いのちを大切に、無駄なものはない。
7月13日(日)の足尾は、昨日とは打って変って、暑い一日となりました。
今日は足尾のお盆の入りです。朝一番に旧松木村にある三か所のお墓と祠に参加者全員でお花を供えました。
120年以上前に廃村に追い込まれた松木村で、20年間森づくり活動を行ってきた私たち。村人が森と生きてきた想いを忘れないことと、「森びとプロジェクト」をリードし、道半ばで亡くなられた方々の勇気と情熱に感謝し、「母なる森」の手入れ作業への安全を祈念しました。
今日の森作業の責任者は田城さん。ミーティングを行い、今日の作業は「みちくさの庭」に植えた花が草と間違えて抜いたり刈ったりされているので、草花がどこに植えてあり、何の花があるのかわかるようにすること。「みちくさの庭」にある草花に名札を付ける作業を行うことにしました。
すると、「みちくさの庭」担当の松村宗さんから、「庭にあったセンダイハギが伐られてしまったので、自宅に持って行って芽を出させた」と、青々とした葉っぱを付けた「センダイハギ」を見せてくれました。それを見て、森びとの心は、すべての命を大切にする・無駄にしない心を育むことだと思いました。
それから先日、作業小屋にオオムラサキが舞い降りました。それは松木郷の森に「棲めるかどうか見にきたのではないか」という話もありました。「民集の杜西」のエノキに、数年前に取り付けた幹ガードが窮屈になってきたので取替えることにし、午前中はこの二か所に分かれて作業を行いました。
昼食後は、エノキの幹ガード取替えが終らなかったので、”みちくさ”の舎人に田城さん一人を残して、二人一組で幹ガード取替え作業を行いました。
暑さを気にし、休憩を取りながら幹ガードの取替えをしていると、橋倉さんが突然「あ、オオムラサキが飛んでいる!」と大声で叫びました。全員が中倉山方面を見ました。約10メートルにも生長しているコナラやクヌギなどの緑豊かな「民集の杜」にオオムラサキの姿が消えていきました。
間違いなく、森(杜)とオオムラサキが森ともの心を育み、“森は友だち!”と絆を深めていく架け橋になると確信しました。
参加者したスタッフも、この森を「オオムラサキが舞う松木」に蘇らせようと、29本のエノキの幹ガード取替え作業に汗を流しました。そして、命日(7月16日)も近いので、オオムラサキが天空からメッセージを運んできているのかもしれないと想い、宮脇昭先生の記念樹に寄って「20年の森づくりの感謝と母なる森への手入れを地道に進めて行くこと」を改めて報告しました。
本日の森作業は、田城さん、松村宗さん、橋倉さん、武田さん、田口さん、済賀さん、加賀さん、坂口さん、大野でした。
<報告は大野昭彦>
最近のコメント