2020年9月29日 (火)

渡良瀬川源流の森よ、よみがえれ!

 先日、足尾の荒廃地の緑化に取り組んだ人々の苦労をまとめた「森よ、よみがえれ 足尾銅山の教訓と緑化作戦」(1990年4月第一刷)を執筆した元林野庁長官・秋山智英さんの訃報に接しました。

 森びとの一員として足尾での森づくりを始めたときに、何度も読み返し、荒廃地での森づくりの困難さと、多くの先人の努力を学ばせていただきました。

 

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 秋山さんは1960年(昭和35年)当時、群馬県の沼田営林署長職にあり、足尾荒廃地を視察した際に見たものは、『足尾国有林を望見すると、全山むき出しの岩肌、赤茶けた土、一木一草も生えていない丸坊主の山並みの連続であった。一瞬、これらが山紫水明の国日本の山並みかと、自分の眼をうたがう程の強烈なショックを受けたことを今でも鮮明に記憶している。』『赤茶けた旧斜面に、命綱を張りつつ懸命に植生盤筋工にとりくんでいた作業員の方々の真摯な姿や、とうとうとして流れる久藏川の濁流が私の脳裏に今なお、きざまれている。』と著書の中で述べています。

 

P9291908〈著書「森よ、よみがえれ」より〉

P9291907〈著書「森よ、よみがえれ」より〉

 足尾町民や林業・治山関係者の努力により、現在、その久藏川流域の斜面には緑がよみがえり、濁流も、魚が回遊する清流となっています。

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 9月19日の森作業の後に久藏川の森を見に行きました。林道を進むと関東森林管理局の大きな看板と、大きく生長した赤松の植栽地が目に飛び込んできました。

 

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 さらに車を進めると、川を渡る橋の先の道がえぐられ途切れていました。ビックリしました。バックして安全な所に車を止め、確認すると橋を補強する鉄骨の補強も亀裂が走り、道路は3mほどえぐられていました。昨年の台風による増水によってえぐられたのではないかと思いますが、緑化が進む久藏川でも道路が寸断されるほどの水量(土石流?)が流れていることを見ると、森がなかったら、下流域の被害はどれほどになっただろうかと危惧しました。

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 当委員会は松木川の北側旧松木村跡地で森づくりを行っていますが、川を挟んだ中倉山北側の斜面(松木川南側)では、「動く土を止める」工事が行われています。まずは「草を生やし、土を止める」こと。流れ落ちる土砂を止める「砂防ダム」造りです。

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人間が壊した自然は人間の手でよみがえらせなければなりません。「次は木を植えよう!」と秋山智英さんの声が聞こえてくるようです。

 

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秋山さんが足尾荒廃地を視察してから60年を経た2020年。まだまだ荒廃地の広がる源流部です。困難だからこそ、多くの人々と手を取り合い、いのちを守る森をよみがえらせたい。

(筆者 清水 卓)

南相馬市の森の防潮堤に60本の苗木を補植しました

 彼岸も過ぎ、めっきりと秋らしくなった南相馬市。台風の被害はありませんでしたが、福島県太平洋岸は大雨に見舞われました。森の防潮堤の育苗場は大雨による被害ありませんでした。私たちは、新型コロナウイルス感染症に注意しながらウィズコロナの生活をひたむきに送っています。

P1050295  昨日28日の天気は曇り、気温22度、湿度50%と清々しい作業日和でした。森作業は、応援隊会員7名が参加しました。いつもの通り、まずはホットコーヒーを飲みながら作業ミーティング、その後の作業ではポット苗約300ポットの雑草取りと化成肥料の散布を行いました。

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P1050289  休憩後、海岸側にタブノキ15本、シロダモ15本、シラカシ15本、アラカシ15本 4種60本の補植を行ないました。8月に補植したシロダモなどは順調に生長していました。 

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P1050286  次回の作業は来月8日(木)10時から予定しています。10月25日の南相馬市鎮魂復興市民植樹祭は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため縮小開催となり参加者は南相馬市民限定となりました。参加できなかった人たちの思いを込めて植樹祭を成功させていきたいと思います。

P1050293  今日の参加者は、渡部代表、菅野副代表、松林副代表、山田悦子、道中内 仁、東城敏夫そして筆者でした。(敬称略・報告 岩橋 孝)

2020年9月23日 (水)

台風12号に備え、南相馬市の森の防潮堤応援

 台風12号と秋雨前線の影響なのか、ヒンヤリと感じられた今日。9月の作業集も今回で3回目となりました。ホットコーヒーを飲みながらの打ち合わせは、渡部代表からの差し入れの甘いスイカを食べながら、夏の終わりを感じながら行いました。

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Uff0e_2  作業は、台風の被害にあわないように育苗場にある木材等の後片づけを行いました。軽トラで木材を片付けました。他のメンバーは前回同様、ポット内の草取り、肥料散布、水撒き作業を行いました。

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Uff0e_4  休憩タイムは、台風の進路や全世界的におかしくなっている気候変動の話となりました。この時間はとても大切で、応援隊スタッフの心がひとつになる大切な時間でした。

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Uff0e_6  28日の作業では、苗木のすべての草取り・肥料散布を終了させる予定です。草取りをこまめにやっていると色々と気づくことも多くあります。渡部代表がタニシに似た小さなカタツムリを発見。葉を食べて成長しているのだと話されて驚きました。

Uff0e_7  24日、25日の台風接近が心配ですので、苗床から近い岩橋さんを中心に苗床の点検をすることをお願いし、本日の作業は終わりました。

Uff0e_8  自宅への帰り道、飯館村前田地区には、私も手伝って植えたそば畑に白い花が一面に咲いており、気持ちが和みました。今日の作業は、渡部、菅野、松林、山田、岩橋、道中内、東城でした。(報告 東城敏男)

