カテゴリ「森の声」の168件の記事

2008年10月 1日 (水)

秋雨、こころに染みる森の宝物

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 足尾は本日、台風15号の影響はありませんでした。小雨はありましたが、15時過ぎには秋の青空が松木沢に現れました。そんな景色を背後に語ってくれた苗木分け作業に参加してくれた15名の皆さんは、厳冬を迎える一年生の苗木に元気を与えられたことに感動しているようでした。
  本日から始まった秋の苗木分け作業は、980トレイ・約1960本に元気を与えました。作業は単純ですが、ボランティァは一本一本の根を見て、ポットに入れる土や腐葉土の割合を判断します。これは結果的に、若木の生長を左右する判断ですから、ボランティァの皆さんも緊張します。
 単純な1日中ですが、作業中はラジオを聴いています。本日は、国会中継がラジオ放送で流されましたが、地球温暖化防止の質疑はありませんでした。こんな国会状況を聞いていると、私たち労働者・市民の生命(いのち)を第一としてまったく考えていないことがはっきりしました。
 植樹会場にはコスモスがきれいな花びらをなびかせ、足尾会場は旧松木村の森を再生しているかのようでした。来週末には、第8回「足尾・ふるさとの森づくり」(苗木づくり)が行われます。ドングリに生命(いのち)を吹き込んでくれた皆さんありがとうございました。

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2008年9月29日 (月)

「いのちの森」は渋民村にありました

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 「林中の鳥なり 風に従い樹梢を渡る 私はコスモポリタン」、と謳ったのは石川啄木です。また、啄木は、猿に扮して人間に警告しています。猿は、「権力で自然破壊をすることが可能だと考える人間に、これは人間最悪の思想だ」と。
 昨日(28日)、盛岡市内で「石川啄木記念館」学芸員・山本玲子さんと会いました。話は、石川啄木著『一握の砂』・「林中の譚」を絵本にしよう、というものでした。今年1月に開いた「森びらき」で山本玲子さんの講演を聞いて、是非、大人の絵本にして森づくりに活かしたいと、事務局は検討してきました。雑誌社とも相談してきましたが、利益第一の会社にはこの社会的使命が失われているようです。よって、山本さんと自費出版する話をしてきました。
 「・・ああ、お前はとうとう人間の最悪の思想を吐き出した。お前らはいたるところで悪いことを考えて、自然を殺そうとする。そうして自然に逆らうことは、この世の本当に正しいこと、本当に美しいものを殺してしまうことなのだ。お前らはいつの時代も木を倒し、山を削り、川を埋めて、お前たちのための平らな道路を作ろうとしてきた。だが、その道は真と美との境、すなわちお前たちにとって、天国に通ずる道ではなくて、地獄の門に行く道であることを知らないのか。お前たちはすでに先祖を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほどこの世にのろわれるものはないだろう。・・」と、人間に警告してきた猿(啄木)。
 「生命(いのち)の森」は石川啄木が命名した森です。この世に生きるあらゆる生命がこの森に集まるのだということで「生命の森」となづけていたのが、啄木でした。啄木記念館近くには愛宕神社があり、啄木が子どもたちと過ごした「いのちの森」が今でも残っています。
 来年2月20日の啄木生誕123年に向けて、大人の絵本作りは始まりました。

2008年9月26日 (金)

