カテゴリ「根を張り育て!苗と木々」の96件の記事

2008年9月30日 (火)

 初めての越冬、ドングリたちの身支度

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 本日は曇りで肌寒い日でしたが、無風でしたので雨具を着たまま作業を続けると汗がにじみました。明日から秋の苗木分けがはじまるため、本日はその下準備を行いました。
 苗床の若木たちは葉を色づかせ、初めて経験する冬越えに身支度をしているようでした。昨年の秋に蒔いたドングリは未だ、1万本以上が一つのポットに同居しています。厳しい冬を越すためにはドングリを新居に移さなくてはなりません。この作業が明日からはじまり、JREUの皆さんが5日まで手伝ってくれます。怪我のないように、安全で効率的に作業ができる環境整備を行いました。この苗木分け作業が終わると、来週は、ドングリに生命を吹き込む第8回足尾・ふるさとの森づくり(苗木づくり)です。
 足下でコオロギの鳴き声を聞きながらの作業でした。台風15号の影響が心配ですが、明日からは100年先のいのちの森をめざして、いい汗をかきます。ボランティアの皆さんよろしくお願いします。

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2008年9月25日 (木)

 自然災害に強い「いのちの森づくり」はじまる

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 23日、岩手・宮城内陸地震復興に汗している奥州市で「いのちの森づくり」が行われました。この森づくりは「第1回奥州万年の森植樹祭」として開催され、当日は市民400名が参加しました。 植樹祭は宮脇昭先生の指導の基に準備され、植樹アドバイスは森びとプロジェクト委員会みちのく事務所からインストラクターを含め20名が行いました。植えた苗木はミズナラ、クヌギ、カツラ、ホウノキ、コブシ等14種類、大地に根を張った本数は4500本でした。
 植樹場所は広さ66㌶もあり、昭和40年頃まで養蚕団地になっていました。しかし、その後は開発計画も市議会で決まらず、放置されていました。この荒れ地に「いのち森をつくろう」と起ち上がったのが、森びとインストラクター・及川さんと市民の皆さんでした。
 前日には、講演会で宮脇昭先生が「いのちの森づくり」の大切さを市民に訴え、会場は植樹際を盛り上げていこう、となりました。この熱気は翌日の雨模様を吹き飛ばし、開会式では相原市長の森づくりへの意気込みが参加者へ伝えられ、宮脇昭先生からは“奥州市から世界へ発信しよう!”、と市民へ檄が飛ばされました。参加者と共に汗したインストラクターの皆さんは、心地よい顔をしていました。みちのく事務所の皆さんお疲れ様でした。

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2008年9月19日 (金)

 雪国へ嫁ぐ苗木に願いを込めて

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 足尾は秋近かしです。昨今でも秋は結婚式シーズンと言われているのか知りませんが、昨日は雪国へ嫁ぐ苗木の身支度をしました。ドングリに命を吹き込まれた苗木は八幡平と足尾で寒さに耐えて、小さなポット内に根を張り、全ての生物のために森を形成しようと嫁ぎ先を待っています。
 今年の春過ぎ、ホームページを見た雪国の方から、「苗木を提供してくれませんか」との電話が事務所に入りました。早速、事務局は苗木たちの写真(樹高と根の様子)を送り、先方に判断していただきました。写真だけのお見合いで嫁ぐことが決まり、事務局は秋を待っていました。
 八幡平と足尾で育っている苗木は、寒さと強風に耐えて生長していますので、美人ではありませんが足腰はしっかりしています。この苗木たちは今月、雪国の大地に根を張ることになります。事務局は、ボランティアの皆さんの自然と人間の命を大切にする願いを苗木たちに言い聞かせながら、最後の身支度をしました。間もなく、苗木たちは事務局員の運転する車に乗って雪国へ嫁ぎます。
 ドングリに命を吹き込んでくれた多くのボランティアの皆さん、そして3年間も間苗木たちを育ててくれました皆さんに心より感謝します。
 

2008年9月18日 (木)