2020年9月20日 (日)

お彼岸を迎え、先人たちに手を合わせる

今朝の中倉山はどんよりとした雲に覆われ、山頂は見えません。

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ゲートで待ち合わせをしていると、川原からガサゴソと物音が…。

眼をやると…

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子どものイノシシが逃げて行きました。

周りを見渡しても他には見当たらないので、独り立ちしたイノシシなのでしょう。元気に育って欲しいものです。

でも、植林地は荒らさないでね…。

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刈払機を積んで出かけます。

今日の作業はお墓の周りの除草作業。

奥のゲートから先は徒歩で…。

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崖を登って…。

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除草開始…。

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花をたむけ…。

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松木の先人たちに手を合わせます。

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次は臼沢の入口祠…。

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草を刈って、花を手向け…。

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深々と首を垂れます。

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最後に松木村の入口…。

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先人たちに森づくりが順調に進んでいることを報告して来ました。

広場に戻って、城山で使用するクワの準備。

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柄が抜けてしまったものを補修し、来月の植樹祭の会場に運び易いよう束ねておきました。

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水に浸しているのは、クサビが抜けないよう木の柄を膨張させるため。おじいちゃんの知恵だなぁ〜鎌田さん.勉強になります。

最後に小屋の周りの草を刈って終了…。

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お昼休みに、弘永さんが広場の北側の柵の中にイノシシが入っているのを見つけたとのこと…。

金網は補修しましたが、まさか、あのイノシシでは…?!

残念ながら画像におさめられずに逃げてしまいました。

今日のスタッフは、鎌田、弘永(敬称略)、小柴でした。

(報告:小柴 隆一)

新松木の杜の草刈りで新たな発見。森びと広場には珍客が訪問。

本日は9月19日(土)、秋雨前線が北上し雨の天気予報でしたが、足尾・松木渓谷は曇り空で、時折青空が広がりました。

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森びと広場の9時の気温は21℃、朝のコーヒーを飲みながら本日の作業打ち合わせを行いました。午前中は“新松木の杜”の草刈り。秋の彼岸ですので、午後は祠と墓石周りの草刈りをすることとしました。

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早速、刈り払い機の準備をおこない“新松木の杜”に向かいました。刈り払機で怪我をしないように草を刈る場所の距離をとり、福原さんは2012年の植樹エリア、松村宗さんは2011年の植樹エリア、筆者・清水は道路脇の草刈り後に林内の草刈りを行いました。

 

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草を刈っていると林内で新しい発見をします。“民集の杜”でも確認されましたが、2011年エリアに白膠木(ヌルデ)が自生していました。名前は、幹を傷つけて白い汁を採り、塗料に使ったことに由来するそうです。

 

P9191592 白膠木(ヌルデ)の幼木

2012年エリアでは、楮(コウゾ)が自生。クワ科の植物ですが紅い丸い実をつけます。若い木の葉は二裂、三裂しますが樹齢を重ねると丸くなります。樹皮からは最高級の和紙が出来るそうです。

 

P9191615 楮(コウゾ)の木

鳥が実をついばみフンと共に落とした種や風が運んだ種が活着し生長した各幼木に、気を配りながら、福原さん、松村宗さんは草刈りを行っていたそうです。流石です。

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P9191537 4連休の初日、久しぶりのハイカーの姿

草刈りを終え、森びと広場に戻る途中、坂道から広場の植栽地を見ると、地面を掘っている動物がいました。なんと、イノシシです!急いで広場に向かいイノシシを追い出そうとすると獣害柵にタックルして金網を破ろうとします。驚くことに、突進して網目に頭を入れ、そのまま抜け出ていきました。体調1mほどのイノシシでしたが、20㎝×15cmでもすり抜けてしまうのには驚きました。

 

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植栽地はイノシシに掘り起こされ、草刈りの手間が省けた感じです。北側の草が伸びたところを確認すると、ヤシャブシが活着し放題でした。生長が早く、エノキやクヌギを脅かすので一つ一つ手で抜きました。根を乾燥させるために中央の岩の上に載せると山のようです。

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イノシシが侵入したので、午後の作業を変更し、エノキやクヌギ、サクラなど植えてある木を食害防止ネットで囲うことにしました。

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 鉄筋を打ち、食害防止ネットで囲み終えた後は、みちくさの庭にイノシシが入っていないかを確認に行きました。ネットを破って入っていないので安心し、彼岸花やリンドウの咲き具合を確認していると、開けておいた入口からイノシシが入り込み、二度目のビックリです。みんなで手を叩き、大声を出しながら柵の外に追い出しましたが、油断大敵です。これからは柵の入口を締めて森作業をしなければと思いました。

 

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彼岸花は、茎が伸び、赤い花びらが見え始めました。開花が待ち遠しいです。よく見ると、赤い彼岸花の中に一輪だけ白い花をつけているものが確認出来ました。昨年は確認できなかったので、開花が楽しみです。

 

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先週、松村宗さんが植えたリンドウは紫色が濃くなりました。昨年、福原さんが実家から移植したリンドウはこれから花が色づくようです。

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森の木々も秋の気配が漂い、トチノキの葉は茶色に、モミジやサクラは葉が紅くなってきました。栗は豊作のようですが、広場の柿の実は生りが少ないようです。

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驚きの連続となった1日でした。本日の森作業は、福原さん、松村宗雄さん、筆者・清水でした。

(報告・清水 卓)

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