「森と生きるキャンパスフォーラム2008」・・・その⑤

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 フォーラム第2部、4番目の報告者は出縄貴央(㈱研進)さんでした。会社は「福祉施設の営業窓口会社です」、と出縄さんは言っていました。この施設は、ハンディキャップのある方々400名が所属する大きな施設(今年で設立50周年、厚労省登録・在宅就業支援団体)です。この施設でハンディキャップのある方々が就労できる環境をつくっているのが㈱研進です。彼らの仕事のメインは、ホンダから発注されている仕事です。
 しかし、福祉をとりまく環境は毎年厳しくなり、福祉施設の補助もどんどんカットされ、その上、財政難の中で一人ひとりの負担が増えています。それゆえに仕事の確保が大変重要になり、「命の森づくり」をはじめました。栽培した苗木を行政、企業、学校や地域の森林再生に使っていただき、広く森の大切さを知っていただくことを目指しています。すでに25種類・約8万本の苗木を育てています。植樹も二年前に行い、元気に育っている樹木が写真で紹介されました。出縄さんは、「宮脇昭先生の植樹方式は、ただ単に木を植えるのでなく、人の心に木を植えること。人の輪を広げて交流を深める、不思議な力を持っている」、と述べていました。森づくりは施設の彼らにとってセラピー効果が生まれ、生き甲斐にもつながっているようです。現在、出縄さん達は国や県の植樹祭、企業や大学そして小学校等との連携をめざしています。
 23日の夜、養護学園を舞台にしたテレビ映画を観ました。映画のストーリーは、生徒が学園に無断で外出し、夜のコンサートを鑑賞した後、養護学園の先輩が働くホテルの寮で外泊。その生徒を担任の先生が探し出す過程では、先生たちの苦悩、生徒間の人間関係づくり、そして社会で働くことの難しさが描かれていました。舞台は冬の北海道でした。
 翌日、北海道大雪山系で初冠雪があったというニュースを聞いて、旭川の友人たちを思いだし『お母さんのハートを打ったJRのレールマンたち』(高橋利明著・日本評論社)という本を読みました。この本には心身にハンディキャップがある方達とJRマンたちが、10年間過ごした北海道の旅での物語が書いてありました。
 フォーラムはイベントとして終わらせてはならないと、改めてNPO法人の存在を振り返りました。

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2008年9月24日 (水)

人と自然を愛するメッセージに感謝します

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 久しぶりに千葉県の森びとインストラターの皆さんと懇親を深めました。会ったのは21日の夕方、JR千葉駅付近の会場では皆さんから激励をいただき、また、話の中では世界の人々が初めて経験している地球温暖化防止に向けて、誰かに任せるのでなく私たちができることをやっていこう!、と志を固めました?。
 高梨インストラクターからは娘さんからのプレゼントだ、と言ってシラカシとコナラの苗木を頂きました。話を聞いてみると、本日の懇親の場が筆者の還暦祝いと勘違いしていた、と高梨さんは言っていました。娘さんからのメッセージは、「還暦おめでとうございます。これからもバリバリ頑張って、無理はせず、メタボリックシンドローブには気をつけて暮らして、毎日、健康でいてください。」というものでした。
 小学生の彼女は自然を愛し、自然を勉強している娘さんです。筆者は、何度か「親子自然教室」でキャンプ生活を共にしています。今年夏の「親子自然教室」で彼女は、日頃、学んでいる生物や土壌の話を低学年の子どもたちに聞かせていました。人をおもう温かいメッセージと苗木をありがとうございました。
 世の中では、世界各国の一部経営者の犯罪が横行し、その背後には一部政治家や官僚が絡み合い、多くの子どもたちや大人達の健康と生命を奪っています。このような社会の中で、娘さんから頂いた一通のメッセージに、人と自然を愛する心を感じました。千葉のインストラクターの皆さんに感謝しています。

2008年9月19日 (金)

NPO法人の存在が問われる社会で会員は何をなすべきなのか?

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 写真の仲間達が2千通もの『森びと通信』(NO5)を封筒に入れ、全国の会員の皆さんに通信を送りました。通信は年2回の発行ですが、スタッフ一同は“森と心に木を植える”合い言葉の、この心を伝えるために通信を編集しました。発送作業は午後1時から5時までの間、休む暇もなくもくもくと続けられました。間もなく会員の皆さん宅には届きますので、スタッフ一同、会員皆さんの感想やご意見をお待ちしています。
 5号では、地球温暖化防止に向けてNPO法人はどうあるべきか、を問うています。この問題は私たちひとり一人の問題でもありますが、極めて政治課題であるために、政府や行政に対してNPO法人はどうあるべきか、を会員の皆さんに考えていただこうと編集しました。
 本日、農水大臣が辞任しました。選挙向けの辞任である、と新聞では報道されていますが、私もそうのように感じました。このような事が与党の票に結びつくと思っているらしいのが国会議員らしいのです。このように私たちが見られているのか、と思うと情けなくなり、怒りが湧いてきます。私たちNPO法人の存在が一段と問われている感じをもちました。問われたら、できることをやるのが本物の人間だ、と宮脇先生等から言われてきました。私は、森で武器をさらに磨いて、街で元気をだしていくことが、地球と共に生きていく「戦略・戦術」が導き出せるのだと思いました。
 なお、『森びと通信』(NO5)は、20日付でホームページにアップされます。発送作業に協力してれました皆さんありがとうございました。

