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2009年12月の13件の記事

2009年12月 5日 (土)

森と生きるというこは少し我慢をすること

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 先月開いた第2回「森と生きるキャンパスフォーラム2009in早稲田」の天気は予報では雨が降る、という報道でしたが、太陽の光を受けたキャンパスの銀杏の葉が黄金に輝いて眩しいくらいの日でした。フォーラムの第1部は、日本の木の文化を再認識する講演でした。
 最初に登壇した方は、東京アイヌ協会の名誉会長をしている浦川治造さんでした。浦川さんは、アイヌ民族は森とともに生き、四季を通じて自然からの恵みを得て生きてきた。ゆえに、山に入るときは必ず感謝をし、恵みは全てを取り尽くすということはしてこなかった。しかし、戦後、現金収入を得るために、入ったことのない深い森に入り、巨木を伐り尽くしてしまったことがあった。後になって自然が壊れ、その森からは自然の恵みは消えてしまった。60年前の森をとり戻さなければならない。みなさんの力で戻してほしい、と反省をしながら訴えていました。
 Pb292666 参加者からは「山、河、海を60年前に戻してほしい、という訴えに共鳴しました」(60歳代・男Dscf1308 )、「自然とともに暮らすアイヌの文化を大切に残し、尊重していくことが必要だと感じました」)(30歳代・男)、「山や森が元気になり、河や海も元気になり、魚、海藻が多く採れて、魚や米等から国が潤う、そのような政策を国は考えてほしいと思った」(30歳代・男)という感想が寄せられました。

2009年12月 3日 (木)

粉雪舞う中で、命を救う炭づくり

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 北東北の広葉樹はすっかり葉を落とし、冬支度に入っています。最低気温も氷点下になる日も多く、部屋では暖房が離せません。そんな中の11月28日、みちのく事務所は第3回「森びと塾」を開催しました。今回の講義は、現在「ナラ枯れ」など森林の衰退に特効薬として欠かせない「炭」の力を再認識するために、炭づくりの体験と“炭の大家”・森びと理事の宮下正次先生から「人類が困ったときそれを救ってくれたのはいつも炭でした」と題したものでした。
 炭づくり体験は「岩手県民の森フォレストi」の炭窯を借用し、参加者全員で炭窯に杉の間伐材を一本々丁寧に並べ、2段に並べ上げてから蓋をし、煙突を付け、周囲の隙間には粘土で煙が漏れないようにしてから火を付けました。火がついた時には歓声が上がりました。今日の体験はここまでで、完成までの行程・監視については事務局の和山次長他JREUの仲間に一任しました。炭の完成までには12時間から14時間ほどかかります。
 火入れまでの炭づくり体験は1時間ほどで終了し、場所を岩手県民の森フォレストの会議室に移動して宮下理事からの講義を受けました。講義の中では、参加者全員で桜の粉炭にハチミツをブレンドしたものを全員が舌で確認しました。感想は、ほとんど炭の感覚はなく、黒ゴマを食べてる、という感じでした。これが体内に充満しているアルミニュウムなどの毒素を排泄し、「人の生命を救ってくれる」素晴らしい食べ物とは信じられない気持でした。講義には参加者全員が納得し、森びと塾が終了した頃には外が暗くなり、粉雪が静かに舞っていました。宮下先生、熟生の皆さんお疲れ様でした。講義後は、翌日のフォーラムのために東京へ向かう塾生もいました。(仲崎発)
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2009年12月 2日 (水)

アジア・アフリカ各国でいのち森づくり

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 今日の足尾の朝は氷が張りました。朝7時30分の「森びと広場」は気温零度、雲ひとつない快晴でした。今日は、第3回目のJICA研修「アジア・アフリカ地域荒廃地の植生回復」研修でした。昨日の研修では、日光市内のホテルで高橋副理事長が荒廃地でのいのちの森づくりの精神を講義し、今日は、現地での植樹を体験してもらいました。
 熱帯国の皆さんからすれば足尾・「森びと広場」の霜柱が珍しく、広場に到着すると皆さんは霜柱をカメラに収めていました。その後、全員が背負子に腐葉土と黒土を背負って、両手にはスコップと苗木を持って、約1000㍍のうす沢の森を登りました。途中では、宮脇理論に基づく荒廃地での植樹の生長を実感しながら、植樹場所ではひとりが二本のコナラを植えました。
 植樹後の下山途中、アフリカの方からは、「帰国したら森づくりのNPOを創りたいが、ポジションをほしがる者同士の軋轢が気にかかる、それらはどうしているのか」、と言う質問がありました。高橋理事は、「報酬を受けたいという方にはNPOには加わってもらわないのがよい」、と応えました。
 2時間程の実習ですすが、アジア・アフリカからいのちの森をつくっていこう、という心が通じたようでした。
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