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2017年12月の19件の記事

2017年12月31日 (日)

温暖化にブレーキをかける“本気度”が試された2017年

 今日は大晦日。今年も異常気象で世界各国の人々の暮らしが脅かされた。師走に入って「爆弾低気圧」で大雪と強風が吹き荒れた日本。温められた日本海が「爆弾」となったらしい。世界では、下の写真のようなスーパーセルが現れ、各国で暴風と大雨そして干ばつや季節外れの雪などを降らせて暮らしを脅かした。

1920170811 キューバ

2120170816 ロシア

2220170804 ベトナム

2320170812 アメリカ

 私たちは森作業をやりながら大雨や暴風など地球の悲鳴を身体で感じ取り、どうすればよいかと話し合ってきた。話合うことは実行することなので、南相馬市の「応援隊」、森びと栃木県ファンクラブ、神奈川県の市民たちと“地球温暖化にブレーキをかける暮らし方”を話し合ってきた。参加した市民からは、「もっと多くの人たちが集って語り合わなければ駄目だ!」という声をいただいた。

16201708 今年夏、ルーマニアの雪

 同時期の秋頃、国連は「パリ協定」で約束した各国の二酸化炭素削減目標が達成されても、世紀末には世界の平均気温は3℃上昇してしまう、という報告書を公表しました。そんな中で、地球を温めている温室効果ガスのひとつである二酸化炭素濃度は過去最高になってしまった。

Photo  トランプさんと安倍さんは、二酸化炭素排出量が多い石炭火力発電を推進する「お友だちファースト」で世界中の人々の生存を不安定にしている。「パリ協定」の順守や途上国支援を装って温暖化のアクセルを踏んでいる両国首脳と言われても仕方ない。

Photo_2  世紀末に「生存が不安定な時代」を迎えないために今の暮らしを見直すことが“待ったなし!”と森ともたちに訴えてきたが、先行きが猛吹雪で不透明になった今年。ところがクリスマスの日、新聞(『毎日新聞』12/25付)を読んで猛吹雪の奥から白い明かりが見えた。ポルトガルの中部に住む子供たちとその親たちが「温暖化による山火事(惨事・被害)の背景は地球温暖化にあるとして、欧州主要国に温室効果ガス削減強化を求めて提訴」しているという。欧州各国の政府が温暖化対策を怠ったとして、欧州人権裁判所に提訴している。ちなみに人権裁判所の判決には拘束力がある。

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 このような訴訟は、アメリカ、ノルウェー、アイルランド、ベルギー、スイス、ニュージーランド等でも行われているという。2018年は、すべての生き物たちの命を守る“つもり人”の本気度が試される年になりそうだ。一年間“山と心に木を植えてくれた”森ともの皆さん、大変お世話になりました。(理事 高橋佳夫)

 

2017年12月30日 (土)

森と生きる未来の暮らしへ舵をきる“つくり人”に心を耕かされている森びと

 今年も高校時代に有権者となる生徒達と一緒に森づくりをしてきた。八幡平の森づくりでは盛岡農業高校生達と数年ぶりに幼木を植えた。盛農生の一人は「若者の自然や農業離れが心配される中で、この活動で多くの人々の視線が自然に向かっていることを実感し、とても嬉しく思いました。・・・勿論、自分もこうした活動に参加し、農業高校生として、地域の未来を担う役目を果たししていきたいと思います」、と述べてくれた。

Photo  南相馬市では相馬農業高校生達と一緒に「鎮魂復興市民植樹祭」をサポートした。今年は校長先生、市の教育長も一緒となって植樹祭を応援してきた。

Photo_2  足尾では桐生市の私立樹徳高校生と環境学習を3回行った。

Photo_3  ある生徒からは、「最近大雨による被害が沢山ニュースで報道されるのを見て、凄いなと思うけど自分のところは大丈夫だろうと思っていました。しかし、いつどこでなにが起きてもおかしくない。そんなことを常に頭に入れておかないと、もし起きた時に大変なのだと思いました。そしてまずは近所のところから調べていきたいと思いました。人間にはできないことを森はしてくれていて、人間はそれに助けられているので、森は大切なのだと思いました。その森を守っていく活動に参加できてとても光栄でした」(2年女子)と書いてくれた。

