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2024年10月の11件の記事

2024年10月28日 (月)

もっと市民力をつけ、傲慢な力に立ち向かう

 本日、10時から清水副代表、坂口スタッフとともに、市民団体などと一緒に明治神宮伐採反対行動に参加をしました。先週25日金曜日、新宿区が事業者(三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事)からの樹木伐採・移植の申請を許可し、衆議院議員選挙が終わった直後のどさくさに紛れて樹木の伐採を強行するという知らせを受け、抗議の場に立ちたいと現場に向かったのです。

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20241028_163949 昨年7月、森びとでは第4回総会での会員の意見に基づき運営委員会で議論をし、東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出しました。要請文では「私たち人間を含む生物は、循環に支えられた森に生かされている」とし、森が持つ機能を「都民の命を守るもの」と指摘、再開発は「人類の生存を脅かす地球温暖化へアクセルを踏むもの」であると強く批判しています。

森びとブログ: 東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出Img_3119

 現在、市民団体が新宿区に対して違法である訴訟が起こしました。裁判は係争中であるにも関わらず、なぜ拙速に伐採をするのか。住民や市民への説明や対話が不十分であると批判も多い中でのことです。2020東京オリンピック、前年開催のラグビーW杯開催で新国立競技場の建設にあたり、都営アパートの解体と強制退去が行われました。この時も東京都による住民への丁寧な説明はなかったと記憶しています。市民の声を無視して開発を進める傲慢なやり方はおかしいし、自分の生活する地域のために声を上げることは当たり前のことです。まして、企業や一部利権を貪る政治家の金儲けのために、貴重な自然を破壊することや自分の生活を奪われることを黙っているわけにはいきません。政治家の力はもちろん必要ですけれども、市民が声を上げて行動することに共感し、今後も連帯した活動をできればと思います。

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20241028_103117 この抗議行動で何人の方から東京都や事業者への怒りの声、叫びが話をされました。特に20代の女性からは、地面の下の生物の気持ちについて話がされ、共感しました。一度木を伐採したら元には戻らないですし、移植するにしても土の中で生きる生物の声を聴いたのかを問いたい。生物の声も無視して進める伐採や移植の現実を決して忘れません。そのような怒りを込めて「神宮外苑の樹木伐採反対!」のシュプレヒコールをあげました。

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 私たちは午前中で引き揚げてしまいましたが、その後に樹木の伐採が始まったという知らせを聞きました。力のあるものは何でもやってよいと許せますか。今回の衆議院選挙で争点の1つになった裏金の問題と何ら変わりはないと思います。こういう議員を選んだのも私たちですし、NOを突き付けるのも私たちです。私たちはいのちと生活を守るために「騙されない」「諦めない」市民力をつけていかなければならないと感じた悔しい1日となりました。(運営委員・小林敬)

2024年10月26日 (土)

天空の仲間に届け!残された私たちの思いを!

  今日( 10月25日)、今は亡き小井土スタッフの奥さんと友人が足尾・松木沢を訪ねてくました。森づくりをしてきた小井土さんと言えば、私たちには”頑固一徹”なイメージが真っ先に浮かびみます。「ハリギリ」という木は幹をまっすぐに伸ばし、鋭いトゲを幹や枝に持つ。老木になるとそのトゲは消え、樹皮には縦に深い割れ目ができます。我々にとっては小井土さんにぴったりの「木」だと誰もが言っていました。

Dscn3192 そんな小井土さんと奥様は「雲集亭」(うんしゅうてい)の名付け親です。今は荷物置き場になっていますが、以前は多くの植林ボランティアが集い、学び、食べ、語り合ってきました。まさに雲が湧くように足尾の森づくりに人が集まり、雨を降らした所になっています。

 記念に植えたハリギリに明記した小井土さんの名字は正しくは看板の様な「土」の字の右上に「、」がついています。松村(宗)さんのアドバイスで気が付きました。そんなことを気づかなかった自分は恥ずかしくなりました。 

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 私たちは、その看板を立てる前にハリギリのネット内の草をきれいにしてあげました。

