癒しの森」ですが、人口減少と高齢化の進む山間地集落にとりましては、その維持管理に手が届かないのが実態です。そんな中で昨年に引き続きご支援をいただき区民一同感謝いたしております。

Photo

Photo_2

Photo_3  なもないこの小さな寒村に毎年温かい支援の手を差しのべてくださる「森びとプロジェクト委員会」の皆様がおられることを思うと、勇気と元気をいただくと同時に、“また明日から頑張ろう”というヤル気が湧いてきます。私たちは、人口が多いことか地域活性化の条件とは考えず、“大勢の人々が往き来してくれる価値ある集落を創ろう”を合言葉にがんばろうと考えております。とにかく地道に地域資源を活かして皆様の「第二の故郷づくり」に取り組んでまいりますので、今後とも特段のご支援を賜りますようお願い申し上げます。福島県南会津郡只見町布沢区長 菅家和義(短くまとめました)。

Photo_4

Photo_5

Photo_6

Photo_7  布沢集落民の笑顔と出会えると、森に寄り添って生きている歓びが共有できる気がします。「他者が褒め称えてくれる英雄を目指す」というような意識もなく、ごく自然に、森の恵みの共有や共同作業等によって、信頼感や同情、共感意識を高めてコミュニティーが培われているようです。(報告 髙橋佳夫)

2018年6月27日 (水)

南部富士(「焼走り」)のパワーに畏敬の念

 24日の「心の森探訪in北東北」では、今から300年以上前に噴火した岩手山麓の「焼走り」という溶岩の堆積場を歩いた。その時、改めて思ったことは、人間は計り知れない自然のパワーを支配できないということだった。

P6242122  そして、前日の植樹祭に参加していた森びと会員・山崎さん(釜石市在住)と7年振りにお会いした時に思い出したことは、自然の恵みに生かされていることを片時も忘れてはならないということであった。

Photo  釜石市に住んでいる山崎さんは7年前の東日本大震災で被災した。長期間に亘ってライフラインがストップする中で、彼は「沢水に助けられた」とメッセージを届けてくれた。

P6242118  「焼走り」の溶岩には地衣類や苔が新たな命を育んでいた。また、所々には風や雨そして雪が支えてイタドリやアカマツ等と食物連鎖をつくりだしていた。

P6232068  イタドリの枯れ枝や葉を分解している土壌分解動物と微生物の働きによって、荒廃地に生きられる生きものたちの環境がつくられているようだ。時間はかかるが、やがてこの地は生きものたちのコミュニティーがつくられ、その一員に迎えられる私たち。一員としての“恩送り事業”である地球温暖化にブレーキをかける運動へアクセルを踏み込んだ「心の森探訪」であった。(理事 髙橋佳夫)

2018年6月25日 (月)

硫黄製錬の残り滓堆積場での森づくり展望が見えてきた!?

Photo  今年の「心の森探訪」地は、硫黄製錬で排出された残り滓が堆積している南部富士(岩手山)山麓の元山堆積場。当会「みちのく事務所」が森づくりを進めている八幡平市。本格的に植林してから10年を迎えた元山堆積場の森を探索しました。

2

Photo_2  現地のコメントは当会アドバイザー・川端省三さんにお願いし、試行錯誤しながら育ててきた小さな森の樹木たちを観察しました。参加者は26名、案内をみちのく事務所スタッフにお願いしました。

Photo_3

2_2

Photo_4  2006年から2年間の試植現場の樹木、2008年から開始した本格植林地の樹木を観て、その逞しさやスタッフの努力を感じてきました。

2006

Photo_5

2_3

Photo_6  圧雪と凍結に耐え抜いてきた樹木、パイオニアのヤマハンノキと他の苗木の混植とその陰と陽の違い、樹皮のマルチング使用の効果、土壌改良の違いによる苗木の生長度合の差などを感じることができました。

Photo_7                 ミズナラ

Photo_8                ハリキリ

Photo_9  現地では実生から育っているミズナラ、ハリキリを観て、岩盤のような堆積場を耕していくと風や生き物たちが運ぶ種により、天然更新がはじまる可能性を見た感じがします。

2_4

Photo_10  二日目には、土壌改良に欠かせない腐葉土つくり現場(落ち葉拾いの森と炭つくり現場)、そして落葉広葉樹のポット苗木作り現場を観てきました。

Photo_11  探索途中では、みちのく事務所スタッフの皆さんから八幡平の自然や文化も案内していただき、先人が森の恵み暮らしてきた様子が改めて実感できました。スタッフの皆さん、ありがとうございました。(報告 髙橋佳夫)

2018年6月24日 (日)

未来のいのちを育む森に期待がもてる松木鉱山跡地の樹木たち

 梅雨の中休みの昨日(6/23)、南部富士(岩手山)の麓では「第15回八幡平ふるさとの森づくり」が行われました。

Photo

Photo_4  植樹祭に集ってくれた方は約100名、東京事務所からも26名が参加しました。植樹場の畝はふかふかの布団のように耕されていました。この地に20種・1.800本の苗木を植えました。

