カテゴリ「根を張り育て!苗と木々」の96件の記事

2009年3月 9日 (月)

生物多様性が政策をも変えられる

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 昨日で前半の開墾作業は終わりました。昨日の作業には、JREU・大宮の技術者3名と第2期インストラクターのわが友が来てくれました。作業は来年の植樹会場の開墾を行いました。
 天気は風もない曇り時々晴れでした。現場の木々の枝にはマヒワも飛来し、そのヤシャブシは黄緑色した芽を大きく膨らましていました。開墾作業は、ひと雨降るたびに春を実感できる風が流れるなかで行うことができました(写真上、黒い部分が開墾した約2千㎡)。作業が終わって、手伝ってくれた皆さんからは「松木村を開拓した当時の村人の大変さが分かるような気がした」、等の感想が寄せられました。一週間にわたる開墾作業を手伝ってくれました皆さん、ありがとうございました。
 本日は19時から2時間、早稲田大学特命教授・原剛さんから環境ジャーナリズムの講義を受けました。感じたことは、①学ぶ場所は現場から、学ぶ人は実践家から。②環境問題は分断せずにトータル(自然環境・人間環境・文化環境)に捉える。③渡り鳥条約締結は国交をも良くする。④生物多様性は人の心を動かす(尾瀬の開発を抑制させた)。⑤自然環境を守るのも破壊するのも結局は人の生き方で決まる。⑥日本文化はその生き方の基礎となる、等でした。原さんの講義を受けて、廃村となってしまった旧松木村の歴史からは多くの事が学べるなあー、と思いました。

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2009年3月 7日 (土)

松木の杜(仮称)づくりの会場ができました

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 今日の開墾作業で、今年度の植樹会場(松木の杜)の開墾がほぼ終わりました。同時に、作業用の道、小さな畑もできあがりました。2日から始まった開墾作業ですか、予定より早く終わることができたのは、職人、昔の職人そして重機にはまった若者たちと森びとの強者達の協力によるものです。皆さんお疲れ様でした。
 今日の作業には、第1期から第4期のインストラクター、JREU・八王子の技術者2名が手伝ってくれました。第4期の大木さんは元大型重機を扱っていた職人です。また、第3期の大塚さんは現役の造園業を営んでいる方です。そしてJRの技術者の作業でしたので、本日の作業ははかどりました。強風が吹き荒れましたが、そんな風はなんのそので、作業は一気に進み、道と畑ができあがりました。
 今日の作業で感じられたことは、一人ひとりの仕事が結びついて作業がスムースにすすみ、その成果を汗した仲間同士が達成感を喜び合うことのできたことです。多分、このようなことが「協働」ということではないか、と思いました。明日は、後半の作業計画とその準備です。

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2009年3月 6日 (金)

機械のパワーにはまりそうな若者たち

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 朝から夕方まで雨でした。今日の開墾作業には4名のJREU若者が来てくれました。4名とも重機を操縦するのは始めなので、先輩からのアドバイスで重機を操縦しました。小型重機は杜の中の畑部分を整地し、大型重機は大きな石を堀り、植樹会場外に移しました。一日中雨の中での作業でしたが、4名とも重機操縦にはまっているようでした。東京の皆さん、雨の中の作業に付き合っていただきありがとうございました。
 ところで事務局員は長屋に泊まって作業しています。昨夜は那須町から2名の先輩、日光市内から稲葉理事が長屋に泊まり、4年後の「松木の杜」(仮称)構想を練り上げました。夕食には美味しいどぶろくと地粉の手打ちうどん、そしてイノブタをご馳走になりました。ほろ酔いの話の中で、Sさんからこの長屋の命名があり、この長屋は「どくだみ荘」と呼ぶことになりました。どくだみと聞くと嫌な臭い、湿った所に生えている、ということで嫌がられがちですが、止血効用、細菌の活動を抑えつける効用をもっているどくだみです。皆さん、気軽に「どくだみ荘」においでください。
 前半の作業は残すところあと2日間です。さあー、元気をだして明日も開墾作業です。

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2009年1月29日 (木)

