カテゴリ「ふるさとの森づくり」の2093件の記事

2019年12月31日 (火)

森づくり運動の第2ステージを迎えられた2019年に感謝します

 2019年の大晦日。森びとプロジェクト事業を支えていただきました“森とも”の皆さん、1年間ありがとうございました。お陰様で怪我や事故が無く、当初の事業計画を実行することができました。心より感謝申し上げます。

Photo 5月:ミシガン大生と”山と心に木を植える”交流

 今年は、”山と心に木を植える”森づくり運動の節目の年ではなかったと振り返っています。

Photo_2 7月:専門家の皆さんに森を観察していただきました

Photo_3 7月:往復で600段の階段を上り下りして草を刈ってくれた皆さん

 15年間育てた足尾の森、10年間育てた八幡平の森を本物の森に育てていく節目の年。南相馬市の「鎮魂復興市民植樹祭」で植えた森の防潮堤と生態系との関連を観考える節目の年。

Photo_4 6月:鎮魂復興市民植樹祭をサポートした応援隊と森びと

 温暖化にブレーキをかける要望を国連や政府機関に提出した後の運動のあり方の節目。本物の森づくりと“森と生きる暮らし”という木を植えていく活動を日本各地や世界へ拡げる活動の節目。

Photo_5 環境省へ要望書を提出

 そして、現場で森を育てている高齢化するスタッフから次世代へバトンタッチする節目。このような運動を支える会員の激減という現実と向き合うという社会運動母体を再考する節目を迎えているのではないかと振り返っています。

Photo_6 11月:中倉山の「無言の語り木」(孤高のブナ)を元気にする土留め造り

 2020年は「パリ協定1」の始動年です。人類は今の暮らし方を続けて世紀末には生存を脅かすのか、あるいは“野心的な社会変革へ舵を切って生存を安定させていくのか”という人間の責務が問われる節目でもあります。

Jica 11月:アジア・アフリカの人々にも森と生きる木を植えられた?

 15年前に植えた足尾の「臼沢の森」にはコナラの実生が顔を見せています。節目はこの実生たちがやがて主役になれる森づくり活動を構想することになります。筍が地表に顔を出したばかりの節目が2019年の森びとだと思います。今日は、除夜の鐘を聴きながら、足元をしっかり見て、森びと第2ステージを考えたいと思います。

Photo_8 10月:森に寄り添う暮らしを探りました

Photo_7 7月:未来を生きる若者たちと”山と心に木を植えました”

Photo_9 11月:足尾の魅力(「足尾古道」)を探しました

 “森とも”の皆さん、穏やかで健やかな新年をお迎えください。(理事 髙橋佳夫)

2019年12月29日 (日)

暮らしの基盤を元気にする一助に育つ足尾の森

 厚労省は、12月24日に「2019年は512.000人が「人口自然減」(13年連続)したという年間推計を公表した。未来を生きる孫たちの事を考えると、経済や技術の発展だけを優先する「今だけ・金だけ・自分だけ」の目先対策ではその心配と不安は消えない。

2 「臼沢西の森」つくり2019年

 私たちは、「すべての生物は森に生かされている」ことを15年間の森づくりで実感している。それは暮らしの基盤は森であるということではないかと思う。その基盤が想定外の異常気象によって衰弱している。それは全世界へ拡がっている。「今だけ・金だけ・自分だけ」というスローガンによる政治潮流は世紀末の生存基盤を不安定にさせることは間違いないと思う。

1_2  “持続的に・暮らし(命)のための経済を・地球の全ての生きものたちのために”のスローガンへ政治の舵を切るべきだと思う。たった15年間の森づくりですが、足尾の「ふるさとの森」はその一助となっている気がしている。

3  年末を迎え、世界の一部国々の首脳が命の基盤を衰弱させている中で、その基盤(地球)を元気にさせる一助になる森を育てている森びとの皆さんに心から感謝を申し上げます。(東京事務所所長 大野昭彦)

冷えた手をホットコーヒーで暖めながの南相馬応援隊の森作業

2019  今年最後の森作業となった昨日(12/28)は、10時に育苗場に集合。天気は海岸の消波ブロックに打ち付ける荒波、空は灰色の雲が覆い、鳴り止まぬゴォー!という寒風音が鳴りやまない状況でした。南相馬市内に住む松林さんは、昨日は、「突然、凄まじいヒョウが降った」と言っていました。