Photo_2

2

Photo_3  今回の植樹祭は本格的に植林して10周年となり、植林後は参加者全員で10年間に植えた樹木の生長を観察しました。

Photo_5

2010  圧雪と凍結そして強風、根が地中に張っていくにつれ酸性濃度が高くなるという極めて厳しい自然環境に耐え抜かなければならなかった幼木たち。その幼木が力を振り絞って生きている樹木を見ている参加者の皆さんの顔は、10年間の森づくりに誇りを感じているようでした。

Photo_6  人間の暮らしで排出される二酸化炭素の44%が吸収しきれない地球。このままでは世紀末には“生存が不安定な時代”を迎えてしまうという中で、10年間で育てた八幡平の小さな森の未来は生きものたちの命を育んでくれると思います。

Photo_7  10年間支えてくれた植林ボランティアの皆さん、林野庁岩手北部森林管理署、八幡平市、岩手県そしてJREUの皆さん、心から御礼申し上げます。みちのく事務所スタッフの皆さん、お疲れ様でした。(報告 髙橋佳夫)

2018年6月21日 (木)

意思を引き継ぐことは実践していくこと!

早いもので今日は夏至だ。明日以降昼が短くなると、何か寂しくなってくる気がする。

Photo  毎日新聞専門編集委員・与良正男さんが故・岸井理事長の春の病床で語った言葉として、「たるんじゃったな!みんな」(6/20『毎日新聞』夕刊「」)ということを紹介してくれた。懸命に声を振り絞って語ったという「たるんじゃった!」ひとりにならないように、政治と地球環境そして市民運動の劣化に向き合う“本気度!”の速度をギアチェンジしたい。

Photo_2  岸井成格さんとの「お別れの会」へ寄せられた宮脇昭先生の弔辞を紹介する。「「昨年の夏は血色も良くとてもご病気とは思えない元気なお姿でした。ご多忙の中、神奈川県秦野市まで私の面談のためにお越しいただきましたことを昨日のように思い起こしております。岸井さんはもっとも好きなジャーナリストでした。けしてぶれない姿勢で報道に生きてこられたお人柄に感動しております。人生とは儚いものです。90歳の私にとって、73歳とはあまりにも若く残念でたまりません。心からおくやみ申しあげます」。

1                 『毎日新聞』6/18号外より

 (理事 髙橋佳夫)

2018年6月18日 (月)

天空の森へ旅立った岸井成格理事長の志を未来へ引き継ごう

 今日は「岸井成格さんのお別れ会」。毎日新聞社とTBSが主催してくれた。会場には、各界の著名人の多くが集ってくれた。森びとの有志も岸井成格理事長の志を繋ぎとめようと献花をしてくれた。

Dsc_0014  宮脇昭最高顧問から岸井成格理事長へメッセージが届いていた。メッセージは後日会員の皆さんに紹介する。

P1312659           2016年1月の宮脇先生誕生日の岸井さん

 献花をした後、森びと有志は岸井理事長を偲んだ。その場では、岸井成格理事長の志を多くの市民が改めて共有し、文明の岐路に立っている私たちの“希望の松明”を赤々と燃やしていこうとなりました。事務局の宮原君、森びとインストラクターの山崎君が中心となってその場を創りだすことになりました。

P1295164          2017年1月の宮脇先生誕生日の岸井さん

 全国の森ともの皆さん、“希望の松明”の炎を高々と燃やす集いにお集まりください。(報告 髙橋佳夫)

 

2018年6月17日 (日)

小雨降る肌寒い足尾・松木沢で森作業

 じっとしていると肌寒く小雨が降ったり止んだりした昨日(6/16)。森作業日でない日でしたがスタッフ・鎌田さんと松村(宗)さん、そして新事務局員・太宰さんが集ってくれた。小屋で打ち合わせをしようとすると、松村さんが“旬の香りと味”をプレゼントしてくれた(写真)。何と!手作りの完熟した梅のジャムであった。朝食に旬の香りと味が楽しくなる。松村さん、いつもありがとうございます。

P6171990  小雨の中の作業は無理をしない。スタッフの考えてきた作業をやりながら、昨日は「みちくさ」南斜面に作ろうとしている“松木村に生えていただろう低木と生き物の園”の開墾を始めた。 

P6161968

P6161973  また、夏本番を前に、ビニールハウスに保管する森作業の必需品の劣化を少しでも和らげようと、防草シートの再利用を行った。太陽の熱を遮断するために、シートを屋根下に張った。

P6161981

P6161979  その後は、来年オープンを目指しているオオムラサキの生息予定地の片づけをした。その後は、松村スタッフは「宗さん畑」にノカンゾウを植え、鎌田スタッフは松木の杜の草刈りをした。

P6161986

P6161987_2  午後15時頃、「足尾フォレストコーヒー」を頂いて肌寒い身体を温めて森作業を終了させた。昨日の作業は、鎌田、松村(宗)、太宰そして筆者でした。(報告 髙橋佳夫)

2018年6月15日 (金)

