カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2096件の記事

2019年11月21日 (木)

冬将軍を迎える準備をすすめる足尾・松木沢

 足尾町の朝、薄氷がはり、昨日、日光駅から足尾町へ向かう途中の男体山はうっすらと雪化粧していました。日本には冬将軍がやってきたようです。

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Photo  透きとおった青空の足尾・松木沢の朝の気温は3.5度。小屋では福原さんがストーブに薪を入れ、広場では松村さんは運んできたU字溝を降ろし、鎌田さんが作業準備。それからホットコーヒーを飲みながらの打合せ。はじめはそれぞれの健康状態を確かめ合い、シロダモ苗をハウスに移動し、これからの撒水準備を整えました。

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Photo_3  ビニールハウスは使わずに放置状態だったので、ハウス内外の草取りを行い、防草シートを張って来春の育苗作業に備えました。

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Photo_6 シロダモはハウス内で越冬

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Photo_8 上:草だらけのハウス内、下:来春を待つハウス

 昼過ぎ、加賀、柳澤スタッフが甲羅板と鉄筋をトラックに積んで森びと広場に到着。全員がそろったので昼食を食べ、午後の作業に入りました。

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Photo_11  「臼沢西の森」の土留め用に運んだ甲羅板を広場の片隅に降ろし、甲羅板を支える鉄筋はハウスに保管しました。その後は、全員でハウス周辺の草取りを行い、ハウス内外の整備を終了させました。太陽が中倉山に隠れはじめたので本日の作業は終了です。作業小屋でコーヒーを飲みながら「みちくさ」屋根の修繕方法の意見交換を行い、薄暗くなってきたので帰路に着きました。 

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本日の作業は、鎌田、松村健、加賀、柳澤、福原そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

 

2019年11月18日 (月)

間もなく越冬を迎える足尾・松木沢で森作業

 昨日の「秋の感謝デー」では約14㌖の探索路(仮称「足尾古道」)を歩きました。その後の筋肉痛を感じながら、今日は越冬準備作業をしました。

1  間もなく霜が降りる季節となりましたので、天空の森に旅立った故・竹内さんが南相馬育ちのシロダモの芽を枯らしてはならぬと、その苗の移動先のビニールハウス内を片付けました。

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3  このハウスに獣が侵入してはならぬと周囲を柵で囲んでいますが、その入口に強靭な柵を柱に縛り付けました。写真は、その針金を曲げることが大変そうな仁平スタッフ。握力は歳と共に弱ってしまったのか、写真の表情とは真逆でした。10時すぎると秋の青空と太陽が汗を滲ませてくれました。なんとも贅沢な時間が過ぎていると感じました。

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6  ハウス内は洗浄機とタンクも設置し、21日の苗木移動を待つばかりにしました。遠くからは雄鹿が雌を呼ぶ声が聴こえ、これからは尾瀬方面からこの地に集まる越冬鹿たちとも向き合うことになります。

7  今日の作業は仁平、丹橋でした。「臼沢の森」の秋祭りは静かになってきました。 (報告 高橋佳夫)

2019年11月16日 (土)

娘たちに遺す暮らし方を問われた想定外の台風と大雨

 南相馬市に住む私は、台風15号と19号の大雨等の異常気象と向き合う姿勢が問われた気がしています。あまりにも抽象的な向き合い方であったと反省しています。

P1050078  住居の近くを流れる2級河川の新田川が氾濫しました。そして、多く家が床上・床下浸水で被害を受けました。小高区では25歳の市役所職員が台風対策の業務の帰りに溺死しました。ご冥福をお祈りいたします。

P1050075  また、南相馬市の高ノ倉ダムの緊急放流により下流の約10世帯の住宅が全壊や床上浸水の被害を受けました。高ノ倉ダムは満水にしておくことが求められる農業用ダムですが、市は災害への備えも踏まえた状況に応じた運用が求められるようです。

P1050067  今、色々な面で今までの暮らし方が問われているように思います。想定外の異常気象の原因は、地球温暖化による海水温の上昇によるものと考えられます。そのように考えると、「自然を奪うことによって幸福を得る」ということを優先してきた私たちの「幸福」とは何かが問われているように思います。

P1050045        苗床のテントが破れました

 フクシマ原発事故で避難生活を強いられた私は、改めて、何を優先にした暮らし方がよいのかと問い直すチャンスと思い、その知恵をいただくために応援隊の仲間たちと話し合いたいと思います。(理事 岩橋孝)

2019年11月15日 (金)

