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2009年11月の10件の記事

2009年11月30日 (月)

日本の森を元気にする進路に舵がきられました

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 昨日のキャンパスフォーラムでは、出席者280名が日本の森を元気にするために政府や国民に働きかける行動を共にすることを誓い合いました。その一つは、政府の温暖化対策が経済優先に傾き、肝心な森の衰退を防ぐ行動につながっていないこと。このままでは日本の山ははげ山になってしまうことを多くの皆さんに知ってもらう行動。二つ目は、森が衰退している原因は虫ではなく、酸性雨等による土壌の酸性化によるものであることを国に認識していただき、対策を講じてもらうことを求める。三つ目には、弱った木には市民の炭焼きと炭撒きのモデルケースを設置してもらう。今後も人とのつながりを大切にし、さらに“山と心に木を植えて”いくことにしました。Pb292668
 フォーラムの様子は今後、このブログで紹介していきます。なお、昨日のフォーラムは、今日の夕方16時53分から始まるTBSテレビ・「イブニングワイド」で放映されるようです。

2009年11月23日 (月)

知恵と力を結集して、日本の森を元気にしたい

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 21日、秋田県に住む今村インストラクターからFAXとメールが届きました。その中身は、一週間後に開かれる第2回「森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」に向けた情報でした。
 フォーラムのアドバイザーとして出席する大森禎子先生から紹介された安田勲さんが、秋田県男鹿市で実証している炭蒔きによる松枯れ対策の現場を観てきた情報でした。それによると、「安田さんは怒っていました」と言うことです。

35 どういうことに怒っていたのかと言うと、安田さんの話を聞いた今村さんは、「常に山を観ていると森の変化に気づく、この変化を行政や学者に言っても一個人は相手にされない。松枯れの原因を学者に訊くと虫のせいにする。男鹿の松は殆ど伐採されている。伐ってしまうと原因が分からない。観光客の目に触れないようにしているのだか、そんなことでは事の重要性が分からない。何故、日本海側が枯れるのか、土壌が冒されているのか、等、トータル的に原因究明をしていないことに怒ってた」、と言っていました。安田さんは奥様と共に、20年位前から800坪の借地で炭を蒔き、その土地に松を植えています。その松は元気に育っています。(写真上) 男鹿でも松枯れと同時にナラ枯れが拡大していることに、安田さんは大変心配していた、と言います。今村さんはこの観察結果をフォーラムで報告したいと言っていました。

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2009年11月17日 (火)

世界を変える原動力は現場の小さな力です

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 新聞報道によると「ポスト京都」が見送りのようです。来月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、法的拘束がある「ポスト京都議定書」が見送られる可能性が強まっているようです。先進国と新興国・途上国の対立が原因らしいのですが、どうして各国の閣僚級会議では世界の人類のためにできる事をやる勇気と実践がないのでしょうか。
 各国首脳がこんなレベルでは、各国の首脳によって人類は自然界の孤児になってしまうようです。今、求められているのは私たちができることいかに挑戦するかです。昨日も3回目のフォーラムへの呼びかけパンフの配布を行いました。配布してくれたのは早稲田大学の学生の皆さんとJR貨物労組の若者でした。早稲田際から一週間後のキャンパスは早稲田際以前の様子で、学生達ひとり一人にパンフを配ると学生達は真剣にパンフを読んでくれました。
 P1010017 今回感じたことは、フォーラムに向けたパンフ配布を行えば行うほどに、学生達の反応が感じられたことでした。このようなキャンパス内の小さなアクションでしたが、この小さな力の積み重ねが世界の自然を活性化できるのではないでしょうか。早稲田大学「一学一山運動」実行委員会の皆さん、大隈塾の塾生の皆さん、3回にわたるパンフ配布へのご協力に感謝します。楽しく意義のあるキャンパスフォーラムを創りだしましょう。

2009年11月16日 (月)

森の叫びに応えていきたい

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 今月29日に開催する第2回「森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」で講演してくれる浦川治造さんに会ってきました。14日は風が強い日でJR東京駅八重洲側から出発するバスが運行するか心配でしたが、安全運行によって待ち合わせ場所の木更津金田バスターミナルに到着しました。そこから浦川治造さんが運転する車で事務所へ向かい、フォーラムの打ち合わせをしました。 話の中で浦川さんは、“アイヌは森を畏敬の念をもって大切にして森と一緒に生活してきたが、昭和30年以降、木が金になるからと言って、入ることがなかった山(アイヌは始めて入る山は「新山」という)に入って巨木を伐ってきた。その後の森は湿地帯が無くなり、ワサビ等が消えてしまった。今、考えると取り返しのつかないことをしてしまった。森は生活に欠かせない大切な自然だ”、というような話をしてくれました。
 京都議定書での日本の目標は温室効果ガス90年度比6%削減でした。その方法は「二酸化炭素を吸収する植林など森林整備で3、8%、他国への技術や資金提供によるを削減分を国内目標に組み込む1、6%、省エネなど国内対策で0、6%」でした。結果は削減どころか増加傾向にあります。
 浦川さんの話を聞いて、現代においても人は森に生かされていることに気付かなければならないことを改めて感じました。フォーラムではその森が悲鳴をあげていることに気が付き、森が人類に呼びかけている声を具現化できればと願っています。