Photo_4  未来の暮らしを自分たちで選択する若者たちとの森づくり。サポートする私たちは真剣そのもので、森づくりから学んだ“森と生きる知恵”を伝えてきた。

Photo_5  今月、里山を探索した樹徳高校生のK君は夏の学習で得た事を実行している。ドングリを拾って校内で苗を育てている。一人ではなく、女生徒にも手伝っている。どんな森を描いているのかは訊いていないが、先生からは「相談にのってくれないか」と言われている。

Photo_8  フィリピン・ルボ村では鉱山開発で荒れ地にされた石ころだらけの地を村人が耕し、「足尾スペース」という苗床を作って、ドングリを蒔いて苗木を育てている。ふるさとの木による命の森のモデルづくりに挑戦している。

Photo_9                     足尾スペース

 ルボ村の村人も経験した事のない台風で自然の恐ろしさを体験した昨年。そして狭い段々畑で作る農作物には森の恵みが大切だということを先人から教えられてきた。

Photo_10  足尾で学ぶ生徒達も世界の異常気象の恐ろしさを感じている。また、人は森に生かされているということも実感している。

Photo_7  ルボ村の村人と足尾の生徒達は“つくり人(びと)”、彼らはひと粒のドングリから“森と生きる未来の暮らし”へ針路を切り拓いている。私たちの心が耕された嬉しい1年だった。(理事 高橋佳夫)

2017年12月29日 (金)

南相馬市の“新しいふるさと”の基盤づくりが根づいています

 年末の27日、地域住民の思い出がいっぱい詰まった“一本松”が伐り倒された。この一本松の近くから「鎮魂復興市民植樹祭」(2013年・一回目)が始まった。この会場から北側に見えた一本松が消え、今は松から風力発電のプロペラに変わり、常緑樹を中心にした森の防潮堤に変わりつつある。自然の恵みが地域の暮らしを支えようとしている。

Photo  4年前に植えた森の防潮堤の一部樹木の樹高は2㍍を超えた。樹木たちを支えている大地には楽しかった思い出や悲しさ、寂しさそして怒りなどが詰まっている。あと数年過ぎるとこの樹木たちは未来を生きる人々の暮らしを支えてくれる大切な大地になる。 Photo_2  森の防潮堤づくりを応援していこうと立ち上がった「市民応援隊」は今年で3年目だが、森づくりで一番重要だと思う森作業を支えているのが応援隊と市民そして森づくりボランティアだ。

Photo_4  植えるだけでは樹木は草に負けてしまう。樹木と草の競争は人間の都合に合わせてくれない。現地での競争に森づくりのスケジュールを合わせなければ、4年間で植えてきた12万本の樹木の命を縮め、植林ボランティアの願いと想いを裏切ることになってしまう。

Photo_5  この大事な森づくりを支えてくれているのが市長を先頭にした市役所の課長、係長等の職員、そして教育長、相農高の校長、教諭と生徒達、地元のボランティア組織(カリタス、あさがお等)、労働組合(地区連合、東日本旅客鉄道労働組、自治労東京地区連絡会)の組合員の皆さん、愛知県小牧市の皆さんなどである。

Photo_6  今年は、草刈り、草抜きなどの作業を9回(500名程)実施してきた。植樹祭が毎年実施されると育樹作業は増えるので、行政と市民、教育者と子供たち、そして各地から集ってくれる労働組合や支援者の連携が有難い。一年間を振り返ってみると、苦しく辛い時の助け合いと嬉しい時や楽しい時の分かち合いが広がっていることが、“新しいふるさと”づくりにつながっている気がしてとても嬉しいし。

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2  こんな応援隊の活動に素敵なクリスマスプレゼントが届いた。東北労金さまから助成金を頂いた。毎年広くなる森づくり面積、それは森作業が増える。それに必要な道具や用具(トイレやテント等)が欠かせない。こんな声に応えてくれた東北労金さまに感謝です。

Photo_8  来年は5年を迎える森の防潮堤の樹木たち。その観察もはじめた応援隊、来年はもっと忙しくなる。原発に頼らない“新しいふるさと”の基盤となる森づくりを、全国の皆さんのご支援に支えられながら進めたい。 