今年最後の鎮魂復興の森作業へ、支える方々の気持ちを忘れずに

 台風15号、19号と大雨被害から1カ月が過ぎました。筆者の住む福島県内は2011年の災害後の甚大な被害ではないかと実感しています。いまだその爪痕の大きさは計り知れないものがあります。

Photo 昨年植樹会場

 昨日(11/14)は、今年最後の応援隊役員会を開き、年末森作業から来年に向けての事業計画について話し合いました。各スタッフの台風や大雨による被害状況等をお互いに話し合い、想定外の異常気象の恐ろしさに向かい合う気持ちをひとつにして、今後も市民とともにいのちを守る森の防潮堤づくりの作業を継続していくことを改めて意思統一しました。

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Photo_3  終了後、筆者と岩橋、松林スタッフは、第4回植樹会場(原町区)から雫育苗場、今年の第7回植樹会場(小高区塚原)を巡回しました。植樹会場の土砂崩壊等の被害状況もなく、苗木はスクスクと生長をしていました。10月19日に日本キスラ―社員が植樹した場所ではコナラは小さいながら紅葉していてホットひと安心しました。

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Photo_4  今後も、命を守る森の防潮堤の様子を皆様に伝えていきたいと思っています。来年の事をお知らせするのは早い気がしますが、市役所によると第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭は6月に開催予定です。津波の力を弱めて住民の命を守る行動をサポートする森の機能、そしてこれからは想定外の異常気象の猛威を少しでも弱める機能を発揮できる森に育てられるように、市民応援隊は全国の植林ボランティアの願いと思いを森づくりに反映させたいと思っています。(応援隊 東城敏男)

2019年11月12日 (火)

全ての生きもの共有財産(地球)を一部政治家に破壊させてはならない

台風19号と大雨による「記録的な大災害」を体験してから1カ月が過ぎました。筆者の住まいは被災しませんでしたが、自家発電施設のない集合アパートで停電や断水が発生した場合はどうするのかと妻と話し合っている。その結果、自宅の防災対策はしたとしても風速40㍍以上の暴風で電柱が倒れてしまう現状では、暴風が吹かないでほしいと願うだけになってしまうことに気づいた。とりあえず東電にその考え方を訊いて、少しでも不安を解消したいと思っている。また、いざという時の避難所に関しても、知り合いの市議会議員を通じて避難住民が避難所に収容できるのか等も行政に問い合わせをしてもらう。また、緊急時の情報を確保するために、森びと推薦の安価(フルセットで15.000円)でコンパクトな太陽光発電を用意することにした。この発電からはテレビが5時間観られる優れものなので、スマホ充電も安心できる。

92 今年もこのような紅葉を見せてくれるのか「松木の杜」

 ここ数年の「想定外」の異常気象の原因は温暖化ではないかと誰しもが思っているのではないか。そうすると排出される二酸化炭素を吸収しきれないほど排出している私たちの暮らし方の問題にもメスを入れないと駄目だと気付く。

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 トランプ米政権は昨日(4日)、「パリ協定」離脱通告文書を国連に提出した。何十万人の米国民がハリケーンや大雨、山火事そして寒波によって暮らしが脅かされているというのに、この暴挙は子どもたちの未来と地球の破滅へ突き進むような気がする。筆者も地球破壊の片棒を担ぐことのないように有権者としての権利を主張していきたい。来月は第3回理事会が招集されているので、安倍政権や林野庁へ野心的な温暖化対策を要求していきたい。(理事 大野昭彦)

2019年11月11日 (月)

古河機械金属(株)・宮川尚久社長へ足尾15年の森づくりを報告しました

 東京丸の内の桜の葉も秋色に化粧しています。その秋色を見ていると足尾・松木沢の「臼澤の森」の秋色が気にかかりました。

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         先月の臼沢の森

 今日は、東京駅丸の内に本社がある古河機械金属(株)・代表取締役社長 宮川尚久さん、取締役常務執行役員の荻野正浩さん、執行役員の久能正之さんに足尾の森づくり15年の報告をしました。

Photo_2 写真左から3人目から宮川さん、荻野さん、右側が久能さん

 当会からは、中村幸人理事長、大野昭彦理事、清水卓理事と筆者がうかがいました。清水理事から15年間に育てた木々の生長、その森がつくり出している生態の動きとその機能を報告させていただきました。その後、意見交換となり、宮川社長の話からは5年後に迎える創業150年(2025年)へ向けた“守りから攻める”気持ちが語られ、創業の原点である足尾への思いも伝えられました。

Photo_3 足尾松木沢の星空

 当会からは、15年の実績を活かした事業が古河(株)との協働でつくりだすことができることを願っていることを提案させていただきました。

Pa287995  古河機械金属(株)宮川社長、荻野さん、久能さん、お忙しいところ時間を割いていただき足尾・森づくり15年報告を聞いてくださってありがとうございました。

20191106  11/3に中倉山のブナを元気にする保護作業を行った直後、東京新聞でそのブナの様子が報道されました。(報告 高橋佳夫)

 

2019年11月 6日 (水)

一部政治家の地球破壊行為は許さない!市民にできることは沢山ある!

