カテゴリ「森の声」の168件の記事

2008年12月16日 (火)

皆さんの励ましに感謝します

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 朝早く、東京事務所にクリスマスプレゼントが届きました。それは大切な活動実績を保管する書棚でした。贈ってくださったのはJR東労組東京地方本部の組合員の皆さんです。組合員の皆さんありがとうございました。
 年末を迎え、八幡平と足尾は本格的な冬に入りました。11月下旬には、八幡平の木々たちは長い冬眠に入りました。足尾は今月14日、朝から雪が降りましたので、事務局は苗床の遮光ネットの雪払いを行いました。植樹会場の木々たちも雪を被りましたが、本格的な冬の風雪に耐えていく元気が見えました。
 昨日は、千葉県と神奈川県から来客があり、来年の森づくりへ元気をいただきました。千葉の斎藤さんは、「来年は千葉でも森づくりをやっぺよ!」と言われ、神奈川の平賀さんからは、「足尾の松木村跡に桑の木を植えましょう」、と言われました。また、ある会社の社長さんからはハガキをいただき、「純粋に、まっ直ぐに進んでください」、と励ましをもらいました。“ふるさとの木によるいのちの森づくり”運動は来年で5年目です。来年も私達は皆さんからの元気をいただき、“山と心に木を植える”精神を堅持し、いのちの森づくりを進めていきます。師走の励ましに感謝します。

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2008年12月15日 (月)

風雪に負けるな若木たち!補習授業が終了

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 第4期「森びと教室」受講生5名は、13日と14日に足尾現地を訪れ、補習授業を受けました。
この授業は、仕事等の都合で受講できなかった講義と実習を補い、森びとインストラクターとして認定さける最終の授業です。
 授業では、①苗木づくりの基礎と森づくりインストラクターの役割、②育樹活動の重要性を現場に立って学びました。特に、“人間のわがままな都合で森づくりは行わない。木も命を懸けて生きようとしている。その木に生かされていることを忘れない。育樹・育苗活動では手を抜かない”、ということをリーダーは堅持する。そして、人の心に木を植えていかなければ森づくりは長続きしない、という意識を強く持って、職場や地域そして家庭の中で森づくりを進めていくことを学び合いました。
 二日目は朝から雪になりました。雪の中の階段を登ったある受講者は、今年5月の森づくりで担当した場所に植えた若木を見て、草と雪に覆われていた若木に「頑張れよ!」を声をかけていました。
 初日はJR貨物労組の皆さんも森づくりを学びました。

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2008年12月12日 (金)

虫の目線で社会が見える

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 今日は足尾での作業でした。乾燥する季節なのでコンテナのペンキ塗りをしました。今日は少し風がありましので、錆止め用のペンキを塗っているうちにペンキは乾燥してくれました。自然の力に感謝です。
 新宿から日光に来る場合、私はJRから東武電車に乗り換えて来ています。所要時間は2時間ちょっとかかります。今日は以前紹介した『明日なき森』(後藤伸講演録)を読んできました。この著の中で後藤さんは虫の代弁をしていました。そして彼は「人間ほど勝手な生きものはないな」と感じ、「人間本位にものを考えていったら、こりゃ、どうもこうもならんようになるということを、最近、非常に強く感じている」とも言っていました。70歳になって、虫の言うことを分かるようになった、と言っていました。そうしていると、自然に、人間社会のことも分かるようになった、とも言っていました。
 昨夜は、埼玉県に住んでいる森びとインストラクターが集まり、「森びと埼玉ファンクラブ」(仮称)の準備会議(呑み会)を行ったそうです。栃木県ファンクラブに続いてのクラブ結成となり、埼玉地域での“山と心に木を植える”運動を進めていく豊富が語られた会合になったようです。
 明日からの二日間は、第4期インストラクターの補習授業です。先輩インストラクターに続いて、自主的に地域から森づくりを進めていくリーダーが巣立っていきます。

2008年12月10日 (水)

生きることは戦うことだ!

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 1901年の今日、田中正造さんは明治天皇に直訴しました。衆議院議員を辞して、農漁民のために戦う決意をした日が今日でした。この1年前の2月13日の朝、鉱毒で苦しめられていた農民たちは渡良瀬川とともに生きていこうと、大挙誓願のために雲竜寺を出発しまし。しかし、農民たちは待ちかまえていた憲兵と警察官に襲われました(「川俣事件」)。官憲は無抵抗の農民を殴る蹴るの暴行を行い、多数の農民が負傷しました。
 田中正造さんは、議会でこれまで以上に足尾鉱毒事件で政府を追及してきましたが、この川俣事件をきっかけにして農民と共に戦う覚悟を決めたと言われています。直訴から3年後、正造さんは谷中村に入り、鉱毒被害農民ととも戦いの現地に起ちました。63歳にして現地に起った正造さんは、72歳まで戦い続けました。
 世界の金融不安下では、企業や労組そして多くの方々の社会貢献意識は内向きになりがちです。大企業でも、これまで積極的に進めてきた森づくりを中止する、という気配が巷では耳にします。私達が地球とともに生きていくためには、やはり戦う覚悟を固めなければならないようです。
(『田中正造の生涯』林竹二著参照)