 届けてあげたい秋の声と風

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 昨日は朝5時に起きました。ドイツ訪問後の足尾へ向かうために、早起きをして家を出発しました。電車の窓から見える田んぼの稲は、朝陽に照らされて黄金色でした。下今市駅から日光駅間ではコスモスが初秋を感じさせてくれました。
 足尾・「森びと広場」に着くと、モズがキィーキィーと鳴いていました。松木沢でも秋だなぁー、と感じながら刈り払機で草を刈りました。給油のためにエンジンを止めると、草の根元からはコオロギが鳴いていました。広場から対岸の岩山を見ると、一生懸命に生きている木々の葉が黄色や赤に衣替えしていました。松木沢も短い秋に向かっています。
 14日の操車場跡地での苗木づくりで印象に残っていたお母さんの「最後までやりなさい」、という言葉が頭に浮かんできたので、昼食後に「絆の森」へ行ってみました。狭い会場には昨年植えたコブシが一気に元気を出して生長していました。樹高40㌢~50㌢程であったコブシは、1㍍以上にもなっていました。土が無くなるまでドングリに命を吹き込んでいた操車場跡地の子どもたち。早く、この子たちにこのコブシの生長振りを見せてやりたい、と思いました。そして、「最後までやりなさい」と言ってくれたお母さんの願いが、早くかなえられるようにと思いつつ、草刈りをしました。

2008年9月12日 (金)

幹周り500㌢もあるミズナラを支えている「千年の森」

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 昨日(11日)、事務局員の小川さんと日光の「千年の森」(事務局内で言っている森)を調査しました。天気は晴れ、10時30分に竜頭の滝駐車場を出発。千手ケ浜へ歩き出しました。目的は、約千年も生きつづけているミズナラ、数百年生きているトチノキ等の種を調べること、また、幹の太さを測ることでした。シラカンバが生えている森を10数分歩くと、「髭爺」(仮称)が私たちを迎えてくれました。このミズナラは幹にコブをいくつも付け、そこからは実生らしき芽(孫)がたくさん生えています。幹の太さは325㌢ありました。左手には幹の太さが210㌢あるサワグルミも生きていました。その先にも幹の太さが400㌢のミズナラ、と言う具合に幹の太さが300㌢を超すミズナラが主木の森を調査しました。
 結果、幹の太さは測ることができましたが、もうひとつの調査目的である種(ミズナラのドングリ)は調査できませんでした。幹の太さの最高値は510㌢のミズナラでした。トチノキは実を付けていましたが、その量は僅かで、2~3㌢程の小さい実でした。ブナの実も調査しようと高山コースを廻って帰ってきましたが、ブナも実を付けていませんし、地面を探しても実は落ちていませんでした。
 これでは熊やカモシカ、リス達が空腹を満たすことができない、と心配しながら帰ってきました。しかし、森はトウゴクミツバツツジ、シロヤシオツツジ、リョウブ、シャクナゲ、地面にはスズタケが共生していました。誰かさんが言っているように、森では「あなたとは違うんです」と言って一人だけでは生きてはいけません。初秋の風が爽やかな調査でした。

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2008年8月23日 (土)

