カテゴリ「根を張り育て!苗と木々」の96件の記事

2008年12月 3日 (水)

雲ひとつない青空にイヌワシ?

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 1日に続き、空は雲ひとつない快晴でした。朝の気温は6度、温かいコーヒーを飲んで身体を温め、作業に就きました。今日はアカマツの皮を剥きました。直径40㌢、長さ3㍍のアカマツ7本の皮を剥く作業です。このアカマツは来年5月に設置する「森びと看板」(仮称)用です。
 当委員会の森づくりは来年で5年目を迎えます。ここ足尾松木沢は、春から秋にかけてハイカーや登山家そして釣り人達が多く行き交います。この地を訪れる方々に、人間は森に活かされていることを知ってもらい、森を大切にする心を育んでいただこうと、看板を設置することにします。この看板の柱がこのアカマツです。
 稲葉卓夫理事を責任者にして「看板設置チーム」(仮称)が当委員会に設置され、看板は事務局員とサポーターの皆さんによって製作されます。雲ひとつない青空の下で、ラジオを聴きながらナタを使って皮を剥きました。松ヤニがナタに付着して余分な力を使ってしまいましたが、キジの鳴き声を背にして少しばかりの汗を流しました。
 昼食後には、風が出てきましたので臼沢の山々を観ていると、偶然にイヌワシらしき猛禽類が目に入りました。トンビと比較して色は黒く、上昇気流にのって小さな円を描いていたので、多分、イヌワシだと思いました。それにしても足尾のはげ山に木が生えるまでに50年もの年月が流れ、今ではイヌワシが棲息するまでになった松木沢周辺。そんなことを思いながら一人で作業していると、人間は自然に生かされていることを実感できます。
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2008年11月19日 (水)

108段の階段が完成しました

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 寒い朝です。布団から顔を出して息をすると、吐く息が白い湯気のように見えました。ラジオニュースを聴いていると、「初雪、初霜が降りました」、という報道でした。足尾も相当冷え込みました。窓から旧足尾銅山製錬所方向を見ると、太陽が茶色の岩山を照らし、その奥には真っ青な空が見え空は澄み切っています。
 昨日は、来年の植樹会場約1000㎡に、二通りの階段108段を作り終えました。15日から始まった階段づくりには約100名のボランティァの方々が集まって頂きました。18歳から60歳過ぎの男性と女性インストラクター、そして昨日は第4期インストラクターの山本さんが職場の後輩(長野さん)と参加してくれました。怪我、事故もなく総延長50㍍程の階段が完成しました。JREUの皆さん、インストラクターの皆さんに心から感謝します。ありがとうございました。
 最後の仕上げをしている時、ニホンザルの親子が植樹会場に入り込み、草の根を頬張っていました。作業の手を休めてそんな猿の親子を見ている皆さんの顔を見ていると、心が和んでいるようでした。
 とにかく冷え込んでいます。ブログを更新している手が冷たくなっています。
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2008年11月18日 (火)

なにごとも基本を忘れずに

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 昨日は51段の階段を作りました。21名で作業をしましたが、昨日は改めて基本的なことと実態を踏まえることの大切さを学びました。
 51段の階段には102本の立て杭を使います。学んだ一つは、杭の頭が割れないように叩く杭の周囲を削っておくこと、二つめには、杭が土に入り易いように杭をカットするには太い部分をカットするのでなく細い部分をカットすること、そして30度程の傾斜を約200㍍登っていく人のことを考えると階段の幅を短くつくること、が大切であることを相川さんから学びました。
 苗床では、2年~3年目の苗木に「お礼肥」をしました。一年間よく生長して美味しい果実をつけ、人間や動物に有り難い恵みを与えてくれた感謝の気持ちを込めて、来年も恵んでください、と堆肥をしました。苗木は未だドングリをつけませんが、ポット内にしっかり根を張ってください、と気持ちを込めて肥料をやりました。
 昨日は、昼過ぎに古河機械金属㈱足尾事業所の方が森びと広場を訪れ、森づくりの現場を視察しました。事業所の方は、来年以降の森づくりの現場を事務局と調査してくれました。

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2008年11月16日 (日)

