2024年3月11日 (月)

東日本震災から13年、鎮魂の願いを込めて祈念植樹

 本日は3月11日。2011年に発生した東日本大震災、東京電力福島第一原発事故、津波被害から13年目を迎えました。南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊は、鎮魂の願いを込めた祈念植樹を行うため、第1回植樹会場(2013年・鹿島区南右田地区)に10時に集合しました。

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 参加者全員で打ち合わせを行い、応援隊の松林英夫代表から、「あっという間の13年が過ぎましたが、当時の教訓を忘れず語り継いでいかなければならないと思います。」とのあいさつをいただきました。その後、海に向かって東日本大震災による犠牲者に哀悼の意を込めて全員で黙とうを行いました。

 祈念植樹は、シロダモ、シラカシの2樹種、各15本を昨年同様に植樹会場の東側の盛土に丁寧に植樹しました。

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 植樹後は森の中を散策しました。2013年10月に植樹した苗木が樹高も6メートル以上となり、木々の生長ぶりに応援隊スタッフ一同感動していました。

 植樹地の散策終了後、菅野副代表の自宅にお伺いし、震災の犠牲となられたご家族の仏前にお線香をあげさせていただきました。その後、墓前にもお線香をあげてさせていただきました。菅野副代表からは「月日の経つのは早く感じるが、応援隊での育樹・植樹活動や相馬野馬追等の取り組みを通じて頑張っていく」ことを改めて話されました。

 東日本大震災から13年。原発事故による帰還困難区域は今も7市町村約310平方キロも残り、避難者は2万9328人にのぼります。1月1日に発生した石川県能登半島地震で犠牲になられた方や避難生活を余儀なくされている皆さんへの思いも馳せて、一日も早い復興と震災の経験を風化させず鎮魂の願いを強くした祈念植樹となりました。

 今日の参加者は、渡部顧問、松林代表、菅野副代表、山田事務局、小川事務局、道中内スタッフ、松本スタッフ、宮城県ファンクラブ林代表、筆者・岩橋でした。大変お疲れさまでした。

<お知らせ>

 来る6月9日(日)第12回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が、南相馬市小高区塚原地区において開催されます。全国の森林ボランティアの皆さん、森びとの皆さん多くの方々の参加をお願い致します。

(報告 事務局 岩橋 孝)

 

 

 

 

 

2024年3月 6日 (水)

春を迎える森作業

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Dsc09860   足尾では昨晩から朝方にかけて降雪がありました。本日(6日)は、ダムゲートで10cmの積雪がありました。足尾町内には除雪車が出動していました。森びと広場の気温は2℃(9時)でした。雪は止み、肌寒い曇り日でした。作業小屋の薪ストーブの暖とホットコーヒーを飲みながらの作業打合せ。

Dsc09884 作業責任者の加賀さんからは、ひとつは、柳澤さんが運んでくれた散歩道整備資材の竹を各杜の入口に設置グループ、「臼沢西の森」の獣害ネット補修のグループ、「臼沢の森」内の貨物労組植樹地の獣害ネット補強のグループに分かれた作業内容が伝えられました。午後は、全員でみちくさ前に保管してある縦杭の移動と保管をすることにしました。

 早速、修繕資材を持って「臼沢の森」内の雪上を登っていくと階段では滑り易く、転ばないように注意しながらの作業でした。

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Dsc09936「臼沢の森」内は樹皮が食べらた痕が多く見られました。餌の少ない時期に木の皮を食べて生きようとする動物の生命力に驚かされました。その樹皮はモミジ系の木に多く見られました。また、地面近くには樹皮の食べ残しがあり、シカか猿の食事の跡ではないかと想像しました。Dsc09896

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Dsc09912JR貨物労組の植栽地内では幼木の幹がナイフで切られたような跡が多く見られ、現地ではウサギの食害ではと話しました。西側斜面のネットには金網目の小さい金属に雪が吹き溜まりっていました。これではうさぎの出入りは自由になり、別の金網で補強しました。傾斜が30度位の植樹地に積もった雪上での作業では身体を維持することが大変でした。

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Dsc09926 12時に下山。金網の網目の細かい金網から網目の大きい金網に交換しなければと話し合いました。また、作業の安全確保のために階段を設置することも話し合いをしました。

Dsc09943 作業小屋に戻ると、足尾在住の橋倉さんがけんちん汁を用意してくれました。宿直後に自宅でつくった暖かい汁に冷えた身体と心が温まりました。ごちそう様でした。

Dsc09947 午後作業は、太い縦杭を「うんしゅう亭」の軒下に移動しました。一人では持ち上げられない太い杭はの移動は大変でしたが、無事に運びました。Dsc09956

Dsc09959 Dsc09964雪上の辛い森作業でしたが、終わってみると春を迎える準備が順調に進んでいることに心が和みました。Dsc09960 本日の作業者は、加賀、大野、清水、鎌田、松村(宗)、橋倉、柳澤、坂口(敬称略)と筆者でした。ご苦労様でした。(報告者:済賀 正文)

2024年2月23日 (金)

悔しさをバネに、決意を新たに!

