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2011年8月の11件の記事

2011年8月30日 (火)

生物社会の掟に学ぶ森づくり

Photo  京都市で開催したフォーラムから10日間が経ちました。夏休みもあと1日を残すまでになり、間もなく9月を迎えます。国会では新しい総理大臣が本日決まる見通しです。どんな再生可能な自然エネルギー政策が打ち出されるのか楽しみです。

Photo_2  森を散策してみると、アオハダ、エゴノキ、ハクウンボク等の実が枝から垂れ、オオカメノキ、ナナカマド、コシアブラ等の実は初秋の光り受けて熟するのを待っています。これらは鹿や熊、鳥や虫の餌として、昔は私たち人間の食量となっていました。昨年豊作であったミズナラのドングリは、今年、見あたりません。

Photo_3  Photo_4 生物社会の掟は自然環境の変化によって個体は減少しますが、子孫は絶やしません。森に入って観察するとこのような事が実感できます。人間社会に取り入れるべきことが生物社会には沢山あるようです。まもなく9月、足尾と八幡平そして会津の森で“森とも”の皆さんと次世代に豊かないのち森を引き継げるように、楽しい汗を流していきましょう。

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2011年8月26日 (金)

誓い合った「宣言」は実現するためのもの

Dscf0058  再生可能な自然エネルギーを買い取る法案が本日、参議院で可決されるようです。その後菅首相の退任があるようです。菅首相は今月6日、広島市長の平和宣言を受けて「原発に依存しない社会をめざす」との考えを示しました。しかし、新聞、ラジオ、テレビ等の報道によると菅首相のその考えは次の政権では引き継がれないような気がします。本日可決される法案の行方が心配です。

 私たちは20日に開催したフォーラムで「森林を守り育てるためにも、再生可能な自然エネルギー政策らシフトすべきだ」と、宣言しました。そして、私たちは、“自然(森)の恵みを暮らしに活かす”社会を願って、日本の森を元気にしていくことを誓いました。(宣言文は下のファイルをクリックしてください)ここをダウンロード 

 誓ったことは合掌しているだけでは実現できませんので、そう願う地域の皆さんとスクラムを組んで府知事、県知事や市長に自然エネルギー施設の建設要求等について話し合っていければと思っています。社会を変える主人公は私たちですが、変えるには主人公が汗を流さなければならないと思っています。Dscf0081 (写真下は宣言を読み上げる小林敬さん)

2011年8月23日 (火)

山形県ファンクラブ、ナラ枯れ調査はじめる

Dscf0836 当委員会がフォーラムの準備で大忙しの8月18日、ナラ枯れの猛威で悩んでいる山形県内で「森びと山形県ファンクラブ」は、山形市からナラ枯れの現状を観察してきました。場所は山形市蔵王温泉近辺の山林で、14名の皆さんでナラ枯れの実態を観察してきました。

当日は雨模様でしたが、講師の山形公益の森づくり支援センターの白壁さん、山形市役所森林整備課の3名から現状の様子、そして対策などの説明を受けました。それによると、残念ながら山形県は全域でナラ枯れが広がっているとのことでした。そして対策は薬品注入ということでしたが、経費の問題もナラ枯れに追いつかないとも言われました。

 Dscf0830 終了後、参加者で意見交換をしたところ、山形市から参加した栃窪さんは、「私たちの住む山形市の近辺でこれほどナラ枯れ進行しているとは思わなかった。早くしっかりとした対策を取らなければ大変な状況に陥ってしまう」、と感想を述べていました。

Dscf0840 こうしたことからも、今後は森びと山形県ファンクラブの活動が注目されるし、その内容が問われていると思いました、当クラブでは、森びとプロジェクト委員会が計画している「炭による樹勢回復実証調査」に協力し、学んだ事を山形県内に活かしていきたいと考えています。

支援センター、山形市の皆さん、ナラ枯れ現地を案内して頂き有り難うございました。                                                   (山形県ファンクラブ代表・福澤発)

2011年8月22日 (月)

ナラ枯れ特効薬は、”人が森と生きていくために結集させる知恵と実践”

Dscf0061  20日、京都市・立命館大朱雀キャンパスに参集した森ともの皆さん200名は、ナラ枯れを防除し、自然(森)の恵みを暮らしに活かす社会を願って日本の森を元気にしていくことを誓い合いました。

Dscf0016  開会にあたって主催者の岸井成格理事長(NPO法人森びとプロジェクト委員会)、柴田晃立命館大客員教授の両氏は、文明と地球が岐路に立たされている現代に生きる私たちのやるべきことを討論してほしい、という主旨の提起を行いました。Dscf0021 来賓には、近畿中国森林管理局長・本村裕三氏のあいさつを代読した森林管理局計画部長・木暮甲吉氏、日本の森を元気にする議員連盟を代表して衆議院議員・山崎誠氏が出席され、ご挨拶を頂きました。また、フォーラムには、内閣官房副長官・福山哲郎氏、衆議院議員・奥村展三氏、京都市長・門川大作氏から祝電とメッセージが届きました。