2008年12月 8日 (月)

環境問題の解決の糸口は虫から学べ

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 昨日の午後、テレビを観ました。伊勢神宮の森が紹介され、番組には養老孟司さんと宮脇昭先生が出演していました。養老さんは虫から森を観察していました。養老さんは昆虫採集家でもあり、とくにゾウムシを研究しています。虫と言えば、本日、東京事務所に「いちいがしの会」様から封書が送られてきたので、開封してみると『明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る』という著の案内でした。
 カメムシ先生とは、和歌山県生まれの生態学者・昆虫学者である後藤伸さんです。同封されてきた書評を読むと、虫から生物社会を観察している方は、社会環境も良く観察できているのだなあー、と思いました。産経新聞(10月8日付け)の書評でカメムシ先生は、「植林や殺虫剤、農薬の使用など人と自然のかかわりにいて考察している。また、紀伊半島独特の自然相や照葉樹林に覆われた日置川流域の変遷にふれ、ダムによって失われた照葉樹林文化や人口植林の危険性を詳述。20世紀を過去数千年にわたって受け継がれた自然の智恵が失われた世紀と位置づけ、自然修復の21世紀することに期待をつないでいる。」と書かれています。
 養老さんは環境問題こそ真の政治問題だとして、「フツーの常識」が環境問題を引き起こしたのだから、この「フツーの常識」を変えなくては環境問題は解決しない、ということ等を述べてます(『いちばん大事なこと』集英社新書)。「フツーの常識」は人間社会の常識ですから、私達が変わらないと環境問題は解決しない、ということでしょう。このお二人は、その糸口は虫(自然環境)から教えられる、と言っているようです。
 早速、カメムシ先生の本を予約しました。「いちいがしの会」の皆さん、編集お疲れ様でした。

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2008年12月 6日 (土)

柚子のトゲに刺されて、森の心にかえる

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 今日は柚子を採りました。昨年いただいた柚子で作った柚子酒が無くなったので、柚子酒を作るために後輩の家を訪れました。家はJR安中榛名駅から数分の所なので、途中、宮脇昭先生指導のもとでつくられたJR東日本の森に寄ってみました。住宅造成地の斜面にはカシ類の木々が元気に育っていました。
 ところで2週間後には冬至を迎えます。ご存じのように、この日を境に昼の時間が長くなります。と言っても寒さは厳しくなり、植物も人間もこの厳冬を元気に乗り越えていかなくてはならない時季です。冬至には、夏に収穫したカボチャを食べ、風邪の予防や疲労回復のために柚子湯に入る、と言われています。農薬も肥料も使わない柚子の香りだけでも、今日は元気をもらったようでした。
 柚子の木には鋭いトゲがあり、簡単に実を採ることができません。トゲに刺されましたので、全部の実を採らずに、何個か残しておきました。「柚子の大馬鹿16年」等の諺があるように、自然の恵みを得るには手間と我慢がともないます。そんなことを考えながら、今夜は香り高い柚子の実を風呂に浮かべて、私たちが自然(森)に生かされていることに感謝しました。明日は、柚子酒を作ります。

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2008年12月 5日 (金)

森の叫び、“分かち合いの心を時代に活かそう”!

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 森に入ると色々なことが学べます。今、主要国の自動車産業に働く労働者の多くは首切りを強いられています。日本でもその嵐が吹き、学生達は内定取り消しを強いられています。企業経営者はなんと勝手な事をやっているのかと怒りが爆発しそうです。TVニュースで、労働組合に加入して一緒に闘おう!、と訴えていた労組の委員長にエールを送ります。
 木の実や山菜、そしてキノコや魚などは年によって採れる量が異なります。量が少ないからといって取り尽くすことはできません。森(自然)と共生していくためには、不猟(漁)の時は山の神に、森の恵みに感謝し、少し我慢をします。そして、少しばかりの森の恵みを分け合って、命を守ります。森と共に生きてきた日本人は、“分かち合う”という考え方を森から学んできました。不作や不猟があっても、猟(漁)をできない年寄りや子どもたちに平等に分け合う、という生き方がありました。
それは人は森に生かされているから、ということを十分に分かっているからです。
 主要国の一部の企業経営者の行為を見ていると、そんな人間性はひとかけらも見えません。企業経営者は社員から生かされている、ということを無視しているようです。ゆえに、“シェアリングする”という考えも見えません。むしろ被害者面して、公的支援が得られれば「年俸は1ドルにする」(アメリカ)とか、企業が正社員化すれば一人100万円を支援する(政府与党)、という小手先で世界の金融不安を乗り越えていこう、としていますが、私達は小手先に目を奪われてはならないと思いました。

