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2024年10月の6件の記事

2024年10月18日 (金)

”希望の遺産”になってほしいと願い100年の森づくり

Photo 森づくり20年間を迎える最終作業といえる森の手入れを行ったシニア1期スタッフ。集ってくれた方は森びと次世代の福原さんと済賀さん以外は後期高齢者の5人。ミーティング前は松村宗さん手づくりの柚子胡椒と辛そうなトウガラシの話し、その後は予定していたアジサイの移植時期をめぐった意見交換、話し合いの結果は移植用の穴だけを掘ることにした。Photo_2 Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6 その前段の作業として、「森びと広場」に植えてあるイチョウの100年後の樹冠を考えた間隔拡大のイチョウ移植チーム、森びとインストラクター・塚崎さんから頂いたポポーを「民集の杜西」から「果樹園」に移植するチーム、「みちくさ庭」の開墾前の準備をするチームに分かれることにした。

Photo_7  前段の作業は1時間ほどで終了させ、全員がアジサイ移植地の草刈りと穴掘りをした。昼食頃になると雨が降ってきたので穴掘りを終了させ、穴は50カ所を掘ることができた。Photo_8 Photo_9 昼食後のお茶では、正会員・照井さんが帰郷するにあたって森びとスタッフへ届けてくれた御菓子と橋倉さんの沖縄土産を食べながら、袴田さん無罪確定に至るある裁判官の正義と、100年後にトキを放鳥させたい「アサザ基金」の生態系復活の活動等の話(『信濃毎日新聞』記事)になった。Photo_10  雨が止んだ午後は、植物の遷移を体感しようと始めた「輪廻の森」の生長観察と草刈り、「みちくさ庭」のヤシャブシ伐りとアジサイの試し移植を行った。松木川岸に植えたヤナギ、オオバアサガラ等を担当している福原さん、鎌田さん、山本さんは枯れることなく生長している様子を見て、嬉しそうだった。Photo_11 Photo_12 Photo_13 アジサイの試し移植用の株は大きく、密集しているアジサイ株を掘り起こすのは大変だった。ひと株だけを掘り起こし、アジサイエリアに移植した。枯れずに冬を越してほしいと願った。Photo_14 Photo_15 Photo_16照井さん、松村さん、橋倉さんありがとうございました。今日の作業は、鎌田、山本、松村宗、橋倉、福原、済賀、報告の髙橋で行った。

2024年10月12日 (土)

臼沢の森ではあちこちにキノコが顔を出しています


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 本日は「JR貨物労組の森」での草刈りを清水さん、山田さんと一緒にしました。

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 予想以上の伸びで中央に作った階段が見えず、手探りで探して草刈りを開始。階段より左側を下から刈り始めると、ツルが絡み、ススキが伸びており、刈った草で足が滑らないように気をつけながら進めました。

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 昨年ネットを巻いた幼木は食害に合わず枝を伸ばしていました。

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 草に隠れて紫色のホタルブクロが咲いていました。

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 12時30分を過ぎたので作業を切り上げ、下山することにしました。3分の1ほどを刈ることができ、幼木に光が当たるようになりました。1728721525786

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 下記のように、斜面上部と階段の右側が残っていますので、11月1日に育樹作業を行うJR貨物労組の皆さんと草刈りを行いたいと思います。

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 本日の森作業は山田・清水・大野でした(報告:大野昭彦)

2024年10月 8日 (火)

苦労した思い出が喜びに変わった「森の観察」

 10月6日(日)、足尾は雨が降ったり止んだりの天気でしたが、木々にとっては恵みの雨となる1日でした。今日はJR東労組のサークル「ネイチャークラブ」会員の皆さんが足尾の森の観察に来てくれました。

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 13時20分に、北は青森県、南は神奈川県から参加された24名を乗せたバスが松木郷に到着。森びとの看板前に集合していただきオリエンテーションを行いました。

 加賀スタッフよりスタッフの紹介と観察の行程が述べられ、筆者(清水)より松木郷廃村の歴史と先人の苦労の上に私たち森びとプロジェクトの森づくり活動があることを伝えさせていただきました。足尾での森づくり初期にポット苗づくりや臼沢での植樹環境整備、植樹に参加された組合員の皆さんは、看板前から見上げた臼沢が森になっていることに驚いた様子で、早速、臼沢に向かいました。

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 第1ゲート手前で、紐が落ちているのかなと手を伸ばすと、まだ肌の赤いシマヘビの子供で、参加者一同を歓迎してくれているようでした。

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 臼沢の森入口までは緩やかな道ですが、結構息が切れます。丸太の階段をM&mベンチのところまで登り、森の観察を行いました。宮脇昭さんと松崎明さんが対談したころは対岸の中倉山を眺めることが出来ましたが、15mもの木々たちが密集した森を眺め、苦しかった準備作業を思い出し、生長した森に驚きと喜びを感じていました。黒土や階段作りに参加した方からは「久しぶりの足尾で、日本のグランドキャニオンが森になっていた。重たい黒土を背負子で担ぎ上げ、『強制労働』と言った自分を思い出しました。その黒土によって生長した森を見て、このために苦労したのかと捉え返すことが出来ました。」「10数年前に足尾の森づくりに参加し、気になっていた。今回参加してものすごい森になっていた。ドングリを拾って育てた。つくることで自然を考えるきっかけになった。」