 約4時間にわたる質疑・討論では、最初にナラ枯れの調査・研究をしてきた神戸市・細井直樹氏、東京都・村上幸一郎氏の両氏から活動報告がされ、それを受けて「ナラ枯れの特効薬は何か」を巡って討論が行われました。カシナガの駆除・防除等でナラ枯れ防止が行われていますが、討論では、ナラ枯れは日本各地に広がっている現状に鑑み、土壌汚染や環境汚染等の視点からも原因解明をしていくことが訴えられました。

 最後に「フォーラム宣言」案を採択して第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」は幕を閉じました。その後、希望者で開催した懇親・交流会には約80名が出席、交流の中では座長・岸井成格理事長から提案のあった「炭による樹勢回復を関西でも実施しましょう」、の実施に向けた意見交換が進められていました。

Dscf0083  フォーラム成功は、立命館大学生の皆さん、府立大学生の皆さんたちの準備の賜物です。夏休みを返上した準備をしていただきありがとうございました。(フォーラムの報告は随時ブログで発信していきます。皆さんの感想、ご意見をお待ちしています)

2011年8月19日 (金)

ナラ枯れ特効薬は探せるか?目標は日本の森を元気にすることだ!

P8192128  本日は京都にいます。9時30分過ぎに小林正秀先生とドッキングして、明日の観察会会場の建勲神社ルートをチェックしました。昨日までの猛暑の勢いはなく、今日の京都は26度位でした。

P8192126  建勲神社入り口には「区民の誇りの木・シラカシ」にカシナガが穿孔しないように防除が行われていました。神社の鎮守の森に生えている樹木は比較的若いので、何故なのかあー、と話していましたら、多分、市民が送り火を見られるように伐ってしまったのだろう、ということになりました。その辺のことは明日、宮司・松原宏さんに聞いてみることにしました。

P8192137  チェック後は、小林先生の教室である府立大で学生達との調査成果の一部をみせていただきました。最初に見せてもらったのは捕獲した何十万匹のカシナガでした。この虫が弱ったナラ等に最後の攻撃をかけているという話を伺いました。明日は、第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」の開催日です。現地で準備をしてくれました立命館大の学生の皆さん、府立大学生の皆さん明日の本番までよろしくお願いします。

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2011年8月15日 (月)

来月23日の森づくりをお楽しみに!

P8152120  今日は朝7時から草刈りをしました。場所は臼沢の森で30度ある傾斜の階段を約550段登ったとこです。天気は晴れ、松木沢から吹き上げる爽やかな風を受けながら2時間ほど草を刈りました。

傾斜地での草刈りなので足場をしっかり固定をして作業をすすめました。9月23日には、この地に2千本以上の苗木を植えていきます。

P8152116  階段を登っていく途中には、昨夜降った雨を葉に集めているカツラが元気な姿を見せ、その周辺にはイタチハギの小さな薄い紫色の花を付け、“秋はそこまで来ているよ”、と言っているようでした。

 P8152110 その後は下山して新松木の杜の草刈りをしましたが、30分もすると豪雨が降りだしました。作業を中止して私たちは「どくだみ荘」に戻り、濡れた身体をシャワーで洗い落としました。丁度昼食時間でしたので、栃木県名物?の「ニラ蕎麦」を作って食べました。

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2011年8月13日 (土)

ナラ枯れが30都府県・被害量は33万立方メートルとなった!

P8132094 昨日から高速道路渋滞や鉄道の乗車率報道を多く耳にしますが、今年は故郷へ向かう家族の皆さんの声や顔には故郷への想いが強く滲んでいる気がします。それは故郷へ返りたくとも返れない原発事故で避難生活を強いられている皆さん、自然の恵みで生活している牧場経営者や稲作生産者、漁業の皆さんの生活苦と生活不安が頭から離れないからでしょう。

P8132098  今日の毎日新聞には、林野庁発表の「ナラ枯れ被害量」が報道されていました。昨年度の被害量は対前年で1,4倍増加の約33万立方メートルでした。発生地は30都府県に拡大したそうです。このまま放置していると農漁業への悪影響、災害を引き起こすことになってしまいます。原発事故による被害を含めると、自然(森)を元気にする活動は緊急を要しますね。20日に開催する第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」の討論が大変重要な意味をもちます。なお、林野庁は本年9月を「ナラ枯れ被害調査強化月間」に設定し、全国的な調査を実施するそうです。