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2019_4  昨日の森作業は、草刈り、苗木のチェックと倉庫内の整理整頓を行いました。身体が冷える中での作業はコーヒーブレイクが必要、ホットコーヒーで冷えた手を暖めながらの話しは一年間の出来事でした。話の締めくくりは、来年の森びと、応援隊の「安全・健康・植樹祭の成功」とポット苗の生長を願って「しめ縄飾り」を付けました。

2019_5  来年の「第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」は6月7日に原町区金沢地区で開催予定です。全国の植林ボランティアのみなさん、市役所及び市民の皆さん、連合加盟の地区労組のみなさん、大変お疲れさまでした。

2019_6  来年も気候変動による地球温暖化をストップさせるためにも応援隊スタッフは鎮魂復興市民植樹祭実行委員会の一翼としてがんばっていきますのでよろしくお願いします。昨日の森作業は、松林さん、岩橋さん、東城睦子さん、筆者でした。(報告 東城敏男)

2019年12月26日 (木)

生きものたちの息づかいが聴こえだした南相馬市の森の防潮堤

 今年の森作業を振り返ってみると、南相馬市の森の防潮堤周辺には野生の生きものたちが目立つようになっている気がします。

Photo_2  草刈りをしているとバッタ、蝶、トンボが跳び交い、空にはスズメやトンビ、地には野ネズミや野ウサギを見ることが出来ます。今年10月には初めてキツネの生息を確認できました。非常に警戒心が強いのか、人の気配を感じて直ぐに防災林に隠れてしまいました。 

Photo_3  6年間の植樹祭と草刈り等の森作業で森の防潮堤は、生きものたちの命の営みが安心できる環境になっているようです。

Photo_4  ところが人間の暮らしの環境は大雨や巨大台風などで悪化するばかりです。10月の大雨では、原町区高ノ倉ダムの緊急放水により10世帯が全壊や浸水被害を受けました。また原町区を流れる2級河川の新田川が氾濫し多くの住宅が床上・床下浸水被害を受けました。

Photo_5  森の力で人間の暮らしを支えてほしいと願って森づくりをしていますが、地球温暖化による異常気象の猛威のスピードについていけない感じです。

Photo_6  今年も南相馬市の鎮魂復興市民植樹祭を応援してきた私たちは、森の防潮堤づくりを支援してくれた全国の植林ボランティアの皆さんに心から感謝しています。来年以降も食物連鎖が始まった森の防潮堤づくりへの応援をお願いします。来年の応援隊は、森づくりと地球温暖化に向き合う人間の暮らし方を考えていきたいと思います。(応援隊 岩橋 孝)

2019年12月25日 (水)

“出会いから森と生きる心を紡ぐ”森づくり・・・「森びとの心構え」その⑩

 森(山)は出会いの場であり、暮らしの基盤づくりでもある。

Photo  上の写真は昨日、林子さんが送ってくれた足尾中倉山の「無言の語り木」(「孤高のブナ」)。林子さんとは昨年、「みちくさ」で出会った。足尾の自然と向き合って、足尾の魅力を探っている方。林子さんにお願いすると、魅力的な写真を送ってくれた。クリスマスの夜にピッタリの写真だと思い紹介する。

 足尾の森づくり活動は現地で出会った方々の支援やアドバイスに支えられている。11月に実施した「中倉山のブナを元気にする恩送り」では、「みちくさ」で出会った宇都宮ハイキングクラブの皆さんの協力があって実現した。その後の「足尾古道」(半月峠~深沢~足尾)の探索では、やはり数年前に「みちくさ」お会いした荒川さん、今年出会った髙橋さん、林子さんのご協力があって12㌖程の古道を歩くことができた。

Img_3858  このような出会いと協働は足尾の自然(森)がとりもってくれている。出会いを紡ぐむ互いの心が通じ合うと、足尾の自然や足尾の魅力を愛する方々との“心がひとつ”になるようだ。森の大切な賜物である。出会えた皆さんに心から感謝です。

林子さんは足尾の魅力を撮影し、多くの方々へその魅力を紹介する夢をもっているらしい。その夢を実現できるように応援したい。(理事 高橋佳夫)