2009年11月10日 (火)

樹木たちの越冬準備が終わりました

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 盛岡では11月3日初雪が降りました。去年より5日早い冬の到来です。県民の森の苗床もうっすらと雪で覆われていました。そんな中、みちのく事務所では今年最後の活動・腐葉土づくりを5日に行いました。
 当日は雨が降っていましたので、落ち葉は雨に濡れて湿って重たく、それを袋に入れて運ぶのことが大変でした。トラックで運んだ落ち葉は次々と木枠の中へ入れ、EM菌や米糠・粉炭などと混ぜ合わせ、撹乱させました。冷たい秋雨の降る中での作業は、手がかじかみながらの作業でしたが黙々と続けられ、新設した3基を含めて8基の木枠で腐葉土づくりができました。これは来年の土壌づくりに活用する予定です。作業は朝から雨降りでしたがJREUの組合員・OB会の皆さん45名のご協力を頂いて行いました。
 Cimg0022 この作業と並行して食害対策の第3弾を実施しました。それはライオンの糞のエキスをペットボトルに入れて杭に取り付け、孔をあけた部分から臭いを出し、ウサギなどを近づかせなくするというものです。効果は未だわかりませんが、先月27日に元山堆積場植樹場所の風上に30本を取り付けましたが、それを11月5日に確認するとその設置場所から離れているアキグミの緑の芽が食べられていました。まさに、動物たちとの知恵比べです。
 私たちは植樹した樹木を守り、その樹木の力によって将来「緑の雲上の楽園」とするために今、出来ることをしっかりと続けていきます。雨降りの寒い中、ボランティアで参加された皆さんお疲れ様でした。本当にありがとうございました。

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2009年11月 9日 (月)

自然界に“慣れ”は通用しない

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 松木の杜に植えたユキツバキとヤブツバキの葉が食べられてしまいました。今年、5月30日と10月15日の足尾・ふるさとの森づくりで、松木の杜の防風林として植えた500本が殆ど葉を付けていません。柵の内にあった糞からすると犯人は鹿です。周囲をチェックしてみると3箇所で柵が倒されていました。ツバキの何本かは葉を食べた勢いで根が抜かれていました。
 昨日は、神奈川県から二人の女性が育樹ボランティアに来てくれました。午前中は、梁次インストラクターも加わって食害に遭ったツバキの手入れをしました。午後は3人が臼沢の森に入って、梁次インストラクターのアドバイスで植樹をしました。松木の杜では柵の補強を行いました。
 育樹ボランティアをしてくれた樋口さんと田中さんは、「世界の森が心配なので木を植えなければならないと思い、足尾に来たが来て良かった」と言っていました。それにしても柵を倒して松木の杜に入った鹿は賢い。鹿は柵を支えているポールに体当たりをしてポールを倒し、そこから浸入して全ての葉を食べてしまったようです。しかし、ツバキの細い幹と枝は残っていますので、枯れることはないようです。
 松木の杜での植樹は今年から始めましたので、今後は何が起こるか分かりません。臼沢の森での食害を振り返って食害のチェックを怠らないようにしなければなりません。自然は想定外の事が起こります。油断は禁物です。

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2009年11月 6日 (金)

伝統建築に金属を使わなくてはならない日本の建築って?