45段の階段を作りました

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 小雨が降る中での作業でしたが、45段の階段と草刈りを行いました。作業には第1期森びとインストラクターの相川好夫さんが、房総半島の和田浦町から参加してくれました。足尾の森づくり会場の階段づくりは相川さんの指導から始まっています。相川さんは午前4時に自宅を自家用車で出発、足尾には9時に到着しました。本日の作業は相川さんの指導で開始され、ボランティァの方は2グループに分かれて階段づくりを行いました。
 草刈りは刈払い機を二台使っての作業でした。昨日に引き続き、上へ上へと草刈りを行いました。刈った面積は再来年の分までとなりました。怪我や事故もなく作業を終了しました。ボランティァの皆さん、インストラクターの皆さん雨の中お疲れ様でした。

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階段づくりをはじめました

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 昨日から階段づくりをはじめました。階段は、来年5月下旬に予定している「足尾・ふるさとの森づくり」植樹会場用です。会場は海抜1千㍍程の所で、傾斜が30度程あります。この場所に階段を作るために、ヒノキの間伐材、道具等を海抜800㍍付近から運び上げます。
 階段づくりに集まってくれた31名のボランティアの皆さんは作業説明を聞いた後、草刈り・間伐運び・杭作り・スチール製階段設置のグループ毎に作業をはじめました。天気は曇り時々晴れ、作業は2005年から植えた木々の葉が鮮やかに色を付けた小さな森の階段を登り降りしながら行いました。作業には、家族で参加してくれた方、インストラクターの皆さんそしてJREUの組合員の皆さんとそのOBの皆さんが集まってくれました。みなさんお疲れ様でした。
 間伐材は日光森林組合様から提供していただきました。毎年のご支援に感謝申し上げます。
階段づくりは18日まで行われますが、本日は雨の日曜日です。事務局は間もなく現場に出発です。今日も安全第一で作業をすすめます。

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2008年11月 4日 (火)

机上では、心に木を植えられません

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 栃木県出身のインストラクターは先月「ファンクラブ」を結成しました。その一員である星野さんが中心となって結成した「森びと那須クラブ」は、昨日(11/3)、「第6回ふるさとの森づくりin那須」を開催しました。集まった老若男女34名は、ドングリ播き、植樹そして食事グループに分かれて、それぞれが汗を流して目標をクリアし、12時30分からは楽しい懇親会を行いました。
 植樹した場所はナラ類を主体にした森林にしようと3年前から植樹しています。今年もこの場所に植樹をし、来年はこの森林に散策道を造って学びのゾーンにする計画です。参加者も毎年、新しい人方が増え、今年は植樹に、食事に新メンバーが汗を流してくれました。特に、食事グループには「ちゃんちゃん焼きとあら汁」を作ってくれた板前さんがおり、参加者の評判を得ていました。
 先月、インストラクターの塚崎さんの活動を紹介しました。そして、本日はインストラクター・森戸さんが足尾で苗床のポットをチェックし、秋晴れが続いて乾燥気味のポットに撒水してくれました。 今週末は、第4期「森びと教室」の最終講義です。宮脇昭先生と青木淳一先生からの講義と実習を受けます。今回、全員がインストラクターに認定されますと、森びとインストラクターは全国で100名以上となります。今後は、生活の場で、職場で“山と心に木を植える”活動に期待がかかっています。しかし、現実的にはインストラクターの皆さんにとっては、それを具体化させていくには大変なようです。けれども大切なことは、足尾や八幡平での森づくり活動に参加していく努力と汗を流すことです。その典型が那須クラブの活動であるのではないでしょうか。第4期の皆さん、認定されたインストラクターの皆さん、いい汗を流していますか。

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2008年10月29日 (水)

巨大システム下では、まず、自然を受け入れること。

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 苗木分け作業の目途がついて、本日は事務局が最後の追い込み作業をしました。作業しながら聴いていたラジオニュースによれば青森県の岩木山、我が友が住んでいる旭川市で雪が降りました。こんなニュースを聴いて、今年は暖かい日が一週間ほど遅れている、と感じました。昨年の今頃は、足尾周辺の落葉樹の葉は枯れて、道路に落ちていました。ところが今年は落ち葉が少なく、東武日光駅から足尾に向かう途中、日光市内の道路には昨年と比べて車が多いと感じました。
 東武鉄道で通っている私にとって、今日ほどに、秋の森の恵みを身体で感じたい方々の多さにびっくりしました。この時季、東武鉄道は「フリー切符」販売し、日光の良さを味わっていただくキャンペーンが、的を得ていると感じました。本日は、秋、真っ盛りの日光でした。
 そんな中、霜が降る前の苗木分け作業を行い、本日は1360本の若木に元気を与えることができました。16時頃には、ニホンジカが鳴き、自分たちのテリトリーから出で行けというメッセージがありましたので、ちっぽけな私たちは帰路につきました。巨大なシステムの中で生きている私たちにとっては、これは仕方のないことです。アキグミを頬張る時間を奪ってはならないのです。そんな気をもって、本日の作業は終わりました。