Photo_10  応援隊の皆さん、市民の皆さん、そして各地から駆けつけてくれたボランティアの皆さん1年間のご支援ありがとうございました。応援隊事務局の報告を基に執筆しました。(理事 高橋佳夫)

 

2017年12月28日 (木)

“森とも”の「恩送り」に加勢してくれる草木たちに感謝です

 2017年も残すところ後4日となった。一般的には本日が仕事納めとなるが、該当者は限られている。今日、加賀スタッフと柳澤スタッフ、橋倉スタッフは足尾に籾殻を運び入れている。来年の植樹祭に使うマルチング用である。お疲れ様です。

Photo  ペラペラと手帳をめくってみると、一年間に足尾の森づくりには森びとスタッフと森とも500名程が集ってくれている。600段もの階段を登り、標高約1千㍍の急斜地での補植、岩や石ころだらけの荒れ地を耕した地での植林、さらに、今年最後の植林は30~40㌢もある石ころだらけの荒れ地を耕して幼木を植えることができた。未来を考えることなく人間の欲を追い求めてきた結果、足尾の森をはげ山にしてしまった荒れ地に植えた幼木には植林ボランティアの様々な願いと想いが宿っている。

Photo_2  足尾の森びとスタッフはその願いと想いを裏切らないために今年は105日間もの育樹育苗作業を楽しんだ。言葉には出ないが、どういうわけか足尾の現場に立つとスタッフと小生は身体と心が安定する。

Photo_3  植えたばかりの幼木が生き生きしている姿を見ていると、植えたばかりの幼木が食害に遭ってその対策をした幼木を見ていると、ポットの幼木が草に負けている状態から解放し、たっぷりの水を撒いてやると、そしてこのような森作業に集う森びとスタッフや森ともたちとの会話が弾むと、何故か安定感が身に沁みる。何故だろう!人間の努力に樹木たちは加勢してくれるからなのか。

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20170520  全国の“森とも”の皆さん、一年間のご支援ありがとうござました。(理事 高橋佳夫)

2017年12月26日 (火)

今年、最後の森作業

今年、最後の森作業に向かう途中の男体山です。

Photo_9 今日の足尾の天候は、気温2℃、晴れ、中風。早々に「みちくさ」のストーブに火を入れ、温かいコーヒーを飲みながら今日の作業打ち合わせです。作業小屋のストーブ移動、臼沢の森・民集の杜・松木の杜・新松木の杜のネット点検修理を各自チーム割り振り作業開始。

Photo_10 鎌田さんの手造りしめ飾りを「みちくさ」「うんしゅう亭」「作業小屋」に飾り、謹賀新年・火の用心を「みちくさ」「作業小屋」に貼りました。

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Photo_14 作業小屋のストーブ移動、柳澤さんが用意してくれた石膏ボードをカッターで切り、中央の壁に取り付け、ストーブを60cmほど小移動し座るスペースの移動確保ができました。

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Photo_16 臼沢の森ネット点検修理では、風の強い中背負子に当たると身体が揺らされます。前回に補修した箇所が獣道らしく再度穴が開けられていました。再補強し、けがもなく戻りました。

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Dsc03404 昼食前に下のビニールハウスを見ると、シートが足尾の強風ではがされ、ところどころが切れていたのでシートを剝がして真ん中のビニールハウスに収納しました。

Photo_17 Photo_18 本日の作業者、鎌田・橋倉・岡安・松村宗・松村健・加賀・福原・福田・小川お疲れ様でした。皆様、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。(報告:小川、写真:福田、小川)

2017年12月25日 (月)

樹木と人の協働が未来のいのちを育む大地を育てる

 昨日(12/24)は人間の社会では年の瀬を迎えて何かと忙しそうですが、海岸渕の苗木たちも元気に年越しができそうなのかと思い、応援隊・松林副代表と筆者で雫浄化センター育苗場に行ってきました。ポット内の土の乾燥度合いを見て、安心しました。2日前に岩橋事務局員がかけてくれた水が苗木の越冬に役立っている様でした。

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Img_1057  命を育む森の一員として頑張ってもらうためには苗木の都合に人が合わせないといけないことを改めて心に刻みました。

