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2019年8月の16件の記事

2019年8月12日 (月)

木と木を擦って火を起こす体験を災害時に活かしてほしい!

 アラスカ、シベリアの森林火災(国連は「前代未聞の事態」だ)の原因は、記録的な暑さと空気の乾燥と落雷だとみられている。乾燥した木と木が擦れるだけでも着火することがある。マッチやライターで着火させる体験も現代の暮らしの中では殆どない。自然災害時にはどうするのかと、他人事ながら心配する。 

Imgp1074  今週末の17日、足尾町の「銀山平キャンプ場」で“森は大切な友だち”というイベントを試行する。主催は、国民宿舎「かじか荘」と当会、キャンプしている子供たちや保護者に自由に参加してもらう。

Cimg4197  イベントは、木と木を擦り合わせて火を起こす。種火を作って、枯れたシラカンバの樹皮や杉の葉を燃やす。その他は、竹で水鉄砲を作り、水遊びをする。身近にある草木が私たちの暮らしに欠かせないことを体感してもらう。

P8126950 森は秋の気配?

 サポートは当会の「森の案内人」。本番へ向けて、当日の案内人である森びとスタッフたちは旧盆の休みものんびりしていられない。「超」が付いた台風10号の上陸と進路が心配だが、“いざという時の生きる知識”を養うことができれば嬉しい。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月 9日 (金)

2050年までに気温上昇を1.5度以内に抑えるために、全世界で森をつくろう!

 来月、国連は「気候サミット」を開催する。当会は、先月の「G20サミット」議長の安倍総理大臣に「地球温暖化にブレーキをかける要望書」提出した。その後は、「気候サミット」主催の国連にも温暖化にブレーキをかける要望書を届ける準備をしている。

P7143378  衆参全国会議員へ上記の要望書を配り、アンケートに協力していただいた。返信してくれた国会議員は36名、立憲民主党からは要望書へのアドバイスをいただいた。忙しい中でのアンケートに応えてくれた国会議員の皆さん、ありがとうございました。「気候サミット」への要望にもご協力お願いします。

P7303438  ところで、アメリカ全土の広さに木を植えると、気候変動にブレーキがかかりそうな研究結果が発表されたという。スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究者が米科学誌『Science』電子版で発表した。論文によれば地球上にはまだ植林可能な土地が9億ヘクタール残されている。これはほぼアメリカ全土の広さという。この地を森林で埋め尽くすことができたなら、2050億トンもの二酸化炭素を吸収してくれる計算だ。

P7186577  紹介してくれた方は、「いろいろな状況が重なって地球の森をむしばんでいる実態だけは明らか。とりあえず植える場所はあるのだから、とにかく木を植えていけば世界が変わっていくはず。世界中の人がアクションを起こして少しでもグリーンな未来に近づきますように」と訴えていた。

Photo  筆者はこの考え方に賛同する。国連への要望書には、人間社会の経済活動からの温室効果ガス排出を極力削減し、自然界の吸収力を高める森づくり等を要望したい。

Photo_2 足尾・松木沢の星空(写真:宇都宮市在住Hさん)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の試算では、2050年までに気温上昇を1.5℃以下に抑えるには、地球上の44億㌶の森林に加えて、あと10億㌶の森が必要だという。77億人がその気になれば森づくりはできるのではないかと思ってしまう。(理事 髙橋佳夫)

2019年8月 7日 (水)

“森に寄り添って生きる”ことを次世代に遺したい

Photo 臼沢の森から松木川を見下ろす(昨日)

 月日が経つのがすごく早い気がしています。暦のうえで明日は秋です。昨日の森作業では秋を感じませんでしたが、奥山の麓では立秋を感じさせる花が咲いています。

Photo_2  昨日は作業終了後、車で約四時間かけて群馬県の奥山に向かい、今日はその疲れをとっています。朝のテレビニュースを観ていて、次世代に「遺す」ということを考えさせられました。映画監督の大林宣彦さんが、体調が悪いにもかかわらず広島原爆の忘れられない経験を次世代に遺す活動を続けていました。

Photo_3 昨日の中倉山

 森づくりに携わってきた私が“遺す”ことは何か、と温泉につかりながら考えてみました。言葉として出てきたことは、“人間は森に寄り添っていかなければ生きていけない”ということ位でした。荒れ地や草地を耕さなければ草木は根が張れないことを体験してきましたし、その後も幼木が草や草食動物との競争に負けない環境を整えていかなければ森は育たない、ということも経験しています。

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P8076883  作品などと言うものではありませんが、次世代へ“遺す”大切なことだと思っています。全ての生きものの命がつながっていく源であり、暮らしの基盤であるこの地球を永遠に!という思いです。薄暗い雷鳴が聴こえる森の中でこんな話をしながら、週末の舎人当番を待っています。(スタッフ 仁平範義)

2019年8月 6日 (火)

