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2009年12月の13件の記事

2009年12月31日 (木)

私たちの心に、子どもたちの心に木を植えた09年

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 今年の事業は“心に木を植える”ことに力点をおいて展開しよう、ということでした。地球温暖化の原因をつくったのが人間である以上、人間が温暖化をストップさせなければ、と私たちは森びとプロジェクトを起ち上げました。その目的のためには、いのちの森づくりを通じて“人は森に生かされている”という視点から社会を観て、私たちの生き方を足下から変えていく努力を地道に行う、ということでした。
 Photo_2 ということで今年は、子どもたちや海外の方々との交流にチャレンジしてきました。人間は森から生かされていることを体験・学習することの重要さをドイツから学び、その日本版にチャレンジしました。授業は、川崎市古川小学校の一年生87名を対象に進められ、教諭そして父兄の皆さんも一緒に森の大切さを体験・学習してきました。その他にも保育園の園児と父兄の皆さんとのドングリの苗づくり、「森びと親子自然教室」では親子の皆さんと森に入り、樹木と遊んだり、虫と友達になりました。
 Photo_3 また、アジア・アフリカの森林関係者、フィリピンのNGOの皆さんとも荒廃地での森づくりを体験・学習することができました。振り返ってみると、子どもたちの森の授業にしても、アジア・アフリカ各国での森づくりでも、大切なことは森づくりを実行するリーダーの存在でした。
 校長先生や担任の先生、保育園の園長さん、アジア・アフリカ各国の森林担当者がその気になって、森づくりを実行してみないことには何も前進しない、ということでした。今月の森びと望年会で報告してくれたフィリピンのチョディさんのように、地元で子どもたちや住民と森づくりを実行してみた結果、子どもたちの心に森を大切にする意識が芽生えてくるのではないでしょうか。
 この原稿を書いている時、「森びと親子自然教室」で一緒に学んだ千葉県の高梨りょう子ちゃんから、新年のメッセージとお父さんと共に作った野菜が届きました。りょう子ちゃんありがとうございました。良いお年を迎えてください。

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2009年12月30日 (水)

信念を貫き通す森びと達に支えられた09年

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 日本の森を救う緊急提言を提出できたのは、多くの皆さんに支えられて5年間の森づくりが地道に続けられてきた結果です。来年は森づくりをはじめて5周年の年です。支えてくれた多くの皆さんに心から感謝申し上げます。
 今年も多くの皆さんの“自然環境と人間の生命を大切にする心”とその情熱、そして苦労を惜しまない育樹・育苗活動によりまして8、979本の木を植えることができ、その心を吹き込まれた苗木たちは冬の眠りに入っています。
 P4260955 足尾では今年の早春、雪の降る中で重機を操縦しての開墾、そしてスコップでの穴掘りが苗木たちを元気にしています。みちのくでは、雨にもかかわらず森づくりに参加してくれた皆さんの心を大切にして、事務局は自然の力を活かした育樹・育苗活動をすすめています。この森づくりには、年間1千人以上のボランティアの皆さんの情熱と汗が結晶し、過去に人間が壊した森(旧足尾銅山跡地と旧松尾鉱山跡地)を、いのちの森へと回復させています。来年は“山と心に木を植える”運動がもっと社会へ躍動できればと願っています。
 天気予報では、大晦日から元旦にかけて雪と寒さが厳しい、と報じています。自然の恵みに感謝し、今年の森づくりを振り返ってみることにします。

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2009年12月27日 (日)

「日本の森を救う緊急提言」にご賛同を!

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 今年も残すところあと4日になにました。今日、森びとホームページでは地球自然環境を憂う皆さんへ、日本の森を元気にするための「日本の森を救う緊急提言」を訴えかけました。是非、緊急提言を読んで頂き、多くの皆さんからの賛同とご意見を頂戴したいと願っています。また、私たちは新春から「日本の森を元気にする仲間たち」に呼びかけて、衰弱している森に炭を撒いていこうと計画を練っています。炭撒きの計画はホームページ上でその都度呼びかけていきます。
 COP15の結果は人間の命よりも“国益”が優先になってしまうという原因で、責任の擦り合いと途上国への支援を盛り込んだ程度で終わってしまいました。115カ国の首脳が出席した会議なのになんと情けないことなのか、と空いた口が塞がりませんでした。
 嘆いていても自然環境破壊はなくなりません。できることを地道に行い、“山と心に木を植えて”いくしかないとおもいます。写真・左のポット苗は白く菌根が付いている根の苗、右が菌根がない根の苗です。元気の違いが分かります。この差は炭です。ポット内に粉炭を混ぜて苗を植え替えした苗は元気なようです。2010年は、“燃料炭から生命炭へ”をもう一つの合い言葉にして、日本の森の土壌を元気にし、元気な土壌に木を植えていきたいと願っています。
 今年一年間、皆様のご支援に感謝いたします。

