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2009年12月18日 (金)

伝統建築で家が作れないなんて、日本はおかしい!

Ph_33

 木の文化の素晴らしさを現代に活かす一人でありたいフランス人・ロアさんの講演の後半は、その素晴らしさを壊している私たち日本人への怒りでした。
 ロアさんは、いいものを作りたいと思っても邪魔な事が日本にはある。例えば、日本の伝統的建築では柱の元は丸い石が使われているが、この方法だと地震が起こっても建物は全て壊れない。ところが現代は、無理矢理に木に金物を使わなくてはならない。余計なことをすると木造建築は駄目になってしまうのに、お寺を作るにも金物を使わないと駄目なんです。建築基準法を考えている人は何を考えているのか、と。日本の木の文化の素晴らしさを壊している日本人のおかしさを、フランス人のロアさんは嘆いていました。
 そう言われると地震や土砂流失等の現場写真を見ると、コンクリートは壊れているが神社は全て壊れていないのが目立ちます。柱や屋根は流されている、移動していることはあってもそれらは改修可能な木材となって残っているようです。
 P1030615_r ロアさんの匠・加藤吉男さんにお会いした時、棟梁は「地震、土砂流出そして大火事が発声した場合、必ずその現場に立つ」と言ってしました。その現場に残っている伝統建築と近代建築の相違を身体に染み込ませている、とも言っていました。ロアさんの怒りは、そのような棟梁の技の基底に脈々と流れている木の文化へのこだわり、木に生かされている人間の心への怒りであるような気がしました。
091129

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