P8132102 今日は気温30度を超す中で草刈りと階段作りをしました。どちらの作業も9月23日に開催する第23回足尾・ふるさとの森づくりに向けたものです。階段作りは事務局の小川君一人で完成させてくれました(階段名は「10B階段」です)。草刈りは臼沢の植樹会場用の場所を刈り払機で行いました。松木の杜のクリが小さな実を付けていました。

2011年8月10日 (水)

自然の恵みを暮らしに活かす時代は生活からはじまる

P8062067  猛暑日が続いていますが、暑いときこそ自然の恵みが実感できます。今日も足尾では炎天下の中で草刈りが行われています。鎌を振る手を休めると、松木沢から吹きあげてくる風が疲れをとってくれます。また、今日は日比谷公園を歩きましたが、コンクリートジャングルから吹きつける熱風よりも公園では3~4℃低い風に感謝することができました。

 P8062065 山手線の電車内では親子がスタンプラリーをやっていましたが、それを見て思ったことは、ラリーの途中でもいいから公園の森で自然の恵みを味わってほしい、と思いました。

P8062059 “みちくさ”をしてきた筆者の子供の頃の夏休みは様々な生きものに触れ合って、間接的に“いのち”を学んできました。今月6日に実施した「プレ・夏のみちくさ」で創作してくれた「森の妖精や神様?」を見ると、自然を敬うこころが滲んできます。今年は国際森林年ですから、意識して森の散策を楽しむことをお奨めしたい。(写真:「森の妖精と神様?」・自然の食材で昼食)

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2011年8月 8日 (月)

社会を変えるのは犠牲が伴う

P8073245  連日の雷と大雨の足尾です。午前中は晴れ、午後は雷雨という天気で植物(草)は元気で伸び放題です。2年から3年前に植えたブナやヤマザクラ、ヤマモミジなどの幼木はその勢いに負けています。    

先月下旬の3日間と今月6日~7日にかけてJREUの育樹ボランティアが行われました。延べ100名程の組合員の皆さんが臼沢の森に登り、幼木たちに元気を与えてくれました。皆さんは昼食を14時頃に遅らせる作業方法で一気に草を刈ってくれました。本当にありがとうございました。

P8073249 昼過ぎは雷雨のために鎌を持った作業は非常に危険なために、この作業方法は賢明でした。作業を終えた皆さんは、濡れた身体を拭いて水分を要求している身体に冷たい飲み物を補給していました。植樹をしながらの懇親会では、原発事故と自然エネルギー利用について話が弾んでいました。

6日の広島平和記念式典では、松井一実市長が「早急にエネルギー政策を見直す」ことを政府に求め、菅首相は「原発に依存しない社会を目指す」ことを表明しました。現代は“自然の恵みを暮らしに活かす”時代になりました。スローガンだけでは原発に依存しない社会は達成できません。私たちの生活の中で自然エネルギーの有り難さを感し、その意識を世界の“森とも”の力に発展させていくことなしには達成できないのではないでしょうか。JREUの懇親会を聞いてそんなことを思いました。

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2011年8月 3日 (水)

未来のほどほどな繁栄の基盤は生物(森)がつくりだす

P7122006  久しぶりに夏の日差しがあったとおもったら雨が降ってきた東京事務所です。雨が降るとコンクリートの熱風が吹かないので嬉しいのですが、夏ですから暑い日差しも恋しくなります。

 昨日は、“炭による樹勢回復実証調査”の具体的な方法を話し合いました。会議には調査チームの宮下キャプテン、仁平事務局、岡安スタッフそして検討委員会事務長・髙橋さんが出席し、9月に予定している調査方法を検討しました。

 会議では、300本以上のコナラやミズナラなどの樹勢を一本ずつ調査する方法は大変な作業ですが、土壌から梢までの調査をしっかりすることが調査の基本であることを肝に銘じて作業することにしました。

Photo  ナラ枯れの猛威は各地に拡がっています。林野庁をはじめ多くの森林関係者や市民・学生が様々な方法で駆除・防除していますがナラ枯れの特効薬になっていないようです。炭による樹勢回復実証調査は特効薬を求めていくのではありませんが、樹木の基礎体力を高める基盤は漢方薬(炭)でないのかを実証します。

「幾度かの激変を経験した地上の生物は、地下で豊かなエネルギー源となり、次のより高等な生物のために、豊かな繁栄の基盤を準備したが、人類は自然を破壊し、鉄とコンクリートの廃墟の山を造る」(7/29付け『日本農業新聞』・「四季」より)というように、豊かな繁栄の基盤を準備してくれた樹木(炭)の力でナラ枯れを救ってもらいたいと願っています。8月20日に開催する「第4回森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」では、ナラ枯れ防止に汗を流している市民と学生たちそして学者・研究者の皆さんの英知で、未来のほどほどの繁栄の基盤を探りあてたいものです。

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森びと検索

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