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2009年12月25日 (金)

民主党、国家戦略室へ緊急提言を提出

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 今日の衆議院と参議院議員会館内は様々な方々が忙しく歩いていました。何故かと思いましたら、来年度予算案が本日、閣議で決められる日だからだ、ということでした。そんな中、当委員会は「日本の森を救う緊急提言」を民主党に提出しました。
 小沢一郎幹事長に代わって提言を受理してくれたのは細野豪志副幹事長でした。岸井成格理事長が提言の主旨を説明し、その後、日本の森を元気する特効薬である炭のパワーを実感してもらおうと炭をプレゼントしました。この炭は、青森県三戸郡新郷村の特産品で、須藤良美村長から提供されたものです。
 Img_0991 午後は、フォーラムに参加し最後まで耳を傾けてくれた平山誠参議院議員事務所を訪問し、日本の森を元気にするアドバイスを頂戴しました。その後は、国家戦略室を訪問し、菅直人副総理兼国家戦略担当内閣特命担当大臣へ提言を提出しました。提言の主旨説明は髙橋副理事長、宮下理事、稲葉理事が行い、戦略室の内閣審議官・梶山さんからは「森林・林業再生プラン」(新たな森林・林業政策)の考え方を聞きました。フォーラムの声が国会の中にも伝わっています。(仁平事務局員発)

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2009年12月24日 (木)

「日本の森を救う緊急提言」を参議院議員に説明

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今日はクリスマス・イブで街は賑やかですが、国会議員の皆さんは忙しそうでした。今日の昼は、民主党副幹事長・今野東参議院議員事務所を訪問し、日本の森を元気にするための「日本の森を救う」緊急提言について訴えてきました。

今野東議員の紹介はJR東労組の佐藤公雄執行副委員長さんにお願いし、同行して紹介して頂きました。森びとからは、稲葉理事、清水事務局次長が今野副幹事長にお会いして、日本の森が衰退している現状、その原因は酸性雨などであり、酸性化した土壌改良を国の政策として早急に実施できるように、民主党の力を貸してほしいとお願いしてきました。

今野副幹事長には、日本の森の衰退状況を認識して頂き、国会議員としても勉強していかなくてはならないアドバイスを頂戴しました。難民支援や平和を守る活動に尽力されている今野副幹事長に年末のお忙しい中、快く対応していただき大変ありがとうございました。また、今野副幹事長を紹介してくれました佐藤執行副委員長ありがとうございました。(清水事務局次長発)

2009年12月23日 (水)

足尾は真冬です。樹木から生きることの強さを学ぶ

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 今日は冬至でした。テレビ報道ではゆず湯に入ったお爺さんが自然の恵みの有り難さを身体に表せていました。新聞報道では、ポーランドでは寒波で10数人の方が命を奪われたということです。アメリカでも寒波が猛威を振るっているそうです。自然の力は人間の想像以上であり、スパコンでも異常気象から防衛することはできない力を秘めているようです。
 ゆえに自然環境と人間の心を大切にする皆さんの願いが宿っている樹木には頑張って根を張ってほしいと、事務局は足尾の現場に立って苗木達の生命を守り抜いています。今月17日~19日にかけて事務局は足尾の現場に立ち、18日から雪に覆われた森びと広場や松木の杜、うす沢の森の樹木を調査しました。鹿に食べられてしまったユキツバキ、ヤブツバキは必死になって生きていますし、シラカシ、アセビも雪に負けずに息をしていました。
 Cimg4916 積雪は30㌢程ですが、一面は真っ白でホオジロの声だけが響き、自然力は「静寂」という情景をつくっていました。こんな中で仕事をしていると、まさしく私たちは自然(森に)に生かされていることを改めて実感することができました。こんなことを感じていると、ユズ湯に入っていたお爺さんの顔は、自然の恵みを身体で感じ取って感謝しているように感じました。今日は「冬至」という言葉の意味を噛みしめた日でした。(松井東京事務所長発)
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2009年12月18日 (金)

伝統建築で家が作れないなんて、日本はおかしい!

