東京都に「神宮外苑再開発による樹齢100年の樹木伐採に反対する意見書」を提出
本日7月24日、小池百合子・東京都知事に対し、神宮外苑再開発によって樹齢100年の樹木を含む約1,000本の木々が伐採される計画に反対する意見書を提出しました。
意見書の提出には桜井代表、清水副代表、大野運営委員、岩田事務サポーターが参加し、東京都議会・山口拓議員(立憲民主党)、他同党議員に同席をいただきました。
清水副代表から意見書提出の経緯・理由を説明。森びとプロジェクトの桜井勝延代表から東京都の都市づくり政策部土地利用計画課・課長に手渡しました。
桜井代表からは「経済活動をすることの前提は命をしっかり支えること。そこを企業の原点として、都民なりあらゆる地域の人々の命を守ることを前提として活動を進めるべきではないか。地上だけの生物だけではなく、地下の生物の活動が合って私たちの命が保たれているということを事業者の皆さんに理解していただくよう都、都議からも伝えてほしい」と述べ、「東京都は、神宮外苑開発に当たってエコシステムの衰弱・破壊につながる神宮外苑の再開発による樹木の伐採を中止すること。また、電柱を地中化した地上部や都内の廃屋跡地や放棄地、遊休地に木を植え、温室効果ガス吸収源の緑を増やすこと等、都民の森づくり運動を実施すること」を要請しました。
東京都側からは「皆さんの声は都から事業者側に届けていく。伐採を減らすために移植する先を広く探せないか、生かせる木は生かそう。単純に切るのではなく、守れるものは守ろうとやっていきたい。そのために知恵を絞っていく」と返答をいただきました。
神宮外苑再開発を行う三井不動産、伊藤忠商事等の説明では、現在あるラグビー場と神宮球場、第二球場が老朽化したため、第二球場と外苑の森を解体・伐採した跡地に全天候型ラグビー場を建設、ラグビー場跡地に野球場を建設、神宮球場跡地には文化交流施設を整備し緑地面積を増やすとし、高さ180mを超えるホテルや商業ビルも建設されることが計画されています。住民や環境団体からは、「憩いの場が無くなる」「景観が悪くなる」「ビルや野球場の塀により、イチョウ並木が枯れる」など、不安の声が開発事業者や認可する東京都に上げられています。
神宮の森は国費で、外苑の森は広く国民からの献木、献金によって作られたといいます。植樹には全国からボランティアが参加し、多くの先人が後世に生きる私たちに豊かな森を残したいと「希望の森」をつくり育ててきたのだと思います。
現在、神宮外苑の森は都民の「心のふるさと」となり、都会の空気の浄化、現在の地球温暖化に対しては二酸化炭素を吸収し、都民ばかりでなく世界の人々のいのちを守っています。そして、100年の森を育ててきたのは、私たち人間だけではなく、落ち葉を分解し豊かな土をつくり木々に栄養を与えてくれる土の中の生き物たちであり、樹木の伐採は100年以上、地面の下で森を支えた生物の命を奪うことでもあります。人類生存の危機に陥れないためには、即、二酸化炭素排出削減を野心的に実行し、温室効果ガスの吸収源である森を守り育てなければなりません。
神宮外苑の再開発は森の生態系を壊し、人類の生存を脅かす地球温暖化にアクセルを踏むものです。都市づくり戦略は樹木の伐採ではなく、二酸化炭素吸収源の緑を増やし、森の多機能が発揮される森の中での生活環境づくりです。持続可能な生存があっての人間活動が「都民ファースト」ではないかと思います。
(報告 清水 卓)
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