2019年12月24日 (火)

足尾の草地へクリスマスプレゼント

 自宅の花壇で実生を集めて苗を育てています。今年はこのポット苗のモミジが鮮やかな赤色を見せてくれました。仕事に向かう時にこの紅葉を見ると心が和みます。各地の紅葉も良いと思いますが、私はこのささやかな紅葉が今年一番だと感じています。やがてこのポット苗が大きくなり、苗を山に植え、それが大きくなって多くの方々の心を和ませてほしいと願っています。

Dsc_0190  足尾の先輩スタッフが「今年の紅葉は茶色が多い」と言っていました。寒暖の差がゆるくなっていることが要因なのかもしれません。天気予報を見ていると全国的に雪も少ないようです。

Pc100267  今年は、猛暑と大型台風による河川の氾濫・決壊があちこちで発生しました。政府は、来年度予算案で河川の改修工事等の国土強靭化予算を5兆円以上としました。しかし、同時に、奥山の手入れや植樹をして山の保水力を高める政策も積極的にすすめてほしいと思います。

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Pc120345  私たちのささやかな森づくりでは毎年巨大化している異常気象の猛威にブレーキをかけられません。でも、やがては自宅の庭のモミジも地球温暖にブレーキをかけてくれる一本であることは確かです。来年はこの苗木を足尾に運び、森の機能を発揮できるように育て、足尾の草地へクリスマスプレゼントしようと思っています。(東京事務所 済賀正文)

2019年12月22日 (日)

2019年最後の森作業、終わり良ければ総て良し?

 21日の足尾松木村跡の9時30分現在、気温は3℃、曇っています。作業の打ち合わせを行い、弘永さんと清水さんは臼沢の柵点検、松村宗さん、橋倉さん、筆者は、先日やり残した苗床に行くための階段に砂利を入れ、その後松木の杜、シラカンバの倒れている幹ガードの補修と柵の点検を行うことにしました。

Cimg9701 今日の足尾森作業は今年の仕事納めです。一年間の無事と楽しく元気に作業ができたことに感謝し、来年も順調に森が育つように祈りながら、「作業小屋」「みちくさ」「雲集亭」「社務室」にしめ飾りを飾りました。

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Cimg9667  幹ガードが倒れたのは、猿や鹿の所為だけではなさそうです。そもそもがガードの付け方が弱く、強風で倒れた可能性もあるようです。4本ほどを補修しましたが、竹を使ったものは倒れていませんので、今後の課題です。橋倉さんが松木の森を一周し柵を点検し、2か所を補修しました。

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Cimg9688_5  「臼沢の森」点検に行った清水さん、弘永さんの報告によると、砂防ダムを建設中の業者が、資材を運ぶための索道を作っており、県が設置した柵を一部取り除いているところがあり、鹿が「臼沢の森」に自由に出入りできしまうということでした。針金で当面の処置を施しましたが、柵網などを設置した方が良いとのことでした。Img_9174

Img_9180 午後は、民集の杜の点検をしました。こちらは特に補修するようなところはなく、これで本日の作業は終了しました。29日は今年最後の小屋の点検の予定ですが、合わせて臼沢の柵を設置することにします。

Cimg9703 民集の杜を巡回

Cimg9698 コブシの冬芽が寒そうでした(松木の杜)

本日の森作業者は、松村(宗)、橋倉、弘永、清水そして筆者の加賀でした。

2019年12月20日 (金)

足尾・森びとの「ONE TEAM」で地球を元気に!

 今年も残すところ10日ほどになりました。心に残っている言葉のひとつに「ワン チーム」があります。ワールドカップでベストエイトを目指そうと、日本人でだけではない日本チームが猛練習と試合を積み重ねて目標を達成し、多くの人々に感動を与えてくれました。筆者にとっては、チームの“心をひとつにする”メンバーの並々ならぬ努力と苦労を想い出させてくれました。

P7096330  足尾の森は“ワン チーム”のパワーで育てられていると思います。「大きな森に育って、これからも豊かな森の恵みを与えてくれ!この地球は俺たちが元気にしてやるぞ!」という目標をもって、森と向き合っています。