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 木の文化の素晴らしさを現代に活かす一人でありたいフランス人・ロアさんの講演の後半は、その素晴らしさを壊している私たち日本人への怒りでした。
 ロアさんは、いいものを作りたいと思っても邪魔な事が日本にはある。例えば、日本の伝統的建築では柱の元は丸い石が使われているが、この方法だと地震が起こっても建物は全て壊れない。ところが現代は、無理矢理に木に金物を使わなくてはならない。余計なことをすると木造建築は駄目になってしまうのに、お寺を作るにも金物を使わないと駄目なんです。建築基準法を考えている人は何を考えているのか、と。日本の木の文化の素晴らしさを壊している日本人のおかしさを、フランス人のロアさんは嘆いていました。
 そう言われると地震や土砂流失等の現場写真を見ると、コンクリートは壊れているが神社は全て壊れていないのが目立ちます。柱や屋根は流されている、移動していることはあってもそれらは改修可能な木材となって残っているようです。
 P1030615_r ロアさんの匠・加藤吉男さんにお会いした時、棟梁は「地震、土砂流出そして大火事が発声した場合、必ずその現場に立つ」と言ってしました。その現場に残っている伝統建築と近代建築の相違を身体に染み込ませている、とも言っていました。ロアさんの怒りは、そのような棟梁の技の基底に脈々と流れている木の文化へのこだわり、木に生かされている人間の心への怒りであるような気がしました。
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2009年12月14日 (月)

「日本の森を救う緊急提言」を申し入れる

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 昨日は第3回理事会を開きました。そこでは先月開催した「第2回森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」を振り返り、参加者からのアンケート(感想)と「フォーラム宣言」を基にした提言を審議・作成しました。提言は「日本の森を救う緊急提言」とし、民主党連立政権に提出することにしました。提言は年内にホームページ上にアップしますので、日本の森を元気にしたい皆さんの協力を訴えます。(フォーラム宣言はホームページをクリック)
 理事会では提言を提出した以上できることはやっていこうと、日本の森を元気にしたい仲間の皆さんと衰退している森に炭を撒いていくことにしました。当面、新春(2月)には群馬県桐生市内の森で、モンゴリナラを元気にする炭撒きを実施することになりました。日本の森を元気にする炭撒きは、年内から来春にかけて準備をすすめ、できる県から始めていくことにしました。
 Pc132729 理事会後は忘年会を行いました。忘年会には、3年前に実施されたJICAアジア・アフリカ地域荒廃地の植生回復研修生でしたチョディ(フィリピン)さんの特別参加がありました。チョディさんは、足尾で学んだ植樹方法を地元版に活かし、村民とともに森づくりをしている様子をパソコンで紹介してくれました。また、チョディさんは岸井成格理事長にお土産を持ってきてくれました。チョディさんありがとうございました。

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2009年12月11日 (金)

日本の木の文化は自然の力を蘇らせること

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 キャンパスフォーラムの第1部・講演の二人目の講師はロア・ウイリアムさんでした。ロアさんは、宮大工修行中のフランス人です。ロアさんは、フランスでも建具の職人修行をしていましたが、フランスでは木材は使い捨ての考え方でしたのでそれに疑問をもち、木をそのまま使う仕事をしたいと思い、フランス修行時代は屋根裏で日本の木の文化を学んでいた、と言います。
 そのロアさんからは、「宮大工の修行は一生かかる。自分が建てた建物は10年、20年、30年後も調べて学ぶ。雪が多い地方、雨が多く降る地方そして地震に耐える建築が、こうした地方に合った材木を選び、活かして建てると長持ちする。木が長持ちするのは、木の選定と腐りにくい木にする道具の選定だ。その道具で木は作られ、その道具は日本の砥石によって磨かれている。日本の文化は刃物と砥石の文化だ。それを巧みに活かしているのが日本人の技術だ」、という主旨の話をしてくれましした。
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2009年12月 7日 (月)

森林政策の見直しへ、議員の皆さんに訴える

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 今日からCOP15が始まりました。ヨーロッパ各国では多くの市民が注目している様子がテレビニュースで報じられています。日本の場合はそのようなニュースが流れていないようです。心配している皆さんは多いと思いますが、日本ではこの会議が社会の話題になっていない様です。
 そんな中、当委員会は先月29日のフォーラムで採択された「フォーラム宣言」を持って衆議院議員会館を訪れ、日本の森を元気にする政策を議員の皆さんに訴えてきました。民主党副幹事長の細野豪志事務所(写真)では、「フォーラム宣言」をベースにした提言の主旨に賛同していただき、日本の森を元気にしていく道筋を探っていくことになりました。秘書の蔵野雅章さんアドバイスありがとうございました。今日の国会周辺は銀杏の黄金の葉が眩しいくらいでした。

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