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 今日の山形市は秋晴れでした。山形に向かう途中の高畠駅周辺の車窓(山形に向かって左側)からは、小さいながら赤や黄色に色づいた葉を付けた苗木が元気に育っているのが見えました。この苗木は一昨年から始められているJR東日本会社の鉄道沿線の森づくりで植えられたものです。この苗木の一部は私たちが育てた苗木です。今日はそんな元気な苗木たちを車窓から見ながら山形市に向かい、宮大工・加藤吉男棟梁とロア・ウイリアムさんとのフォーラム打ち合わせでした。
 お二人は各地の伝統建築を修復していて大変忙しい中、時間を割いてフォーラムの打ち合わせに付き合ってくれました。打ち合わせでは、フランス人のロアさんが6年間の修行で学んだ日本人の木の文化と日本建築の疑問点が語られ、そのような話をしながら日本の素晴らしい木の文化を語っていこう、と話し合いました。「加藤棟梁が聞いている前では話すのは緊張します」、と言っていたロアさんですが、加藤棟梁から「俺のことは気にせずに、学んできた日本の良いところと悪いところを話せ」と言われ、ひと安心した様子でした。2時間に及ぶ打ち合わせを終わったロアさんは、車で新潟県柏崎市の現場へ向かい、棟梁は明日、車で栃木県宇都宮市の現場で打ち合わせです。本当に忙しいところ打ち合わせをしていただきありがとうございました。打ち合わせをしながら、ロアさんの職人気質と真面目さを感じました。棟梁はそんなロアさんの人間性に宮大工の技術を叩き込んでいるようでした。今月29日の「森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」の講演をお楽しみに。
 

2009年11月 4日 (水)

間もなく松木沢にも冬将軍

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 東北、信州各地では初雪が降った便りがあり、みちのく事務所からは旧松尾鉱山跡地には間もなく冬将軍が訪れる、との連絡がありました。ここ松木沢周囲の山にも昨日、初冠雪がありました。10時頃の気温は5度、昨日は年内にコンテナを移動するための整地を行いました。
 作業小屋内ではストーブに灯がともり、手伝いに来てくれた第四期インストラクター・富岳さんと事務局員(仁平、小川)はホットコーヒーで身体を暖めながら打ち合わせをしました。外は粉雪が舞う中、臼沢の森の樹木たちは鮮やかな秋の色を見せてくれていました。
 いよいよ足尾「森びと広場」には冬将軍が訪れます。作業の締めくくりは、各地の森びとインストラクターが届けてくれたブナの実等を蒔きました。

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2009年11月 3日 (火)

W大学生達とパンフレットを配布!

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 大学祭を7~8日に控えた昨日(2日)、私たちは早稲田大学大隈銅像前で第2回「森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」への参加を呼びかけるパンフレットを配布しました。この行動には同大学の学生9名(「一学一山運動実行委員会」内・高尾の森メンバー等)が協力してくれました。
 キャンパス内は学園祭を控え、各サークルが勧誘のビラ配布やよさこいの踊りを披露するなど、若者たちが活気に溢れていました。賑やかな中でのパンフレット配布でしたので、パンフレットを受け取ってくれる方々は少なかったのですが、ある学生はビラを見て「ぼく熊森なんです。先日もシンポジウムに参加しました。フォーラムに参加します」、と言ってくれました。また、一緒にパンフレット配ってくれた高尾の森の学生からは、「申し込みはどうすればいいのか」、と聞かれたので「インターネットを見て申し込みしてくれ」、と対応してくれたそうです。昼休み時の約40間の行動でしたが、冷え込みが厳しいなか、他の学園祭の仲間達と共に燃えていました。(清水事務局次長発)
 また、来週の月曜日(9日)にも同じ行動を行います。協力してくれる方を募集しています。問い合わせは東京事務所まで電話(3日は足尾ですので事務所は留守。4日以降にお願いします)ください。電話は、03-5692-4900です。

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2009年11月 1日 (日)

子どもたちの未来へ、できることをやり抜く!

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 経済産業省の発表によると2008年度二酸化炭素排出量は、90年度比7.4%増でした。「100年に一度の経済低迷であっても、削減目標の達成は以前厳しいことが明らかになった」、と報道(毎日新聞・10/31付)されていました。
 この報道記事を読みながら、昨日の朝は川崎市立橘保育園に向かいました。昨日は、この保育園に通っている園児とお母さんたちの第2回学習会でした。学習は「ドングリのポット苗をつくり」、大きくなったら植えましょう、というものです。Pa312759
 9時30分に集まった園児とお母さんたちは40名、最初に、“ドングリころころ”をみんなで歌って踊りました。その後は、ドングリの話を聞いて苗づくりをしました。11時頃には、一人2ポットに4つのドングリを蒔き終わり、園児とお母さんたちは小さなドングリにいのちを吹き込みました。全員、このポットを家に持ち帰り、お母さんと一緒に3年間育てます。
 この企画は、第4期・倉垣インストラクターが園の学習会メンバーと橘園に提案し、実現しました。この企画を手伝ってくれたのは同期の橋倉インストラクターでした。インストラクターのみなさん、小さな心に木を植えていただきありがとうございました。
 来春、最年長の園児がピッカピッカの小学1年生になる頃にはドングリは可愛い芽をだすことでしょう。

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