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2019_0212_145147dscn6168  スタッフの森作業の努力や苦労は述べませんが、少しでも目標に近づける健康管理の努力もあります。筆者は今年、癌を患い手術を受けました。幸いに大事には至らず、明日(21日)は足尾現地で今年最後の森作業ができるようになりました。

Photo_3  目標を達成するために、その“心をひとつにする”までにはスタッフの健康管理へのアドバイスと筆者の僅かな努力が伴います。

2019_0827_122122dscn6272  一年間を振り返ってみると、作業前の打合せ、昼食時の話しでは、必ずと言ってよいほどメンバーの健康話になりました。酒の飲み方、食生活での節制等の話は、今までの暮らし方を変えていくという事でした。筆者にとっては大変なことでした。

Pb240192 今年も色々な野菜や果物がスタッフから届けられた

 ラクビ―チームのメンバーも人には言えない努力やメンバーからの厳しい指摘があったのではないかと思います。健康管理は自分でやるしかないと言われますが、スタッフの“目配り、気配り、心配り”に支えられていることを実感している暮れです。

6  このようなことを考えていると、土留め作りから植樹へ、その後の草刈りという森づくり作業を「体験型イベント」にできないものかと元気が湧いてきます。明日は、「ワン チーム」に感謝しながら今年最後の森作業を楽しみたい。(事務局 加賀春吾)

2019年12月19日 (木)

森よ、心の森よ、僕らのふるさとになっておくれ!

Photo 足尾・松木村跡

 “想像できないような、1000年後の未来も 今この瞬間から始まっている♪ 僕らが植える小さな苗たちは、 共に命をかけて未来をつくる♪  根を張って、心を持って、本物の木になるんだ♪  失ったものを取り戻し、見えない明日を植えてゆく♪  森よ、森、心の森よ、僕らのふるさとになっておくれ♪・・・・・♪”

P5241367  この歌は、15年前、シンガーソングライターのチョージさんが足尾・松木沢の地に起って作ってくれた。私たちは当会のイメージソングだと思い、「みちくさ」で聴いている。

Photo_2 「感謝の集い」

 8日に開催した「森びと設立15年感謝の集い」にボランティア友情出演してくれたチョージさんからメールが届いたので紹介する。

Photo_3  「日曜(12/15日)の横浜ライブを終えて、再び美杉へ戻りました。佳夫さんも薪暮らしなのですね。こちらも急いで薪の準備に冬支度です。あとヤギ小屋も作ってやらねばと。

 ライブへは小黒さんと中村理事長が遊びに来てくれました。横浜の森づくりや里山関係の仲間ともつながっていて、会場で再会。また新たな縁になりました。

 来年も、地に着いた暮らしを目指しながらも行ったり来たり。さまざまな学びを音楽にして、届けていけたらと思っています。森びとのみなさんとは15年経ってまたあのように、熱くも楽しい席を共にできたこと、本当にうれしく思っています。またコラボの機会を楽しみにしています。Choji」

 

201912 チョージさんとヤギ

森づくりの感動と元気をいただきありがとうございました。(報告 髙橋佳夫)

2019年12月18日 (水)

“段取り八分”の意味を教えてくれる森づくり・・・「森びとの心構え」その⑨

 冬将軍が“ビュービュー”と吠えるころになると獣害防止柵のチェックが重要になる。特に、「臼沢の森」入口から約200㍍登った「臼沢の森」頂上の柵をチェックしなくてはならない。

P4052426  傾斜30度以上あるガレ場を登った所の北斜面は草も生えず、小石だらけの荒れ地で、地表は強風や雨、雪の力でその都度小石が流され、柵と地表間に穴が開いたように空間ができる。鹿たちはこの状況をよく覚えているらしく、この部分に体当たりをするなどしてここから侵入しているらしい。

Pc100277  このような事が分かったのは植樹はじめて数年後のことだった。植林は頂上付近に進んでいなかったので、鹿の進入は森の両側の柵をチェックしていた。頂上付近の荒れ地から侵入しているとは思っていなかった。小石だらけの荒れ地はなんともできないために、その後の獣害対策は二重の柵を設置するなどで幼木が自立できる環境をつくった。

Pc100268  奥山に森をつくるということも“現地を知る事”からはじまる。現地、現場をつかんでから森作業が実態に合い、事故や怪我が防げ、作業の無駄も省ける。(理事 髙橋佳夫)

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