うずくまる小鹿の顔が寂しそうでした

 今日の足尾・松木沢の天気は梅雨らしい一日でした。朝から雨がシトシトと降り、山並みにはガスがかかり、雨具を着て作業をしていると下着からシャツまでびっしょりになってしまう湿度でした。

Photo

Photo_2  小川スタッフを待つ間、ホットコーヒーの準備と道具を用意していた仁平さん。筆者は“憩いのベンチ”近くにある腐敗して間もなく土に還る間伐材を片づけました。午前中の二人は薪用の甲羅板を伐り、作業小屋横に運ぶ作業。全てが終わったのは丁度12時。

Photo_3  午後は、“憩いのベンチ”に丸太で椅子を作ってもらいました。その準備に入った時、椅子用の丸太が置いてあった所に、小鹿が休んでいました。逃げようとしないので、写真を撮りました。少し近づこうとすると、飛び起きて母親を探しに行ったようでした。10日にも「森びと広場」に同じ大きさ位の小鹿がいたということなので、母親から逸れてしまったようです。

Photo_4

2

3

Photo_5  15時頃、“憩いのベンチ”に椅子が設置されました。作ってくれた二人の顔は自慢そうでした。雨の中の作業お疲れ様でした。

Photo_6  本日の森作業は、小川、仁平そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2018年6月14日 (木)

フィリピン・ルボ村の子供たちへ届けたい!“森びとのメッセージ”

 今日も青空が眩しい足尾松木沢。天高い青空を見てヤル気が起き、この元気の素である自然の有難い恵みを味わって戴こうと今日もモーニングコーヒーを木陰の下に用意しました。そのセットは下の写真を見て下さい。

Photo

Photo_2

Photo_3  午前中は、フィリピン・ルボ村村民が進めている“ふるさとの木による命の森づくり”応援を話し合うというのでそのセッティングをしました。

F73

F72

F71  メンバーは丁度7名で、「G7」ならぬ“F(フォレスト)7”になりました。来年の応援計画のひとつとして、村の子供たちへ「森は友だち」(仮称)というテキストを作成し、村の子供たちへ届けるというらしい。快晴の空の下で、清々しい沢風にのってテキストの内容を話し合いました。その骨格は稲葉理事が再考し、来月の理事会で提案・審議されるそうです。

Photo_4

Photo_5

Photo_6

Photo_7  午後は、松木渓谷の入口を訪れる方々に、自然の恵みをゆっくり味わってもらおうと木陰の下に“憩いのベンチ”を設置しました。柳澤スタッフが小型重機を運んでくれましたので、ベンチ用の材を重機で木陰の下に移動させ、アイデアを出し合いました。ベンチと階段造りは強者たちの腕がなり、僅かな時間で造ることができました。稲葉理事も隠れたチェンソー技術を披露してくれました。

Photo_8

Photo_9

髙橋さんは重機を動かし、新植栽地の開墾を始めました。 

Photo_11  スタッフの皆さんが帰った後、昨日、大野理事が作った巣箱はこの“憩いのベンチ”の雰囲気を盛り上げていただこうと、ヤマザクラに取り付けました。足尾・松木渓谷を訪れた皆さん、“憩いのベンチ”をご利用ください。

P6140086 Photo_12  本日の森作業は、鎌田、橋倉、稲葉、高橋、柳澤、塚崎そして筆者でした。(報告 仁平範義)

2018年6月13日 (水)

少しでも授かりたいクスノキの生命力

Photo  透きとおった青空から照らす陽が眩しい朝、8時前に現場到着。昨日の作業を午前中に終わりにしようとエンジン全開の4名。

2

3  その前に、「足尾isハートランド」を描こうとモーニングコーヒーを飲んで洒落てみた。沢風の清々しさ、遠くから聴こえるハルゼミとカジカガエルの鳴き声、そしてホオジロの囀り。風の音だけが聴こえる清閑な朝のインスタントコーヒーの香りはいつもと違っていた。30分程の贅沢な自然の恵みを満喫した。

Photo_2  みちくさ入口に昨年植えたクスノキが枯れてしまったかと思い、枯れた幹を抜いてホオノキを植えようとしていた。ところが、松村(宗)スタッフが根元から芽をだしていたクスノキを発見。その話を聞いた時には、驚きと同時に樹木の生命力の凄さが嬉しくなった。その芽が元気に育っていることを確かめで、作業開始。

Photo_3

2_2  二台の軽トラでピストン運転、昨日運び終わらなかった培養土を全て「みちくさ」南斜面に移し替えた。

Photo_4

Photo_5

2_3  昼食は太いうどんを茹でて、サバ缶の出汁で作ったつけ汁で美味しく食べた。午後は、身体を休めながらの作業。小鳥の巣箱作りに熱中した大野理事、その他の3名は森の散策に役立てようと植樹念を記した縦杭作り、そしてビニールハウスの片づけをした。

Photo_6

3_2

2_4  17時過ぎても透きとおった青空は輝いていた。その空を観ていると疲れた気分を和らげてくれた。今日も充実した森作業ができた。本日の作業は、大野、仁平、塚崎そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

森びと検索

最近のトラックバック