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 予定より少し遅れて二人は「みちくさ」に到着。直ぐに昼食を済ませましたが、私たちが用意した手作りの「けんちん蕎麦」は好評でした。デザートを食べながらの和気あいあいの話では、足尾に来た奥さんの気持ちを伺うことができました。奥さんは、「夫の足跡をたどりながら、一緒に通った16年間の足尾の森を見たくなっことを友人の山口さんに話し、彼女も一緒に行きたい!と言ってくれたので二人で来ました」と、話してくれました。
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 昼食後、奥さんと私たちはそんな二人の気持ちを宿したハリギリの看板を立てました。

Dscn3186 立てた後の記念撮影の時のみなさん顔はとても和んでいるようでした。天空の森の小井土さんもさぞかし喜んでいると思いました。

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 民集の杜(東)散策中、珍しい植物を見つけました。「冬の花ワラビ」と呼ばれるもので、松村(宗)さんも大喜びでした。

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 「しばらくぶりに足尾に来て、夫と一緒に森づくりをしたことを懐かしく思い出しました。その後、19年が経ち、樹々の生長は素晴らしく育って森になっている様子を見て、主人も私も素晴らしい人生が送れた」と話してくれた小井土さん。山口さんからは、「色々なお話しと大自然の中にいることができ、貴重な体験をさせていただきました。また是非来させて頂きます」と、感想を述べてくれました。小井土さん、山口さん、私たちの歓びと励みは皆さんが足尾・松木沢においでいただき、育った森を見て頂くことが一番です。紅葉の本番はこれからですので、人が壊した自然界の一角を人が手入れをすると「松木郷」になることを見てください。今日の案内は、松村(宗)、大野、橋倉(筆者)の3人でした。

2024年10月22日 (火)

森づくりの師匠を迎えての森作業

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 本日(10月22日)の足尾・松木は、11℃(8時30分)で大変寒い朝でした。鎌田さんに薪ストーブに火を入れて頂き、作業小屋は寒さ知らずでした。

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 房総半島の先端から森づくり師匠の相川さんと武田さんが松木の杜の観察に見えました。森づくりを始めた頃、斜面地での植樹に欠かせない階段造りのアドバイスをくれた相川さん。その階段は今でも安心して利用しています。森(杜)の案内は清水副代表が行いました。相川さんは「臼沢に森」について「植樹した苗木が森になりびっくりした!」と述べていました。森びとインストラクターの武田さんは「身体の治療が終わったならばまた来たい」と、森から元気を頂いたようです。

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Img_2329 今日の森作業の「松木びと」が全員集合する前、柳澤さんがモミガラをトラックで運んでくれましたので荷下ろしをやりました。

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 続いて到着したのは、矢口さん。軽トラックの荷台いっぱいにヒガンバナを積んできました。植物大好きの矢口さんの気持ちを大事にしたいと思いました。ありがとうございます。

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 また、本間さんは折れてしまった大ハンマーの柄を新しい物に取り付け、怪我や事故ないような道具にして持参してくれました。ありがとうございます。

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 今日の森作業は、「みちくさの庭」のガクアジサイとアジサイを「こころの園」に移植します。ガクアジサイに白いテープで目印が付けてありましたので、スコップで根を切らないように慎重に掘り出しました。午前中にガクアジサイ(21本)を移植することが出来ました。

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 昼食後は、午前中に掘り出したアジサイ(20本)を、一昨日に掘った「こころの園」の穴に黒土を混ぜて移植をしました。年内には移植を終わらせ、来年の森づくり20年を迎えようと思います。

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 矢口さんから提供された「ヒガンバナ」は、「森びと広場」へ下りてくる右側の「こころの園」に移植しました。来年秋には満開の「ヒガンバナ」が訪問者や私たちの心を和ましてくれるようです。

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Dsc00383 遠方より森の観察に来てくれました相川さん、武田さんありがとうございました。二人の笑顔を見られて、私たち「松木びと」も森の手入れの持続性の大切さを感じ取れました。森作業は、鎌田さん、本間さん、柳澤さん、矢口さん、山内さん、大野さん、清水さん、加賀さんと筆者でした。(報告者:済賀 正文)