Img_1056  午後は、原ノ町駅前のホテルで開かれていた「さくらい勝延市政報告会」に出席してきました。彼は、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭実行委員会の実行委員長として命を守る森の防潮堤づくりのトップリーダーであり、南相馬市を「脱原発都市宣言」にした市長でもあるので、仲間たちと彼を激励してきました。

Img_1065  会場は立錐の余地のないほどの盛況でしたので、集っていた市民から私たちが檄を頂きました。来年6月は、全国植樹祭が森の防潮堤の近くで開催されます。応援隊をはじめ市役所、連合原町地区、市民と共に育てている森の防潮堤を全国の皆さんに観てもらえるように願っています。

20180128        2013年に植えた防潮堤の木々・12月撮影

 防潮堤に植えた樹木達、苗床で出番を待っている幼木達も元気に新しい年を迎えられるようです。全国の皆さん、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭に支援してくださってありがとうえございました。また、お会いできることを楽しみにしています。(南相馬市応援隊 東城敏男)

 

2017年12月22日 (金)

自然の息づかいを表している“暦”?により添って生きる私たち

Pa099102  森づくりをして歳を重ねていると冬至と啓蟄が待ち遠しい。本日(冬至)を境に陽の出が早まり、朝早く目が覚める筆者にとっては森づくり活動がし易くなる。啓蟄は、霜柱の融けだす音が足元から聴こえてくると、土中の根が動き出している気がするので気持ちが晴れ晴れする。多分、オオムラサキの幼虫も北風に飛ばされた落ち葉からエノキの幹へ、夜の遠足をはじめる頃かもしれない。

Photo  16日の生態観察に参加した森びとインストラクターの山本勉さんから感想が送られてきた。一部を紹介すると、「(冬を迎える時季)幼虫が幹から地面の落ち葉の降りる時、途中で落ちないのか、と質問があり、阿部さんは、クモのように糸を引いて降りてくるので落ちない。幼虫を探す時は幹に糸の跡がある北側の落ち葉の裏を探すと見つかる可能性が高いとも話してくれた。なぜ北側かなのかという質問には、落ち葉は腐る時発熱するので、北側の比較的温度の低い方を選ぶのではないかという。

Pa099165  今回の観察では自然は関心を持って長く観察することが大事であることを学んだ。昆虫の森は里山を丸ごと理解するのに良くできた森だと思った。機会があれば阿部先生の飼育している現場を見学したい。案内してくれた川田先生、ありがとうございました」(山本 勉)

Photo_2  エノキの北側の落ち葉を選ぶらしいオオムラサキの幼虫。陽が当たる南側で越冬しないということは寒暖の差があるたびに体力消耗を避けるためなのか。住処の落ち葉はエノキから100㍍以上も風で飛ばされることもあるが、啓蟄を迎えるころにはエノキの幹まで夜の遠足をするというから、どうしてエノキの方向が分かるのか不思議でならない。(理事 高橋佳夫)

2017年12月21日 (木)

蝶の悲鳴を暮らしを見直す知恵に活かす“つくり人”

 先日、オオムラサキ研究者の第一人者である阿部勝次さんと「ぐんま昆虫の森」でお会いした。半世紀以上にわたる研究のほんの一部の話で共鳴したことがある。

2_4  阿部さんは、「私は冬にキュウリ等の夏野菜は食べない。栄養価も薄く、ハウス栽培だから」と話した。その話の本質は、人間の暮らし方の影響で昆虫たちが生息地を移動しなければならない環境をつくっているからだという。主に九州地方に生息している蝶が群馬県まで移動し、生息しているという。

2_5  蝶だけではなく世界の生き物の生存を脅かしている地球温暖化の影響が各国で起こっているが、阿部さんは、化石燃料を燃やしてビニールハウスを温め、露地栽培と比較して栄養価の薄い野菜を食べるという暮らしは見直すべきだ、と訴えている気がした。

Photo  今年も異常気象が世界各国で人々の暮らしを脅かし、何百万人が避難生活を強いられ、犠牲者も出た。私たちは、“世紀末に生存が不安定な時代を迎えないために森と生きるライフスタイルへ舵を切ろう!”と今年も討論を続けてきた。その時は“待ったなし!”とも訴えてきた。