 昨日(2月22日)、横須賀石炭火力控訴審判決があり、清水副代表と一緒に参加をしました。東京高等裁判所101号法廷は9割方の席は埋まりました。11時に開廷し、裁判長は「本件控訴をいずれも棄却する。控訴費用は原告が持つ。以上」とだけ言い、怒りの声が響く中、僅か10秒ほどで閉廷しました。やましいことがなければ、堂々としていれば良いものの、逃げるように法廷を立ち去る姿には怒りとともに呆れを感じてしまいました。1708608725541

 その後の報告集会では、小島延夫弁護団長からは原告側の主張を認めつつ、否定をする裁判官の保身について語られ、①CO2の累積的影響を認識しながらも、横須賀石炭火力発電所からの排出を許容している、②気候変動は地球規模の問題と認めながらも原告への影響はないとしている、③合理化ガイドラインの適用が妥当と判断する根拠が環境アセスメントの趣旨に反している等、判決に対する3点の矛盾点が述べられました。1708608746948_2

 原告団長の鈴木陸郎さんからは、「判決の言い渡しは、ほんの数秒で終わった。衝撃を受けた方もいると思うが、あの場面は、あれ以上あの場に裁判官がいることができない、ということの表れだったのだと思う。内容的には圧勝している闘いをやってきているということ。ここでやめたら自分たちは諦めたのかということになってしまう。最高裁判所に最後まで判断を仰ぎたい。ぜひご賛同いただきたい。また、この裁判を通じて学んだのは、今の社会が、このままの状態で将来に渡していいのかという状況にあるということ。CO2を出していることによって今の社会が成り立っている、そんな社会の仕組みを作ってしまった、そういう責任があると思う。それを解決する方法を目指さないと、次の世代に申し訳ない。その方法として、我々が武器にしていた環境アセスメントはものすごい武器になるはず。環境アセスメントの仕組みは、そんな法律にしていかないといけない」と決意が述べられました。

1708608753575 これまで、地元・横須賀市民を中心に、気候危機や大気汚染への影響を懸念し、「反対」の声をあげ続けています。石炭火力は地球温暖化の最大の原因であり、G7でも全廃すると約束が交わされており、まずもって減らすべきものです。

1708608766446 世界では訴訟によって市民が勝利をした例もあることから、決してあきらめずに、化石燃料を使用する事業主体にプレッシャーをかけ続けることが大切であり、闘いの歩を止めるわけにはいきません。最高裁に上告することが確認され、熱気あふれる報告集会そして次の闘いへの決起集会となりました。

https://yokosukaclimatecase.jp/news/nishin-hanketsu/?s=03

(運営委員・小林敬)

2024年2月22日 (木)

ボタン雪が降る足尾で笑いとカーンと音響く森作業

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 本日の足尾の9時の気温は3度でした。9時40分には作業小屋に参加者全員が揃いました。

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 今日の責任者は済賀スタッフ。いつものようにコーヒーを飲みながらミーティングを行っていると、外は牡丹の花びらのような雪が降ってきました。今日の森作業は、春にハイカーやクライマーの方などが休憩する苔テラス内の歩道に「杉皮」を敷くこと。②遊動学舎=みちくさの土留めの丸太が設置してから15年が過ぎ、腐った杭を新しいものに交換すること。③各森・杜の看板を設置することにしました。

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 まずは、苔テラスの歩道に杉皮を敷く作業を全員で行いましたので、それは30分程で終わりました。次は、土留用の杭の交換。古く朽ちた丸太は1㍍ほど埋まっていたので抜き取るのが大変でした。苦労しながらスコップやツルハシで丸太の回りを掘り起こして一本一本抜きました。

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 本間スタッフが「テコの原理でもっと簡単に抜くことが出来る」とロープと単管パイプを使って教えてくれました。その結果、杭は2本いっぺんに抜け、午前中に全ての杭(80本)を抜くことができました。その後、穴掘りと新しい丸太(直径25cm×2m)を丁寧にしっかり打ち込みました。ボタン雪が降る中でしたが21本の丸太を設置しました。

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 昼食が終わるころには雪が止みました。

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 午後は、継続して丸太を設置するメンバーと各森・杜の看板を設置するメンバーに分かれて作業することにしました。作業開始前に、柳澤スタッフが4㍍の真竹60本を運び入れてくれましたので、「うんしゅう亭」に降ろしました。

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 各森・杜の看板設置は4人で行い、民集の杜 北、民集の杜 東、民集の杜西、臼沢の森、臼沢西の森の入り口には植樹年や写真などを印刷した看板を立てることができました。また、臼沢西の森の入り口付近の獣害柵が壊れていたので、即、仮修繕してきました。

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 森(杜)から下山すると、土留め設置終わっていのせんでしたので、最後の力を振り絞って58本の丸太を打ち込むことが出来ました。松木郷の谷間に杭を打ち込む”カーンカーン”という音が響き渡り、その音色は春の足音のように聴こえました。改めて人間の智慧と力は計り知れないこととを実感し、森に感謝しました。時すでに15時を回っていました。

本日の森作業は、鎌田、山本、本間、橋倉、山田、加賀、済賀、坂口、大野でした。

<報告は大野昭彦>

2024年2月18日 (日)

第6回エコ散歩で自然教育園を歩きました!