見えにくい努力に生かされていることに感謝

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 昨日(22日)は苗床の草取りをしました。足尾は肌寒い朝でしたが、日本対韓国戦(野球)のオリンピック放送を聴きながら応援に力を入れ、草取りをはじめました。この作業には鹿沼市に住んでいる大手さんが協力してくれました。大手さんは3年前に会社を退職、その後は年金暮らしをしている方です。これまでも何度かボランティァ作業に参加してくれていますので、作業は手慣れたものでした。
 苗床の草取りは6月に行いましたが、ポットの中には若木の根を絞め殺すほどの草の根がはびこってしまいました。特に、イネ科の草(写真はイネ科ではありません)は根が深く、この根はポット内全体を覆ってしまいます。若木の根はポットとこの根によって二重に覆われ、首を絞められている感じです。水や酸素もこの草の根に吸収されてしまい、若木はやせ細るばかりでした。草取りはポット内の土が乾燥しているとスムースに根を取ることはできません。旧盆から雨が降っていますのでポット内は水分が保たれ、草取りは容易にできました。
 若木の根は動けません。若木はポット内で根を張り巡らし、1~2年後には大地に自分の力で私たちの未来のために生命(いのち)の森をつってくれます。草取り作業は、自然と人間の生命(いのち)を大切にしたいと、多くの方が蒔いてくれたドングリの命を絶やさない大切な作業です。森林ボランティア活動をしている大手さんは、このような大切な作業を各地で行っているそうです。23日には湯元スキー場に生い茂っているオオハンゴン草(外来種)を抜き去る作業に参加するそうです。大手さんの下向きな生き方とお会いして、見えにくい地道な努力で私たちは生かされていることを改めて考えさせられました。ありがとうございました。
最後に、「1年先を考えるならば種をまけ、10年先を考えるならば木をうえよ、100年先を考えるならば人を育てよ」(中国のことわざ)。

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2008年8月 3日 (日)

草刈りが終わりました。蒸し暑い日のボランティァに感謝します。

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 草刈りが終わりました。先月29日から始まった草刈りは、JREUの皆さんのご協力で2日の15時に終わりました。自然環境と人間の生命(いのち)を大切にする皆さんの情熱を感じる5日間でした。心から感謝申し上げます。
 昨日(2日)は、小黒陽矢君(小1)がお父さんとともに草刈りに参加してくれました。小学校入学する前に植えた木はどれだけ大きくなったの?、昨年植えた「絆の森」はどうなったの?、と現地を訪れてくれました。昨日は草刈りに参加してくれた30数名の皆さんと一緒になって、陽矢くんはノコギリ鎌を使って草を刈ってくれました。陽矢くんの期待は、今年植えた木々が自分の身長よりも大きく育っている、ということであったそうです。しかし、その期待は見事にはずれて、苗木が生長していないことにがっくりきていました。それを見ていたお父さんは、「でもその木は歯をくいしばって生きているんだよ」、と話している様子が伺えました。
 最終日となった昨日は、通称ガレ場の草も刈りました。写真の左側の場所のように急斜面で石が多く、足場の悪い場所ですが、心をこめて植えた小さな苗木を大きく育てようと、最新の注意を払って若木に元気を与えることができました。延べ120名程の皆さんの情熱で、木々たちは爽やかな風と栄養物を得られました。
 自然の力で森がつくられることを待っていられない私たち。たかが50年先、足尾の岩山が自然の力で森ができる環境になることを待っていられない私たち。だから私たち人間が少しばかりの力を自然環境に手助けをしています。これは人間が森とともに生きていくための当たり前な営みです。自然と人間の営みは私たちの意思しだいです。森を壊したのも私たち大人の意思ですし、それは政治の反映です。その責任は大人にあります。
 帰りの車中で、陽矢君のお父さんと話していると、お父さんの陽矢君への期待は大人になったら自然環境と人間の生命(いのち)を大切する人になってほしい、ということでした。こんな話をしていましたが、陽矢君は車の窓から入る涼しい風を受けながら外を見ていながら、怪我をした子鹿のことを心配している様子でした。

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2008年8月 2日 (土)

草刈りから教えられる自然の営み

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 昨日(1日)は“暑い”と感じました。草を刈っていると暑いと感じるのは人間ばかりではないことも実感しました。猛暑日は植物も暑苦しいのだなあー、と感じました。勢いよく草が生えている中に顔を突っ込んで草を刈ると、その場は蒸して暑いことに気づきました。たかが70㌢~80㌢程の草の中なのですが、ムーとします。草を刈ってしまうと、松木沢から吹く風が汗をかいた顔に当たり、とても気持ちがよく感じられますが、これは木々も同じであろうと感じます。生きていく環境が良ければ、人間も植物もすくすくと生長できます。
 昨日の草刈りボランティアに参加してくれた皆さんの三分の二は、ノコギリ鎌を使った草刈りがはじめてでした。ですから、どうしてくそ暑い中で草刈りをしなくてはならないのだ、と疑問が残るのも当然でした。
 梅雨が明けたこの期間、光合成で栄養分を生産・吸収し、根からは水分を吸い上げて木々は一気に生長します。昨年の枝先から一気に40~50㌢も伸びます。草刈りは木々が生長するための重要な作業なのです、と皆さんに話をすると、茹だるような猛暑の中での作業でも充実感を得られるそうです。
 29日から始まった草刈りは、昨日で全体の三分の二が終わりました。昨日は参加してくれた皆さんが、それぞれに足尾の現場から、そこで汗して働く人たちから様々なことを教えられている様子がうかがえました。最初は作業をやらされたけれど終わってみるとやり抜いた、という皆さんの気持ちが私に伝わってきた一日でした。ボランティアの皆さん暑い中、ありがとうございました。
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2008年7月31日 (木)

