連日の猛暑日によって多くの方々が病院に搬送され、犠牲者もでています。猛暑と向き合う私たちの健康管理には、自然との付き合い方や身体の構造をつかんでおかないといけない気がします。そんなことを考えさせられた昨日の国指定重要無形民俗文化財・「相馬野馬追」でした。
鎮魂の森・森の防潮堤づくり応援でお世話になっている南相馬市役所から「相馬野馬追」の招待を受け、筆者と当会顧問の伊野雅晴さん、山崎誠さんの三人が馬と生きる伝統の祭りを観てきました。
8時半に市役所に集合。9時頃になると桜井市長が市役所前の広場に騎馬に乗って登場、招待者を迎えてくれました。
市役所からバスで町へ移動。朝9時30分~昼頃までは450騎馬隊が約3㎞の街道を「お行列」しました。
行列では、相馬総隊長をはじめ、中ノ郷騎馬隊→小高郷騎馬隊→標葉郷騎馬隊→北郷騎馬隊→宇多郷騎馬隊の順で本陣を目指していきました。
児童や子供そして女性も騎馬と一体となっていたことに感動しました。
また、馬の中には寒立馬に似た馬も騎馬として行列していた様子を見て、その馬と人との一体感は騎馬隊の中でも圧巻でした。この行列に隊をなしている皆さんの一部には、フクシマ原発事故で避難生活を強いられている方もいましたが、その行列にも郷の伝統を守り抜くしっかりとした顔つきがうかがえました。
その後は祭り会場へバスで移動。雲雀ヶ原祭場では、甲胄競馬が始まり、男女の若者たちが馬と呼吸を合わせて、炎天下の中で、一周1200mのコースを走り抜けて観衆を魅了させていました。
そして13時を過ぎると、満を持していた騎馬武者たちがそわそわとしだし、馬もその息を感じて興奮している様子になってきました。
いよいよ祭りが最高の盛り上がりを見せる「神旗争奪戦」の始まり。花火が打ち上げられると、日本の御神旗が舞い降り、それをめがけて騎馬武者たちが奪いあいます。
神旗を奪った騎馬武者の姿を見ると、邪心のない無垢な若者に感動させられました。
初めて「相馬野馬追」を見させていただいて、馬と一緒に暮らして培ってきた自然との向き合いが多くの観衆の心をつかんでいるのではないか、と思いました。
自然からかい離して生きていけない私たちの暮らし。この暮らしの中から育まれた暮らしの知恵が脈々と次世代へ引き継がれていることが感じられた「相馬野馬追」でした。
南相馬市市長・桜井さん、市民生活部次長・佐藤さん、市役所の職員の皆さん、ありがとうございました。(理事 高橋佳夫)
最近のコメント