昨日(2/17)は港区の自然教育園でエコ散歩を行いました。今回は初の真冬での開催です。真冬とは言いましても、春一番の風が例年より2週間も早く吹いた2日後ですので、厳しい寒さにはほど遠く陽が射すとむしろ暖かいような一日でした。

P2173877・フクジュソウは満開

今日は春植物(スプリング・エフェメラル)も少し見られる期待もあり、時間切れになって奥までたどり着かないことも多いので、春植物がみられそうな一番奥(武蔵野植物園)のあるところまで速足で歩き、ゆっくりと戻ってくるというコースで散策しました。

P2173871・里山として管理している武蔵野植物園

いつも通り花言葉が”幸運、健康、長寿”のケヤキの木の下からスタートです。
共催2団体の代表のご挨拶ののち、まずは歩きます。寒いから温まろう、という意図もありましたけれど、結果的にはうっすら汗をかくほどでした。

P2173864・まずはご挨拶から

武蔵野植物園手前の広場で一同自己紹介をした後に、森の案内人・中村幸人先生からの案内がスタートしました。以前はこの辺りもコナラの大木がたくさんあったのですが、ナラ枯れのためすっかり開けています。

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・イヌビワの木の前で


世界から見た日本の森の貴重さという視点はいつも新鮮な気付きを与えてくれます。「山菜なんて食べるのは日本人ぐらいです」野にあるものをそのまま頂くという発想は、日本の自然の豊かさと、付き合いの深さを物語ってるのかもしれませんね。

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・皆さんは恵まれています!


氷河期の時代、たくさんの種の避難場所になっていたために、現在は多様な種が存在するホットスポットになっているのが日本という場所だそう。これからくる気候変動に対しても、大陸と違って影響の変動幅がゆるい日本は、人類にとってもより生き延びるチャンスがある環境なのだとか。

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・里山は人による管理維持が必要です

武蔵野植物園では日本の里山、雑木林の話がありました。人が森を持続的に付き合ってきた結果成り立っていた林の姿です。木が落葉性を獲得したのはいまの北極のあたり、寒さへの耐性を手に入れたのだとか。木は動けないだけに生き延びる戦略は動物よりも豊富で知恵があるそうです。

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・ウコギの仲間ハリギリの強そうな冬芽も山菜として食べられています

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・セツブンソウがかわいらしい


曇りがちでユキワリイチゲは花を閉じていましたが、セツブンソウとフクジュソウ・フキノトウがお出迎えしてくれました。

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・フキノトウ、取られた跡もありました。「取ったのは日本人でしょう(笑)」


続いて向かったのはこれまでエコ散歩では行けなかった水生植物園です。モズがずいぶん近いところの枝に遊んでいて、ハンノキの花穂、アゼスゲ、カサスゲ、ススキ、オギ、ヒメガマの穂、マユミの冬芽などを見て回りました。特別なものは見当たりませんでしたが、もう少しするとノウルシやミツガシワが咲き誇ってとても幻想的になる場所でもあります。

R0000096 ・水生植物園にて

R0000101・ハンノキは貴重です

R0000098・ヒメガマの穂はふっかふか


いつものひょうたん池の休憩所でお菓子休憩をして、アカガシやスダジイの大木を眺めながらゆっくりと戻りました。

R0000106・大きなスダジイ、これからも長く残りますように!

再び入口に戻り、新しく参加してくださった方からの感想を伺いこの日は終了となりました。感想のいくつかをご紹介します。


・大きな視点からの見方を含め知らなかったことをたくさん教えていただいた。
・勉強になった。冬の季節で常緑樹が良く見られて良かった。季節を変えて参加したい。
・小さなセツブンソウといった普段見られないものが見られてよかった。
・説明付きでとても贅沢な散歩だった。
・楽しかった、そしてとても有意義だった。また参加したい。

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・常緑の木々もよく観察ができました。


飛び入りの方も含め、総勢15名のとても楽しいエコ散歩となりました。参加くださった方々には改めてお礼を申し上げます。

Dsc08493・参加者全員での集合写真

来年は明治神宮新宿御苑を年4回歩くことを考えています。もう少し早めに開催日を教えてもらえると参加できたのに(参加したかった!)、という声もちらほら聞きますので、年のスケジュールが決まり次第アップしておくようにします。また来年もお会いしましょう。たくさんの皆様のご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒)

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