「森と生きるキャンパスフォーラム2008」・・・その⑤
フォーラム第2部、4番目の報告者は出縄貴央(㈱研進)さんでした。会社は「福祉施設の営業窓口会社です」、と出縄さんは言っていました。この施設は、ハンディキャップのある方々400名が所属する大きな施設(今年で設立50周年、厚労省登録・在宅就業支援団体)です。この施設でハンディキャップのある方々が就労できる環境をつくっているのが㈱研進です。彼らの仕事のメインは、ホンダから発注されている仕事です。
しかし、福祉をとりまく環境は毎年厳しくなり、福祉施設の補助もどんどんカットされ、その上、財政難の中で一人ひとりの負担が増えています。それゆえに仕事の確保が大変重要になり、「命の森づくり」をはじめました。栽培した苗木を行政、企業、学校や地域の森林再生に使っていただき、広く森の大切さを知っていただくことを目指しています。すでに25種類・約8万本の苗木を育てています。植樹も二年前に行い、元気に育っている樹木が写真で紹介されました。出縄さんは、「宮脇昭先生の植樹方式は、ただ単に木を植えるのでなく、人の心に木を植えること。人の輪を広げて交流を深める、不思議な力を持っている」、と述べていました。森づくりは施設の彼らにとってセラピー効果が生まれ、生き甲斐にもつながっているようです。現在、出縄さん達は国や県の植樹祭、企業や大学そして小学校等との連携をめざしています。
23日の夜、養護学園を舞台にしたテレビ映画を観ました。映画のストーリーは、生徒が学園に無断で外出し、夜のコンサートを鑑賞した後、養護学園の先輩が働くホテルの寮で外泊。その生徒を担任の先生が探し出す過程では、先生たちの苦悩、生徒間の人間関係づくり、そして社会で働くことの難しさが描かれていました。舞台は冬の北海道でした。
翌日、北海道大雪山系で初冠雪があったというニュースを聞いて、旭川の友人たちを思いだし『お母さんのハートを打ったJRのレールマンたち』(高橋利明著・日本評論社)という本を読みました。この本には心身にハンディキャップがある方達とJRマンたちが、10年間過ごした北海道の旅での物語が書いてありました。
フォーラムはイベントとして終わらせてはならないと、改めてNPO法人の存在を振り返りました。
コメント