早春の日差しを浴びて、整地をしました

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 旧松木村は108年前に廃村となりました。煙害に遇う前の松木村は狭い畑ですが馬鈴薯、大根、小麦等を作っていました。また、養蚕も行われていたそうです。村には数頭の馬も飼われていました。
子どもたちは松木川沿い道を歩き、製錬所付近の小学校まで通っていたようです。
 村人の営みは、村人の人模様はどのようになっていたのか。想像がつきませんが、自然との付き合い、村人同士による草刈り、自然の恵みや農作物の分かち合い、そして森への感謝が祭りとなって唄って、踊って賑わったに違いない、とおもいます。
 「松木の森」(仮称)づくりは、村人の営みと村人の心を現代に蘇らせたい、と願いつつすすめます。そんな話をしながら本日は、群馬県の事務局スタッフ(小井土さん、柳沢さん)と「松木の森」(仮称)植樹会場の重機用道整地と草刈りをしました。
 昨日同様、周囲には鹿がのんびりと草を食べていました。天気は午前中は快晴、気温11度(昼頃)、風は〇㍍でした。

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2009年1月28日 (水)

「松木の森」(仮称)づくりが始動

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 足尾ふるさとの森づくり2009年は始動しました。「森びらき」から3日後の本日、旧松木村の跡地で草刈りを行いました。草刈りをした地は今年からはじまる「松木の森」(仮称)づくり会場です。急斜面の臼沢地区では子どもたちやお年寄りの方々には大変だからと、古河機械金属㈱様から無償で提供された平地です。
 この地は写真の様に草群に岩が転がっている箇所が多く、草を刈らないと約1万㎡全体の様子が分かりにくいために草を刈りました。植樹会場全体の様子を見たうえで、事務局は植樹会場の設計図を描いていきます。若葉を付ける前に花を咲かせる木、その次に花を咲かせる木、秋には黄色く輝く木、鮮やかな赤い葉を付ける木、そして松木村の村人の思いを込めて植える桑の木をどこに植えていくのか等、全体の草を刈ってから「松木の森」(仮称)づくりの絵は描かれます。
 旧松木村跡地には雪が無く、十数頭の鹿はのんびりと草を食べていました。今日の天気は曇り、午後の気温は3~4度でした。

2009年1月21日 (水)

旧松木村の村人の心を、今に蘇らせたい

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 旧松木村跡地に「松木の森」(仮称)をつくれそうです。私たちが5年前から植樹と苗づくりを行っている地は旧松木村跡地です。松木村は足尾銅山から吐き出された亜硫酸ガス(煙害)で、草木が枯れ果てて、人間も動物たちも生きていけなくなり、廃村に追い込まれました。今から108年前のことですが、日本の公害の原点と言われています。
 今日はこの地で、土地所有者の古河機械金属㈱様と私たちで、今年から始まる植樹会場(平地)の現地調査をしました。この調査は植樹会場として古河様から無償で提供していただく相互の確認でした。これからは互いに念書を交わし、その後、私たちは「松木の森」(仮称)づくりを始めます。今日は、「松木の森」(仮称)づくりのスタートの日になりました。
 私たちは、廃村に追い込まれた村人の心を振り返り、その心を「松木の森」(仮称)に蘇らせればいいなあー、と願っています。今日の調査後、30数年も緑化事業に携わってきた元林野庁職員・村上壮亮さんご夫婦宅を訪れ、この報告と新年のご挨拶をしてきました。ご夫婦はこの話を非常に喜んでくれました。古河機械金属㈱足尾事業所のみなさん、ありがとうございました。
 「松木の森」(仮称)づくりに関するご意見をお寄せください。(写真・下は旧松木村で大切に使われていた石灯籠です。信仰の山・男体山と彫られています)

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2009年1月19日 (月)

食害は結果、何がそうさせたのか?