地に響く雷鳴を体感しながら森作業

 外気温度は30度以上の今日、「臼沢の森」の中は27度。今日の森作業は2017年に植えた「臼沢の森」の草刈り。朝のミーティング後、臼沢の森内の階段を登り、「臼沢の森」と最上段の会場に到着。

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Photo  途中、クリの木が倒れていたるのでその原因を確かめていると、幹に爪跡を発見。クマがクリの花の匂いに誘われて木に登り、折れてしまったのではないかと判断した。階段の途中には、石がひっくり返され、蟻の巣の跡があったので熊の仕業に間違いないとなった。

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Photo_3  11時を過ぎると濃い灰色の雲が臼沢の森に近づき、遠くでは雷音が聞こえだした。早めの判断を行い、草刈りを中止して下山した。

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Photo_8 草刈り前

Photo_9 草刈り後

 作業小屋に着いて、早めの昼食を摂っていると久しぶり雷光と地が揺れるほどの雷音。雨粒が大きい雨が降り出し、途中から雹混じりの大粒の雨が暫らく降った。

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1_2  1時間程で雨が上がり、昨日、途中で作業を止めておいた「新松木の杜」の入口を仕上げた。作業後、「新松木の杜」に咲いたヤマユリの花を見た。昨日よりも花が開き、その花は雨上がりの森内に懐かしいヤマユリの香りを漂わせていた。

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Photo_12  本日の森作業は鎌田、松村宗、仁平、加賀そして筆者でした。(報告 髙橋佳夫)

2019年8月 5日 (月)

人はこれ以上、海と大地を温めず、森に寄り添って生きるべし!

P8056769  少し身体を動かすと汗がびっしょりになった足尾松木沢。10時過ぎに森びと広場に着くと、「うんしゅう亭」に机と椅子が並べられ、軽トラに積んだタンクの水で「うんしゅう亭」内に散水していたスタッフ。今日は、足尾丸ごと井戸端会議の山田さん案内されてきた「神奈川県社会化部会」の先生たちへ森びとの活動の一端を紹介する日。

P8056800  それまでに時間があったので、昼食後は「新松木の杜」入口を移動した。1時半の作業なので、テキパキとやってのけた。

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2  外は立っているとボォーする位の暑さだが、「うんしゅう亭」内は涼しい。30分の時間で、私たちの森づくり概要を紹介し、質問をいただいた。30数年前の岩だらけの地がどうして緑になっているのか等の質問を受け、草地から森となり、熊が昼寝するほどに森が育っている話をした。

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Photo_4  新松木の杜にヤマユリが花を咲かせた。幼いころの香りがした。本日のスタッフは、鎌田、橋倉、仁平そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2019年8月 3日 (土)

世界の森と沿岸植物を元気にさせつつ、温室効果ガスを削減しよう!

ヨーロッパが熱波に襲われ、アラスカやシベリアでは森林火災が相次ぎ、国連が「前代未聞の事態だ」としている。山火事の原因は、記録的な暑さと空気の乾燥だとみられている。6月のアラスカの平均気温は1925年の観測以来2番目に高く、専門家は気候の変動による記録的な暑さと、空気の乾燥が火事を引き起こしていると指摘している。

P6125914         学生たちから送られてきた色紙

 国連のWMO(世界気象機関)は北極圏で起きた森林火災によって、6月1か月間に排出された二酸化炭素の量は50メガトンに上り、スウェーデンで1年間に排出される量に匹敵するとしている。

 日本も猛暑が続くが、当会は、アメリカ・ミシガン大の学生たちの活動を期待している。何故なら、5月、学生たちと“未来を植える!”活動を連帯する誓いをしたからである。その学生たちと教授のコメントを一部紹介する。

Img_9759  「皆さんの解決へ向けた決断力にとても感動しました。皆さんの植樹は地球に対して、同様に私たちにも、とても前向きな影響を与えてくれました。感動的な考え方に満ちた対話を持つことができ、感謝しています。」(レオニーさん)

P5135654  「日本を離れても、足尾での皆さんのレッスンと親切をずっと忘れません。ミシガン大学は『Plant the Future!(未来を植える!)』活動を皆さんと連帯して続けられることを誇りに思います。」(ガブリエラ)

P5145684  「皆さんの経験と歴史を私たちに共有してくださりありがとうございました。とても感動しました。皆さんが未来へ木々を植える活動を続け、私たちが受けたのと同様に、人々に影響を与え続ける事を祈っています。」(ジュリアさん)

P5135612  「親愛なる森びとの皆さん。皆さんと素晴らしい午後の時間を過ごせた事をとても感謝しています。日本での滞在のなかで最も記憶にのこる有意義な時間でした。本当にありがとうございます。またお会いしましょう!」(レスリー教授)翻訳・事務局員 太宰初夏。

P5135628  ロシアのシベリアでは森林火災の拡大に歯止めがかからない。雨を降らせず雷が怒っている自然界のしっぺ返しに、私たちが応えるには野心的な温暖化防止ではないか。

(理事 髙橋佳夫)

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