 

2024年10月21日 (月)

「孤高のブナ」保護準備で新たな出会い

Dsc00340 本日(10月21日)は、11月3日に開催する「孤高のブナ」保護活動の準備と「希望のブナ」の生長調査に中倉山に登りました。登山口で出会ったのは山岳ガイドをしている松原さん。登山ガイドの下見に来られていました。松原さんは足尾ジャンダルムにロッククライミングに来ている方ですが中倉山の「孤高のブナ」に会うのは初めてということでした。「孤高のブナ」の場所で会えると良いなと思いながら別れました。Dsc00321 今日の準備登山は、東京事務所の坂口さん、足尾スタッフの山田さんと筆者の3人が登りました。途中、秋を感じる木々の色づきに心を和まされて2時間30分間登ると、「孤高のブナ」に会うことが出来ました。

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 途中の落葉広葉樹が秋の化粧をして我々を迎えてくれました。昼食を終えると「沢入まで行ってきました」とニコニコ顔の松原さんと再会しました。「希望のブナ」の観察記録には松原さんも付き合ってくれました。ブナの実から苗木に育てたものを昨年4月29日に植樹をしたと話すと、松原さんは驚いていました。「希望のブナ」は小さいながらも葉を黄色に染めていました。高さは、約120cmに伸びていました。今年は2度目の冬を迎えますが、筆者は厳冬に耐えて生きて欲しいと願いました。

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Dsc00351 「孤高のブナ」が生きる石だらけの松木川斜面地は、7年前に張り付けた種が混ざっている土袋からは草が生い茂っていました。それを見た松原さんは、「完全に草が土と一帯になっている」と驚いていました。地道にブナの根を守る活動に参加して頂いた方々に感謝です。11月3日に行う作業用の土留めが一部崩れていましたので、山田さんと必要な機材の最チッエクしました。松原さんとは、途中まで下山しましたが、松原さんからは尾瀬でのミズバショウ保護などの話を聞くことが出来ました。

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Dsc00346 下山後、山田さんと筆者は11月3日のと最終チェックを行い、中倉山のブナ保護準備を終了しました。

Dsc00353 松原さん、「希望のブナ」の観察にご協力頂き、ありがとうございました。

本日の作業者は、坂口さん、山田さんと筆者でした。(報告者:済賀 正文)

2024年10月19日 (土)

森づくり支援者への感謝を忘れず、母なる森の手入れを継続!

20241019_4 身体を動かすと蒸し暑かった曇天の足尾・松木沢。今日は“山と心に木を植える”活動を20年つくりだしてきた運営委員の小黒さんと3カ月振りに会い、互いに蓄えてきた活動を振り返ることができた。 

20241019「みちくさ」では「舎人」見習いの運営委員・田城さんと森びとスタッフ・済賀さんも同席し、振り返ることは森びとの次世代が新たな20年へ向かうためだとして、まずは、手入れをしている森と森びと組織が存在している現実は多くの方々からの支援の賜物を個別的に振り返った。20241019_2 今月5日に実施した「エコ散歩in東京」に参加してくれたAさんは、森づくり活動開始から飲み物を提供してくれた方の奥様。Aさんは、「宮脇先生の考え方を学びたい」と散歩に応募してくれたと言う。また、今月末には森づくりスタッフだった故・小井土さんの奥様が足尾の森を散歩する。このような方々への感謝の気持ちはどのように伝えていくのか、恩返しともいえる今後の森づくり活動へどのように反映していくのか等を話し合った。20241019_3

 午前中は4人でミーティングを行い、午後は、済賀さんと筆者は「みちくさ庭」の草刈りを行った。年内に移植するアジサイの株を運び出すルートを整えることができた。ガクアジサイの仲間にも印を付け、移植の準備は整えられた。202410192

202410193 本日の作業は済賀、髙橋。(報告・髙橋)

2024年10月18日 (金)