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 今日の足尾は北西の風がなければ初春を感じさせる暖かさでした。天気は晴れ、10時30分の気温は6度、風力は6㍍でした。今日は、今年5月30日に予定している第9回足尾・ふるさとの森づくり新会場(平地)の測量と臼沢植樹会場(斜面地)の食害状況を点検しました。
 新会場は昨年、古河機械金属㈱様から子どもたちやお年寄りの方々が植樹できるように、と提供されました。今日は、この新植樹会場の面積約2千㎡を開墾するための重機及び軽トラ用の道を造るために測量しました。
 午後は、同行してくれた群馬県スタッフの小井土さんと臼沢植樹会場の食害点検をしました。2006年会場を点検していると、試植しているアカガシの根が食べられ、幹は倒れていました。害にあったカシ類はこの一本でした。これまではミズナラの若木の根が食べられていましたが、カシ類の根が食べられたのは初めてでした。根本には穴を掘った形跡は無く、地中で食べられているようでした。試植したアカガシは他のカシ類と比較すると順調に生長しています。ミズナラの害も細い幹の根は食べられていませんでしたので、共通している点はある程度生長している幹の根でした。
 南斜面に根を張っている木やこの斜面でともに生きている動物たちは、雪もなく、新春を感じさせる暖かさを斜面一杯に受けとめていると、生きていくためには何らかの変化を感じているのかもしれません。

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2009年1月11日 (日)

御神酒と塩を供えて、森づくりを祈願

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 本日は足尾現場に立ち、仕事を始める前に旧松木村の祠に御神酒と塩を供え、今年も多くの皆さんと自然環境と人間の命を大切にする心を育むことができますように、祈願しました。その後、食害点検をしました。臼沢植樹会場の周辺では30頭数頭の鹿が草を食べていましたが、点検の結果、鹿による食害は見あたりませんでした。しかし、ウサギと思われる動物による食害が20数本発見されました。害に遭っている木は試植しているカシ類で、地面から60㌢程の高さの幹や枝が食べられていました。地面には葉が散らばっていましたので、ウサギは葉を食べていないようです。カシ類の幹と枝はカッターナイフで斜めにカットされていますので、多分、ウサギの食害だろうと思っています。
 森びと広場の気温(昼頃)は2度、帰る頃は-1になりました。風は広場では感じられませんでしたが、臼沢植樹会場では下から風が吹き上げてくる程度でした。一日晴れでしたので、仕事はじめの作業は汗もかかずにできました。

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2008年12月21日 (日)

“共生する”、ということは互いに努力すること

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今日は冬至です。足尾も厳冬を迎えますが、昨日の天気は晴れで、昼頃の気温は13度もありました。厳冬どころではない様子でした。しかし、鹿やウサギそして猿等は生きていくために必死です。この臼沢は斜面が南向きであり、北風を遮るところなので冬を越す動物たちがたくさん集まるところです。昨日も、鹿、ウサギ、猿が臼沢周辺に姿を見せ、私達がこの地から早く去るよう見張っているようでした。ウサギは約60㌢もある大きく元気なものでした。
 動物たちも必死ですが、多くの方々が植えた木々を食害から守るために私達も必死です。そんな訳で、昨日の作業は臼沢植樹会場の柵(周囲約700㍍)の補強、松の皮むき、コンテナのさび止め塗り、撒水用のホースの収納、等を行いました。ホース内の水は凍っており、太陽エネルギーに感謝しつつ氷を溶かし、午後に収納しました。

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2008年12月17日 (水)

みちのくに拡がる森づくりの輪

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 今月13日、岸井成格理事長はみちのく事務所の案内で葛巻高原牧場(岩手県)を訪れ、牧場のみなさんに感謝状と記念品を贈呈しました。
 葛巻高原牧場は葛巻町が運営しており、牧場で放牧されている牛は町民よりも多く、健康で元気な牛のミルクが評判です。この町はミルクとワインが美味しく、エネルギーも風力と牛の尿や糞を再利用しているクリーンな町です。この町の皆さんは毎年、八幡平・ふるさとの森づくりへバーク堆肥、炭を提供してくれています。町民の皆さんの支援に心から感謝しようと、岸井理事長、角岸副理事長とみちのく事務所の皆さんが現地を訪れました。
 牧場の皆さんは岸井理事長が本当に来てくれるとは思っていないようでした。牧場の皆さんは、現地を訪れた岸井理事長に驚き、感激をしているようでした。牧場を代表して高宮専務に感謝状と記念品を贈りました。牧場内も案内していただいた岸井理事長は、皆さんからの心暖まる歓迎を受けて感動していました。葛巻町の皆さん、ありがとうございました。
 岸井理事長は途中、石川啄木記念館に寄り、館長の案内で啄木の人生を拝見し、改めて啄木の自然環境へのおもいを感じることができました。みちのく事務所の皆さん、お疲れ様でした。

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森びと検索

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