Photo_2  安部さんは、蝶たちの舞を観ながら“生存の不安定な時代”へ向かわないために、冬に夏野菜を食べない暮らしを貫いている気がしている。“待ったなし!”ということはこのような実践性であると共鳴した。“つくり人(びと)”の阿部さんから素敵なプレゼントをもらい、感謝でした。(理事 高橋佳夫)

 

2017年12月19日 (火)

暖かな足尾・松木で爽やかな汗をかきました。

今日(12/19)の足尾は快晴。この時期の足尾は氷点下になるのが普通ですが、今日は2℃という暖かな松木の里です。筆者にとっては久しぶりの足尾です。鹿も元気そうに草を食んでいました。10頭位の集団で、黒くて大きいのが一頭いました。よく見ると立派な角があり牡鹿です。牡鹿は単独行動しているのが多いようですが、群れの中にいるのを見たのは初めてでした。

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Cimg7031_2 今日の作業はやり残している、今年の植樹祭で植えた臼沢の獣害対策のためのネット補強です。左側(西側)と上の部分を張りましたが、ネットが足らず上の部分50mほど残しました。植樹地を歩いているとハチの巣の残骸を発見。何かに食べられたのか?傍にはハチが2匹死んでいました。

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Cimg7047 昼過ぎると曇ってきました。向かいの中倉山方面は時雨れているようです。暖かな時間は続きません。作業を終了し下山してきましたが、途中の階段は落ち葉が積もって見えないうえに、ものすごく滑ります。足で落ち葉をラッセルしながら降りてきました。

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Cimg7060 遅い昼食をとりながら来週26日今年最後の作業の打ち合わせをしました。作業小屋のスペースの確保のためにストーブの移動をどのようにやるか。獣害対策のネット点検などの打ち合わせを行い、最後に火事が多い昨今、注意喚起の「火の用心」の張り紙を張り本日の作業を終了しました。

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Cimg7068 本日のボランティアは、鎌田さん、松村宗さん、松村健さん、橋倉さん、小川さん、筆者でした。(報告 加賀春吾)

2017年12月17日 (日)

「ぐんま昆虫の森」でみつけた森と暮らす心得

4_640x488_640x488  昨日(16日)は生態観察チームの第8回会議で、「ぐんま昆虫の森」へ入りました。森の案内人は樹徳高校教諭の川田さん。足尾の環境授業でも引率して来ていただいている。川田先生はこちらの森でボランティア活動をされているということで、足尾松木沢での生態観察に役立てようと、里山を案内していただきまし。

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1_640x477  午前中は、昆虫の森恒例のオオムラサキの幼虫越冬調査の手伝いしました。大人と子供たちのチームに加わり、エノキの根元半径50cm程の落ち葉で冬眠しているオオムラサキの幼虫をみつけて幼虫を数えました。

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640x480  森びと参加者は初めてのことでしたが、子供たちの真剣な顔を見ながら探し当てることができました。見つけた幼虫は四齢幼虫といい、脱皮を4回したあとの姿で全体が落ち葉色にして、外敵から見つからないようにしていました。今回の調査では、計129匹が見つけられました。昨年と同じ数でした。

640x480_2  その後、オオムラサキと暮らしてきた蝶の専門家・あべ蝶吉(本名:阿部勝次様)さんの映像を観て、オオムラサキの一生を知ることができ、また、その蝶と暮らしてきたあべさんの自然環境への情熱と生き方に触れ、感銘を受けました。

640x513  昼食後、樹徳高校の広井教諭と丹羽教諭、そして生徒4人が私たちと合流し、昆虫の森の観察をしました。昆虫の森は里山である森ということで、雑木林から、田んぼ、畑、そして藁ぶき屋根の農家など、人が森と深く関わり暮らしてきた歴史とその様子が実感できました。

Pc169775_640x483  一言で「里山」と言われていますが、とても奥が深い森であること、その森が人や生きものたちの命を育んでいることが実感できた一日でした。また、この森の維持は多くのボランティアの皆さんが日々活動して存続されているという、ことですので里山は人間の都合では元気な森として持続しないことも実感し、里山は人間だけの活動ではなく昆虫たちの働きがとても大切であるということも感じました。

川田先生、樹徳高校の先生と生徒の皆さん、友の会の皆様、「ぐんま昆虫の森」では大変お世話になりました。また、ぜひ、訪問したいです。(報告 事務局員・宮原 哲也)

 

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