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2025年10月29日 (水)

“森の番人”から“次世代”へ、秋から冬に向けた森作業の手ほどき

 10月28日(火)、足尾「松木郷」は晴れ、8時30分の気温は9度。日中も気温は上がらず、肌寒い1日となりました。

 

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 今日の森作業集中日には12名のスタッフが参加しました。朝のミーティングで作業分担を行い、4班に分かれ作業を行いました。

 1班は永島さん、武田さん、筆者で、11月3日に開催する中倉山のブナの根の保護に使用する黒土の袋詰め。2班は済賀さん、坂口さん、田口さんで、民集の杜東の苔の上に積もった落ち葉さらい。3班は鎌田さん、大野さん、本間さん、田城さんで、森びと広場南側の獣害柵の撤去と草刈り。4班は、加賀さんと深津さんで、26日に栃木県北部を震源とする地震があり、足尾町が震度4を観測されたため、落石が心配される臼沢西の森の獣害柵点検を行うことにしました。

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  1班は、乾燥させた黒土3リットルを計量カップで測り袋詰めしました。ブナ保護活動参加者に協力をいただき、中倉山山頂に運び草の種が入った植生袋に入れて荒廃地に張り付け、根と土砂流出を抑えます。76袋作ることが出来ました。

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 2班は、済賀さんが持参したドライヤーを大きくしたようなブロアーで落ち葉を風で飛ばし、熊手で木の根の周りにあつめました。

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 林床には「冬の花わらび」が花を咲かせていました。モミジは夏の暑さで葉が萎れ、新しく出た葉のためかまだ緑です。冷え込みが続けば紅く色づいてくるでしょう。

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 3班は、手際良く獣害柵を外し、支柱の単管と分けて保管しました。柵の中で伸びた草を鎌田さんが刈払い機で刈ってくれました。

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 「臼沢西の森」の落石確認に向かった4班の加賀さんと深津さんが広場に戻り、報告を聞くと上部の柵が落石で傾いているようです。

 黒土の袋詰めを終えた永島さんと筆者が応援に入り「臼沢西の森」に向かいました。支柱の単管と獣害柵4枚を担ぎ上げ、現地に着くと大きな石が柵に食い込み、支柱の単管が大きく傾いていました。

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 柵を戻すことが出来ないと判断し、加賀さんに指示をもらいながら、外側に支柱を立て、柵を4枚取り付けることにしました。落石が積もり支柱を立てるのも容易ではなく、柵も下側に隙間ができるので石をどかしながら取り付けました。元の柵はロープで支柱を引っ張り内外2重の柵にしました。

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 12時を過ぎ、各班からトランシーバーで作業に区切りをつけ昼食にする連絡が入りましたが、下山してまた登るのも大変なので、獣害柵の修繕を終わらせて下山しました。

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 昼食後は、経年劣化で屋根に穴の開いたビニールハウスの修繕と獣害柵を外した森びと広場の桜にシカの食害防止用幹ガードを取り付ける作業を行いました。

 資材置場用に使用している西側のビニールハウスは屋根に亀裂が入り、幅190㎝のビニールで穴が隠れるように貼り付けました。スタッフはビニールハウスの修繕が初めてのようで、波状の針金でビニールを固定している説明をしてから作業に入りました。

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 東側のビニールハウスは中倉山のブナ保護用の土を乾燥しており、以前破れた際にブルーシートで応急処置をしました。こちらも劣化し所々雨漏りして乾燥した黒土が湿ってしまいました。こちらは、ブルーシートの内側と柱の隙間に修繕用のビニールを挟み込み雨が入り込まないようにしました。

 修繕後は、来年4月29日のブナ保護に向けて黒土の乾燥準備をしました。

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 広場の南側を囲んでいた獣害柵を外したことで解放感が感じられるようになりました。樹木は表皮を一周食べられてしまうと水を吸い上げられなくなり枯れてしまいます。シカの往来も自由になったので表皮を食べられないよう幹ガードを取り付けました。

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 サクラやヤマボウシは紅く、トチノキやブナ、カツラは黄に色づいています。11月3日は中倉山のブナを元気にする恩送りです。山頂から見下ろす「松木郷」の紅葉が楽しみです。

 

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2023113【2023年11月3日 中倉山山頂から眺めた「松木郷」の紅葉の様子】

 シニア1期の“森の番人”から“次世代新人スタッフ”へ森作業の手ほどきを受け、冬への備えと地震による落石被害への臨時対応など、森の手入れを学ぶ機会となった1日でした。

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 本日の森作業は、“森の番人”鎌田さん、本間さん、大野さん、加賀さん。“次世代スタッフ”済賀さん、武田さん、坂口さん、田城さん、田口さん、永島さん、深津さん、筆者・清水でした。

(報告 清水 卓)

 

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