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 初めて参加した方からは、「木々が育たなかった臼沢で、細い木が落石を止め森が水を蓄えている。森をつくることで良い循環になっていることを感じた。」と感想が述べられました。時折シカの鳴き声が森内に響き、樹皮が食べられ枯れてしまった木も見受けられることから、この森に生きる動物たちの姿も想像することが出来ました。

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 次に、緩斜面の「民集の杜北」に移動しました。2014年から植樹を開始した「民衆の杜北」はまだ幹が細く木々同士が競争しあい生長している森です。虫に食べられた葉や大きな石を転がした跡など、この森でも生き物の姿を想像することが出来ました。コウゾやヤマナラシ、ネムノキなど、植えた樹種以外に活着した樹々もあり、人間が手を加えた森に鳥や風、虫たちなど自然が加勢してくれるとことを観て回りました。自然界のつながりから、私たち人間も生物社会の一員であることを感じ取っていただきました。

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 亜硫酸ガスの排出が止まり植林活動が始まって60年以上経過した今でも草地の広がる松木郷。「糺の森」に入り、岩がむき出しとなったジャンダルム方面を眺め、世界各地で起きている豪雨災害や干ばつ、山火事、日本国内でも台風10号や東北、能登半島豪雨などによる洪水、土砂崩壊によって多くの人々の暮らしと命が奪われていることを考えました。

 「ネイチャークラブ」の皆さんはこれからも「山と心に木を植える」を合言葉に、労働現場である鉄道の線路が流され、駅設備が浸水、強風によって運行がストップするなど、厳しさを増す地球環境の現実に危機感を高め、職場の皆さんと話し合いを行い、利用者の皆さん、働く仲間の皆さんの安全と命を守ることを第一に活動を進めていく決意を新たにされました。

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 今回参加できなった会員の皆さんと一緒に、秋の紅葉、春の新緑を観察にお越しください。

「森の観察」の案内は、加賀さん、済賀さん、みちくさ担当の橋倉さん、山田さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)

2024年10月 6日 (日)

「第8回エコ散歩」で明治神宮100年の森を歩きました!

10月5日(土)はエコ散歩で、明治神宮を歩きました。予報がコロコロ変わった末、初めての雨の中での開催です。私たちにとっては生憎の雨ですが、森の植物たちにとっては慈愛の雨であります。

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参加者を待つ間、傘の上にボトリと落ちてくるものがありました。スダジイの実です。まだ若干早いようですが、この明治神宮の森にも豊穣の秋が訪れてきているようです。

本日の参加者は18名。そして年齢は、、、0歳~7ウンさいという幅の広さです。駅すぐの鳥居の隣りの、常緑の木々の下から散歩をスタートしました。

森の案内は、今回も森びと植生アドバイザーの中村幸人先生です。明治神宮の成り立ちに軽く触れた後は、少し歩いては目の前にある森の特徴について、事細かく解説をしてくださいました。

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話しは多岐にわたり、木々の名前や役割はもちろん、森の空間での住み分けや食物連鎖といった大きな視点での話もあり、話題は尽きません。森の登場人物たちはすべて役割があって、分解をしてお掃除をしたり、森の修復を担うものがあったり、よく見ると複雑な関係性の上で成り立っているのだとか。

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ぽっかりあいた樹冠。木が倒れた跡です。

案内がなければ、この荘厳な森を見て、まだまだ発展途上だということに気づくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

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嬉しかったのは、前回参加してくれた小学2年生の女の子が、お母さんお父さんと、そして新たに3か月になる新しい家族と4人で参加してくれたことです。今回も「森の宝物」を探す「ビンゴゲーム」を楽しんでくれたようですが、雨の中だったのでちょっと見つけるのに苦戦するものもありました。森が大切だということをとてもよく理解していて、お友達と都内で森を守る活動をしているのだそうです。森びとも是非力になりたいですね。

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それにしてもカラスウリをカラスにあげよう!なんて発想、私には思いもつきませんでした。脱帽です。

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今回は原宿駅前の鳥居から北参道に入り、本殿をぐるっと回り、西側の客殿の前で解散というコースとなりました。皆さんの感想を簡単にご紹介します。

・楽しかった!有難うございました。
・森って人間にとって大切なんだなぁと思った。
・中村先生から森の見方を教えていただき、木は人間より凄いものだと感じた。
・森を壊すのは簡単だが、は壊したら戻るまで数百年かかる。森はできるだけ残していかなければならない。
・ウクライナをはじめ今、世界では戦争で自然が破壊されている。この明治神宮のあった場所もそう。日本も過去の戦争で自然が破壊され今も戻らない。人間は何と愚かなのか。自然、平和を守りましょう。

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そして、今回栃木県から参加してくれた森びと・舎人(足尾・松木にある休憩所のスタッフ)の責任者、橋倉さんから、足尾でも「エコ散歩in足尾」を準備しているので、足尾にも来て欲しいと発言がありました。ちょっと遠いですが、ぜひ、足尾にも足を延ばしてみてください。

今回エコ散歩に参加くださった皆様、雨の中でしたが、本当にありがとうございました。

次回の9回エコ散歩は、再び明治神宮の森で12月7日(土)に開催します。東京では秋真っ盛りの時期、たくさんの皆さまのご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒伸也)

2024年10月 4日 (金)

歓迎の想いが、秋雨にもめげずに森作業!

