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2009年8月14日 (金)

日本の森は元気がない

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 今月7日夜、東京都文京区内で「平成 熊あらし」という映画を観ました。上映前に岩崎雅典監督は、「2006年、ツキノワグマは5,185頭捕獲され、そのうち4千頭以上が捕殺された。豊かな森のシンボルだった熊が、今なぜ人里に出没するようになったのか。そこには複雑な関係が絡んでいる。人は、熊とどう付き合えばいいのか、を考えてほしい」、と挨拶された。
 映画に出演していた自屋マタギの工藤さんは、「8年前からブナの実が森全体で豊作になるという状況でなくなった。これは人間の影響だ」、と話していました。この時季、ツキノワグマは蟻や蜂を食べ、間もなくウワミズザクラ、ミズナラやブナの実を食べて冬眠に入ります。足尾の「森びと広場」対岸の松木川沿いには熊が木を剥いで蟻を食べた跡があります。以前、テレビで足尾の熊が赤く熟したアキグミの実を食べている様子を見ました。
 越冬する熊、冬眠中に出産する雌熊にとってはそれに耐える栄養豊富で十分な餌が必要になります。実のなりが少ない、実のなる周期が長い、実がなってもミネラルが乏しくては、熊は生きていくために必死なります。映画を観て、背に腹は変えられず、人間との境界線を越えざるを得ない現状はマタギの工藤さんが言うように、「人間の影響だ」と思いました。
 ナラ枯れ調査を2回行って実感したことは、森があっても木は元気がなく、衰退している森になってしまっている、これは人間が犯したものだということです。そのような気持ちを大切にして、12日には事務局メンバー、JREUのOBの皆さん、そして今月も東京から駆けつけてくれた井本さんたちが苗床の草取りをしてくれました。ありがとうございました。

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