 若木に涼しさと元気を与えています。

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 昨日(30日)も雷様は怒りませんでした。足尾・松木沢では雨が降ってくれませんでした。下界は猛暑の暑さでぐったりしてしまいますが、昨日の天気は曇りでしたので標高960㍍での草刈り作業は爽やかな風をうけて始まりしました。昨日は5月に植樹した場所、約1千㎡の面積を21名で草刈りしました。
 足尾での草刈りは29日~来月4日(3日除く)まで行われていまます。作業は梅雨が明けてからの短期間でできることになりました。
一気に作業ができるのは、全期間JREUの皆さんが協力してくれることになったからです。事務局一同、心から感謝申し上げます。
 雷様が少なく雨が降らない日が続き、少ない地中の水分は蒸発していきます。若木はこの時期、光合成によって栄養を蓄えて大きく育とうとしています。しかし、若木の葉が陽を欲求していことを、雑草が遮っています。その上、少ない水分を雑草も吸収してしまいす。この時期、一気に草刈りができることは、足尾の地に若木たちがしっかり根を張れる環境がつくれるということです。
 作業現場では各自がノコギリ鎌と水を持って、事務局員から鎌の使い方を教えられ、雑草と一緒に若木を切らないようにと注意を受けて、草刈り作業は続けられています。
 29日は一昨年に植樹した場所の草刈りをしました。本日(31日)は06年に植樹した場所の草刈りです。暑くなりそうな天気予報ですが、ヒグラシの鳴き声に癒やされながら草刈りです。私たちが地球とともに生きていくための、人間にとって当たり前な自然への働きかけをつづけます。

2008年7月19日 (土)

夏の暑さにも負けず、元気に育つ北東北の苗木たち

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 足尾では黙々と苗木分け作業を続けていますが、北東北のみちのく事務所の苗木分け作業は6月下旬に終わりました。今年は今までにないモグラ、ネズミ、ウサギ等の食害に遭い、多少心配でしたが昨年秋に蒔いたドングリの発芽率は46%(青森)~58%(八幡平)でした。
 苗木分け作業は青森市(6/21~22)と八幡平市(6/28~29)で行われました。二日間で33971本の若木に元気を吹き込むことができました。両地区ともJREUの組合員の皆さんが大勢参加してくれました。
 八幡平の苗木分け作業には、茨城県土浦市に住む國分さんが参加していました。國分さんは、これから、つくば市内の採石場の跡地に森をつくりたいので、苗木分け・ドングリ拾い・ポット苗づくりを学び、採石場の再生森づくりに活かしていきたいと、汗を流していました。
 分けたポットは苗床に整理し、今後は撒水等を行います。苗床は背丈2㍍以上のイタドリが伸び放題の場所を、草刈り機を使ってイタドリ等を刈り、ロングヘアーから坊主頭になったような気分になると、風通しの良いサッパリした苗床が整備されました。この前段の準備作業があっての苗木分けでした。JREUの皆さん、苗木に元気を吹き込んでいただきありがとうございました。國分さん秋に再会しましょう。
 足尾の昨日(18日)は、植え替えられた若木を梅雨明けの直射日光に負けないようにと、事務局(岡安、松村)が遮光ネット張りを行いました。
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