 トランプ米政権は昨日(4日)、「パリ協定」離脱通告文書を国連に提出した。離脱撤回をしない限り、1年後には正式に離脱する。二酸化炭素の排出量が中国に次いで世界二位のトランプ大統領の自然破壊の暴挙をこれ以上許してはならない。昨日から、テレビに登場するトランプさんを観る度に怒りが治まらない。

Photo 足尾の寒桜

 そんな中、国連に提出した「地球温暖化にブレーキをかける要望書」(9月実施の「国連気候行動サミット)に対する返信を紹介する。「このたびは当事務局あてにご意見をお送りいただき、ありがとうございました。事務総長に代わりまして、お礼のご返信さしあげます。いただきましたご意見は内容に留意し、丁重に拝読いたしました。およせいただき、ありがとうございます。国際連合の目的と活動に関心をお持ちいただき、また、時間を割いてご意見をお寄せいただきまして感謝申し上げます。」(国際連合 事務局グローバル・コミュニケーション局お問合せ窓口)。同時期、安倍政権にも同様の要望書を提出したが返信は無かった。

1920191103 中倉山から見下ろした私たちの植林地(左上・中下・右の薄茶色の地)

 日本の経済優先の地球温暖化政策にも怒りが治まらないが、少し気持ちが休まり、嬉しくなる情報がある。 

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Photo_3 竹で土を耕す?

Photo_4 苗木を植える

上の写真はフィリピン・ベンゲット州ルボ村の村民が「足尾スペース」で苗木を植えている様子。2年前から始まった鉱山跡地の森づくりのモデルスペースで、木々を育てている。

Photo_5  この森づくりは住民主体ですすめているが、その姿勢が行政から認められ、強制はこの活動に側面支援をしてくれているとになった。足尾現地で学んだ現地のアリスさんの定期的な行政への報告によって、村人の活動に理解が深まったらしい。村では、第2の「足尾スペース」づくりの案が話題になっているという。

Photo_6 この笑顔で気持ちは和む

 村内に森づくりに参加する人が増え、森づくりが広がってきているようです。また、「足尾スペース」の土留めの手法等が行政やNGOから評価されているという。(WE21BGA 園田久美子さんより)

Photo_7 花を落とした後の彼岸花(「みちくさ庭園」)

 一部政治家の地球破壊という暴挙に怒りながら、その“怒りを実践に活かす”ということが私たちには求められている。(理事 髙橋佳夫)

2019年11月 3日 (日)

“無言の語り木”のブナに元気をプレゼントすることができました

 待ちにまった本日(11/3)、「中倉山のブナを元気にする恩送り」担当者の一人としてなんとか成功させたいと、昨夜は9時に寝ました。東の空が少し明るくなった森びと作業小屋(足尾松木沢)に到着したのは5:30、気温は6℃でした。薪ストーブに火を入れお湯を沸かし、コーヒーを飲みながらスタッフの到着を待ちました。

Photo_17 まだ暗かった森びと作業小屋

 集合時間の6時前にはスタッフが到着、前日準備しておいた培養土、植生袋、ハンマー等を車に分散して積み込みました。先発隊は荷物を積んで登山口に到着、協力者を迎える準備をして、先般隊は7時10分に出発しました。最低10㎏の荷を背負い、つづら折の山道を登って行きました。

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Photo_19 (歓迎してくれたトチノキ:上とブナ:下)

Photo_20  9時半頃には、「孤高のブナ」斜面に到着。早速、作業の準備に入りました。協力者が到着する前に、ブナの根を保護するための麻のロープを張り替え、ブナ保護の看板も設置しました。

2  現場に荷揚げしてくれた一番乗りは急遽、飛び入りで参加してくれた男性2名。お礼を述べて、後発のメンバーを待ちました。次に到着したのは、宇都宮ハイキングクラブ6名、林野庁日光森林管理署の皆さん、JREU大宮山岳部の皆さんたちが現場に到着しました。少し休んでいただき、太宰事務局員から作業方法のレクチャーを行い、草の種が入った植生袋に培養土を入れ、露出しているブナの根周囲に造った土留め内に植生袋を張りつけました。