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2008年10月28日 (火)

来春に向けて、階段造り始まる

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 秋も深まってきました。日光駅から足尾町へ向かう国道沿いの山々も色づき始めました。ここ臼沢地区の木々も色づき始めました。明日で苗木分け作業が終わり、年内は来春の森づくりの準備を行います。昨日は、日光地区森林組合のご協力を得て、植樹会場用の階段造りに使用する間伐材を切って、運搬しました。木は檜で、長さ130㌢程に切った230本の檜を運び出しました。
 階段造りは、まず、草刈りを行い、その後、1人ひとりが間伐材を持って、約200㍍の距離を登ります。標高950㍍地点の階段は約100㍍(50㍍×2本)程の間に間伐材を埋めていきます。雨などで土砂が流れないように、また、登りやすいように高さを調整しながら階段を造ります。
 1千㍍に届く場所での作業であるため、事務局は北風が吹かないように願っています。階段造りに協力してくれる方を募集しています。色づき始めた苗木に癒されながら、心地よい汗を流してみませんか。階段造りは来月15日から18日の4日間に行います。

2008年10月25日 (土)

 自然界では小さな存在でしかない私たち

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 霜が降らないうちに苗木の冬支度は終わりそうです。本日で苗木分け作業の目途がつきました。天気予報では今月下旬には冬型になり、例年の気温に戻るそうなので心配していましたが、目途がついたので一安心です。今日は、JREUの組合員・雨谷さんと深津さんが手伝いに来てくれました。作業は事務局の2人とともに4人で行い、980本(49トレイ)のドングリに元気を与えました。
 朝8時00分頃、森びと広場に到着した私たちは作業小屋の整理整頓を行い、モーニングコーヒーで身体を温め、作業準備をしました。その時、対岸の岩山では猿の鳴き声がしていました。ここではニホンザルを見ることが殆どないのですが、今日は朝から岩山に姿を現していました。
 日毎に寒くなるとアキグミの実が甘くなります。この地はアキグミがあちこちに生えています。このアキグミは冬眠に入るツキノワグマが食べますし、猿や鹿そしてキツネ、驚くことに烏もアキグミを食べます。対岸の岩山の中腹にはアキグミが多く生えていますので、猿はこのグミを食べていました。この時に鳴いていたのが猿でした。鳴き声は、冬を迎える猿が朝食を摂っていた時の、親が子へ注意している声のようでした。
 日毎にグミが甘くなるように、苗床の若木の葉も日毎に鮮やかな色になっています。そして若木は葉を落とし、永い眠りに入ります。来月15日は狩猟の解禁日です。ここ臼沢地区は禁猟地帯ですので、日光側からここ安全地帯に鹿が移動をはじめます。これからは天気予報が気にかかる日が続きます。

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2008年10月24日 (金)

 凄まじい勢いを感じさせる幼木の根

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 「木は根、根は土」と言います。どんなに丈夫な木でも土が悪ければ大きく育ちません。“この土は悪いから”、と言って、木はそこから他の地に移動することはできません。ゆえに根は、水や酸素等を求めて、岩の割れ目などに何十㍍も伸びていきます。それが地中の中では土砂崩壊を防ぐことにつながり、表土では生物たちの餌や住居につながっています。枯れても柱になったり、和紙になったりして、何百年も生きつづけて人間を癒やしてくれています。
 上の写真のように、昨年秋に蒔いたドングリは、経った一年で80㌢もの根を小さなポットに張り巡らします。苗木分け作業は、「ドングリに元気を与える作業です」、と言っていますが、作業を振り返ってみると、文字通り生命(いのち)の森づくりだなあー、と実感します。
 本日も小雨でした。雨ですと土に水分が多く含み、ポットの中も水浸しとなり、根は窒息状態です。この状態から根を守り、少しでも元気になるように少し乾いた土をポットに入れています。本日は、560本の苗分けをしました。また、今年植えた樹木の調査をするために、調査樹木を特定する作業も行いました。今年植えた樹高30㌢以下のブナでも、写真のように黄色の葉に衣替えしているようでした。やがてこのブナは巨木となり、私たちへ豊かな心と安心を恵んでくれるのだろうと思うと、小雨降るなかでの作業にもやり甲斐を感じます。
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森びと検索

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