宮脇昭先生がテレビ出演します。7日(日)、16時5分~17時20分。フジテレビ系で「森といのちの響き」です。

2008年12月 2日 (火)

やはり現場の笑顔がすばらしい

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 アジア・アフリカの公務員一行は、日光市内のホテルを8時30分に出発、車内ではエコクイズにチャレンジしていただき、足尾に向かいました。30数分で足尾に到着、早速、苗床で苗木づくりの話に一行は耳を傾け、今秋に蒔いたドングリから根が出ているものを見せられると、「ホォー」という声をだして目を丸くしていました。
 その後は、軍手をはめて、ヘルメットをかぶり、背負子に腐葉土を載せ、スコップと苗木を持って階段を登りました。植樹方法のアドバイスを受けて、穴を掘って植樹しました。スコップで穴を掘っている様子を見ていると、スコップを使ったことのない方もいるようでした。
 記念植樹後には、全員の写真を撮って下山しました。作業小屋では質疑討論を行い、ボランティアは年に何人くらい参加するのか、人はどのようにして集まってくるのか、土壌づくり等の質問を受けました。30分程の質疑でしたが、当委員会からは「皆さんが植えた木の生長は、来春、ホームページで紹介します。各国の荒廃地の植生回復に少しでも役立ていただければ幸いです」と、お礼を述べました。11時30分、一行はバスに乗って、次の会場へ出発して行きました。
 ちょっとした時間の森づくり交流でしたが、日本の一部公務員のような不真面目さは感じられませんでした。

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2008年12月 1日 (月)

命を大切にする糸は紡げたかなー

 足尾の朝は氷が張りました。本日は8時30分に「森びと広場」に到着。空は雲ひとつない快晴で、気温は零度でした。本日は鹿の食害に遭わないように、絆の森の柵を直しました。絆の森は、白い花をつけるコブシの森をめざしています。植えたコブシはその期待に応えてくれていました。植えた当時は40㌢程のコブシでしたが、1年半で樹高140㌢程に、幹も2㌢~3㌢に生長しています。小さくても可憐な花を来年は見たいなー、と話しながら作業をしました。昼食は、男料理のチャーPc010506ハンと大根の煮付けを食べました。後午は2時まで、来年の植樹会場の整理をしました。
 15時には、日光市内へ移動。アジア・アフリカの皆さんと荒廃地の植生回復の講義です。12名の皆さんには、私たちがあえて旧足尾銅山跡地と旧松尾鉱山跡地で森づくりをしているのかを報告しました。皆さんは国家公務員や大学教授、研究員ですので、民間人がどうしてボランティァで植樹をするのか、という質問が相次ぎました。1時間もの討論を行って、自然と人間の命を大切にする私たちの心が伝わったような気がしています。明日は、足尾現地で、背負子を背負って階段を登り、一人三本の記念植樹を行います。

2008年11月30日 (日)

森づくり仲間の絆を世界へ

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 明日はアジア・アフリカの皆さんと荒廃地の植生回復をめぐって議論します。本日はそのための準備をしました。午後の足尾現地の気温は4度、対岸の山にはうっすらと雪が積もっています。雪景色を見ていると、昨年同様、アジア・アフリカの皆さんには初めての雪に彼らの喚声が松木沢に響くだろう、と思いました。
 JICA横浜が研修している「アジア・アフリカ地域荒廃地の植生回復研修」の一部が、明日、日光市で行われます。7ケ国12名の森林関係公務員、大学の講師や研究者が、足尾でのふるさとの木によるいのちの森づくりを視察、各国での森づくりに活かしていく、といいます。
 それぞれの方々は自国では専門家なので、私たちは彼らに何を報告するのか、と緊張します。しかし、所詮は人間の傲慢な生き方が根本的な原因でありますので、あえて私たちが旧足尾銅山跡地で森づくりを行っているのか、を伝えられればと思っています。
 スコップや苗木、腐葉土を植樹会場まで運び、視察及び植樹が安全にできるように足下を整理しました。下山途中、小さないのちの森は紅葉を終えた葉が落ち、その木々の間からはカシ類の緑色した葉が目立っていました。試験的に植えているカシ類は冷たい風に震えながら背筋を伸ばしていました。明日、4回目の冬に向かって生きているカシ類をアジア・アフリカの皆さんに見てもらって、森づくり仲間の絆を太くしたい。

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