2008年9月16日 (火)

操車場跡地で育まれた森のこころ

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 川崎市内の新鶴見操車場跡地で「森の宝物探し」を行いました。子どもたちは透明なビニール袋に手を入れ、袋に入れてあった木の葉の中から分解動物数匹を探し当て、この動物が枯れ枝や落ち葉を分解して木の栄養を作っていることを楽しく学びました。子どもたちの人気の的は、JRマンが作ってくれた0.2㍉程のダニを拡大した「ヨコエビ」でした。
 14日は、川崎市で開かれた「第5回ネイチャーフェスティバル」でした。私たちもこの祭りに出展し、人は森に生かされていることを訴えてきました。13時からはポット苗木づくりタイム。当委員会事務局は川崎市近郊に住むインストラクターに協力を呼びかけ、この苗木作りのアドバイスを引き受けてきました。募集人員は100名でしたが、結果は定員を超える程の人気でした。
 このポット苗木づくりは、桂川や相模川の水源の森を育てよう、と呼びかけ、自宅で育てた苗木を3年後には植えていこう、という目的ではじまりました。今回使用したポットは間伐材(杉)から作った試作品でした。参加した親子は最後の土が無くなるまでドングリを蒔き、約3000個のドングリに命を吹き込むことができました。会場に残ったドングリ(ポット)は、新鶴見機関区で働くJR貨物労組の皆さんが育てていくことになっているそうです。
 もう一つのコーナーでは、JREUの若者たちの協力で竹細工(ランタン作り)が行われました。日本的情緒を醸し出す竹ランタン作りには十数家族がチャレンジしてくれました。
 午後になると残暑を感じました。数人の方から、「このような広場には木陰が必要ですよね」という声がありました。声を耳にして私は、森づくりの大切さが広がっている声であってほしい、と願いました。また、苗木づくりでは自宅で育てる2ポットだけ作って帰ったしまった家族もいましたが、土が無くなるまで子どもたちとドングリを蒔いていたお母さんの「最後までやりなさい!」、という声が印象的でした。

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2008年9月10日 (水)

人は森から文化を創造する・・・ドイツの旅最終回

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 3年ぶりにドイツの森の中に入ることができました。心を込めて、そして真剣に案内をしてくれたリチャード・ポット教授と宮脇昭先生。ドイツの森では人間が森とともに生きていくための哲学を学ぶことができました。
 木を切るとタタリがあるとか、山神様から怒られるから木を切っては駄目だ、ということに留まっていないドイツ人。人間の傲慢さによって人間を殺してしまった歴史を繰り返さないために、ドイツ人は法や条例で人の欲に縛りをかけ、森とともに生きていくことの大切さをドイツの文化として築いたドイツ市民の歴史を学びました。
 訪問中に福田さんが辞任しました。ロシアの大統領はグルジアに侵攻し、アメリカ大統領はグルジアを支えています。こんなことだから「洞爺湖サミット」では、温暖化防止の目標も決まりませんでした。
 これからの自然環境NPO法人は、世界の森林を破壊する者との戦いが課題です。樹木も地球で生きていくために我慢・共生しています。共生している私たちNPO法人は、勇気とヤル気そして根気をもって行政や政治に意見を言っていかなければなりません。その武器は森の中で磨いて、街でその武器を活かし、元気に楽しくアクションしなければなりません。
 一週間、事故や怪我もなく旅ができたことに感謝しますP9010041

2008年9月 5日 (金)

ドイツ直送便~その6

本日は帰国です。
心の森探訪では本物の森づくりの今後の課題が見つかりました。
運動が根付く人間の生き方を確立すること、
二つ目は行政と政治を動かすこと、
三つ目は私達がそのために汗を流すことです。
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2008年9月 4日 (木)

ドイツ直送便~その5

天気は晴れです。 最終日はゲッチンゲンの街。  学生街です。 真実を伝えることが大切な事であることを、子供たちに語り伝える街です。 いつでもどこでも真実を伝える勇気が求められているようです。
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2008年9月 3日 (水)

ドイツ直送便~その4

天気は晴れ。世界遺産のゴスラーの町を訪れました。 中世のヨーロッパの中心都市です。 途中のバス内では、森と生きる日本人の哲学の貧困が、森づくりの限界であることに気づかされました。
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