Photo_28 露出した根

Photo_21 一人約10㌔の荷卸し

Photo_22 レクチャー

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Photo_26 貼り付け前

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2_4 (貼り付け後:上と下)

 作業が終わった後は、主催者の理事・清水からお礼の言葉、作業の感想を林野庁日光森林管理署の川添貢次長から挨拶を頂きました。また、宇都宮ハイキングクラブの猪鼻春男さん、JREU大宮山岳部の神山英男さん、飛び入りしてくれた上尾市の方、みどり市の女性から本日の感想をいただきました。

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Photo_30 林野庁日光森林管理署・川添次長

Photo_31 宇都宮ハイキングクラブ・猪鼻さん

Eu JREU大宮山岳部・神山さん

Photo_32  昼食を食べた後には、「孤高のブナ」をバックに全員の写真を撮って下山しました。

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2_5  登山口ではスタッフがお汁粉を温めて、参加者に食べて頂きました。お汁粉を食べている皆さんの顔を見ていると、笑顔がとても素敵でした。

Photo_35  多くのみなさまのご協力で本日の活動が無事終えることが出来ました。心からお礼を申し上げます。準備してくれた足尾スタッフの皆さん、お疲れ様でした。心より感謝します。(東京事務所 済賀正文)

2019年10月31日 (木)

森づくりと異常気象と原発事故に向き合う心を磨いて森作業

 昨日(10/30)の朝、起きてみると家の周りは濃霧、幻想的な世界に筆者を引き込むようでした。そんな気分で車に乗り、南相馬市の雫育苗場に向けて家を出ました。

20191030 大雨後の苗床

 ところが台風19号とその後の大雨の影響で道路の通行規制や通行止めがあり、いつもの道を迂回しなくてはなりませんでした。異常気象の恐ろしさに、うかつで他人事にいた己を実感しました。

20191030_2 飛ばされ壊された苗床の板など

20191030_3  現場には1時間以上の遅れで到着しました。すでにスタッフは育苗場周辺の後片づけも終わり、いっぷくタイムをしていました。

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20191030_6  作業打ち合わせ後、トロ箱で育てたアラカシの苗分けをし、強風によって横倒しになっている苗木を整理しました。

1030  帰り道は、原発事故による放射能汚染で8年過ぎた今も帰還困難地区になっている浪江町津島方面から自宅に帰りました。誰も人のいない荒れ果てた地域の様子を見て、ハンドルを握る手に力が入ってしまいました。いつになったら本当の秋の青空の下で穏やかな空気が吸えるのかと思いながら、運転をして帰りました。昨日の森作業は、応援隊スタッフの岩橋、松林、水井そして筆者でした。(報告 東城敏男)

間もなく、足尾・中倉山の「孤高のブナ」を元気にする活動がはじまります

 足尾の自然の様子を写真で伝えてくれるHさんが中倉山のブナの写真(今月中人撮影)を届けてくれました。写真を見ると、ブナは森の秋祭りで嬉しそうだと私には見えます。3日後には中倉山のブナを元気にする活動が行われますが、その日まで森の秋祭りが見られますように私は願っています。

2019102  ブナが生きていくには厳しすぎる標高で一世紀以上生きている「孤高のブナ」。その上、草木の命を衰弱させる根が土砂流出によって露出しています。この土砂流出を防ぎたいと、草の種と土を混ぜたものを袋に入れて地面に張付ける作業を行うのが、3日後です。

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Photo_2  この「中倉山のブナを元気にする恩送り」に協力してくれる方が40数名集ってくれます。準備は一昨日までに整えましたので、森の秋祭りを楽しみながら草の根の力を借りて、土砂流出をなんとか防ぎたいと願っています。

Photo_3  当日は、朝早くから準備スタッフがスタンバイしています。先発隊は必需品を荷揚げし、中倉山頂上で土の張付け準備を整えています。他のスタッフは、ダムゲート前と登山口では皆さんをお待ちしています。送りだした後、ベースキャンプのスタッフは緊急時に対応できる態勢をとり、下山時にふるまう温かいお汁粉をつくっています。

Photo_4  足尾銅山の歴史を幹に宿しているだろう「孤高のブナ」に会いにくる登山者に、これからも元気な姿を見せくれることを願っています。(東京事務所 済賀正文)

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