  アパートに帰り熱いシャワーを浴び、生き返った気分でした。その訳は、今日の足尾の天気は小雨が一日中降る生憎な天気でした。そんな中、済賀スタッフと一緒に「森番」の作業で、シャツは汗と雨で濡れてしまったからです。

Dscn2954  今日は、10月6日に見えるJREUのネーチャークラブの皆さんを迎えるための準備作業を行ないました。手始めは、旧ヘリポート広場の草刈りです。

Dscn2958  次には「森びと看板」前の草を刈ります。東日本の各地から臼沢の森や民集の杜を見学しに来る皆さんの足元が、雨露で濡れないようにするためです。

Dscn2960  その次には、9月の「森作業集中日」に刈った「民集の杜・北」の草の整理でした。入口前にあった枯草を軽トラダンプに載せヤシャブシの根元に運びました。午前と午後でやり切れるかと思いましたが、雨が強くなってきて3割程度残しました。

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 昼休みは、秋の足音が聞こえてきているので、記念樹エリアにあるクリの様子を見に行きました。沢山クリの実が落ちていましたので拾い集めました。よく見ると、既に食べられたものも落ちていました。多分、サルに食べられたのかもしれません。

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 足を延ばして「心の園」のコスモスも見てきました。心が洗われる様な可憐な花が沢山咲いていました。秋を迎えて元気になって花も大きくなり、驚くことに済賀スタッフの背を遥かに超える程でした。

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 松木沢の秋は駆け足でやってきています。10月下旬から11月にかけて美しい紅葉を見ることも出来ます。多くの皆さんのおいでをお待ちしています。

       今日の森作業は、済賀、橋倉。(報告・橋倉喜一) 

 

2024年10月 2日 (水)

松木郷にも実りの秋が到来!

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 10月1日(火)、足尾は秋晴れに恵まれ、8時30分の気温は17.5℃とさわやかです。

 今日は大野さんと清水が「森の番人」として森の手入れを行いました。6日(日)にJR東労組のサークル「ネイチャークラブ」が足尾の森の観察に来てくれます。働く者の視点から自然環境の大切を学び、暮らしや鉄道の安全を守る活動を行っている皆さんです。

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 足尾の植樹に参加された組合員もおりますので午前中は生長した森を観察しやすいように「民衆の杜北」の林内で草刈りを終えていない西側奥と通路の草刈りを行いました。

 暑い日と降雨が多い9月でしたので草やツルの伸びも早く、刈払い機の刃に絡みつくため、エンジンを止めてツルを取り除きながら慎重に草刈りを行いました。

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 気温も上がり、糺の森で休憩を取りながら水分補給。ジャンダルム方面を眺めると「古河会」の皆さんが植樹したサクラの葉が紅く色づいていました。彼岸を過ぎて少しずつ秋の装いへと変化しているようです。

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 休憩後は、先週草刈りを行なった通路の刈り残しと、宮脇さん、岸井さんの記念樹周り、柵入口外側の草を刈りました。草刈りを終えて杜の木々を眺めるとコナラが実をつけていました。クリやミズナラ、コナラなど動物たちにとっては貴重なたんぱく源です。

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 昼になり森びと広場に戻ると、カキの実が黄色く色づき、記念樹エリアの栗の木は実をたくさんつけています。イガが割れているものもありますが、地面を見ると実が見当たりません。食べた跡が見受けられるので人間が収穫する前にサルが食べたようです。イガが柔らかいうちに開いて食べるサルの知恵に感心します。

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 午後は「りんねの森」の赤土・湿地エリアの柵周りを覆うチカラシバを刈りました。木々や柵の点検で歩く際にチカラシバの実が衣服に付くと布地の中に入り込み、チクチクしてかゆくなり、実を外すのも容易ではありません。坂になっている場所もあるため足元を確認しながら草を刈りました。

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 果樹園では、イチジクが一個実をつけていました。まだ青く熟すまではもう少し時間がかかるようです。松木郷にも実りの秋が到来しはじめました。

 

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 足尾の荒廃地に小さいながらも多様な生物たちが暮らす森が育っています。世界各地で豪雨や干ばつ、山火事など気候変動による被害が発生し、多くの命が奪われている現実の中で、ネイチャークラブの皆さんと森を歩き、生物社会の一員として「今、何をなすべきか」を考えていきたいと思います。

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 本日の森作業は、大野さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)

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