植えて、育てて、語り継ぐ ― 南相馬の海岸防災林づくり
6月6日から7日にかけて、福島県南相馬市で開催された「第14回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」に森びとプロジェクトとして参加しました。今年の市民植樹祭には全国から約1,200人が集い、海岸防災林に12,000本の広葉樹の苗木を植えました。東日本大震災から15年を迎えた今も、被災地の未来を見据えた森の防潮堤づくりは着実に続いています。
植樹祭前日の6月6日、森びとプロジェクトの仲間たちは昨年の植樹地を訪れ、草刈り作業を行いました。昨年植えた苗木は、厳しい海風や夏の暑さに耐えながらも力強く成長している一方で、草木の勢いも強く、苗木を守るためには継続した手入れが欠かせません。
作業後は、応援隊の東城敏男さんの案内でこれまで植えられてきた森(3年前と5年前)を歩きながら、その成長を確認しました。震災直後は何もなかった場所に、少しずつ森の姿が生まれていることを実感できる時間となりました。参加者からは、「植えることよりも、その後の育樹の大切さを改めて感じた」という声が聞かれました。
草刈り終了後には、長年植樹祭を支えてこられた応援隊副代表の故・菅野長八さんのお墓を訪れ、献花を行いました。南相馬市のいのちを守る森の防潮堤づくりは、多くの市民やボランティアの努力によって支えられてきました。その歩みを振り返りながら、先人たちの志を受け継ぐ決意を新たにしました。
夕方からは南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊の皆さんとの講話・交流会を開催しました。前段の講和では応援隊の渡部顧問と松林代表から震災当時の状況や植樹祭に込める思い、海岸防災林の役割などについて語られました。その後、桜井代表も合流され、この間の森の防潮堤づくりを通じて築かれた人と人とのつながりを改めて感じる交流会となりました。
翌7日はいよいよ植樹祭本番。開会式では植樹祭実行副委員長の松林さん(応援隊代表)から開会宣言があり、主催者や関係団体から震災の教訓を次世代へ伝えることの大切さと、森づくりが持つ防災・減災の意義が語られました。
横浜国立大学名誉教授の藤原先生の植樹指導を受け、植樹会場へ向かいました。
植えた苗木は、タブノキ、シラカシ、アラカシなどを中心とした広葉樹。将来、多様な樹種が混ざり合う豊かな森へと成長していきます。
東日本大震災の津波は、多くのいのちと暮らしを奪いました。しかし、その経験を忘れず、未来に備えるために私たちは木を植え続けています。今年植えた12,000本の苗木は、単なる木ではありません。それは震災の記憶を伝え、人々の命を守り、未来への希望を育む「いのちの森」です。森は一日ではできません。だからこそ、植え続け、育て続け、人と人との絆をつなぎ続けることが大切です。森びとプロジェクトはこれからも南相馬の皆さんとともに、未来へ森を育てていきます。(報告:運営委員・小林敬)
































コメント