”希望の遺産”になってほしいと願い100年の森づくり

Photo 森づくり20年間を迎える最終作業といえる森の手入れを行ったシニア1期スタッフ。集ってくれた方は森びと次世代の福原さんと済賀さん以外は後期高齢者の5人。ミーティング前は松村宗さん手づくりの柚子胡椒と辛そうなトウガラシの話し、その後は予定していたアジサイの移植時期をめぐった意見交換、話し合いの結果は移植用の穴だけを掘ることにした。Photo_2 Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6 その前段の作業として、「森びと広場」に植えてあるイチョウの100年後の樹冠を考えた間隔拡大のイチョウ移植チーム、森びとインストラクター・塚崎さんから頂いたポポーを「民集の杜西」から「果樹園」に移植するチーム、「みちくさ庭」の開墾前の準備をするチームに分かれることにした。

Photo_7  前段の作業は1時間ほどで終了させ、全員がアジサイ移植地の草刈りと穴掘りをした。昼食頃になると雨が降ってきたので穴掘りを終了させ、穴は50カ所を掘ることができた。Photo_8 Photo_9 昼食後のお茶では、正会員・照井さんが帰郷するにあたって森びとスタッフへ届けてくれた御菓子と橋倉さんの沖縄土産を食べながら、袴田さん無罪確定に至るある裁判官の正義と、100年後にトキを放鳥させたい「アサザ基金」の生態系復活の活動等の話(『信濃毎日新聞』記事)になった。Photo_10  雨が止んだ午後は、植物の遷移を体感しようと始めた「輪廻の森」の生長観察と草刈り、「みちくさ庭」のヤシャブシ伐りとアジサイの試し移植を行った。松木川岸に植えたヤナギ、オオバアサガラ等を担当している福原さん、鎌田さん、山本さんは枯れることなく生長している様子を見て、嬉しそうだった。Photo_11 Photo_12 Photo_13 アジサイの試し移植用の株は大きく、密集しているアジサイ株を掘り起こすのは大変だった。ひと株だけを掘り起こし、アジサイエリアに移植した。枯れずに冬を越してほしいと願った。Photo_14 Photo_15 Photo_16照井さん、松村さん、橋倉さんありがとうございました。今日の作業は、鎌田、山本、松村宗、橋倉、福原、済賀、報告の髙橋で行った。

2024年10月12日 (土)

臼沢の森ではあちこちにキノコが顔を出しています


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 本日は「JR貨物労組の森」での草刈りを清水さん、山田さんと一緒にしました。

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 予想以上の伸びで中央に作った階段が見えず、手探りで探して草刈りを開始。階段より左側を下から刈り始めると、ツルが絡み、ススキが伸びており、刈った草で足が滑らないように気をつけながら進めました。

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 昨年ネットを巻いた幼木は食害に合わず枝を伸ばしていました。

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 草に隠れて紫色のホタルブクロが咲いていました。

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 12時30分を過ぎたので作業を切り上げ、下山することにしました。3分の1ほどを刈ることができ、幼木に光が当たるようになりました。1728721525786

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 下記のように、斜面上部と階段の右側が残っていますので、11月1日に育樹作業を行うJR貨物労組の皆さんと草刈りを行いたいと思います。

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 本日の森作業は山田・清水・大野でした(報告:大野昭彦)

2024年10月 8日 (火)

苦労した思い出が喜びに変わった「森の観察」

 10月6日(日)、足尾は雨が降ったり止んだりの天気でしたが、木々にとっては恵みの雨となる1日でした。今日はJR東労組のサークル「ネイチャークラブ」会員の皆さんが足尾の森の観察に来てくれました。

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 13時20分に、北は青森県、南は神奈川県から参加された24名を乗せたバスが松木郷に到着。森びとの看板前に集合していただきオリエンテーションを行いました。

 加賀スタッフよりスタッフの紹介と観察の行程が述べられ、筆者(清水)より松木郷廃村の歴史と先人の苦労の上に私たち森びとプロジェクトの森づくり活動があることを伝えさせていただきました。足尾での森づくり初期にポット苗づくりや臼沢での植樹環境整備、植樹に参加された組合員の皆さんは、看板前から見上げた臼沢が森になっていることに驚いた様子で、早速、臼沢に向かいました。

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 第1ゲート手前で、紐が落ちているのかなと手を伸ばすと、まだ肌の赤いシマヘビの子供で、参加者一同を歓迎してくれているようでした。

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 臼沢の森入口までは緩やかな道ですが、結構息が切れます。丸太の階段をM&mベンチのところまで登り、森の観察を行いました。宮脇昭さんと松崎明さんが対談したころは対岸の中倉山を眺めることが出来ましたが、15mもの木々たちが密集した森を眺め、苦しかった準備作業を思い出し、生長した森に驚きと喜びを感じていました。黒土や階段作りに参加した方からは「久しぶりの足尾で、日本のグランドキャニオンが森になっていた。重たい黒土を背負子で担ぎ上げ、『強制労働』と言った自分を思い出しました。その黒土によって生長した森を見て、このために苦労したのかと捉え返すことが出来ました。」「10数年前に足尾の森づくりに参加し、気になっていた。今回参加してものすごい森になっていた。ドングリを拾って育てた。つくることで自然を考えるきっかけになった。」

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 初めて参加した方からは、「木々が育たなかった臼沢で、細い木が落石を止め森が水を蓄えている。森をつくることで良い循環になっていることを感じた。」と感想が述べられました。時折シカの鳴き声が森内に響き、樹皮が食べられ枯れてしまった木も見受けられることから、この森に生きる動物たちの姿も想像することが出来ました。

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 次に、緩斜面の「民集の杜北」に移動しました。2014年から植樹を開始した「民衆の杜北」はまだ幹が細く木々同士が競争しあい生長している森です。虫に食べられた葉や大きな石を転がした跡など、この森でも生き物の姿を想像することが出来ました。コウゾやヤマナラシ、ネムノキなど、植えた樹種以外に活着した樹々もあり、人間が手を加えた森に鳥や風、虫たちなど自然が加勢してくれるとことを観て回りました。自然界のつながりから、私たち人間も生物社会の一員であることを感じ取っていただきました。

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 亜硫酸ガスの排出が止まり植林活動が始まって60年以上経過した今でも草地の広がる松木郷。「糺の森」に入り、岩がむき出しとなったジャンダルム方面を眺め、世界各地で起きている豪雨災害や干ばつ、山火事、日本国内でも台風10号や東北、能登半島豪雨などによる洪水、土砂崩壊によって多くの人々の暮らしと命が奪われていることを考えました。

 「ネイチャークラブ」の皆さんはこれからも「山と心に木を植える」を合言葉に、労働現場である鉄道の線路が流され、駅設備が浸水、強風によって運行がストップするなど、厳しさを増す地球環境の現実に危機感を高め、職場の皆さんと話し合いを行い、利用者の皆さん、働く仲間の皆さんの安全と命を守ることを第一に活動を進めていく決意を新たにされました。

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 今回参加できなった会員の皆さんと一緒に、秋の紅葉、春の新緑を観察にお越しください。

「森の観察」の案内は、加賀さん、済賀さん、みちくさ担当の橋倉さん、山田さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)

2024年10月 6日 (日)

「第8回エコ散歩」で明治神宮100年の森を歩きました!

10月5日(土)はエコ散歩で、明治神宮を歩きました。予報がコロコロ変わった末、初めての雨の中での開催です。私たちにとっては生憎の雨ですが、森の植物たちにとっては慈愛の雨であります。

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参加者を待つ間、傘の上にボトリと落ちてくるものがありました。スダジイの実です。まだ若干早いようですが、この明治神宮の森にも豊穣の秋が訪れてきているようです。

本日の参加者は18名。そして年齢は、、、0歳~7ウンさいという幅の広さです。駅すぐの鳥居の隣りの、常緑の木々の下から散歩をスタートしました。

森の案内は、今回も森びと植生アドバイザーの中村幸人先生です。明治神宮の成り立ちに軽く触れた後は、少し歩いては目の前にある森の特徴について、事細かく解説をしてくださいました。

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話しは多岐にわたり、木々の名前や役割はもちろん、森の空間での住み分けや食物連鎖といった大きな視点での話もあり、話題は尽きません。森の登場人物たちはすべて役割があって、分解をしてお掃除をしたり、森の修復を担うものがあったり、よく見ると複雑な関係性の上で成り立っているのだとか。

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ぽっかりあいた樹冠。木が倒れた跡です。

案内がなければ、この荘厳な森を見て、まだまだ発展途上だということに気づくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

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嬉しかったのは、前回参加してくれた小学2年生の女の子が、お母さんお父さんと、そして新たに3か月になる新しい家族と4人で参加してくれたことです。今回も「森の宝物」を探す「ビンゴゲーム」を楽しんでくれたようですが、雨の中だったのでちょっと見つけるのに苦戦するものもありました。森が大切だということをとてもよく理解していて、お友達と都内で森を守る活動をしているのだそうです。森びとも是非力になりたいですね。

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それにしてもカラスウリをカラスにあげよう!なんて発想、私には思いもつきませんでした。脱帽です。

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今回は原宿駅前の鳥居から北参道に入り、本殿をぐるっと回り、西側の客殿の前で解散というコースとなりました。皆さんの感想を簡単にご紹介します。

・楽しかった!有難うございました。
・森って人間にとって大切なんだなぁと思った。
・中村先生から森の見方を教えていただき、木は人間より凄いものだと感じた。
・森を壊すのは簡単だが、は壊したら戻るまで数百年かかる。森はできるだけ残していかなければならない。
・ウクライナをはじめ今、世界では戦争で自然が破壊されている。この明治神宮のあった場所もそう。日本も過去の戦争で自然が破壊され今も戻らない。人間は何と愚かなのか。自然、平和を守りましょう。

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そして、今回栃木県から参加してくれた森びと・舎人(足尾・松木にある休憩所のスタッフ)の責任者、橋倉さんから、足尾でも「エコ散歩in足尾」を準備しているので、足尾にも来て欲しいと発言がありました。ちょっと遠いですが、ぜひ、足尾にも足を延ばしてみてください。

今回エコ散歩に参加くださった皆様、雨の中でしたが、本当にありがとうございました。

次回の9回エコ散歩は、再び明治神宮の森で12月7日(土)に開催します。東京では秋真っ盛りの時期、たくさんの皆さまのご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒伸也)

2024年10月 4日 (金)

歓迎の想いが、秋雨にもめげずに森作業!

  アパートに帰り熱いシャワーを浴び、生き返った気分でした。その訳は、今日の足尾の天気は小雨が一日中降る生憎な天気でした。そんな中、済賀スタッフと一緒に「森番」の作業で、シャツは汗と雨で濡れてしまったからです。

Dscn2954  今日は、10月6日に見えるJREUのネーチャークラブの皆さんを迎えるための準備作業を行ないました。手始めは、旧ヘリポート広場の草刈りです。

Dscn2958  次には「森びと看板」前の草を刈ります。東日本の各地から臼沢の森や民集の杜を見学しに来る皆さんの足元が、雨露で濡れないようにするためです。

Dscn2960  その次には、9月の「森作業集中日」に刈った「民集の杜・北」の草の整理でした。入口前にあった枯草を軽トラダンプに載せヤシャブシの根元に運びました。午前と午後でやり切れるかと思いましたが、雨が強くなってきて3割程度残しました。

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 昼休みは、秋の足音が聞こえてきているので、記念樹エリアにあるクリの様子を見に行きました。沢山クリの実が落ちていましたので拾い集めました。よく見ると、既に食べられたものも落ちていました。多分、サルに食べられたのかもしれません。

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 足を延ばして「心の園」のコスモスも見てきました。心が洗われる様な可憐な花が沢山咲いていました。秋を迎えて元気になって花も大きくなり、驚くことに済賀スタッフの背を遥かに超える程でした。

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 松木沢の秋は駆け足でやってきています。10月下旬から11月にかけて美しい紅葉を見ることも出来ます。多くの皆さんのおいでをお待ちしています。

       今日の森作業は、済賀、橋倉。(報告・橋倉喜一) 

 

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